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児童文学研究

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令和2年度以降入学者 児童文学研究
令和元年度以前入学者 児童文学・絵本論
教員名 久米依子
単位数    2 学年 2~4 開講区分 文理学部
(他学部生相互履修可)
科目群 国文学科
学期 前期 履修区分 選択
授業形態 対面授業
授業の形態 講義形式の対面授業。
欠席者に対する遠隔授業の対応は行わないが、欠席に関してはBbで詳細な指示を出す(感染症の場合の届けの必要性や課題など)ので参照すること。
Blackboard ID 20230698
授業概要 近代児童文学の展開―ライトノベルとの関連まで
西欧児童文学の誕生と展開を学んだ後、日本近代の児童文学発展の歴史を追い、90年代以降のライトノベルの興隆との関連まで確認する。児童文学は、近代社会が始まる頃に発生し、教育制度などと足並みをそろえて発展した。この授業では、西洋の先駆的児童文学を確認してから、近代日本の児童文化の変遷をたどる。明治時代は説話的おとぎ話が流行し、大正期に入ると芸術的な童話が確立。昭和期にはプロレタリア児童文学や写実的な生活童話が注目された。戦後には、児童文学の理論的刷新があり、新時代のテーマと新しい子ども像が描かれた。しかし80年代ころから日本の児童文学は行きづまりを示し、現代ではライトノベルなどとの相互影響が認められるようになっている。近代文学の中の児童文学ジャンルの歴史と特性を知り、ジャンルの揺らぎについても受講者が見解を持つことを目標とする。
授業のねらい・到達目標 〈授業のねらい〉
児童文学の発展の経緯を知り、文学ジャンルの中での児童文学の位置と特性を確認し理解する。
〈到達目標〉
近代日本で児童文学に課せられてきた役割を学び、昨今のライトノベルとの境界の問題についても理解することができる。
児童文学の変容の背景と、今後の課題も考察できるようになる。
児童文学やライトノベルの特性について、受講者自身の見解を持つことができる。

この科目は文理学部(学士(文学))のディプロマポリシーDP2,3,4,5,8及びカリキュラムポリシーCP2,3,4,5,8に対応している。
・日本文学・日本語学研究を学びながら、それらと深く関わる世界諸国の歴史や政治,経済,文化,価値観,信条などの現状および相互関係を,自己の世界観をもって説明できる。(A-2-2)
・日本文学・日本語学研究を中心としながら、仮説に基づく課題や問題を提示し,客観的な情報を基に,論理的・批判的に考察できる。(A-3-2)
・日本文学・日本語学研究に関わる問題の意味を理解し,助言を受けて複数の解決策を提示し説明できる。(A-4-2)
・日本文学・日本語学研究のスキルを身につけながら、新しい挑戦への計画を立て,準備することができる。(A-5-2)
・日本文学・日本語学研究の専門性を身につけながら、自己の学修に関する経験と考えを振り返り,分析できる。(A-8-2)

この科目は、旧カリキュラム(令和元年度までの入学者対象)では文理学部(学士(文学))のディプロマポリシーDP6及びカリキュラムポリシーCP9に対応している。
授業の形式 講義
授業の方法 講義形式で進める。前半はBbにあげる資料も使用する予定。後半は教科書を使用する(電子書籍)。教科書はレポート提出でも使用するので、購入は必須。また、実際に児童文学作品を選んで読んでもらう予定。
最終課題とは別に、授業期間内にも、課題の提出を求める。課題の提出方法、フィードバック方法等については、授業内で指示する。
欠席に関してはBbに指示を出す。
履修条件 教科書を必ず購入すること。教科書は電子書籍。
授業計画
1 全体のガイダンスと西欧児童文学の発生
【事前学習】シラバスを読み、用語を理解すること (2時間)
【事後学習】第1回の授業内容を理解し、歴史的事項を確認する (3時間)
【授業形態】対面授業
2 近代児童文学の展開と発展(A-2-2)
【事前学習】前回授業の内容を振り返り、取り上げた作品の特性を知る (2時間)
【事後学習】授業で指示された作品を読み、次回の授業範囲に関して理解しておく (3時間)
【授業形態】対面授業
3 明治期教育制度、児童文化と児童文学の様相
【事前学習】前回授業内容を振り返り、用語の意味、使われ方などを調べ理解する (2時間)
【事後学習】授業で指示された、文化・教育事象について調べ理解する (3時間)
【授業形態】対面授業
4 大正期の童心主義童話の発生とその文化的背景
【事前学習】前回授業内容を振り返り、独特な用語について調べ、作家名も確認する (2時間)
【事後学習】時代事象に関する学習を整理し、授業内容と照らし合わせる (3時間)
【授業形態】対面授業
5 『赤い鳥』の誕生と児童文化に対する影響
【事前学習】雑誌『赤い鳥』に関する事項を理解しておく (2時間)
【事後学習】授業に出てきた作家・作品について調べ、知識を深める (3時間)
【授業形態】対面授業
6 童心主義童話批判と昭和期の生活童話の特色(A-4-2)
【事前学習】昭和期の文学について予習し、内容を理解する (2時間)
【事後学習】授業内容と時代思想の関係を調べておく (3時間)
【授業形態】対面授業
7 第二次大戦以後の刷新――戦後の理論と多様な作品
【事前学習】前回授業内容を振り返り、戦後期の日本と児童文学の状況を理解しておく (2時間)
【事後学習】成長物語・子ども像の刷新をまとめる (3時間)
【授業形態】対面授業
8 社会的児童文学から、80年代の変容に至るまで(A-5-2)
【事前学習】80年代の日本に関して調査確認する (2時間)
【事後学習】80年代の社会的状況と児童文学の関係を理解する (3時間)
【授業形態】オンデマンド型授業
9 ライトノベルの発生と現代児童文学との関係を考える(A-3-2)
【事前学習】教科書に示された問題設定を読んでおくこと (2時間)
【事後学習】90年代社会状況とライトノベルの関係を理解する (3時間)
【授業形態】対面授業
10 キャラクターの特性とその発展、受容についての解説
【事前学習】教科書の前提的説明を読んでくること (2時間)
【事後学習】「キャラクター」の特性をまとめておく (3時間)
【授業形態】対面授業
11 セカイ系という問題
【事前学習】教科書に使われている用語、時代状況の解説を理解する (2時間)
【事後学習】レポート課題の児童文学の選定を行う (3時間)
【授業形態】対面授業
12 メディアミックスとジャンルの拡大の確認
【事前学習】授業内容に関わる教科書の該当部分を読んでおく (2時間)
【事後学習】レポート課題に取り組み始める (3時間)
【授業形態】オンデマンド型授業
13 国際化するライトノベルとジャンルの現在(A-2-2)
【事前学習】国際化に関する教科書のメディアミックスの説明を読んでおくこと (2時間)
【事後学習】国際的な文化状況をまとめておく (3時間)
【授業形態】対面授業
14 現代青少年文化としてのライトノベルの特性と児童文学に関して(A-8-2)
【事前学習】教科書の総括的な説明を読んでおく (2時間)
【事後学習】レポート提出の準備 (3時間)
【授業形態】対面授業
15 全体のまとめと児童文学の今後の展望
【事前学習】教科書、ノートの内容をまとめておくこと (2時間)
【事後学習】課題が理解できたか、確認しておくこと (3時間)
【授業形態】オンデマンド型授業
その他
教科書 大橋崇行・山中智省 『ライトノベル・フロントライン2』 青弓社(電子書籍) 2016年
教科書は、授業の後半で使いますが、試験や課題に使うので、各自電子書籍を購入できるように準備して下さい。
参考書 使用しない
成績評価の方法及び基準 レポート:複数の小レポートと児童文学に関する最終レポート(40%)、授業内テスト:授業に関する授業内テスト(40%)、授業参画度:リアクションペーパーの課題の回答(20%)
A-2,A-3の達成度については課題で、A-4,A-5,A-8の達成度については授業内テストとレポートで評価する。レポートは、Bbに提出する複数の小レポートと児童文学を読む最終レポートを含む。
オフィスアワー 月曜日昼休み、水曜日昼休み 7号館4階久米研究室 あるいはメールで連絡
備考 欠席に関しては、Bbで説明する予定なので必ず参照すること。

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