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家族心理学特論

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令和2年度以降入学者 家族心理学特論
教員名 野末武義
単位数    2 課程     開講区分 文理学部
科目群 心理学専攻
学期 前期 履修区分 選択必修
授業形態 対面授業
Blackboard ID 20231856
授業概要 家族心理学・家族療法・カップルセラピーに関する知見や理論の中から、現代の夫婦・親子・家族の問題を理解し支援する上で重要なテーマを取り上げ、講師自身の家族療法・カップルセラピーの経験も交えて解説する。また、そうした知見や理論が実際の臨床実践の中で具体的にどのように取り入れられているかを学ぶために、マスターセラピストによる治療セッションのビデオを視聴する。さらに、1対1の個人療法と複数の家族メンバーによる夫婦・家族合同面接はどのように異なるのか、セラピストはどのようなジレンマを体験するのか等についても、ワークを通して体験的に学ぶ。
授業のねらい・到達目標 心理臨床実践において、クライエントの家族関係や問題を理解することに役立つような、 家族心理学的・家族療法的な理解と方法を身につける。臨床事例を理解する際に、個々の家族メンバーの心理的世界、家族メンバー間の相互影響関係、家族の歴史的プロセス、さらには家族を取り巻くより大きな社会システムなど、多角的かつ統合的に理解することを習得する。個人心理療法とシステミックな家族療法・カップルセラピーの違いと共通点について説明することが出来る。
授業の形式 講義
授業の方法 家族心理学・家族療法・カップルセラピーに関する知見や理論について、臨床事例も踏まえて解説する。また、コメントペーパーに寄せられた質問について、次の授業の最初に取り上げて解説する。
対面授業に参加できない場合、Zoomで参加し、Blackboardに配信する課題を提出する。
授業計画
1 現代社会における家族の問題:心理臨床における家族の位置づけと援助の歴史
【事前学習】児童虐待やDVなど、現代社会の中で心理専門職が関わっている問題についてまとめておく。 (2時間)
【事後学習】授業で取り上げた問題について、教科書の該当部分を読んでおく。 (2時間)
【授業形態】対面授業
2 システムとしての家族と家族療法・カップルセラピー
【事前学習】一般システム論の基本的な概念について調べておく。 (2時間)
【事後学習】システミックな思考によって臨床実践がどのように変わるかをまとめる。 (2時間)
【授業形態】対面授業
3 家族のライフサイクルと危機
【事前学習】家族ライフサイクル、夫婦のライフサイクルにおける発達課題と危機についてまとめる。 (2時間)
【事後学習】発達的危機と状況的危機の違いと具体例についてまとめる。 (2時間)
【授業形態】対面授業
4 家族の歴史的プロセス(Bowen,M.の家族システム理論)
【事前学習】家族システム理論について、基本的な考え方を調べておく。 (2時間)
【事後学習】自己分化、三角関係、情緒的遮断、多世代伝達過程についてまとめる。 (2時間)
【授業形態】対面授業
5 家族の歴史的プロセス(Boszormenyi-Nagy, I.の文脈療法)
【事前学習】文脈療法について、基本的な考え方を調べておく。 (2時間)
【事後学習】忠誠心、公平性、破壊的権利付与、親役割代行についてまとめる。 (2時間)
【授業形態】対面授業
6 現代における夫婦・カップルの問題
【事前学習】不妊、離婚、ステップファミリー等、現代の夫婦・カップルが直面している問題についてまとめる。 (2時間)
【事後学習】夫婦・カップルの問題をシステミックに理解するポイントについてまとめる。 (2時間)
【授業形態】対面授業
7 夫婦・カップル関係の理解と介入:個人の心理的問題
【事前学習】親密さへの恐怖について調べまとめる。 (2時間)
【事後学習】自分自身が持っている親密さへの恐怖についてまとめる。 (2時間)
【授業形態】対面授業
8 夫婦・カップル関係の理解と介入:悪循環とパターン
【事前学習】カップルダンスについて調べまとめる。 (2時間)
【事後学習】カップルダンスにおける自分自身の要因についてまとめる。 (2時間)
【授業形態】対面授業
9 夫婦・家族関係におけるジェンダーの問題
【事前学習】心理療法におけるジェンダーの問題についてまとめる。 (2時間)
【事後学習】アプリオリな転移とアプリオリな逆転移についてまとめる。 (2時間)
【授業形態】対面授業
10 Domestic Violence(Intimate Partner Violence)
【事前学習】日本におけるDVの実態について、公表されている統計データを調べておく。 (2時間)
【事後学習】関係性から見たDVの類型についてまとめる。 (2時間)
【授業形態】対面授業
11 夫・父親をどのように理解し支援するか
【事前学習】夫・父親に対する自分自身の感情や態度についてまとめる。 (2時間)
【事後学習】夫・父親に対する自分自身の偏見やバイアスについてまとめる。 (2時間)
【授業形態】対面授業
12 応答構成トレーニング:夫婦・家族合同面接におけるセラピストの介入とバイアス
【事前学習】心理職としての自己課題をまとめておく。 (2時間)
【事後学習】応答構成のグループワークを通して、自分自身の傾向やバイアスについて気づいたことをまとめる。 (2時間)
【授業形態】対面授業
13 夫婦・家族合同面接におけるセラピストの基本的な態度と技法
【事前学習】ジョイニング、多方向への肩入れ、リフレーミングについて調べておく。 (2時間)
【事後学習】個人療法におけるセラピストの基本的態度との違いをまとめる。 (2時間)
【授業形態】対面授業
14 DVD視聴:合同家族面接の実際
【事前学習】文脈療法の基本的概念について復習しておく。 (2時間)
【事後学習】DVDを観て理解できたことと疑問に思ったことをまとめる。 (2時間)
【授業形態】対面授業
15 個人療法と家族療法の統合
【事前学習】個人面接と合同面接の違いについてまとめる。 (2時間)
【事後学習】個人面接と合同面接それぞれのメリットとデメリットについてまとめる。 (2時間)
【授業形態】対面授業
その他
教科書 中釜洋子・野末武義・布柴靖枝・無藤清子 『家族心理学ー家族システムの発達と臨床的援助 第2版』 有斐閣ブックス 2019年 第2版
野末武義 『夫婦・カップルのためのアサーション』 金子書房 2015年
参考書 団士郎 『家族の練習問題』 ホンブロック 2006年
参考文献リストを配布する。
成績評価の方法及び基準 レポート:課題と内容を見て評価します。提出期限を過ぎた場合、減点します。(50%)、授業参画度:毎回のリアクションペーパーで評価します。(50%)
対面授業に参加できなかった場合、Zoomで参加しBlackboardに配信する課題を提出すること。
オフィスアワー メールやBlackboardを用いて質問を受け付けます。

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