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令和2年度以降入学者 | 美学史特殊講義1 | ||||
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教員名 | 高橋陽一郎 | ||||
単位数 | 2 | 課程 | 前期課程 | 開講区分 | 文理学部 |
科目群 | 哲学専攻 | ||||
学期 | 前期 | 履修区分 | 選択必修 |
授業形態 | 対面授業 |
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Blackboard ID | 20231717 |
授業概要 | 今年度も昨年に引き続き、「生の哲学(Lebensphilosophie)」や「実存哲学(Existenzphilosophie)」の代表者フリードリヒ・ニーチェ(Friedrich Nietzsche, 1844-1900)の初期作品『音楽の精神からの悲劇の誕生』(以下『悲劇の誕生』)を読みながら、藝術とは何か、藝術の分類や種類の問題、自然と人間との関係などの問題を探究する。前学期は第八節から第十五節までの講読を予定しているが、受講者の希望によりドイツ語原典で読む可能性もある(その場合には進度は遅くなることが予想される)。 |
授業のねらい・到達目標 | 本書『悲劇の誕生』は、たんにワーグナー的楽劇を予見する悲劇の再生論を語っているだけではない。そこには藝術の本質はもとより、現象学へ至る哲学の方法や、人間と自然との関係に関する多くの示唆が含まれている。こうした問題圏を受講者各自が受け取りながら、自己の哲学的・美学的思索を鍛錬することが本講義の第一の目的である。この目的が、外国語文献を(恣意的にではなく)正確に読解することによって達成されるならば、受講者はテキスト・クリティークの能力獲得という第二の目的も達成することになると思われる。 |
授業の形式 | 演習 |
授業の方法 | 授業の方法:【演習】 ①毎回、参加者で日本語訳されたテキストを輪読してゆくか、またはドイツ語原典を文法等の説明を加えながらゆっくり読んでゆく(どちらの進め方にするかは受講者とともに決める)。数ページごとに担当者が問題を指摘し、その後、参加者の問題提起と合わせて議論を重ねる。 ②学期末に1500字前後のレポートを課すが、そのほかに学期中にニーチェ美学に関する小レポートを1~2度提出いただく可能性がある。 |
履修条件 | なし |
授業計画 | |
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1 |
ガイダンス:『悲劇の誕生』執筆の意図、思想的背景、前年度まで読み進めた箇所の内容説明を担当者が行う。
【事前学習】参考文献によってニーチェの基本思想について学ぶ。 (2時間) 【事後学習】担当者が配布したプリントを精読し、ショーペンハウアー哲学との関係を理解する。 (2時間) 【授業形態】対面授業 |
2 |
『悲劇の誕生』第八節「サテュロスと演劇の根源現象」(秋山訳の内容目次にならう。以下同)の読解(1)
【事前学習】参考文献によってニーチェ哲学について調べておく。 (2時間) 【事後学習】なぜニーチェはショーペンハウアーとワーグナーに着目したのかについて、メモを作成する。 (2時間) 【授業形態】対面授業 |
3 |
『悲劇の誕生』第八節「サテュロスと演劇の根源現象」の読解(2)
【事前学習】エウリピデスの『キュクロプス』を読んでみる (2時間) 【事後学習】「ディオニュソス」概念を理解し、第3回授業で問題となった箇所を復習する。 (2時間) 【授業形態】対面授業 |
4 |
『悲劇の誕生』第九節「ソフォクレスとアイスキュロス」の読解(1)
【事前学習】第八節を復習し、内容を要約しておく。 (2時間) 【事後学習】「アポロ」概念を理解し、第4回授業で問題となった箇所を復習する。 (2時間) 【授業形態】対面授業 |
5 |
『悲劇の誕生』第九節「ソフォクレスとアイスキュロス」の読解(2)
【事前学習】ギリシア悲劇の上演形式について参考文献で調べる。 (2時間) 【事後学習】ギリシア悲劇の基本を理解し、第5回授業で問題となった箇所を復習する。 (2時間) 【授業形態】対面授業 |
6 |
『悲劇の誕生』第九節「ソフォクレスとアイスキュロス」の読解(3)
【事前学習】ソフォクレスまたはアイスキュロスの作品を読んでみる。 (2時間) 【事後学習】ニーチェのソフォクレスとアイスキュロスに対する賛美を理解し、第6回授業で問題となった箇所を復習する。 (2時間) 【授業形態】対面授業 |
7 |
『悲劇の誕生』第十節「悲劇の秘教」の読解
【事前学習】第十節を読み、その大要を理解を理解しておく。 (2時間) 【事後学習】悲劇に対する「音楽」の意味について、第十節の内容をもとにまとめる。 (2時間) 【授業形態】対面授業 |
8 |
『悲劇の誕生』第十一節「悲劇の死とエウリピデス」の読解(1)
【事前学習】第十一節を読み、その大要を理解しておく。 (2時間) 【事後学習】「アッティカ新喜劇」について理解し、第8回授業で問題となった箇所を復習する。 (2時間) 【授業形態】対面授業 |
9 |
『悲劇の誕生』第十一節「悲劇の死とエウリピデス」の読解(2)
【事前学習】悲劇と喜劇双方に関する自分の見解をまとめておく。 (2時間) 【事後学習】悲劇におけるエウリピデスの役割についてまとめ、第9回授業で問題となった箇所を理解する。 (2時間) 【授業形態】対面授業 |
10 |
『悲劇の誕生』第十二節「エウリピデスの美的ソクラテス主義」の読解
【事前学習】哲学史上のソクラテスの意義について復習しておく。 (2時間) 【事後学習】エウリピデスの「美的ソクラテス主義」についてノートを作成する。 (2時間) 【授業形態】対面授業 |
11 |
『悲劇の誕生』第十三節「ソクラテスの主知的傾向」の読解
【事前学習】第十三節を読み、その大要を理解しておく。 (2時間) 【事後学習】「ソクラテスのダイモニオン」を中心に、ニーチェが理解するソクラテス主義について自分なりにメモを作成する。 (2時間) 【授業形態】対面授業 |
12 |
『悲劇の誕生』第十四節「ソクラテスとプラトン」の読解(1)
【事前学習】第十四節の前半を読み、その大要を理解しておく。 (2時間) 【事後学習】<プラトンと言語藝術>というテーマでノートを作成する。 (2時間) 【授業形態】対面授業 |
13 |
『悲劇の誕生』第十四節「ソクラテスとプラトン」の読解(2)
【事前学習】第十四節の後半を読み、その大要を理解しておく。 (2時間) 【事後学習】ソクラテス・プラトンのオプテイミズムの性格を理解し、第13回授業で問題となった箇所を復習する。 (2時間) 【授業形態】対面授業 |
14 |
『悲劇の誕生』第十五節「理論的人間と悲劇的認識」の読解
【事前学習】第十五節の前半を読み、その大要を理解しておく。 (2時間) 【事後学習】古代ギリシアにおける人間の類型についてまとめる。 (2時間) 【授業形態】対面授業 |
15 |
『悲劇の誕生』第十五節「理論的人間と悲劇的認識」の読解
【事前学習】第十五節の後半を読み、その大要を理解しておく。 (2時間) 【事後学習】これまでの(とくに第十五節の)議論からニーチェの考える学問と藝術との関係についてノートを作成する。 (3時間) 【授業形態】対面授業 |
その他 | |
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教科書 | ニーチェ(秋山英夫訳) 『悲劇の誕生 (岩波文庫)』 岩波書店 担当者の方でドイツ語原典のコピーも用意しておく。可能であれば原典で講読するが、受講者との相談の結果、日本語訳のまま進める可能性もある。また、邦訳としては、ちくま学芸文庫版『ニーチェ全集』第二巻の『悲劇の誕生』(塩屋竹男訳)も参照に値する。 |
参考書 | 参考書について授業内で適宜紹介する。 |
成績評価の方法及び基準 | レポート:レポートは求めるテーマと内容、提出状況を見て評価します。(50%)、授業参画度:授業参画度は、出席状況や質問の頻度、議論への参画等によって評価します。(50%) |
オフィスアワー | 授業終了後に随時行う。 |