文理学部シラバスTOP > 文理学部 > 総合 II 群 > ゲノム改変と私たちの生活
日本大学ロゴ

ゲノム改変と私たちの生活

このページを印刷する

令和2年度以降入学者 ゲノム改変と私たちの生活
令和元年度以前入学者 情報と生命
教員名 田部井 豊
単位数    2 学年 1~4 開講区分 文理学部
科目群 総合教育科目
学期 後期 履修区分 選択
授業形態 対面授業
授業の形態 対面授業
Canvas LMSコースID・コース名称 211452A27 2024ゲノム改変と私たちの生活(未定(生命)・後・日1)
授業概要 近年、生命の設計図ともいえるゲノム情報の解析が様々な生物で急速に進んでいる。また、1980年代からは遺伝子組換え技術が医薬や農業分野で利用されるようになり、最近ではゲノムを狙い通りに改変するゲノム編集技術も目覚ましい発展を遂げている。一方、医薬や農業分野においても遺伝資源の重要性が一層高まっており、同時には世界的な遺伝資源の保護とその取扱いルールが定められている。
 本講義では、様々な生物種における遺伝資源の重要性や保護、利用について紹介するとともに、世界的な取扱いルールについて説明する。次いで、ゲノムとは何か、どのような方法でゲノムを改変するのか、どうしてゲノム改変技術がこれほど期待されているのか等、ゲノム改変技術の基礎的なことを紹介する。また、ゲノム情報の解明とゲノム改変技術の進歩は、食糧生産において重要なものとなっていることから、遺伝子組換え技術やゲノム編集技術を応用して開発されている食品にはどのようなものがあるのかや、その安全性、規制の考え方、社会的受容、将来展望について紹介する。
授業のねらい・到達目標 <知識>
・ 遺伝資源の果たす役割とその重要性について理解し、説明できるようにする。
・新しい農林水産物の開発(品種改良)が必要な背景を理解し、説明できるようになる。
・ ゲノムやゲノム改変を行う技術(「遺伝子組換え」と「ゲノム編集」)について十分に理解し、両者の違い及び従来の品種改良法との類似点や相違点について説明できるようになる。
・ ゲノム情報がもたらす農業分野や医療分野などにおける変革やその意義、課題について、事実情報・客観的な情報を基に、科学的・論理的・批判的に考察できるようになる。
・ ゲノム改変された作物の安全性評価の考え方について十分理解し、科学的に安全性を判断できるようになる。
<能力>
この科目は文理学部生命科学科(学士(理学))のディプロマポリシーDP3, 4, 5およびカリキュラムポリシーCP3,
4, 5に対応している。
・物事を論理的に説明することができる。(DP3-1)
・日常生活における現象に潜む科学的問題を見出すことができる。(DP4-1)
・与えられた問題に取り組む気持ちを持つことができる。(DP5-1)
各回の授業・事前学習・事後学習を通して、日本大学教育憲章にある以下の能力を身につけることを目標とする。
・A-3(DP3・CP3):論理的・批判的思考力
・A-4(DP4・CP4):問題発見・解決力
・A-5(DP5・CP5):挑戦力
授業の形式 講義
授業の方法 ・ 液晶プロジェクターを用いたスライド映写による対面授業形式で行う。Canvas LMSを通じて、事前に資料を配布する。
・ 試験および課題へのフィードバックは、基本的に翌週に行う。
・ 質問は、授業終了時に受け付ける。
・ 授業に出席できないときは、Canvas LMSを通じて教員に連絡すること。個別に対応する。
履修条件 CHIPSによる抽選を行う。
授業計画
1 『ガイダンス及び生物学上の研究の歴史』
ガイダンスと、生物学史上の著名な発見を紹介し、DNA、遺伝子、ゲノム等について学ぶ。
【事前学習】シラバスを事前に確認する。生物学史上の重要な発見と思うものを3つあげて、それについて説明できるようにしておく。(A-4-1) (2時間)
【事後学習】配布教材の内容を説明できるようにする。(A-3-1) (2時間)
【担当教員】田部井豊
【授業形態】対面授業
2 『遺伝資源~その保存・活用と生物多様性保全の取組み』
在来品種や野生種などの遺伝資源の価値と、それを将来に残すための収集・保存・活用の方策、遺伝資源を含む生物多様性を保全する条約等の国際的な取組みについて学ぶ。
【事前学習】配布資料を事前に確認し、疑問点を調べておくこと。(A-4-1) (2時間)
【事後学習】配布教材の内容を説明できるようにする。(A-3-1) (2時間)
【担当教員】河本夏夫
【授業形態】対面授業
3 『育種~歴史と作物改良の必要性~』
品種改良の歴史について、主要な作物の開発の歴史や作物生産上の問題について学ぶ。個々の育種技術については第6回以降の講義で詳しく説明する。
【事前学習】配布資料を事前に確認し、疑問点を調べておくこと。(A-4-1) (2時間)
【事後学習】配布教材の内容を説明できるようにする。(A-3-1) (2時間)
【担当教員】田部井豊
【授業形態】対面授業
4 『動物と昆虫の育種~動物と人間の関り、家畜化から品種改良まで』
昆虫を含む動物が人間の生活で利用されていることを踏まえて、動物を野生種から家畜化し、さらに育種によって様々な品種を作り出してきた事例を通じて、育種の重要性を学ぶ。
【事前学習】配布資料を事前に確認し、疑問点を調べておくこと。(A-4-1) (2時間)
【事後学習】配布教材の内容を説明できるようにする。(A-3-1) (2時間)
【担当教員】河本夏夫
【授業形態】対面授業
5 『動物と昆虫の遺伝子組換えとゲノム編集~技術の基礎と応用事例』
動物と昆虫の遺伝子組換えとゲノム編集の技術の概要について理解したうえで、農業目的や生態系保全、保健衛生のために環境中や農業現場で利用されている事例やそのための研究開発の状況について学ぶ。
【事前学習】配布資料を事前に確認し、疑問点を調べておくこと。(A-4-1) (2時間)
【事後学習】配布教材の内容を説明できるようにする。(A-3-1) (2時間)
【担当教員】河本夏夫
【授業形態】対面授業
6 『育種~作物改良の方法:交雑育種と突然変異育種』
作物の品種改良の基本となる交雑育種と変異拡大技術として、放射線や化学物質を用いた変異拡大技術について学ぶ。果樹等の栄養繁殖性作物についても紹介する。
【事前学習】配布資料を事前に確認し、疑問点を調べておくこと。(A-4-1) (2時間)
【事後学習】配布教材の内容を説明できるようにする。(A-3-1) (2時間)
【担当教員】田部井豊
【授業形態】対面授業
7 『育種~作物改良の方法:細胞融合、遺伝子組換え技術とゲノム編集技術』
品種改良の新しい技術として、細胞融合や遺伝子組換え技術、ゲノム編集技術について、その基本的な原理や操作について学ぶ。
【事前学習】配布資料を事前に確認し、疑問点を調べておくこと。(A-4-1) (2時間)
【事後学習】配布教材の内容を説明できるようにする。(A-3-1) (2時間)
【担当教員】田部井豊
【授業形態】対面授業
8 『植物の遺伝子組換え技術と開発の必要性と開発された作物の特徴~除草剤耐性作物と害虫抵抗性作物』
遺伝子組換え作物の中で、最も広く利用されている除草剤耐性と害虫抵抗性作物について、その開発の必要性と圃場における効果、および経済的な効果について学ぶ。
【事前学習】シラバスを
【事前学習】配布資料を事前に確認し、疑問点を調べておくこと。(A-4-1) (2時間)
【事後学習】配布教材の内容を説明できるようにする。(A-3-1) (2時間)
【担当教員】田部井豊
【授業形態】対面授業
9 『植物の遺伝子組換え技術と開発の必要性と開発された作物の特徴~病害抵抗性作物と機能性作物』
ウイルス抵抗性パパイアの開発の必要性と、食べるだけでスギ花粉症治療効果や血圧降下を促す組換えイネについて紹介する。
【事前学習】配布資料を事前に確認し、疑問点を調べておくこと。(A-4-1) (2時間)
【事後学習】配布教材の内容を説明できるようにする。(A-3-1) (2時間)
【担当教員】田部井豊
【授業形態】対面授業
10 『遺伝子組換えとゲノム編集の規制の国際的取り組み~条約や国際機関における取組み』
遺伝子組換えやゲノム編集を含むバイオテクノロジーで作られた農作物や食品を安全に利用しつつ、国際的な取引を円滑に行うために、安全性評価や法的規制を国際的に調和させるための条約や機関の取り組みについて学ぶ。
【事前学習】配布資料を事前に確認し、疑問点を調べておくこと。(A-4-1) (2時間)
【事後学習】配布教材の内容を説明できるようにする。(A-3-1) (2時間)
【担当教員】河本夏夫
【授業形態】対面授業
11 『植物のゲノム編集技術と研究開発されている作物』
商業利用されているGABAトマトの紹介や開発が期待される自然毒(ソラニンやチャコニン)を低減したジャガイモの開発例などを紹介する。
【事前学習】配布資料を事前に確認し、疑問点を調べておくこと。(A-4-1) (2時間)
【事後学習】配布教材の内容を説明できるようにする。(A-3-1) (2時間)
【担当教員】田部井豊
【授業形態】対面授業
12 『遺伝子組換えとゲノム編集の規制の国内規制と表示について』
第10回講義で紹介する「遺伝子組換えとゲノム編集の規制の国際的取り組み」をうけた日本国内の規制として「カルタヘナ法」に基づく生物多様性影響評価の考え方や実際の評価について紹介する
【事前学習】配布資料を事前に確認し、疑問点を調べておくこと。(A-4-1) (2時間)
【事後学習】配布教材の内容を説明できるようにする。(A-3-1) (2時間)
【担当教員】田部井豊
【授業形態】対面授業
13 『遺伝子組換えとゲノム編集の食品としての安全性確保と表示について』
第10回講義で紹介する「遺伝子組換えとゲノム編集の規制の国際的取り組み」をうけて、「食品衛生法」に基づく遺伝子組換え食品やゲノム編集食品の安全性評価の考え方や実際の評価について紹介する。
【事前学習】配布資料を事前に確認し、疑問点を調べておくこと。(A-4-1) (2時間)
【事後学習】配布教材の内容を説明できるようにする。(A-3-1) (2時間)
【担当教員】配布教材の内容を説明できるようにする。
【授業形態】対面授業
14 『まとめと期末試験(配布資料閲覧可能)』
 本講義内容のテストを実施し、これまで学んだ内容についての理解度を確認する。
【事前学習】これまでに学んだ内容を復習して、十分に理解し説明できるようにしておく。(A-3-1) (2時間)
【事後学習】テストで回答できなかった問題について再確認しておくこと。(A-3-1) (2時間)
【担当教員】田部井豊
【授業形態】対面授業
15 『テストの解答と説明、ディスカッションと発表』
前回テストの回答と説明を行う。さらに、遺伝子組換え技術やゲノム編集技術を用いた製品が世の中に受け入れられる為にはどのような課題があるのか、どのような取り組みを行えばよいと思うかをテーマに、グループディスカッション・発表を行う。(A-5)
【事前学習】ディスカッションの課題は、「ゲノム編集生物の安全性に関する認知ギャップ解消のための方策」とし、自分なりの考えをまとめておき、当日、グループメンバーと意見交換を行うこと。また、本講義を受講する前に自分がゲノム改変に対して抱いていたイメージが変化したか、変化したとすればどのように変化したのかについても考えをまとめておく。(A-4-1) (2時間)
【事後学習】ディスカッションを通して新たな発見があった内容についてまとめる。(A-3-1) (2時間)
【担当教員】田部井豊
【授業形態】同時双方向型授業
その他
教科書 使用しない
参考書 使用しない
成績評価の方法及び基準 試験(100%)
オフィスアワー オフィスアワーは設けないが、質問のある学生は事前に連絡してもらえれば、個別に回答する時間を設ける。

このページのトップ