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令和2年度以降入学者 | 東洋史特講2 | ||||
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令和元年度以前入学者 | 東洋史特講2 | ||||
教員名 | 柳谷あゆみ | ||||
単位数 | 2 | 学年 | 2~4 | 開講区分 |
文理学部
(他学部生相互履修可) |
科目群 | 史学科 | ||||
学期 | 後期 | 履修区分 | 選択必修 |
授業形態 | 対面授業 |
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授業の形態 | 講義形式で行います。 |
Blackboard ID | 20233565 |
授業概要 | アッバース朝期(750-1258年)の中東イスラーム世界の歴史を学びます。 イラクを中心に広域支配体制を実現したアッバース朝の治世は、中東イスラーム世界の社会・行政システムの基礎が築かれた時代ということができます。アッバース朝期に形成された理論の中には、カリフ論やジハード(聖戦)論のように、近代以降も植民地主義への抵抗として提唱され、今日的な問題を読み解くうえで不可欠であるものも少なくありません。 本講義では、中世イスラーム社会の基本的な構造・知識を理解し、後代、特に現代社会とのつながりと断絶、また周辺世界との交流についても意識が及ぶように進めていきたいと思います。 |
授業のねらい・到達目標 | 1.「カリフ制」「イクター制」などの用語・内容を理解・把握したうえで、中世中東イスラーム世界における社会システムの基礎的な内容を理解する。 2.この時期に築かれた理論・システムと、現代のイスラーム世界における出来事との関連・影響についても考えることができる。 3.現代日本とは異なる世界・社会・時代の状況を知り、その共通点・相違点を探ることで、自らの知見を拡大することができる。 この科目は文理学部(学士(文学))のDP2,3及びCP2,3に対応しています。 ・世界諸国の歴史,経済,文化,政治などの背景を理解し,国際社会が直面している問題を人文学の視点から説明することができる(A-2-3)。 ・物事を既存の知識にとらわれることなく,人文学的根拠にもとづいて論理的・批判的に考察し,説明することができる(A-3-3)。 |
授業の形式 | 講義 |
授業の方法 | 対面・講義形式で行います。出席票にスペースを取りますので、コメントや質問を記入してもらえると助かります。(出席は毎回取ります。出席日数が6割を切った方に対しては期末試験の採点対象としません)コメント・授業時に提示した課題については授業時間内に回答・説明します。 ※教室内でのスマートフォンの使用は控えてください。 新型コロナウイルス感染・濃厚接触者になったという理由で「出校停止」となった場合は、基本的には授業資料の配布によって対応します(後日、出校停止となった理由書・証明書を提示してください)。 また、事前に連絡があり、本人の体調が当日視聴可能である場合は、オンラインでの配信(リアルタイム)によっても対応可能です。 |
授業計画 | |
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1 |
イントロダクション:イスラーム共同体の創設
【事前学習】シラバスの概容を確認する。中東イスラーム世界の地理的範囲を大まかに確認しておく。 (2時間) 【事後学習】預言者ムハンマドの時代からウマイヤ朝期にかけての歴史の流れと、イスラーム共同体の構造を理解する (2時間) 【担当教員】柳谷あゆみ 【授業形態】対面授業 |
2 |
アッバース朝の成立と発展
【事前学習】ウマイヤ朝期の社会構造の特徴を復習しておく。 (2時間) 【事後学習】アッバース朝期の発展を支えた農業や文化の特色を理解し、知的文化の概容をとらえる。 (2時間) 【担当教員】柳谷あゆみ 【授業形態】対面授業 |
3 |
宗派の誕生・スンナ派イスラーム社会規範の完成
【事前学習】アッバース朝革命の進行について復習しておく。 (2時間) 【事後学習】スンナ派、シーア派の差異と、シーア派の分派構造を理解する (2時間) 【担当教員】柳谷あゆみ 【授業形態】対面授業 |
4 |
アッバース朝カリフ権の衰え
【事前学習】アッバース朝成立時のイスラーム世界の範囲を確認する。 (2時間) 【事後学習】トルコ系を中心とした新規参入勢力の特色・概容を理解する (2時間) 【担当教員】柳谷あゆみ 【授業形態】対面授業 |
5 |
武人の時代・シーア派の世紀(10世紀)
【事前学習】シーア派について、特徴と分派の概容を復習する (2時間) 【事後学習】イクター制・大アミール制や、権威承認の儀礼について用語も含めて理解し、政治・社会システムの基礎を理解する (2時間) 【担当教員】柳谷あゆみ 【授業形態】対面授業 |
6 |
セルジューク朝のバグダード入城(11世紀)
【事前学習】トルコ系武人の類型について復習し、イクター制・大アミール制の内容を確認しておく (2時間) 【事後学習】ニザーム・アルムルクの政策・役割を通してマドラサ、ワクフなど新たな用語を理解し、セルジューク朝の社会の在り方を考察する (2時間) 【担当教員】柳谷あゆみ 【授業形態】対面授業 |
7 |
セルジューク朝の拡大と分裂
【事前学習】セルジューク朝スルターンの三代目までを復習しておく。イクター制の仕組みを復習する (2時間) 【事後学習】アターベク制度という新たな制度とその役割について理解する。可能であれば、日本の執権制度など同時期の共通性のある制度との比較を試みる。 (2時間) 【担当教員】柳谷あゆみ 【授業形態】対面授業 |
8 |
十字軍(ファランジュ)の侵攻(1)背景と反応
【事前学習】11世紀末のアッバース朝・セルジューク朝・地方諸政権で構成される複合的な支配構造を大まかに把握しておく。 (2時間) 【事後学習】ファランジュ(十字軍)侵攻当時の中東イスラーム世界各地の反応を理解する (2時間) 【担当教員】柳谷あゆみ 【授業形態】対面授業 |
9 |
十字軍(ファランジュ)の侵攻(2)協調と抗争
【事前学習】ファランジュの侵攻・植民の舞台となったシリア・パレスティナ地方の位置と当初の反応を復習する。 (2時間) 【事後学習】ファランジュ問題が各地の支配者層にとってどのような性格をもち、またそれぞれがどのように対処したかを理解する。 (2時間) 【担当教員】柳谷あゆみ 【授業形態】対面授業 |
10 |
ザンギー朝ヌール・アッディーンの広域支配体制成立
【事前学習】モスル、アレッポを支配したザンギー朝の概容を復習する。 (2時間) 【事後学習】ザンギー朝ヌール・アッディーンの政策を(1)対ファランジュ(2)対ザンギー一族の二点から整理する。 (2時間) 【担当教員】柳谷あゆみ 【授業形態】対面授業 |
11 |
アイユーブ朝サラーフ・アッディーンの台頭
【事前学習】ヌール・アッディーンの勢力拡大過程とその政策を大まかに復習しておく。 (2時間) 【事後学習】三度にわたるエジプト遠征の意義と、当時の主従関係の成立・解消条件を理解する (2時間) 【担当教員】柳谷あゆみ 【授業形態】対面授業 |
12 |
アイユーブ朝によるファーティマ朝廃絶:シーア派カリフ一族の滅亡
【事前学習】アイユーブ朝を興したサラーフ・アッディーンのエジプト遠征とエジプトの実権掌握について復習する。 (2時間) 【事後学習】シーア派のカリフ一族の廃絶の過程を踏まえて、廃絶の目的と意義を理解する。 (2時間) 【担当教員】柳谷あゆみ 【授業形態】対面授業 |
13 |
ザンギー朝の解体と衰退
【事前学習】ヌール・アッディーンの治世と、その一族の概容を復習しておく。 (2時間) 【事後学習】ザンギー朝というバイト(家)の解体過程を整理し、理解する。 (2時間) 【担当教員】柳谷あゆみ 【授業形態】対面授業 |
14 |
アイユーブ朝の支配体制
【事前学習】アイユーブ朝創設者サラーフ・アッディーンによる広域支配体制の成立の過程を確認する。 【事後学習】アイユーブ一族による統治権共有とそれを支える武人たちの状況を整理し、理解する。 【担当教員】柳谷あゆみ 【授業形態】対面授業 |
15 |
アッバース朝の滅亡と存続
【事前学習】アイユーブ朝末期の政治的状況を復習しておく。 (2時間) 【事後学習】マムルーク朝の成立と、モンゴル侵攻の経過を理解し、アッバース朝カリフの役割について考察する。 (2時間) 【担当教員】柳谷あゆみ 【授業形態】対面授業 |
その他 | |
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教科書 | 使用しない |
参考書 | 佐藤次高 『イスラーム世界の興隆 (世界の歴史8)』 中公文庫 2008年 佐藤次高 『イスラームの国家と王権 (世界歴史選書)』 岩波書店 2004年 本講義の概容を理解し、さらに知見を深めていくのに役立つ書籍を2点挙げました。興味があるところから拾い読みをしてもよくわかると思います。 |
成績評価の方法及び基準 | 試験(70%)、平常点(遅刻・授業姿勢など)(30%) 出席回数が全体の6割を切った受講者は期末試験の採点対象としません。 また、30分以上の遅刻については、出席とカウントしません。(※電車の遅延等の理由がある場合は、あとで事情を伺いますので、申し出てください) ※本人以外が出席票を提出した場合、残念ですが、代わりに提出した人も含め厳しく対処せざるを得ません。気を付けてください。 期末に筆記試験を実施します。紙媒体のみ持ち込みを許可します。 |
オフィスアワー | 講義の前後に質問等を伺います。出席票のコメントを活用してくれると助かります。 |