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社会学概論

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令和2年度以降入学者 社会学概論
令和元年度以前入学者 社会学概論1
教員名 杉谷武信
単位数    2 学年 1~4 開講区分 文理学部
科目群 社会学科
学期 前期 履修区分 必修
授業形態 対面授業
授業の形態 対⾯授業
Blackboard ID 20230896
授業概要 社会学の「理念的アプローチ」に則り、さまざまな社会現象に対する「社会学的なものの見方・考え方」の基本的な原理が理解できるようになり、さらには、現実の社会問題にアプローチする力が身につくことを目指す。そのためにも、あらゆる社会現象の成り立ちやその安定性・変化(変動や発展)、さらには解体・崩壊(逸脱)までもが、私たちが日々とりおこなう「行為」によって成り立っているという視点を、まず授業の出発点に据える。さらに、その行為が、価値による拘束を受けつつ、日常の役割行動として結実し社会システムを形作っている現実を考察する。当然のことながら、社会システムの安定性のみならず、その変化、解体をも視野に入れることが求められよう。この原理的かつ一般的包括的な視点を基礎に、家族、学校、都市等々の制度領域が抱える諸問題にも言及する。
授業のねらい・到達目標 <知識・技能>
社会学の「一般的包括的な内容を含む」社会学概論とは、社会学が今日到達している学的成果を、特定の内容・領域に偏らず、大まかに網羅するものであるとの認識がある。この点から、社会学概論では、「理念的アプローチ」と「制度的アプローチ」という両授業法の重要性が提起されてきた。「理念的アプローチ」とは、社会学独自の研究方法や視点、そして社会学が多用する概念(行為、価値、役割、逸脱等々)の解説をまず授業の主だったテーマとするものであり、一方、「制度的アプローチ」とは、社会の主だった制度領域、例えば「家族」「学校」「都市」等々の現況を解説するものである。何れも、社会学が築き上げてきた学的成果の一般的包括的な内容に言及するものであるが、今日では、前者を社会学概論、後者を社会学各論と呼びならわす傾向がみられる。当授業(社会学概論)では、まず、「理念的アプローチ」による、社会学的視点と発想、および社会学の重要概念の一般的包括的な解説を授業の主要テーマに設定し、その基礎力でもって、社会の制度領域の解明に向かうことができるようになることを到達目標とする。

<ディプロマポリシーとの関係>
この科目は文理学部(学士(社会学))のディプロマポリシーDP2,4およびCP2,4に対応しています。

<日本大学教育憲章との関係>
上記の<知識><技能>の習得を経て,以下の<能力>を育むことが目標である。
・グローバル化する現代社会の特質について,私たちの日々とり行う行為を中心に,構造や変動,集団や組織などの観点から説明することができる(A-2-1: 世界の現状を理解し,説明する力)。
・多様なメディアによって形作られる現代社会におけるわたしたちの日常生活の中の諸課題について,社会学理論や社会調査を用いて発見することができる(A-4-1: 問題発見・解決力)。
授業の形式 講義
授業の方法 (1)内容に即した教科書を使用するので、必ず用意すること。
(2)授業内で簡単な小テストを実施し、次回の授業で学生の解答をふまえて解説・復習を行う。
(3)学生本人が基礎疾患を有する場合や、新型コロナウィルスに感染すると重症化するリスクが高い同居家族がいるなどの個別の配慮事由があって継続的に遠隔で参加せざるを得ない学生は、教員の許可を受けて、blackboardを利用したオンデマンド授業に参加ができる。その場合、blackboardを通じて出題される小テストを提出すること。
授業内で課題(試験やレポート等)に対するフィードバックを行う。
授業計画
1 ガイダンス(「理念的アプローチ」による社会学の原理・基礎理論を学ぶことの意義)(A-2-1、A-4-1)
【事前学習】教科書の「はじめに」と「目次」を熟読し、行為や集団・組織、社会構造などのキーワードを確認すること。 (1時間)
【事後学習】教科書p.1や社会学辞典から社会学における社会の定義を確認すること。 (1時間)
【授業形態】対面授業
2 「行為」からわかる社会の現実と社会学における人間観(A-2-1)
【事前学習】教科書pp.1-5を読み、「行為」と「行動」の違いを確認すること。 (2時間)
【事後学習】「行為」を用いて各自の生活における「目的」や「規範」を整理すること。 (2時間)
【授業形態】対面授業
3 「行為」の変化からわかる社会の変遷(M.ヴェーバーの「価値合理的行為」「目的合理的行為」を中心に)ならびに家族や資本制社会が「行為」に与える影響(A-2-1)
【事前学習】教科書pp.5-10を読み、「価値合理的行為」と「目的合理的行為」の違いを確認すること。 (2時間)
【事後学習】各自の生活における「態度」がどのように形成されたのかを整理すること。 (2時間)
【授業形態】対面授業
4 「行為」を方向づけているのは何か(T.パーソンズの「価値志向性」「パターン変数」を中心に)(A-2-1)
【事前学習】教科書pp.10-12を読み、「価値志向性」や「パターン変数」について理解しておくこと。 (2時間)
【事後学習】現代の日本や世界の特徴について、「パターン変数」を用いて考えること。 (2時間)
【授業形態】対面授業
5 社会の安定性はどのように確保されているか(「社会的相互行為」「地位」「役割」を用いて考える)(A-2-1)
【事前学習】pp.12-18を読み、「社会的相互行為」「地位と役割」の意味を調べること。 (2時間)
【事後学習】各自が他者や社会のために活動してきたことについて、「地位」「役割」の概念を用いて分析すること。 (2時間)
【授業形態】対面授業
6 人間のパーソナリティはどのように形成されるか(「社会的相互行為」を用いて考える)(A-2-1)
【事前学習】教科書pp.19-22を読み、C.H.クーリーの「鏡に映った自己」やG.H.ミードの「Iとme」の意味を調べておくこと。 (2時間)
【事後学習】各自にとっての「重要な他者」をあげ、その人からどのような影響を受けたのかを考えること。 (2時間)
【授業形態】対面授業
7 社会の安定性と秩序を可能にする要素は何か(「同調」「社会化」を用いて考える)(A-2-1)
【事前学習】教科書pp.22-26を読み、「同調」と「社会化」について調べておくこと。 (2時間)
【事後学習】役割期待の相補性から、安定した社会秩序を可能にするメカニズムを把握すること。 (2時間)
【担当教員】各自に報酬と罰が与えられることの機能について考えること。
【授業形態】対面授業
8 社会秩序は「一枚岩」的な「単純」なものか(文化の多様性と相対性をふまえて)(A-2-1)(A-4-1)
【事前学習】p.26-28,169-170を読み、文化の概念を理解すること。 (2時間)
【事後学習】文化の多様性が拡大するなか、どのような行為が求められているか考えること。 (2時間)
【授業形態】対面授業
9 逸脱はなぜ発生するか(アノミー論ならびに社会解体論からのアプローチ)(A-2-1、A-4-1)
【事前学習】教科書p29-30を読み、犯罪などの逸脱行動の要因を考えること。 (2時間)
【事後学習】かつては逸脱とみなされていなかったが、今日逸脱とみなされる活動を考えること。 (2時間)
【授業形態】対面授業
10 逸脱はなぜ発生するか(R.マートンの緊張理論ならびにサザーランドの分化的接触理論からのアプローチ)(A-2-1、A-4-1)
【事前学習】教科書pp.34-34を読んで、犯罪などの逸脱行動の要因を考えること。 (2時間)
【事後学習】現代には「文化的目標」を実現させる「制度的手段」が整備されているか否かを考えること。 (2時間)
【授業形態】対面授業
11 逸脱の機能とは何か(H.ベッカーのラベリング理論を用いて考える)(A-2-1、A-4-1)
【事前学習】教科書pp.34-36を読んで、処罰の機能・役割を考えること。 (2時間)
【事後学習】処罰には具体的にどのようなものがあるかを考えること。 (2時間)
【授業形態】対面授業
12 逸脱の機能とは何か(「スティグマ」「パッシング」を用いて考える)(A-2-1、A-4-1)
【事前学習】教科書pp. 36を読んで、社会が逸脱者を処罰することによって何が起こるかを考えること。 (2時間)
【事後学習】自己や他者のアイデンティティを許容するために何ができるかを考えること。 (1時間)
【授業形態】対面授業
13 補足:文化の諸側面について(文化の普遍的側面、日本文化について)(A-2-1、A-4-1)
【事前学習】教科書pp.28,38を読み、かつ第8回の授業を踏まえて、文化相対主義と自民族中心主義の違いを確認すること。 (2時間)
【事後学習】各文化における普遍的なものについて考えること。 (2時間)
【授業形態】対面授業
14 補足:文化における普遍的なものとは何か(A-2-1、A-4-1)
【事前学習】教科書pp.91-92,181,188-194を読み、インセストタブーや宗教の定義を調べること。 (2時間)
【事後学習】宗教の機能について考えること。 (2時間)
【授業形態】対面授業
15 試験とその解説(A-2-1、A-4-1)
【事前学習】第1回~14回の授業内容を復習すること。 (6時間)
【事後学習】解けなかった試験問題を再確認し、解き直すこと。 (1時間)
【授業形態】対面授業
その他
教科書 夏刈康男・松岡雅裕・杉谷武信・木下征彦 『行為、構造、文化の社会学』 学文社 2011年
参考書 授業内で適宜紹介する。
成績評価の方法及び基準 試験(70%)、授業内テスト:授業終了時、随時小テストを実施します。(30%)
第15回の授業で試験を実施する。試験ならびに小テストの評価については、世界の現状を理解し,説明する力(A-2-1)と問題発見・解決力(A-4-1)をふまえる。
対面授業に参加できない場合の成績評価については別途授業内で説明する。
オフィスアワー 授業時間前後に教室や講師室、かつメールにて質問を受け付ける。
備考 (1)連絡事項をblackboardで連絡するため、初回講義開始までに、全員必ずBlackBoardのコース登録を行うこと。
(2)シラバスの内容は、学生の学修状況(特に小テストの解答内容)をふまえて若干変更する場合があります。
(3)事後・事前学習の時間は目安です。

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