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令和2年度以降入学者 | 美学史特殊講義2 | ||||
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教員名 | 高橋陽一郎 | ||||
単位数 | 2 | 課程 | 前期課程 | 開講区分 | 文理学部 |
科目群 | 哲学専攻 | ||||
学期 | 後期 | 履修区分 | 選択必修 |
授業形態 | 対面授業 |
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Blackboard ID | 20234649 |
授業概要 | 今年度は、「生の哲学(Lebensphilosophie)」や「実存哲学(Existenzphilosophie)」の代表者フリードリヒ・ニーチェ(Friedrich Nietzsche, 1844-1900)の初期作品『音楽の精神からの悲劇の誕生』(以下『悲劇の誕生』)を読みながら、藝術とは何か、藝術の分類や種類の問題、自然と人間との関係などの問題を探究する。後学期は第十六節から最終節(第二十五節)までの講読を予定しているが、受講者の希望によりドイツ語原典で読む可能性もある(その場合には進度は遅くなることが予想される)。 |
授業のねらい・到達目標 | 本書『悲劇の誕生』は、たんにワーグナー的楽劇を予見する悲劇の再生論を語っているだけではない。そこには藝術の本質はもとより、現象学へ至る哲学の方法や、人間と自然との関係に関する多くの示唆が含まれている。こうした問題圏を受講者各自が受け取りながら、自己の哲学的・美学的思索を鍛錬することが本講義の第一の目的である。この目的が、外国語文献を(恣意的にではなく)正確に読解することによって達成されるならば、受講者はテキスト・クリティークの能力獲得という第二の目的も達成することになると思われる。 |
授業の形式 | 演習 |
授業の方法 | 授業の方法:【演習】 ①毎回、参加者で日本語訳されたテキストを輪読してゆくか、またはドイツ語原典を文法等の説明を加えながらゆっくり読んでゆく(どちらの進め方にするかは受講者とともに決める)。数ページごとに担当者が問題を指摘し、その後、参加者の問題提起と合わせて議論を重ねる。 ②学期末に1500字前後のレポートを課すが、そのほかに学期中にニーチェ美学に関する小レポートを1~2度提出いただく可能性がある。 |
履修条件 | なし |
授業計画 | |
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1 |
『悲劇の誕生』第十五節までの内容概観と第十六節「音楽と悲劇的神話」(秋山訳の内容目次による。以下同)の読解
【事前学習】第十六節を復習し、内容を要約しておく。 (2時間) 【事後学習】「神話」概念を理解し、第4回授業で問題となった箇所を復習する。 (2時間) 【授業形態】対面授業 |
2 |
『悲劇の誕生』第十六節「音楽と悲劇的神話」の読解の続き
【事前学習】ギリシア悲劇の上演形式について復習する。 (2時間) 【事後学習】「コロス」の概念を理解し、第2回授業で問題となった箇所を復習する。 (2時間) |
3 |
『悲劇の誕生』第十七節「理論的世界観の藝術的現象」の読解
【事前学習】非ディオニュソス的性格描写という観点を意識しながら当該箇所を読む。 (2時間) 【事後学習】ニーチェのいう理論的世界観を理解し、第3回授業で問題となった箇所を復習する。 (2時間) 【授業形態】対面授業 |
4 |
『悲劇の誕生』第十八節「アレクサンドリア的文化」の読解
【事前学習】アレクサンドリア文化の大要について調査する。 (2時間) 【事後学習】ニーチェの「アレクサンドリア文化」観についてメモを作成する。 (2時間) |
5 |
『悲劇の誕生』第十九節「オプティミズムのオペラ文化と悲劇の再生」の読解(1)
【事前学習】ルネサンス期フィレンツェの音楽文化について、調べたことをまとめておく。 (2時間) 【事後学習】ニーチェのいう「悲劇の再生」について理解し、第5回授業で問題となった箇所を復習する。 (2時間) 【授業形態】対面授業 |
6 |
『悲劇の誕生』第十九節「オプティミズムのオペラ文化と悲劇の再生」の読解(2)
【事前学習】第十九節の後半を読み、大要を理解しておく。 (2時間) 【事後学習】ベートーヴェンからヴァーグナーへ至るドイツ音楽の特質についてノートを作成する。 (2時間) 【授業形態】対面授業 |
7 |
『悲劇の誕生』第二〇節「現代文化の様相」の読解
【事前学習】ニーチェの「現代」観のイメージをつかんでおく。 (2時間) 【事後学習】ニーチェにおける「ドイツ文化」について理解し、第7回授業で問題となった箇所をまとめておく。 (2時間) |
8 |
『悲劇の誕生』第二十一節「ワーグナーの楽劇」の読解(1)
【事前学習】ワーグナーの「楽劇」について、伝統的オペラとの差異を意識しながらまとめておく。 (2時間) 【事後学習】初期ニーチェにおけるワーグナー観についてメモを作成する。 (2時間) 【授業形態】対面授業 |
9 |
『悲劇の誕生』第二十一節「ワーグナーの楽劇」の読解(2)
【事前学習】ワーグナーの音楽観をショーペンハウアーのそれと比較し、その独自性を理解する。 (2時間) 【事後学習】初期ニーチェのワーグナー評についてノートを作成する。 (2時間) 【授業形態】対面授業 |
10 |
『悲劇の誕生』第二十二節「藝術としての音楽的悲劇と美的聴衆」の読解
【事前学習】「悲劇における聴衆」という観点から本節をあらかじめ読んでおく。 (2時間) 【事後学習】音楽と悲劇との関係について、第二十二節をもとにまとめる。 (2時間) 【授業形態】対面授業 |
11 |
『悲劇の誕生』第二十三節「ドイツ神話の再生」の読解(1)
【事前学習】ドイツの神話について、その性格に留意しながら調べておく。 (2時間) 【事後学習】ニーチェの語る「ドイツ精神」について理解し、第11回授業で問題となった箇所を復習する。 (2時間) 【授業形態】対面授業 |
12 |
『悲劇の誕生』第二十三節「ドイツ神話の再生」の読解(2)
【事前学習】第二十三節の後半を読み、その大要を理解しておく。 (2時間) 【事後学習】ドイツ神話とディオニュソス的なものとの関係について、メモを作成する。 (2時間) 【授業形態】対面授業 |
13 |
『悲劇の誕生』第二十四節「音楽の不協和音」の読解(1)
【事前学習】第二十四節の前半を一読し、ニーチェの音楽観を明確に言語化できるようにしておく。 (2時間) 【事後学習】『悲劇の誕生』のなかにあるロマン的なものの特徴について、メモを作成する。 (2時間) 【授業形態】対面授業 |
14 |
『悲劇の誕生』第二十四節「音楽の不協和音」の読解(2)
【事前学習】第二十四節の後半を一読し、ニーチェの音楽観を明確に言語化できるようにしておく。 (2時間) 【事後学習】ニーチェにおける「不協和音」や「醜」といった概念について、ノートを作成する。 (2時間) 【授業形態】対面授業 |
15 |
『悲劇の誕生』におけるニーチェの世界観及び藝術観について議論を行う。
【事前学習】『悲劇の誕生』の根本思想についてノートを作成し始める。 (2時間) 【事後学習】後期ニーチェ哲学との関係からとりわけ第二十四節と第二十五節の意味について、論じられるようにしておく。 (3時間) 【授業形態】対面授業 |
その他 | |
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教科書 | ニーチェ(秋山英夫訳) 『悲劇の誕生 (岩波文庫)』 岩波書店 担当者の方でドイツ語原典のコピーも用意しておく。可能であれば原典で講読するが、受講者との相談の結果、日本語訳のまま進める可能性もある。また、邦訳としては、ちくま学芸文庫版『ニーチェ全集』第二巻の『悲劇の誕生』(塩屋竹男訳)も参照に値する。 |
参考書 | 使用しない |
成績評価の方法及び基準 | レポート:レポートは求めるテーマと内容、提出状況を見て評価します。(50%)、授業参画度:授業参画度は、出席状況や質問の頻度、議論への参画等によって評価します。(50%) |
オフィスアワー | 授業終了後に随時行う。 |