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美学課題研究3

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令和2年度以降入学者 美学課題研究3
令和元年度以前入学者 美学課題研究3
教員名 高橋陽一郎
単位数    1 学年 2~4 開講区分 文理学部
科目群 哲学科
学期 前期 履修区分 選択必修
授業形態 対面授業
授業の形態 原則として遠隔対応はしない。
Blackboard ID 20230593
授業概要 (1)「美学のアンソロジーを読む」をテーマに各種ドイツ語原典で少しずつ読んでゆく。前学期に対象となる藝術ジャンルとしては去年同様、言語藝術が中心となるが、扱うテキストには造形藝術や音楽への言及もかなり含まれる。テキストはショーペンハウアーの『意志と表象としての世界(Die Welt als Wille und Vorstellung)』、ブルクハルトの『イタリア・ルネサンスの文化(Die Kultur der Renaissance in Italien)』、ハイデガーの『藝術作品の根源(Der Ursprung des Kunstwerkes)』のそれぞれ一部。(そのほかハイデガーの『言葉についての対話』、ニーチェの『悲劇の誕生』を加える可能性もある。)
(2)受講者各自が専門とする美学藝術学研究のプレゼンテーションを行ってもらい、受講者間で議論する。
授業のねらい・到達目標 上記テキスト群をドイツ語原典で読解することによって、美学の思想・概念・語法について日本語訳では伝わらないニュアンスに至るまで理解できるようになることが、本授業の第一の目的である。また、上記テキスト群は近現代の美学藝術学を専攻する者がしばしば立ちかえる美学の古典であるので、これを読解することにより、受講者の専門研究が近現代においてどのような位置を持ちうるのか、各自に意識してもらうことが本授業の第二の目的である。
・自他の主張や論証を論理的・批判的に考察して,既存の見解を問い直すことができる(A-3-3)。
・自らの思想的課題に取り組むために必要な情報を収集し,それを分析して用いることができる(A-5-3)。
・さまざまな人とコミュニケーションをとり,傾聴力と発表力に基づいて,合理的な議論を推進することができる(A-6-3)。
・さまざまな集団活動において,より良い成果を上げるために,指導者として他者と協働し,作業を行う姿勢を示すことができる(A-7-3)。
・自分の学修経験を振り返り分析して,今後の改善計画を立てることができる(A-8-3)。

この科目は文理学部(学士(文学))のDP及びCPの3,5-8に対応しています。
授業の形式 ゼミ
授業の方法 授業の形式:【ゼミ】
(1)毎回当番がテキストの訳読案や文法の説明を全員に配布(配信)・共有し、議論しながら授業を進めてゆく。
(2)各自の自由研究を前期に一度、発表していただく。他の参加者は発表内容に基づいて質疑応答する(コロキアム形式)。
・(1)については、発表者以外の受講者もテキストを熟読して参加し、当番の訳読呈示に対し積極的に質疑応答し、理解を深める。また受講者は、復習にも時間を十分にかけ、それぞれのテキストが示す美学思想やそこに使われているドイツ語の学修に努める。
・(2)においては、他のゼミ生の研究の個性を認め、互いに質疑応答し合うことを通じて、自分の研究の進展に役立てる。
なお、本授業の事前・事後学習は、合わせて4時間を目安とします。
履修条件 前年度に受講を許可された者に限る。
授業計画
1 ガイダンス:年間のスケジュール、授業のテーマ、到達目標、授業の方法について説明し、ゼミ生間での自己紹介(自分の研究領域の説明)を行う。(A-3-3)
【事前学習】シラバスを事前に確認し、授業全体の流れについて把握しておく。 (2時間)
【事後学習】第二回以降の授業に備え、ドイツ語文法を復習しておく。 (2時間)
【授業形態】対面授業
2 ショーペンハウアーとショーペンハウアー学派:ニーチェとブルクハルトを中心に(A-5-3)
【事前学習】ショーペンハウアー美学についての入門書を読んでおくこと。 (2時間)
【事後学習】授業で配布されたプリントを復習し、疑問点を列挙しておく。 (2時間)
【授業形態】対面授業
3 Die Welt als Wille und Vorstellung, §51の講読と解説(1)―詩と悲劇について―(A-3-3)
【事前学習】授業で予定された箇所(§51)後半部で出てくる単語や文法事項を調べること。 (2時間)
【事後学習】授業で扱った箇所の単語や文法事項を確認し、さらにそこで提示された美学思想を自分の言葉で説明できるようにする。 (2時間)
【授業形態】対面授業
4 Die Welt als Wille und Vorstellung, §51の講読と解説(2)―悲劇について―(A-5-3)
【事前学習】授業で予定された箇所(§51)に出てくる単語や文法事項を調べること。 (2時間)
【事後学習】授業で扱った箇所の単語や文法事項を確認し、さらにそこで提示された美学思想を自分の言葉で説明できるようにする。 (2時間)
【授業形態】対面授業
5 Die Kultur der Renaissance in Italien, Ⅲ.Abschnittの講読と解説(1)―古代の「再生」―(A-3-3)
【事前学習】ヨーロッパの悲劇を調べ、それに親しむ。 (2時間)
【事後学習】これまで四回の授業で扱った箇所全体で提示された美学(詩学)思想を自分の言葉で説明できるようにする。 (2時間)
【授業形態】対面授業
6 受講者の研究発表会とディスカッション(1)―三年生―(A-6-3)
【事前学習】これまでの授業内容を元に、ヨーロッパの詩をとりわけ日本の詩的ジャンルと比較しながらまとめたり、テクストの文法事項の復習を行う。 (2時間)
【事後学習】三年生受講者の発表内容と自分の専門研究との関係について説明できるようにしておく。 (2時間)
【授業形態】対面授業
7 受講者の研究発表会とディスカッション(2)―三年生―(A-6-3)
【事前学習】ブルクハルトのテキストで今後予定される「近代イタリア精神」に着目しながらテクストの予習を進める。二年生は次週以降に予定されている研究発表会に備えて準備を始める。 (2時間)
【事後学習】三年生受講者の発表内容と自分の専門研究との関係について説明できるようにしておく。 (2時間)
【授業形態】対面授業
8 受講者の研究発表会とディスカッション(3)―二年生―(A-7-3)
【事前学習】前回の授業時に質問できなかった研究発表の内容についての疑問点を述べられるようにしておくこと。今週発表しなかった二年生は次週に予定されている研究発表会に備えて準備を始める。 (2時間)
【事後学習】二年生受講者の発表内容と自分の専門研究との関係について説明できるようにしておく。 (2時間)
【授業形態】対面授業
9 受講者の研究発表会とディスカッション(4)―二年生―(A-7-3)
【事前学習】前回の授業時に質問できなかった研究発表の内容についての疑問点を述べられるようにしておく。 (2時間)
【事後学習】二年生受講者の発表内容と自分の専門研究との関係について説明できるようにしておく。 (2時間)
【授業形態】対面授業
10 Die Kultur der Renaissance in Italien, Ⅲ.Abschnittの講読と解説(2)―「近代イタリア精神」―(A-5-3)
【事前学習】ブルクハルトの美術史学上の特色について調べた上で、テキストの当該箇所をあらかじめ読んでおく。 (2時間)
【事後学習】ブルクハルトの言う「近代イタリア精神」についてノートをまとめる。 (2時間)
【授業形態】対面授業
11 Die Kultur der Renaissance in Italien, Ⅲ.Abschnittの講読と解説(3)―藝術の可能性―(A-8-3)
【事前学習】<藝術になり得るもの>というテーマで自分なりの思索を書き留める。 (2時間)
【事後学習】ブルクハルトの藝術観についてメモを作成する。 (2時間)
【授業形態】対面授業
12 Der Ursprung des Kunstwerkes, Das Ding und das Werkの最後の部分の講読と解説:詩とは何か(A-5-3)
【事前学習】授業で予定された箇所(§51前半部後半)の単語や文法事項を調べる。 (2時間)
【事後学習】授業で扱った箇所(§51前半部後半)の単語や文法事項を確認し、その上で詩と歴史との異同について自分の言葉で説明できるようにする。 (2時間)
13 Der Ursprung des Kunstwerkes, Das Werk und die Wahrheitの一部の講読と解説:真理とは何か(A-3-3)
【事前学習】テクストの当該箇所を悲劇と客観的描写という問題圏に留意しながら読んでおく(A-8)。 (2時間)
【事後学習】ヨーロッパにおける悲劇の特徴を、古代ギリシアと近代それぞれのなかで把握し、メモを作る(A-5)。 (2時間)
14 Der Ursprung des Kunstwerkes, Die Wahrheit und die Kunstの一部の講読と解説:藝術・存在・真理(A-5-3)
【事前学習】ショーペンハウアーが詩学の念頭に置いたヨーロッパの悲劇という観点からテクストの当該箇所をあらかじめ読んでおく。 (2時間)
【事後学習】ニーチェの古代悲劇賛美との対比のなかでショーペンハウアー悲劇論の特徴についてノートを作る。 (2時間)
15 Der Ursprung des Kunstwerkes, Die Wahrheit und die Kunstの一部の講読と解説:「途方もないもの」について(A-8-3)
【事前学習】前期に扱われたショーペンハウアーの美学思想のうち、「抒情詩」、「悲劇」、「イデア」について自分なりの理解をメモしてくる。 (3時間)
【事後学習】授業の解説にもとづいて、「ショーペンハウアーにおける<抒情詩>・<悲劇>・<イデア>」というレポートを作成すべくメモ作りを始める(A-6, A-8) (3時間)
その他
教科書 なし。使用するドイツ語テクストは担当者がコピーで用意する(三年生以上の受講者は過年度のテキストを一部そのまま使用できる)。なお、ショーペンハウアー、ブルクハルト、ハイデガーの日本語訳については購入しておくことが望ましい(ですが、各自の自由に任せます)。
参考書 ショーペンハウアー(西尾幹二訳) 『意志と表象としての世界Ⅱ (中公クラシックス)』 中央公論新社
ブルクハルト(柴田治三郎訳) 『イタリア・ルネサンスの文化Ⅰ・Ⅱ (中公クラシックス)』 中央公論新社
M. ハイデガー(関口浩訳) 『芸術作品の根源 (平凡社ライブラリー)』 平凡社
3種いずれのテキストにも複数種の邦訳があるので、ここに挙げたものはあくまで参考です。
成績評価の方法及び基準 授業参画度:ディスカッションへの参加の度合いで評価します。(50%)、前期に一度行っていただく研究発表の完成度で評価します。(50%)
レポートと自由研究のプレゼンテーションによって、自己の思想的課題をどれほど発見し、またそれにどれほど答えているか、また自他の主張や論証に対してどれほど論理的・批判的に考察できているかの到達度を評価する。
自由研究のプレゼンテーションによって、コミュニケーション能力やディスカッション能力の到達度を評価する。
テキストの共同翻訳作業によって、学問的な協働の到達度を評価する。
テキスト読解と自由研究プレゼンテーションの双方を通じて、当該テキストをいかに自己の研究課題に生かしているか、またその見通しを持っているかを到達度の観点から評価する。
なお、自分が当番に当たっている授業に参加できない回がある場合は、可能なかぎり、当該箇所の文法説明と訳文を前もって作成し(原典訳解の場合)、もしくは発表原稿をBlackboard等を通じて提出し代読することをもって参加に代える。
オフィスアワー 授業後随時受け付けます。

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