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東洋史特殊講義2

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令和2年度以降入学者 東洋史特殊講義2
教員名 松重充浩
単位数    2 課程 前期課程 開講区分 文理学部
学期 後期 履修区分 選択必修
授業の形態 対面授業。BlackboardコースIDは、20224732です。
授業概要 中国における「法」をめぐる慣行や裁判行政の実態を、寺田浩明『中国法制史』(東京大学出版会、2018年)をテキストとして、その輪読を通じて理解する。
授業のねらい・到達目標 中国の基層社会と法的慣行および法的行政の実態に関する今日的研究水準を把握できることと、違和感の大きい異文化を理解する上で有効な方法と知見を得ることができ、異文化コミュニケーションと能力を向上することができる。
授業の方法 対面授業による報告と質疑応答および講義の複合形式。受講者による輪読分担箇所の内容紹介と疑問点提示を受けて、履修者全員による質疑応答を行う。授業後半では、報告と質疑応答の内容に対するフィードバックを兼ねて、当該箇所の解説を講義形式で行う。
*履修者は初回講義開始までにBlackboardのコース登録をすること。また受講者への連絡もBlackboardの「連絡事項」欄に掲示する場合があるので、随時確認すること。
**なお、対面授業に参加できない要件を満たした場合、Blackboardで配信するプリントを見ながら音声を聴き、指定日時までに課題を提出すること。
履修条件 講義だけでなく演習形式も併用しているため、報告担当者は、急病や事故などの特段の理由がない限り、無断欠席は厳禁とする。
授業計画
1 ガイダンス:本授業の狙いを説明する(講義形式)。
【事前学習】使用テキストの寺田浩明の問題意識を再確認すること。 (2時間)
【事後学習】配布された資料の読解を開始する。 (2時間)
2 テキスト「第五章『聴訟』第一~二節」の読解内容の報告と内容理解に関する質疑応答をおこなう。
【事前学習】「第五章『聴訟』第一~二節」の内容を読解しておく。 (2時間)
【事後学習】聴訟の具体的展開過程を再確認する。 (2時間)
3 テキスト「第五章『聴訟』第三~四節」の読解内容の報告と内容理解に関する質疑応答をおこなう。
【事前学習】「第五章『聴訟』第三~四節」の内容を読解しておく。 (2時間)
【事後学習】「情理」の実態および、「法」と「裁判」の二類型の内容を再確認する。 (2時間)
4 テキスト「第六章『断罪』第一~三節」の読解内容の報告と内容理解に関する質疑応答をおこなう。
【事前学習】「第六章『断罪』第一~三節」の内容を読解しておく。 (2時間)
【事後学習】命盗重案の処理実態と律令利用の内容を再確認する。 (2時間)
5 テキスト「第六章『断罪』第四~五節」の読解内容の報告と内容理解に関する質疑応答をおこなう。
【事前学習】「第六章『断罪』第四~五節」の内容を読解しておく。 (2時間)
【事後学習】成案の扱いと判決の「基礎付け」の実態を再確認する。 (2時間)
6 テキスト「第七章『法・権力・社会』第一~三節」の読解内容の報告と内容理解に関する質疑応答をおこなう。
【事前学習】「第七章『法・権力・社会』第一~三節」の内容を読解しておく。 (2時間)
【事後学習】「法」の社会と国家における位置付けを再確認する。 (2時間)
7 テキスト「第八章『伝統中国法と近代法』第一節」の読解内容の報告と内容理解に関する質疑応答をおこなう。
【事前学習】「第八章『伝統中国法と近代法』第一節」の内容を読解しておく。 (2時間)
【事後学習】伝統中国における契約が持つ特徴を再確認する。 (2時間)
8 テキスト「第八章『伝統中国法と近代法』第二節」の読解内容の報告と内容理解に関する質疑応答をおこなう。
【事前学習】「第八章『伝統中国法と近代法』第二節」の内容を読解しておく。 (2時間)
【事後学習】現代中国における「法」の位置づけを歴史的文脈から再確認する。 (2時間)
9 テキスト「終章『文明を跨いだ法の語り方』」の読解内容の報告と内容理解に関する質疑応答をおこなう。
【事前学習】先行研究内容紹介担当者は、報告用のレジュメを作成する。他の受講者は、報告される箇所で不明な用語を工具書等を利用して確認を行い内容理解に努める。 (2時間)
【事後学習】質疑応答と担当教員による解説をふまえた報告レジュメの修正による、内容の理解の充実化を行う。 (2時間)
10 テキスト全体の内容再確認と内容理解に関する質疑応答をおこなう。
【事前学習】テキスト全体を見直し改めて疑問点を整理する。 (2時間)
【事後学習】伝統中国法と現代中国法の連続性と断続性を再確認する。 (2時間)
11 テキスト内容に関連する近年における戦前期中国農村に関する究成果の紹介し、テキストにおける残された課題題について解説する(Blackboardに教材と課題を掲示)。
【事前学習】対象研究論文(第10回時にBlackboard教材に掲示)を読解しておくこと。 (2時間)
【事後学習】「中国農村慣行調査」成果をめぐる研究動向を再整理する。 (2時間)
12 テキスト内容に関連する近年における現代中国農村に関する究成果の紹介し、テキストにおける残された課題題について解説する(Blackboardに教材と課題を掲示)
【事前学習】対象研究論文(第11回時にBlackboard教材に掲示)を読解しておくこと。 (2時間)
【事後学習】中国農村における日中戦争の画期性と伝統中国からの連続性と断絶性を再確認する。 (2時間)
13 テキスト内容に関連する近年における社会集団統合に関する究成果の紹介し、残された課題題について解説する。
【事前学習】対象研究論文(第12回時にBlackboard教材に掲示)を読解しておくこと。 (2時間)
【事後学習】19世紀末~20世紀初頭の中国で展開された社会統合を巡る論争内容を再確認する。 (2時間)
14 テキスト内容に関連する近年における国家統合に関する究成果の紹介し、残された課題題について解説する(Blackboardに教材と課題を掲示)(1)
【事前学習】対象研究論文(第13回時にBlackboard教材に掲示)を読解しておくこと。 (2時間)
【事後学習】「以党治国」体制の歴史的特徴を再確認する。 (2時間)
15 本授業全体のまとめ(Blackboardに教材資料を掲示)。
【事前学習】輪読内容全体の整理を行い、中国における歴史的連続性と断絶性の特徴を再確認する。 (2時間)
【事後学習】本授業で得た知見を前提に、日中両国の認識ギャップを乗り越える方策を検討する。 (2時間)
その他
教科書 寺田浩明 『中国法制史』 東京大学出版会 2018年 第1版
参考書 授業内で適宜参考文献の紹介を行う。
成績評価の方法及び基準 授業参画度:報告レジュメの内容と質疑応答の内容(100%)
 報告レジュメに関しては、専門用語の確認と先行研究の論理構造の正確な把握が出来ているかを評価する。質疑応答に関しては、積極的な発言と内容理解を助ける仮説の提示も評価する。
 対面授業に参加できない要件を満たし、授業方法欄で指定した対応にて授業参加した場合、別途指示する課題の提出によって評価する。対面授業での評価と差が出ることはない。
オフィスアワー 授業終了時。学習上の質問や相談は、Blackboardや電子メールでも、随時受け付ける。

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