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電子化学特論

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令和4年度以降入学者 電子化学特論
教員名 坂口喜生
単位数    2 課程     開講区分 文理学部
科目群 相関理化学専攻
学期 前期 履修区分 選択必修
授業形態 対面授業
授業の形態 Power Point資料及び講義要旨による授業.
感染症が蔓延した場合はZoomを用いたオンライン講義も考慮する.
Blackboard ID 20231939
授業概要 化学物性・反応と軌道の関係を理解する
授業のねらい・到達目標 原子軌道、分子軌道、スピン状態、など分子軌道法の概念を理解する。それを基礎として、軌道の形(対称性)だけで、詳細な数値によらずにその物性や反応性が見て取れることを理解することができる。
授業の形式 講義
授業の方法 授業は教室における対面授業とし、授業当日要旨配布する。出席確認を兼ねて、授業最後に小テストを行う。
履修条件 量子力学についての簡単な知識があると便利です。
授業計画
1 量子力学の基本概念と原子の軌道
【事前学習】シラバスを事前に確認する。 (2時間)
【事後学習】古典的な「波の物理(合成、干渉など)」を復習する。 (2時間)
【授業形態】対面授業
2 共有結合とスピン状態
【事前学習】電子の持つ「スピン」という性質を概観しておく。 (2時間)
【事後学習】xとyの二変数からなる関数で、xとyを入れ替えると、x-yのように値が正負反転する他の例を考える。 (2時間)
【授業形態】対面授業
3 軌道間相互作用と分子軌道
【事前学習】等核二原子分子と非等核二原子分子をそれぞれ数例考えておく。 (2時間)
【事後学習】非等核二原子分子の結合を強くする機構を考える。 (2時間)
【授業形態】対面授業
4 イオン結合と共有結合(軌道のエネルギー、摂動法)
【事前学習】塩化ナトリウムは高温ではNaCl分子になるが、これはその結晶状態とどう違うのか考察する。 (2時間)
【事後学習】クーロン積分、共鳴積分、重なり積分の意味を復習する。 (2時間)
【授業形態】対面授業
5 分子の形と光吸収スペクトル
【事前学習】分子の形や結合距離が変化した場合、クーロン積分、共鳴積分、重なり積分はどのように変化するか考察する。 (2時間)
【事後学習】共有結合とイオン結合による分子構造の決まり方を復習する。 (2時間)
【授業形態】対面授業
6 対称性入門1
【事前学習】酸素分子(O2)とオゾン分子(O3)の物性を調べる。 (2時間)
【事後学習】アンモニア分子中の水素を重水素に置換(NH2D)したら、対称操作はどう変化するか検討する。2つ置換した場合はどうなるか。 (2時間)
【授業形態】対面授業
7 対称性入門2
【事前学習】オゾン分子(O3)にはどのような対称操作があるか考える。 (2時間)
【事後学習】反転対称性を持つ分子にはどのようなものがあるか、異なる形状を持つものを三例以上考える。 (2時間)
【授業形態】対面授業
8 対称性入門3 光吸収の選択律とスペクトル
【事前学習】光吸収を示す典型的な物質を3種類以上考えてみよう。 (2時間)
【事後学習】光吸収に「禁制」が現れる理由と、それが破れる理由を復習する。 (2時間)
【授業形態】対面授業
9 光化学反応と復習
【事前学習】分子が光を吸収した場合どのようなことが起こり得るか、3種類考える。 (2時間)
【事後学習】レジュメに示したホルムアルデヒドの各軌道について、それぞれどの原子間が結合的、反結合的であるかを確認する。 (2時間)
【授業形態】対面授業
10 電気伝導 (tight binding approximation)
【事前学習】金属以外に電気が流れる物質として黒鉛があるが、同じ炭素の同素体であるダイヤモンドは優れた絶縁体である。それぞれの構造を調べ、差を考察する。 (2時間)
【事後学習】バンド理論における、金属、半導体、絶縁体の差異について復習する。 (2時間)
【授業形態】対面授業
11 電気伝導2 (free electron gas approximation)
【事前学習】真空管(2極管、3極管)の機能について調べる。 (2時間)
【事後学習】強束縛モデルと自由電子モデルから現れるバンド構造の差について復習する。 (2時間)
【授業形態】対面授業
12 マクロに見た電気伝導及び磁性
【事前学習】金属は一般に電気を流すが、磁性を持つものは少ない。鉄、コバルト、ニッケル以外に磁石になり得る金属元素を調べる。 (2時間)
【事後学習】反磁性、常磁性、強磁性、反強磁性、硬磁性、軟磁性などの磁性に関わる用語をしっかり区別できるよう復習する。 (2時間)
【授業形態】対面授業
13 磁性:多数スピン
【事前学習】パウリの原理により、1分子には1つ以上のスピンを残すのは極めて困難である。この制限を回避する方法を考察する。 (2時間)
【事後学習】講義で示した回避法と対称性の関連を復習する。 (2時間)
【授業形態】対面授業
14 磁性:強磁性相互作用
【事前学習】磁石に引き寄せられる砂鉄を単に塊にしても、磁石とは言い難い。鉄はどのような操作で磁石になるかを調べる。 (2時間)
【事後学習】分子を磁石に変える微妙かつ複雑な機構を理解できるよう復習する。 (2時間)
【授業形態】対面授業
15 まとめ・スピン化学(または進度調整)
【事前学習】第14回までの講義内容を理解し消化しておく。 (2時間)
【事後学習】⾃分の解答と正解を照らし合わせ、理解不⾜だった部分を復習する。 (2時間)
【授業形態】対面授業
その他
教科書 授業毎のレジュメを配布します
参考書 坂口喜生 『スピン化学 (化学サポートシリーズ)』 裳華房 2005年 第1版
必須ではありません。随時、授業中に推薦します
成績評価の方法及び基準 試験(60%)、授業内テスト(40%)
学会・課外授業等での欠席をレポート等で補っていただく場合もあります。
オフィスアワー 講義終了後の教室にてお願いします。遠隔授業の場合はメールを利用してください。
備考 物理化学の基礎である、元素、原子軌道、化学結合、金属、磁性体、などの概念をざっと理解していると理解が容易になると思います。

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