文理学部シラバスTOP > 文理学部 > ドイツ文学科 > ドイツ語学講義4
日本大学ロゴ

ドイツ語学講義4

このページを印刷する

令和2年度以降入学者 ドイツ語学講義4
令和元年度以前入学者 ドイツ語学講義4
教員名 宮澤義臣
単位数    2 学年 2~4 開講区分 文理学部
(他学部生相互履修可)
科目群 ドイツ文学科
学期 後期 履修区分 選択必修
授業形態 対面授業
授業の形態 対面授業
Blackboard ID 20233809
授業概要 1年次に習得したドイツ語の知識をドイツ語学の観点から再構築・再確認しながら,演習問題を通して実践的にドイツ語力を高めていきます。
講義4では音韻論の見地からドイツ語で用いられる音素を確認し,ウムラウトなど歴史的な音韻の変遷,日常語,方言での音韻論的特徴,音韻を用いたレトリックを重点的に講義・演習します。
授業のねらい・到達目標 <授業のねらい>
1.ドイツ語で用いられる音素は何かを説明できる。
2.ドイツ語の書記体系と音韻の関係を理解している。

<到達目標>
1.ドイツ語にどのような音素が使われているのかを体系的に説明できる (A-3-3)
2.標準ドイツ語の発音と日常語・方言の発音の違いを理解・説明できる (A-3-3)
3.ドイツ語の綴りを見て正確に発音ができる (A3-3)
4.発音に不可欠な語構成のメカニズムが理解できる z.B. Abendessen を正確に発音できる(A-3-3)
5.aktiv-aktiveのような屈折変化により変化する発音のメカニズムが理解できる (A-3-3)
6.ウムラウトの記述など歴史的な音韻の変遷を説明できる。(A-3-3)

この科目は文理学部の学士(文学)のDPおよびCPの3に対応しています。
授業の形式 講義、演習
授業の方法 各回の語学的トピックについて今までの知識を使って復習し,その上で演習問題に取り組んで知識理解を高めていきます。
各回で取り組んだ演習問題の添削は原則次回の授業でフィードバックします。

何らかの事情で対面授業に参加出来ない学生には,予めの申し出により対面授業時間以降にBlackboard に配信する動画を視聴し決められた期日までにメールで課題提出する。
授業計画
1 ガイダンス,音声学と音韻論の違い,アクセントとイントネーション (A-3-3)
【事前学習】あなたは共通語と方言を聞き分ける場合,何を基準にしていますか説明しましょう。 (2時間)
【事後学習】本日授業で紹介した音声学と音韻論の違について具体的な単語(Tag-Tages, Lied-Lieder, liebst-lieben, Buch-Bücher)を使って説明してみましょう。 (2時間)
【授業形態】対面授業
2 ドイツ語音韻の変遷 (1) Ahd., Mhd. の綴り方と音韻推移 (A-3-3)
【事前学習】古代高地ドイツ語,中世高地ドイツ語の辞書から現代の標準ドイツ語のZeit, Mauer, Fuß, Traum, Leute, ohneにあたる単語を探して,綴りの違いを確認してください。 (3時間)
【事後学習】本日の授業から,現代の標準ドイツ語に到る中世高地ドイツ語からの母音推移を図式にまとめておきましょう。 (1時間)
【授業形態】対面授業
3 ドイツ語音韻の変遷 (2) i-Umlaut, Ablaut, 屈折変化の-e-挿入 (A-3-3)
【事前学習】なぜUmlautがあるのか,Gang-gängig, voll-völlig, gut-gütig の例から規則的なものを探してみましょう。 (3時間)
【事後学習】Ablaut による単語派生の例を5つ挙げて記述してみてください。 (1時間)
【授業形態】対面授業
4 標準ドイツ語の音韻論(舞台発音とSiebs, Duden Aussprachewörterbuch) (A-3-3)
【事前学習】最も正しいドイツ語の発音はどんなところで再現されると思いますか,思いつく場所を書き出してください。 (2時間)
【事後学習】日常語としてのドイツ語と,舞台上でのドイツ語にはどんな違いがあるのか,思いつく具体例を書いてみてください。 (2時間)
【授業形態】対面授業
5 歴史的音韻の変遷からみた現代ドイツ語の発音(1) Mhd.とバイエルン方言の関係 (A-3-3)
【事前学習】Mhd. の辞書,参考書から sehen, geben, lesen, essen の直説法現在形の人称変化を確認してください。また現代の標準ドイツ語と異なる部分をチェックしておいてください。 (3時間)
【事後学習】本日の講義で取り上げたバイエルン方言とは地図上ではどの場所か確認しましょう。 (1時間)
【授業形態】対面授業
6 歴史的音韻の変遷からみた現代ドイツ語の発音(2) Mhd.とイディッシュ語の関係 (A-3-3)
【事前学習】Mhd.の参考書からzwei, Zeit, Brüder, tausend にあたる単語を探し,その単語の正確な発音を学修しておいてください。を書き出してみましょう。 (2.5時間)
【事後学習】本日授業で紹介したMhd.とJiddischの母音対照表を自分で作成してください。 (1.5時間)
【授業形態】対面授業
7 歴史的音韻の変遷からみた現代ドイツ語の発音(3) 標準ドイツ語とPlattdeutschの関係 (A-3-3)
【事前学習】次のPlattdeutsch(新低地ドイツ語)に対応する標準ドイツ語は何か考えてください。Ik drink twee Glas Water. また両者の子音について対応関係をまとめてください。 (2時間)
【事後学習】本日の授業の内容から,今一度第二次子音推移について具体例を挙げながら図式にしてまとめてください。 (2時間)
【授業形態】対面授業
8 歴史的音韻の変遷からみた現代ドイツ語の発音(4) SchweizerdeutschとSchwyzertüütschの関係 (A-3-3)
【事前学習】図書館の資料やインターネットでスイスのドイツ語には音韻的にどんな特徴があるのか調べておいてください。 (2時間)
【事後学習】本日の授業内容を踏まえて,スイスドイツ語の方言にはどんなものがあるのか,方言分類をしてみましょう。 (2時間)
【授業形態】対面授業
9 標準ドイツ語の音韻的特徴(1) 長母音と短母音 (A-3-3)
【事前学習】bieten-bitten, Mühle-Müll, reden-retten-Räder, Höhe-Hölle, Mut-muss, Hof-hoffenの単語を正確に発音できるよう練習してください。 (2時間)
【事後学習】標準ドイツ語の音韻規則において長母音と短母音の関係を図式にまとめてください。 (2時間)
【授業形態】対面授業
10 標準ドイツ語の音韻的特徴(2) 二重母音。インフォーマルな母音発音の特徴 (A-3-3)
【事前学習】Reis, rauchen, Freude, haben, großem, Himmel について考えられうるドイツ人の発音バリエーションを再現してみてください。 (2時間)
【事後学習】日常語では正式発音の -e- が落ちる例を最低10個挙げてください。 (2時間)
【授業形態】対面授業
11 標準ドイツ語の音韻的特徴(3) 破裂音の子音と異音の関係 (A-3-3)
【事前学習】geben, gibt, laden, lädt, sagen, sagst を正確に発音できるように練習した上で,b, d, g の綴りに充てられる音素は何か考えてください。 (2時間)
【事後学習】事前学修で上げた単語以外に同じような異音が発生する音韻の例を最低6個挙げてください。 (2時間)
【授業形態】対面授業
12 標準ドイツ語の音韻的特徴(4) 鼻音と側音 (A-3-3)
【事前学習】Summe, nannte, angeln, Ballを正確に発音できるように練習し,鼻音と側音はどこから呼気が流れているのか自分の発音で観察してください。 (2時間)
【事後学習】Meiner Meinung nach langweile ihn das Spiel. の中で鼻音と側音はどれか発音しながら確かめて書き出してください。 (2時間)
【授業形態】対面授業
13 標準ドイツ語の音韻的特徴(5) 摩擦音 (A-3-3)
【事前学習】Fast-Vase, Kasten-Hase, Schale-Genre, Chemie-hochをできるだけ正確に発音できるように練習してください。 (2時間)
【事後学習】本日の授業を踏まえてドイツ語の摩擦音のバリエーションを例を挙げながら図式でまとめておきましょう。 (2時間)
【授業形態】対面授業
14 ドイツ語のリズムと音韻(言葉の美学)(A-3-3)
【事前学習】Goetheの有名な詩 Heidenröslein を自分で音読し,この詩にはリズム的にどんな工夫があるか発見してください。 (2時間)
【事後学習】三修社『新現代独和辞典』の巻末にドイツ語の韻律について解説が載っています。本日の授業内容と合わせて要点をまとめてください。 (2時間)
【授業形態】対面授業
15 これまでのまとめ,学修内容の補習(A-4-3)
【事前学習】これまでの学修内容で自分が理解出来ていないと思われる部分を書き出しておきましょう。 (2時間)
【事後学習】教員から指示された補習・復習項目を家庭学習してください。 (2時間)
【授業形態】対面授業
その他
教科書 特定の教科書は使いません。Blackboardに事前に配布資料を添付しますので,必ず各自ダウンロードしてください。
参考書 Stefan Kleiner & Ralf Knöbl, Duden 6 Das Aussprachewörterbuch, Dudenverlag, 2015, 7 edition
Charles V.J. Russ, Historical German Phonology & Morphology, Oxford University Press, 1978, 1 edition
Heinrich Kahl & Heinrich Thies (Edition Fehrs-Gilde), Der neue Sass Plattdeutsches Wörterbuch, Wachholz Verlag, 2016, 8 edition
Martin Müller et al., Chunsch druus? Schweizerdeutsch verstehen - Die Deutschschweiz verstehen, Schulverlag Plus AG, 2013, 2 edition
Ludwig Merkle, Bairische Grammatik, Allitera Verlag, 2005, 1 edition
Uriel Weinrich, College Yiddish, YIVO Institute For Jewish Research, 2011, 5 edition
Duden 6 Aussprachewörterbuch は現在の標準発音を明示する重要な参考書である。発音について備えるならばまずこれが最初の1冊で間違えなし。
"Historial German Phonology & Morphology"の前半部分にドイツ語音韻論の変遷が簡潔に書かれている。英語で書かれているので比較的万人に読みやすい。
Der neue Sass は Platttdeutschの辞書としては大変便利である。最近これがオンライン版にもなったのでより便利になった。(オンライン版の方が収録語数が多い。) 
"Chunch Druus?" はスイスに移住するドイツ語話者のために作られたスイスドイツ語語学書で,CDとDVDがついた大変実践的な書籍。授業内でも利用している。
"Bairische Grammatik"はバイエルン方言,"College Yiddish"はイディッシュ語の入門書としては優れた書籍である。特に "College Yiddish" は1949年の初版以来現在に到るまで改訂しつづけられて利用されている名著。著者の Uriel Weinreichはイディッシュ語学の権威であり,この本には著名な音声学者 Roman Jacobsonの序文がついている。
成績評価の方法及び基準 授業内テスト:授業内で毎回課題を出題します。その出来が成績になります。(100%)
授業内テストの成績に応じて第15回目に補習をします。それが参考点として補完される場合があります。
オフィスアワー 毎週火曜日(13:00-14:00) 要事前アポイントメント。本館2階講師室
それ以外はメールにて受け付けます。miyazawa☆lit.tamagawa.ac.jp (☆をアットマークに変えてください)

このページのトップ