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社会学原理基礎演習

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令和２年度以降入学者 社会学原理基礎演習
教員名 松岡雅裕
単位数    1 課程     開講区分 文理学部
科目群 社会学専攻
学期 後期 履修区分 選択必修
授業形態 対面授業
授業の形態 対面授業（諸般の理由により、Blackboardを補助的に活用する場合があります）
授業概要 大学院生のための社会学概論を教授する。社会学の「制度的アプローチ」に則り、私たちの日常社会生活の具体的な営みを考察すると、それらが何らかの集合状態のなかで、かつ何らかの構造的メカニズムを伴いながら生起していることに気づく。この事実を踏まえ、集団・組織論と社会構造・変動論の視点を本授業の出発点に据える。つまり、人々が集合することによって生じる、一個人の行為には還元できない集団・組織が持つ独自の力学（集合的創発性）、そしてちょうど敷かれたレールのように人々の行為を運んでいく社会の構造的な仕組みとその問題点についての考察である。具体的には、身近な家族集団、友人仲間集団、学校組織、企業組織等々に関する集団・組織論的分析、また、マクロな大衆社会に代表される未組織集団の考察、さらには、今日の格差社会の問題にもつながる社会階層・階級論的な考察等、社会における制度的領域のミクロからマクロに至る一般的包括的な社会学的分析を学ぶ。
授業のねらい・到達目標 社会学の「一般的包括的な内容を含む」社会学概論とは、社会学が今日到達している学的成果を、特定の内容・領域に偏らず網羅するものであるとの認識がある。前学期の授業では、社会学独自の研究方法や視点、そして社会学が多用する概念（行為、価値、役割、逸脱等々）の解説をまず授業の主だったテーマとする「理念的アプローチ」を採用した。一方、後学期の授業では、社会の主だった制度領域、例えば「家族」「学校」「都市」等々の現況を解説する「制度的アプローチ」を採用する。当授業では、まず、「理念的アプローチ」による、社会学的視点と発想、および社会学の重要概念の理解を基礎にしつつ、その基礎力でもって、社会の各制度領域の一般的包括的な解明に向かうことができるようになることを到達目標とする。
授業の形式 演習
授業の方法 演習と講義形式を織り交ぜながら授業を進める。授業内容に則した教科書を使用するので、必ず教科書を入手するように。
諸般の理由により、Blackboardを利用して補助的授業資料を配信する場合がある。
授業内で課題レポート等に対するフィードバックを行う。
授業計画
1 ガイダンス（行為の集合的創発性と社会の構造について）
【事前学習】シラバスを事前に確認し、授業全体の流れを理解する。 （1時間）
【事後学習】第2回以降の授業に備え、行為理論の概要を復習しておくこと。 （1時間）
【授業形態】対面授業
2 集合現象の三状態と集団類型論（日常社会生活の様々な位相について考える）
【事前学習】教科書のpp40-44を熟読し、日常生活に即しつつ、その集合状態を理解する。 （2時間）
【事後学習】集合現象の三状態と集団類型論の考え方を整理する。 （2時間）
【授業形態】対面授業
3 実証的小集団論の世界（工場勤務の公式性と非公式性）
【事前学習】教科書のpp44-49を熟読し、集団研究の実証性について理解する。 （2時間）
【事後学習】小集団研究の概要を整理する。 （2時間）
【授業形態】対面授業
4 集団研究の諸命題（社会関係を左右する諸要因：コミュニケーション、リーダーシップ等）
【事前学習】教科書のpp49-54を熟読し、興味ある命題を発見する。 （2時間）
【事後学習】集団研究の諸命題を整理する。 （2時間）
【授業形態】対面授業
5 M.ヴェーバーの近代官僚制組織理論（社会生活を浸食する官僚制的弊害を考える）
【事前学習】教科書のpp54-58を熟読し、支配の三類型を理解する。 （2時間）
【事後学習】官僚制の弊害と問題点を整理する。 （2時間）
【授業形態】対面授業
6 現代の官僚制組織理論（法治国家の現状と未来）
【事前学習】教科書のpp58-63を熟読し、同時に、支配の社会学、計算可能性の概念を復習する。 （2時間）
【事後学習】近代官僚制理論に関する現代的展開の諸相を整理する。 （2時間）
【授業形態】対面授業
7 近代組織理論と意思決定の科学（経営者の役割と戦略）
【事前学習】教科書のpp63-69を熟読し、社会学的組織論の系譜を理解する。 （2時間）
【事後学習】バーナード＝サイモン理論を整理する。 （2時間）
【授業形態】対面授業
8 大衆社会の病理（中間集団無力説と過剰同調説から考える現代人の生き方）
【事前学習】教科書のpp69-74を熟読し、群集、公衆、大衆の概念を理解する。 （2時間）
【事後学習】大衆社会論の二類型を整理する。 （2時間）
【授業形態】対面授業
9 集合行動論と社会運動の可能性（社会を変化させうる民衆の力と無関心さの狭間で）
【事前学習】教科書のpp74-78を熟読し、今日の社会運動の事例について調べてみる。 （2時間）
【事後学習】スメルサーの集合行動論を整理する。 （2時間）
【授業形態】対面授業
10 社会階層論の基礎（機会の公平さと格差の誕生）
【事前学習】教科書のpp114-119を熟読し、社会的資源という概念を理解する。 （2時間）
【事後学習】社会階層の概念を整理する。 （2時間）
【授業形態】対面授業
11 産業化と脱工業化（階層変動に見るエリート社会の到来）
【事前学習】教科書のpp118-125を熟読し、エリートという概念と社会的資源の関係を理解する。 （2時間）
【事後学習】階層変動理論、エリート理論および多元的権力論の概要を整理する。 （2時間）
【授業形態】対面授業
12 階級理論の基礎（格差社会の本質とは何か）
【事前学習】教科書のpp126-131を熟読し、社会階層と階級の違いを認識する。 （2時間）
【事後学習】階級概念、社会構成体論を整理する。 （2時間）
【授業形態】対面授業
13 資本主義社会の未来像（グローバリゼーションと帝国主義）
【事前学習】教科書のpp131-134を熟読し、資本主義の発展段階を理解する。 （2時間）
【事後学習】資本主義の発展段階論と帝国主義論を整理する。 （2時間）
【授業形態】対面授業
14 まとめと総括的考察（集団・組織理論と社会階層・階級論の全般的総括）
【事前学習】教科書に基づき疑問点を確認しておくこと。 （3時間）
【事後学習】解消された疑問点を整理する。 （1時間）
【授業形態】対面授業
15 総括レポートの報告とアドバイス
【事前学習】第2回～第13回の内容を復習し、自己の研究テーマとの接点を探るレポートを執筆すること。 （4時間）
【事後学習】担当教員からのアドバイスを整理する。 （2時間）
【授業形態】対面授業
その他
教科書 松岡雅裕ほか 『行為、構造、文化の社会学』 学文社
教科書に沿って授業を進行させるので、毎回必ず教科書を参照すること。
参考書 適宜紹介する。
成績評価の方法及び基準 レポート:第15回目の授業で報告し提出させる。(70%)、授業参画度(30%)
授業参画度とは、課題レポートにおける問いかけに対する回答の適切さや的確さで評価する。
オフィスアワー Blackboardに併設されているメール機能を利用する。
備考 初回講義開始までにBlackboardのコース登録を行うこと。

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