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令和2年度以降入学者 | 物語研究 | ||||
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教員名 | 袴田光康 | ||||
単位数 | 2 | 学年 | 2~4 | 開講区分 |
文理学部
(他学部生相互履修可) |
科目群 | 国文学科 | ||||
学期 | 後期 | 履修区分 | 選択 |
授業形態 | 対面授業 |
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Blackboard ID | 20233651 |
授業概要 | 歴史と物語の違いは何だろうか。言語化された表現として歴史叙述が主観的なバイアスを避けられない一方で、物語の語りが史書とは別な形で事実に基づいた歴史の一面を伝えることもある。〈歴史=事実〉と〈物語=虚構〉という単純な二項対立の枠組みを乗り越えたところに物語の本質は求められなければならない。この授業では歴史物語の一つである『栄花物語』をテキストとして、「月の宴」巻における史実と物語の差異と融合に注目する。時に史実を織り込み、時に組み換えながら、虚構が紡ぎ出されていく物語の論理について講義する。また、平安時代に女性が物語として歴史を物語ろうとしたことの意義についても併せて考えていく。 |
授業のねらい・到達目標 | 物語の背景にある歴史的知識を深めながら、物語文学を研究するための視点や方法を身に付けることができる。 この科目は文理学部(学士)のディプロマポリシーDP3,4,5,8及びカリキュラムポリシーCP3,4,5,8に対応している。 ・日本文学・日本語学研究を中心としながら,仮説に基づく課題や問題を提示し,客観的な情報を基に,論理的・批判的に考察できる。(A-3-2) ・日本文学・日本語学研究に関わる問題を分析し,複数の解決策を提示した上で,問題を解決することができる。(A-4-2) ・日本文学・日本語学研究のスキルを活用しながら,責任と役割を担い,新しいことに挑戦することができる。(A-5-2) ・日本文学・日本語学研究の専門性に基づきながら,学修状況を自己分析し,その成果を評価することができる。(A-8-2) |
授業の形式 | 講義 |
授業の方法 | ①授業資料のスライド(Powerpoint)を用いた講義を基本とする。 ②第8回と第14回の授業では課題研究(レポート作成)を実施する。 ③提出された課題に対してブラックボードを通じてコメントすることでフィードバックを行う。 なお、対面授業に参加することが困難な場合、理由によってはZOOMでの受講も考慮するので事前に相談すること。 |
授業計画 | |
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1 |
世界は物語で出来ている(A-3-2)(A-4-2)
【事前学習】シラバスをよく読んで自分自身の学修目標を定める。 (2時間) 【事後学習】ブッラクボードのテキストや資料を確認して熟読する。 (2時間) 【授業形態】対面授業 |
2 |
『栄花物語』について(A-3-2)(A-4-2)
【事前学習】赤染衛門について調べてノートにまとめる。 (2時間) 【事後学習】「新国史」について調べてノートにまとめる。 (2時間) 【授業形態】対面授業 |
3 |
『栄花物語と「六国史」(A-3-2)(A-4-2)
【事前学習】六国史について調べてノートにまとめておく。 (2時間) 【事後学習】『岷江入楚』の注釈を復習して問題点を整理する。 (2時間) 【授業形態】対面授業 |
4 |
『源氏物語』の物語論(A-3-2)(A-4-2)
【事前学習】『源氏物語』の「準拠」論について調べる。 (2時間) 【事後学習】「蛍」巻の物語論を復習して要点をノートにまとめる。 (2時間) 【授業形態】対面授業 |
5 |
「月の宴」巻の冒頭について(A-3-2)(A-4-2)
【事前学習】平安前期の歴代天皇とその系図について確認をしておく。 (2時間) 【事後学習】平安時代の摂関政治について調べる。 (2時間) 【授業形態】対面授業 |
6 |
村上天皇の後宮(A-3-2)(A-4-2)
【事前学習】藤原忠平と子孫について調べてノートにまとめる。 (2時間) 【事後学習】『源氏物語』「桐壺」巻と表現を比較してノートにまとめる。 (2時間) 【授業形態】対面授業 |
7 |
藤原元方のもののけ(A-3-2)(A-4-2)
【事前学習】藤原元方ついて調べてノートにまとめる。 (2時間) 【事後学習】歴史資料の「もののけ」との表現の違いをノートにまとめる。 (2時間) 【授業形態】対面授業 |
8 |
課題のレポートの作成と解説(A-5-2)(A-8-2)
【事前学習】授業資料やノートを用いて、これまでの復習をする。 (2時間) 【事後学習】レポートを補筆して完成させる。 (2時間) 【授業形態】課題研究 |
9 |
憲平親王の前半生(A-3-2)(A-4-2)
【事前学習】村上天皇の皇子について調べてノートに整理しておく。 (2時間) 【事後学習】物語の時系列の混乱についてノートに整理する。 (2時間) 【授業形態】対面授業 |
10 |
安和の変の史実と虚構①(A-3-2)(A-4-2)
【事前学習】歴史上の安和の変について調べてノートにまとめる。 (2時間) 【事後学習】源高明の左遷理由について物語と史実の違いをノートにまとめる。 (2時間) 【授業形態】対面授業 |
11 |
安和の変の史実と虚構②(A-3-2)(A-4-2)
【事前学習】源高明の子孫について調べてノートにまとめる。 (2時間) 【事後学習】「語り手」の視点の移動を復習し、語りの効果についてノートにまとめる。 (2時間) 【授業形態】対面授業 |
12 |
藤原登子に関する表現(A-3-2)(A-4-2)
【事前学習】藤原登子について調べてノートにまとめる。 (2時間) 【事後学習】平安時代の後宮について復習し、ノートに整理する。 (2時間) 【授業形態】対面授業 |
13 |
『栄花物語』と『源氏物語』(A-3-2)(A-4-2)
【事前学習】『源氏物語』と『栄花物語』の違いを考えてノートにまとめる。 (2時間) 【事後学習】『栄花物語』以降の歴史物語を調べてノートに整理しておく。 (2時間) 【授業形態】対面授業 |
14 |
課題のレポートの作成と解説(A-5-2)(A-8-2)
【事前学習】授業資料やノートを用いて、これまでの学習内容の復習をする。 (2時間) 【事後学習】レポートを補筆して完成させる。 (2時間) 【授業形態】課題研究 |
15 |
『栄花物語』は歴史か?―授業のまとめ―(A-4-2)
【事前学習】この授業で学んだことを整理し、学修目標の到達度を自己分析する。 (2時間) 【事後学習】授業で読めなかったテキストの部分を自分で読んでおく。 (2時間) 【授業形態】対面授業 |
その他 | |
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教科書 | テキストは教材としてブラックボードに配信したものを使用する。 |
参考書 | 松村博司 『栄花物語全註釈(一)』 角川書店 1969年 参考書は多いので、最初の授業で一括して紹介する。 |
成績評価の方法及び基準 | レポート:2回の課題(レポート)によって評価する(100%) |
オフィスアワー | 金曜12:00~13:00(この時間以外でも対応するので事前にメールで連絡をしてください。) |