検索したい科目/教員名/キーワードを入力し「検索開始」ボタンをクリックしてください。
※教員名では姓と名の間に1文字スペースを入れずに、検索してください。
令和2年度以降入学者 | アカデミック・ライティング指導(日本語)1 | ||||
---|---|---|---|---|---|
教員名 | 渡寛法 | ||||
単位数 | 2 | 課程 | 前期課程 | 開講区分 | 文理学部 |
科目群 | 国文学専攻 | ||||
学期 | 前期 | 履修区分 | 選択必修 |
授業形態 | 対面授業 |
---|---|
授業の形態 | 対面授業(Blackboard を通じて課題ワークシートを配信・提出。) |
Blackboard ID | 20231767 |
授業概要 | 本授業は、大学において、分野を横断したアカデミック・ライティングの対面指導を担当できる大学院生(TA・インストラクター)の養成を目指し、文章力・文章診断力・文章指導力の育成を目的とします。ライティング指導とは、単に文章を「添削」(いわゆる、赤ペン添削)することにとどまりません。アカデミック・ライティングでは、著者が自分の思考を、論点を整理して、根拠をもとに文章として表現します。指導者の一方的な添削は、学生のアイデアの芽をつんでしまうことにもなりかねません。とくに対面による一対一のライティング指導(チュータリング)においては、指導者は対話を通して、学生の思考整理と文章化を「支援」することが重視されます。「紙を直す」のではなく、「書き手を育てる」という指導理念です。そうした指導を行うためには、ライティング技能に関する文章知識や、文章の長所と短所を的確に把握する文章診断力が基盤となります。そして、学生の思考を促す「質問力」や、話を聴く「傾聴力」、何をどこまで検討するのか「課題マネジメント力」などが重要な文章指導力となります。本授業では、学生が成長できるライティング指導とはどのような指導なのかについて教科書の内容理解、課題演習、教員・受講者同士の「対話」を通して学んで行きます。 |
授業のねらい・到達目標 | 本授業は、対面による一対一のライティング指導(チュータリング)の技能を身につけることを目的とします。チュータリングの技能には、①文章力②文章診断力③文章指導力が含まれます。授業では①文章力②文章診断力③文章指導力を段階的に学び、受講者同士による実践トレーニングを行うことで、ライティング指導者としての技能を磨いていきます。 【到達目標】 ①【文章力】アカデミック・ライティング技能を理解し、また自分で技能を使い文章を作成できる。 ②【文章診断力】学生のレポート文章を読んだ際に、ライティング技能の知識をもとに長所と短所を的確に診断することができる。 ③【文章指導力】学生を一対一で対面指導する際に、対話を通して、一定の時間内(45分程度)で、学生が自分で文章を作成・改善できるように指導することができる。 |
授業の形式 | 演習 |
授業の方法 | 本授業では、日本語アカデミック・ライティング指導力を身につけるために、①文章技能の確認(6回)②文章診断のトレーニング(2回)③文章指導(チュータリング)のトレーニング(6回)で進めます。 ①「文章技能の確認」では、教科書の内容を通して、分野を横断して必要となるライティング技能への理解を深め、実際に課題文章の作成、そして受講生同士での点検・相互評価を行います。 ②「文章診断のトレーニング」では、学部生の書いたレポート文章を題材に、文章の長所と短所を洗い出し、改善方法を考える訓練を行います。対面式で学生を指導する際に、診断結果をもとに何をどの順番で検討するのが最も効果的か、指導の優先順位についても議論を行います。 ③「文章指導(チュータリング)のトレーニング」では、受講生同士が、学生と指導者の役割を受け持ち、ライティング技能ごとに模擬指導のトレーニングを行います。対話を基盤とする文章指導を実際に体験することで、質問力や傾聴力、課題マネジメント力といった対面指導に欠かせない技能も身につけていきます。毎回のワークシートについては、Blackboardを通じてフィードバックを行います。 対面授業に参加できない学生は、事前に担当教員の許可を得ること。 |
授業計画 | |
---|---|
1 |
オリエンテーション(授業の概要、ねらい・到達⽬標、⽅法の説明。受講者の自己紹介・文章指導に関する考えの共有。)
【事前学習】シラバスを確認し、授業全体の流れと到達目標を理解する。 (2時間) 【事後学習】課題文章として、自己紹介を600字で書いてくる。 (2時間) 【授業形態】対面授業 |
2 |
文章技能の確認①レポート・論文とは何か
【事前学習】教科書(1)の第1章を読んで、疑問点をまとめてくる。 (2時間) 【事後学習】課題として、「良い文章とは」についてブレイン・ストーミングし、マインドマップを作る。 (2時間) 【授業形態】対面授業 |
3 |
文章技能の確認②問いを立て、証拠を示す
【事前学習】教科書(1)の第2章を読んで、疑問点をまとめてくる。 (2時間) 【事後学習】課題として、「良い文章とは」についてアウトラインを作る。 (2時間) 【授業形態】対面授業 |
4 |
文章技能の確認③レポート作成の5つのステップ
【事前学習】教科書(1)の第3章を読んで、疑問点をまとめてくる。 (2時間) 【事後学習】課題として、「5つのステップ」について要点整理を行う。 (2時間) 【授業形態】対面授業 |
5 |
文章技能の確認④パラグラフ・ライティング
【事前学習】教科書(1)の第5章(パラグラフの書き方)を読んで、疑問点をまとめてくる。 (2時間) 【事後学習】課題として、「文章の分類」についてパラグラフ・ライティングで文章を書く。 (2時間) 【授業形態】対面授業 |
6 |
文章技能の確認⑤レポート・論文の作法
【事前学習】教科書(1)の第5章(題名・定義)を読んで、疑問点をまとめてくる。 (2時間) 【事後学習】課題として、3つ専門用語を選び、その定義を「一文一義」で書き直す。 (2時間) 【授業形態】対面授業 |
7 |
文章技能の確認⑥引用方法
【事前学習】教科書(1)の第5章(引用)を読んで、疑問点をまとめてくる。 (2時間) 【事後学習】課題として、「大学生の文章力」について文献リサーチを行う。 (2時間) 【授業形態】対面授業 |
8 |
文章診断のトレーニング①短いレポート課題文章
【事前学習】題材となるレポート課題文章を読み、ライティング技能の長所と短所を書きだしてくる。 (2時間) 【事後学習】課題として、自分の文章診断結果を振り返り、まとめの文章を作成する。 (2時間) 【授業形態】対面授業 |
9 |
文章診断のトレーニング②長いレポート課題の文章
【事前学習】題材となるレポート課題文章を読み、ライティング技能の長所と短所を書きだしてくる。 (2時間) 【事後学習】課題として、自分の文章診断結果を振り返り、まとめの文章を作成する。 (2時間) 【授業形態】対面授業 |
10 |
文章指導(チュータリング)のトレーニング①ブレイン・ストーミング
【事前学習】教科書(2)の第2章・第11節を読んで、疑問点をまとめてくる。 (2時間) 【事後学習】課題として、「文章指導におけるブレイン・ストーミングの技能」についてまとめてくる。 (2時間) 【授業形態】対面授業 |
11 |
文章指導(チュータリング)のトレーニング②アウトライン
【事前学習】教科書(2)の第2章・第10節を読んで、疑問点をまとめてくる。 (2時間) 【事後学習】課題として、「文章指導におけるアウトラインの技能」についてまとめてくる。 (2時間) 【授業形態】対面授業 |
12 |
文章指導(チュータリング)のトレーニング③論点整理
【事前学習】教科書(2)の第4節を読んで、疑問点をまとめてくる。 (2時間) 【事後学習】課題として、「文章指導における論点整理の技能」についてまとめてくる。 (2時間) 【授業形態】対面授業 |
13 |
文章指導(チュータリング)のトレーニング④パラグラフ
【事前学習】教科書(2)の第6節を読んで、疑問点をまとめてくる。 (2時間) 【事後学習】課題として、「文章指導におけるパラグラフの技能」についてまとめてくる。 (2時間) 【授業形態】対面授業 |
14 |
文章指導(チュータリング)のトレーニング⑤文体・引用方法
【事前学習】教科書(2)の第13-14節を読んで、疑問点をまとめてくる。 (2時間) 【事後学習】課題として、「文章指導における文体・引用方法の技能」についてまとめてくる。 (2時間) 【授業形態】対面授業 |
15 |
文章指導(チュータリング)のトレーニング⑥まとめ
【事前学習】これまで学んだ文章指導における技能を再度見直し、振り返りコメントを書いてくる。 (1時間) 【事後学習】「対面による文章指導」について2,000字のレポートを作成し、提出する。 (3時間) 【授業形態】対面授業 |
その他 | |
---|---|
教科書 | 井下 千以子 『思考を鍛えるレポート論文作成法 [第3版]』 慶應義塾大学出版会 2019年 第3版 佐渡島紗織・太田裕子 『文章チュータリングの理念と実践―早稲田大学ライティング・センターでの取り組み』 ひつじ書房 2013年 |
参考書 | 使用しない |
成績評価の方法及び基準 | レポート:課題レポート(20%)、授業参画度:毎週の課題文章(60%)、毎週の振り返りシート(20%) 対面授業に参加できない場合は、オンラインによる課題研究で代用し、対面参加者と同じ基準で平等に評価します。 |
オフィスアワー | Blackboard を通じて対応します。 |