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日本史特講4

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令和2年度以降入学者 日本史特講4
令和元年度以前入学者 日本史特講4
教員名 神田裕理
単位数    2 学年 2~4 開講区分 文理学部
(他学部生相互履修可)
科目群 史学科
学期 後期 履修区分 選択必修
授業形態 対面授業
授業の形態 対面授業
Blackboard ID 20233564
授業概要 中世から近世にかけての政治社会動向について、天皇と武家の関係を切り口に考察する。
授業のねらい・到達目標 中世から近世初期にかけて、とりわけ戦国時代の天皇の姿は見えにくい。高等学校で用いる日本史の教科書でも、彼らに関する記載にはさほどページを費やしていないだろう。一般に、「戦国時代の天皇」というと、「お飾り」「弱体化した存在」「伝統的権威を振りかざす守旧派」「武家のあやつり人形」など、ネガティブなイメージを持たれていることが多い。だが、このようなイメージに基づく理解のままでは、当時の天皇や朝廷の存在意義や役割を見出すことはできない。
 本講義では、武家との関係から天皇や公家のあり方を見ることに加え、天皇や公家の側から視点をあてる。当時の社会状況の中で天皇や公家が必要とされた局面・条件をふまえたうえで、そこでの天皇・公家の、もろもろの行為から、彼ら(とくに天皇)の実際に果たしえた役割・権限を具体的に追求する。そのうえで、天皇・公家が果たしていた役割は、武家の現実的な政治支配とどのように関わったかについて、その影響面・効果も含めて考える。
 中~近世初期の天皇や朝廷の実像を解明から、これまでなされてきた「お飾り」や「伝統的権威」といった見方をくつがえすこと、戦国時代の「日本国」における天皇および朝廷の位置も改めて示すことを目標とする。
 この科目は文理学部(学士(文学))のDP2、3及びCP2、3に対応しています。
世界諸国の歴史、経済、文化、政治などの背景を理解し、国際社会が直面している問題を人文学の視点から説明することができる。(A-2-3)
物事を既存の知識やイメージにとらわれることなく、人文学的根拠に基づいて論理的・批判的に考察し、説明することができる。(A-3-3)
授業の形式 講義
授業の方法 【講義】
プリントと板書による説明を通じて、各回のテーマについて、自分なりの理解を構築する。各回の最後に、各自、講義に関するリアクションペーパーを提出し、理解のアウトプットをおこなう。簡易グループワーキングをおこなう場合もある。
試験およびレポート・小レポートについては、後日に全体講評をおこなう。
 なお、対面授業に参加できない場合の代替方法は、以下の通りである。対面授業終了後、Blackboardに記載している期日までに授業プリントを入手し勉強する。この場合、課題を個別に提示するので、それに応じて提出することとする。教員(神田裕理)に要相談のこと。
授業計画
1 ガイダンス(中世~近世の天皇・朝廷に関する基本事項や、授業の目標・方法について説明する)【対面】
 プリントと板書の内容を理解し、疑問点は質問や協同学習で解決する。(A-2-3,A-3-3)
【事前学習】シラバスを事前に確認する。 (2時間)
【事後学習】第2回以降の授業に備え、中~近世の天皇や朝廷に関するイメージや基礎知識を整理する。 (2時間)
【担当教員】神田裕理
【授業形態】対面授業
2 (総論1)室町時代初期の朝廷と足利将軍家(足利義満・義持と天皇の関係を考える)【対面】
  プリントと板書の内容を整理し、疑問点は質問や協同学習で解決する。(A-2-3,A-3-3)
【事前学習】『国史大辞典』を用い、予習プリントで示したキーワードの要点をメモする。 (2時間)
【事後学習】講義の内容をノートにまとめ、義満と天皇の関係、義持と天皇の関係について、それぞれの特徴および両者の差異を説明できるようにする。 (2時間)
【授業形態】対面授業
3 (総論2)室町時代中期の朝廷と足利将軍家(足利義教と天皇の関係を考える)【対面】
  プリントと板書の内容を整理し、疑問点は質問や協同学習で解決する。(A-2-3,A-3-3)
【事前学習】『国史大辞典』を用い、予習プリントで示したキーワードの要点をメモする。 (2時間)
【事後学習】講義の内容をノートにまとめ、義教と天皇の関係について、特徴を説明できるようにする。 (2時間)
【担当教員】神田裕理
【授業形態】対面授業
4 (総論3)室町末期~戦国期の朝廷(二つの将軍家の存在を確認し、天皇との関係を考える。また、戦国大名の関係についても考える)【対面】
  プリントと板書の内容を整理し、疑問点は質問や協同学習で解決する。(A-2-3,A-3-3)
【事前学習】『国史大辞典』を用い、予習プリントで示したキーワードの要点をメモする。 (2時間)
【事後学習】講義の内容をノートにまとめ、戦国大名と天皇の関係について、特徴を説明できるようにする。 (2時間)
【担当教員】神田裕理
【授業形態】対面授業
5 (総論4)戦国~織田期の朝廷(最後の将軍義昭と天皇、織田信長と天皇との関係を考える)【対面】
 プリントと板書の内容を整理し、疑問点は質問や協同学習で解決する。(A-2-3,A-3-3)
【事前学習】『国史大辞典』を用い、予習プリントで示したキーワードの要点をメモする。 (2時間)
【事後学習】講義の内容をノートにまとめ、義昭と天皇の関係、信長と天皇の関係について、それぞれの特徴および両者の差異を説明できるようにする。 (2時間)
【担当教員】神田裕理
【授業形態】対面授業
6 (総論5)豊臣期の朝廷(武家関白豊臣氏と天皇の関係を考える)【対面】
   プリントと板書の内容を整理し、疑問点は質問や協同学習で解決する。(A-2-3,A-3-3)
【事前学習】『国史大辞典』を用い、予習プリントで示したキーワードの要点をメモする。 (2時間)
【事後学習】講義の内容をノートにまとめ、秀吉と天皇の関係、秀次と天皇の関係について、それぞれの特徴を説明できるようにする。 (2時間)
【担当教員】神田裕理
【授業形態】対面授業
7 (総論6)徳川初期の朝廷(徳川将軍家の草創と、当時の朝廷について考える)【対面】
 プリントと板書の内容を整理し、疑問点は質問や協同学習で解決する。(A-2-3,A-3-3)
【事前学習】『国史大辞典』を用い、予習プリントで示したキーワードの要点をメモする。 (2時間)
【事後学習】講義の内容をノートにまとめ、家康と天皇の関係について、豊臣氏と天皇の関係と比較しながら、その特徴を説明できるようにする。 (2時間)
【担当教員】神田裕理
【授業形態】対面授業
8 (各論1)天皇という「人生」(天皇の誕生から死までを考える)【対面】
  プリントと板書の内容を整理し、疑問点は質問や協同学習で解決する。(A-2-3,A-3-3)
【事前学習】『国史大辞典』を用い、予習プリントで示したキーワードの要点をメモする。 (2時間)
【事後学習】講義の内容をノートにまとめ、中世から近世初期の天皇はどのような人生をたどったか、説明できるようにする。 (2時間)
【担当教員】神田裕理
【授業形態】対面授業
9 (各論2)朝廷を支えた人々①(後宮女房たちの活動について考える)【対面】
 プリントと板書の内容を整理し、疑問点は質問や協同学習で解決する。(A-2-3,A-3-3)
【事前学習】『国史大辞典』を用い、予習プリントで示したキーワードの要点をメモする。 (2時間)
【事後学習】講義の内容をノートにまとめ、天皇に仕える後宮女房たちのさまざまな活動について、説明できるようにする。 (2時間)
【担当教員】神田裕理
【授業形態】対面授業
10 (各論3)朝廷を支えた人々②(皇子・皇女たちの人生について考える)【対面】
 プリントと板書の内容を整理し、疑問点は質問や協同学習で解決する。(A-2-3,A-3-3)
【事前学習】『国史大辞典』を用い、予習プリントで示したキーワードの要点をメモする。 (2時間)
【事後学習】講義の内容をノートにまとめ、中世から近世初期の皇子や皇女たちははどのような人生をたどったか、説明できるようにする。 (2時間)
【担当教員】神田裕理
【授業形態】対面授業
11 (各論4)朝廷を支えた人々③(戦国時代の公家と公家社会について考える)【対面】
  プリントと板書の内容を整理し、疑問点は質問や協同学習で解決する。(A-2-3,A-3-3)
【事前学習】『国史大辞典』を用い、予習プリントで示したキーワードの要点をメモする。 (2時間)
【事後学習】講義の内容をノートにまとめ、戦国時代の公家の生きざまについて説明できるようにする。 (2時間)
【担当教員】神田裕理
【授業形態】対面授業
12 (各論5)朝廷を支えた人々④(武家伝奏について考える)【対面】
  プリントと板書の内容を整理し、疑問点は質問や協同学習で解決する。(A-2-3,A-3-3)
【事前学習】『国史大辞典』を用い、予習プリントで示したキーワードの要点をメモする。 (2時間)
【事後学習】講義の内容をノートにまとめ、武家伝奏の役割および各時代の武家伝奏の特徴について説明できるようにする。 (2時間)
【担当教員】神田裕理
【授業形態】対面授業
13 (各論6)朝廷を支えた人々⑤(家司について考える)【対面】
   プリントと板書の内容を整理し、疑問点は質問や協同学習で解決する。(A-2-3,A-3-3)
【事前学習】『国史大辞典』を用い、予習プリントで示したキーワードの要点をメモする。 (2時間)
【事後学習】講義の内容をノートにまとめ、家司の役割について説明できるようにする。 (2時間)
【担当教員】神田裕理
【授業形態】対面授業
14 試験と解説【対面】
 中~近世初期の朝廷および公武関係に関する議論を復習して臨むこと。論述式試験。
 出題された課題について、回答を提出する。(A-2-3,A-3-3)
【事前学習】まとめたノートを再読して、各時期の朝廷や公武関係のスタンスに関するイメージを整理する。第2回から第13回までの内容を復習する。 (2時間)
【事後学習】解説をふまえて、自己の解答を再検討する。 (2時間)
【担当教員】神田裕理
【授業形態】対面授業
15 試験と解説【対面】
 第14回に行った試験の欠席者のみ、対象とする。同一問題ではない。
中~近世初期の朝廷および公武関係に関する議論を復習して臨むこと。論述式試験。  
 出題された課題について、解答を提出する。(A-2-3,A-3-3)
【事前学習】まとめたノートを再読して、各時期の朝廷や公武関係のスタンスに関するイメージをイメージを整理する。第2回から第13回までの内容を復習する。 (2時間)
【事後学習】解説をふまえて、自己の解答を再検討する。 (2時間)
【担当教員】神田裕理
【授業形態】対面授業
その他
教科書 各回に授業用プリントを配布する。
参考書 神田裕理 『朝廷の戦国時代 武家と公家の駆け引き』 吉川弘文館 2019年 第2版
神田裕理 『宮廷女性の戦国史』 山川出版社 2022年 第1版
このほか、授業用プリントに、主要参考文献を掲示する。
成績評価の方法及び基準 試験(70%)、レポート(20%)、授業参画度(10%)
試験は、第14回に行う(欠席者は第15回に行う。試験問題は変わる)。その成果は成績評価に反映させる。
レポートは、授業用プリントで示した主要参考文献の書評によって評価し、成績評価に反映させる。
授業参画度は、講義終盤のリアクションペーパー、デイスカッションと、その小レポートで評価し、成績評価に反映させる。
授業内試験を受けられない場合、対面授業に参加できない要件を満たしていれば、第14回(第15回)の授業の試験をBlackboardで提出することを認める。授業内試験を受けた場合の評価と差が出ることはない。
オフィスアワー 授業終了後。

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