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令和4年度以降入学者 | 学問の扉 | ||||
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令和元年度以前入学者 | 自主創造の基礎2 | ||||
教員名 | 青木隆 | ||||
単位数 | 2 | 学年 | 1~4 | 開講区分 | 文理学部 |
科目群 | 中国語中国文化学科 | ||||
学期 | 後期 | 履修区分 | 必修 |
授業形態 | 対面授業 |
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Blackboard ID | 20233688 |
授業概要 | 本学科の中国語カリキュラムでは、1年生の間は会話を中心とした口語文の発音と文法の学習を行う。論説文を中心とした書面語や古典語文の学習は2年生から始まる。現代中国語の口語文しか学んでいない学生にとって、2年生から始まる書面語や古典文の学習はハードルが高い。中国語は話し言葉と書き言葉の差異が大きい言語なのでハードルが高いのはむしろ当然である。そのハードルを低くするために設計されたのが本授業である。 そこで、本授業は書面語・古典語を読むうえで必須の文法的知識を講じる。まず漢和辞典で漢字の字体・語義と品詞・字音を確かめること、次に漢字と漢字のつらなりが一定の意味を生じる仕組みを知ることから始めたい。そのためには、実は高校の国語科で学んだ漢文の復習から始めるのが都合がよい。 高校国語の漢文は、日本古典文の一部として学ぶものなので、外国語としての中国語を意識することはない。本授業では、高校国語で学んだ漢文を外国語としての中国語文として意識しなおし、改めて学び直してみたい。 本授業全体の授業内容の配分は以下の通り。前半は漢和辞典の使い方を学び、中間部で漢字熟語の文法を学び、最後に中国古典文の文法を学ぶ。中国古典文といってもオーソドックスな文語文ではなく、『三国志演義』という名の通俗的な近世白話文である。それは、中国古典文の入門だけでなく、現代中国語の書面語文の入門時に役に立つ教材の一つであると信ずる。 本授業が2年生以降の中国語の学習に資することを願ってやまない。なお、本授業は、高大連携を強く意識した授業内容であるので、受講生が高校程度の「古文・漢文」を学んでいることを前提にして行う。 |
授業のねらい・到達目標 | 本授業は、高校「漢文」を学んだ人が、現代中国語の書面語文及び中国古典文を学ぶための入門として機能するよう設計されている。 ①漢和辞典で未知の漢字を調べることができる(A-3-1)。 ②漢和辞典の記述から役に立つ情報を読み取ることができる(A-3-1)。 ③漢字の連なりが意味を生じる仕組みを理解することができる(A-4-1)。 ④漢和辞典の付録を活用することができる(A-4-1)。 ⑤漢文訓読文の仕組みを理解することができる(A-4-1)。 仮説に基づく課題や問題を提示し,客観的な情報を基に,論理的・批判的に考察することの重要性を説明できる。(A-3-1) 事象を注意深く観察して,解決すべき問題を認識できる。(A-4-1) 自己の学修経験の振り返りを継続的に行うことができる。(A-8-1) この科目は、文理学部のDP及びCPの3,4,8に対応しています。 |
授業の形式 | 講義 |
授業の方法 | ・原則として講義形式で行うが、教室で漢和辞典を用いる実習を取り入れる。授業に漢和辞典を持参することを求める。実習は、配布補助プリントの演習問題を解く形で行なう。 ・基本的に個人で行うが、時にグループワークの形式をとることもあり、質疑応答の形式をとることもある。 ・各授業回において課題提出を求めたり小テストを行う。提出課題や小テストは可能な限り採点や添削等のフィードバックを行う。 ・本授業の事前・事後学習の時間はそれぞれ2時間を目安とする。 |
履修条件 | 原則として中国語中国文化学科1年生(再履修者・編入生等を含む)。高校卒業程度の古文・漢文の知識があること。 |
授業計画 | |
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1 |
授業第1回「ガイダンスと漢和辞典の引き方」 ①ガイダンス。授業方法と到達目標について理解する。 ②漢和辞典で漢字を引く方法をマスターする。その際、必要に応じてグループの中で漢字の引き方を教えあう。 事前学習:シラバスを読み、到達目標について理解する。自分の氏名にある漢字の、新旧の字体及び簡体字を『漢辞海』・『中日辞典』等で調べ、ノートしておく(A-3-1)。(2時間) 事後学習:授業でできなかった問題を解いてみる(A-8-1)。授業で出された課題に取り組む。(2時間) 【授業形態】対面授業 |
2 |
授業第2回「字体」 ①「字体」という概念を学ぶ(A-4-1)。 ②新旧の漢字体、異体字の関係を理解する(A-4-1)。 事前学習:授業プリントの説明を読んで例題を解いておく(A-3-1)。(2時間) 事後学習:授業でできなかった問題を解いてみる(A-8-1)。授業で出された課題に取り組む。(2時間) 【授業形態】対面授業 |
3 |
授業第3回「漢和辞典の構成」 「凡例」(『漢辞海』の場合は「本辞典の構成ときまり」)を参照しながら、漢和辞典の一項目を読み、漢和辞典の構成を理解する(A-4-1)。 事前学習:授業プリントの説明を読んで例題を解いておく(A-3-1)。(2時間) 事後学習:授業でできなかった問題を解いてみる(A-8-1)。授業で出された課題に取り組む。(2時間) 【授業形態】対面授業 |
4 |
授業第4回「字音」 字音について。漢和辞典に記載されている漢字音には、大きく分けて、中国漢字音と日本漢字音がある。練習問題の実習を通じて、字音の調べ方をマスターする(A-4-1)。その際、グループの中で字音の調べ方を教えあうこと。 事前学習:自分の氏名にある漢字の、日本漢字音を『漢辞海』で調べ、ノートしておく(A-3-1)。授業プリントの説明を読んで例題を解いておく(A-3-1)。(2時間) 事後学習:授業でできなかった問題を解いてみる(A-8-1)。授業で出された課題に取り組む。(2時間) 【授業形態】対面授業 |
5 |
授業第5回「字訓」 字訓について。練習問題の実習を通じて、字訓の調べ方をマスターする(A-4-1)。その際、グループの中で字訓の調べ方を教えあうこと。 事前学習:自分の氏名にある漢字にどんな字訓があるか調べて、ノートしておく(A-3-1)。授業プリントの説明を読んで例題を解いておく(A-3-1)。(1時間) 事後学習:授業でできなかった問題を解いてみる(A-8-1)。授業で出された課題に取り組む。(1時間) 【授業形態】対面授業 |
6 |
授業第6回「送り仮名」 日本語環境で漢字を用いる時、字音・字訓に付随して必然的に送り仮名を用いる。その際、漢文訓読文における送り仮名と一般の日本語文における送り仮名の概念の違いを理解し、古典中国語文と漢文訓読文と漢文書き下し文の違いを把握する。練習問題の実習を通じて、字訓の調べ方をマスターする(A-4-1)。その際、グループの中で字訓の調べ方を教えあうこと。 事前学習:授業プリントの説明を読んで例題を解いておく(A-3-1)。(1時間) 事後学習:授業でできなかった問題を解いてみる(A-8-1)。授業で出された課題に取り組む。(1時間) 【授業形態】対面授業 |
7 |
授業第7回「漢字熟語から見る中国語文法」その1 漢字二字熟語がどんな文法に従っているか、グループごとに討論をまじえながら考え、中国語の文法について初歩的な考察を行う(A-4-1)。その1では、①連文タイプと②修飾語+被修飾語タイプの文法構造を理解する。 事前学習:授業プリントの説明を読んで例題を解いておく(A-3-1)。(2時間) 事後学習:授業でできなかった問題を解いてみる(A-8-1)。授業で出された課題に取り組む。(2時間) 【授業形態】対面授業 |
8 |
授業第8回「漢字熟語から見る中国語文法」その2 漢字二字熟語がどんな文法に従っているか、グループごとに討論をまじえながら考え、中国語の文法について初歩的な考察を行う(A-4-1)。その2では、③主語+述語タイプと④述語+主語タイプ、⑤述語+目的語タイプの文法構造を理解する。 事前学習:授業プリントの説明を読んで例題を解いておく(A-3-1)。(2時間) 事後学習:授業でできなかった問題を解いてみる(A-8-1)。授業で出された課題に取り組む。(2時間) 【授業形態】対面授業 |
9 |
授業第9回「漢字熟語から見る中国語音韻」その2 漢字二字熟語のなかには、それぞれの漢字の間に文法的構造をもたず、ただ音声を表わすことによって熟語の意味をあらわすものがある。これを連綿語という。連綿語の音韻構造から中国語の音韻について初歩的な考察を行う(A-4-1)。 事前学習:授業プリントの説明を読んで例題を解いておく(A-3-1)。(2時間) 事後学習:授業でできなかった問題を解いてみる(A-8-1)。授業で出された課題に取り組む。(2時間) 【授業形態】対面授業 |
10 |
授業第10回「漢字熟語から見る中国語音韻」その2 現代中国語の漢字音表記にはピンインや注音字母などがある。それ以前の漢字音表記法である「反切」の漢字音表記の仕組みについて理解する(A-3-1)。 事前学習:授業プリントの説明を読んで例題を解いておく(A-3-1)。(2時間) 事後学習:授業でできなかった問題を解いてみる(A-8-1)。授業で出された課題に取り組む。(2時間) 【授業形態】対面授業 |
11 |
授業第11回「返り点の打ち方」 返り点を打つ実習を通じて、訓読文の返り点の打ち方をマスターする(A-4-1)。同時に、中国語と日本語の語順の違いを文法に即して理解する。 事前学習:授業プリントの説明を読んで例題を解いておく(A-3-1)。(2時間) 事後学習:授業でできなかった問題を解いてみる(A-8-1)。授業で出された課題に取り組む。(2時間) 【授業形態】対面授業 |
12 |
授業第12回『三国志演義』とその名場面「託孤」その1 授業第9回以降、『三国志演義』の名場面を漢文訓読法(及び現代中国語直読)により読み進める。その準備として『三国志演義』の文体的特徴や授業で取り上げる場面について理解する(A-4-1)。 事前学習:授業プリントの説明を読んで例題を解いておく(A-3-1)。(2時間) 事後学習:授業でできなかった問題を解いてみる(A-8-1)。授業で出された課題に取り組む。(2時間) 【授業形態】対面授業 |
13 |
授業第13回『三国志演義』とその名場面「託孤」その2 文法的構造を理解しながら教材の前半を読み進める。あわせて、漢文訓読文と漢文書き下し文の対応関係を理解する目的で、漢文書き下し文をもとに漢文訓読文を復元する実習をする。(A-3-1)(A-4-1)。 事前学習:書下し文に基づいて教材前半部分の原文を訓読を施してみる(A-3-1)。(2時間) 事後学習:授業終了後、訓読文を清書して提出する。その際、自分でできなかった箇所をよく復習する。また、滑らかに朗読できるようになるまで何度も口に出して練習する(A-8-1)。(2時間) 【授業形態】対面授業 |
14 |
授業第14回『三国志演義』とその名場面「託孤」その3 文法的構造を理解しながら教材の後半を読み進める。あわせて、漢文訓読文と漢文書き下し文の対応関係を理解する目的で、漢文書き下し文をもとに漢文訓読文を復元する実習をする。(A-3-1)(A-4-1)。 事前学習:書下し文に基づいて教材後半部分の原文を訓読を施してみる(A-3-1)。(2時間) 事後学習:授業終了後、訓読文を清書して提出する。その際、自分でできなかった箇所をよく復習する。また、滑らかに朗読できるようになるまで何度も口に出して練習する(A-8-1)。(2時間) 【授業形態】対面授業 |
15 |
授業第15回「総復習」 授業第1回から第14回までの内容の復習を行う(A-3-1)(A-4-1)。 事前学習:授業プリントの説明を読んで例題を解いておく(A-3-1)。(2時間) 事後学習:授業でできなかった問題を解いてみる(A-8-1)。授業で出された課題に取り組む。(2時間) 【授業形態】対面授業 |
その他 | |
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教科書 | 戸川芳郎監修 『『漢辞海』』 三省堂 2017年 第4版 |
参考書 | 使用しない |
成績評価の方法及び基準 | 試験(50%)、授業参画度(50%) 授業参画度には、各授業回で提出を求めた課題や小テストの成績を含む。 |
オフィスアワー | 質問は、Blackboardまたはメールで受け付け、随時フィードバックする。または毎週水曜日第3時限中文学生閲覧室。 |