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英米文学研究2

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令和2年度以降入学者 英米文学研究2
教員名 高橋利明
単位数    2 課程 前期課程 開講区分 文理学部
科目群 英文学専攻
学期 後期 履修区分 選択必修
授業の形態 対面授業(一部遠隔授業あり) 
Blackboard ID【20224789】英米文学研究2(高橋利明・後・金2)

*(CHIPSでの履修登録に加え)初回授業時までにBlackboardでこの科目の登録をしておくこと」
授業概要 世界文学の最高峰とも評価されるメルヴィルの『白鯨』という作品の舞台が「海」であることは大変重要である。作家は生命の起源である「海」にユートピアを求めていたのであり、白鯨追求を通して「海」という自然そのものを描くことによって、身体的なユートピアを探究したのである。『白鯨』という作品の本質的かつ普遍的な意味を考察する。
授業のねらい・到達目標 学生はこの授業における『白鯨』というテクストの精読を通して、まず全般的な英語の語彙力を増強でき、と同時に読解力を深化させることができる。また、テクストの様々な情報を的確に捉え、文脈上何が重要であるのかを識別する能力を獲得することができ、その内容を自分の言葉で発表し、他者との議論の中で認識をさらに深めることができる。
善悪の認識、データバンクとしての芸術言語、社会と個人をめぐる文学的問題の本質的な普遍性について基本的な説明を与えることができる。
(A-1-2, A-3-2, A-4-2, A-5-2, A-6-3, A-7-3, A-8-2)

この科目は文理学部(学士(文学))のディプロマポリシーDP1 、DP3、DP4、DP5、DP6、DP7、DP8、及び、カリキュラムポリシーCP1、CP3、CP4、CP5、CP6、CP7、CP8、に対応している。
(A-1-2)学修から得られた豊かな知識と教養, 及び, 自己の倫理観に基づいて, 英語学・英語圏文学の役割を説明することができる。
(A-3-2)既存の知識にとらわれることなく, 言語現象や歴史的事象を論理的・批判的に説明することができる。
(A-4-2)英語学・英語圏文学に潜む問題を発見し, 専門的知識に基づいて説明することができる。
(A-5-2)新しい問題に取り組む意識を持ち, そのために必要な情報を収集することができる。
(A-6-2)親しい人々とコミュニケーションを取り, 専門的知識について正しく説明することができる。
(A-7-2)学修活動において, 積極的にリーダーシップを発揮し, 他者と協働して作業をすることができる。
(A-8-2)自分の学修経験の振り返りを継続的に行い, 分析することができる。
授業の方法 【演習】各回、学生は事前に教員が用意した課題に対して、口頭発表する。その後、発表者の解釈をめぐって皆で議論を展開していく。
また、数回予定の遠隔授業ではBlackboard の掲示板(「スレッド」)を利用して、発表と議論の展開を行う。

遠隔での参加を認める要件:
「⽇本に⼊国できない留学⽣,遠⽅に居住している学⽣で事前に学部(学科)から許可された
者。または事前に授業担当教員の許可された者。

対⾯授業に参加できない学生の代替措置:
Blackboard に配信する課題を提出する。
授業計画
1 映画『白鯨との闘い』ビデオ鑑賞(1)【対面授業型】
【事前学習】翻訳でよいので出来るだけ全体を読み進めること。 (1時間)
【事後学習】ビデオの内容を反芻し、テーマ的なことなどをノートなどにまとめること。 (1時間)
2 映画『白鯨との闘い』ビデオ鑑賞(2)【対面授業型】
【事前学習】ビデオの内容を想起しつつ、翻訳の読書を継続すること。 (1時間)
【事後学習】映画と作品とは異なる面が多いが、映像作品としてひとまず理解し、興味を持続させること。 (1時間)
3 Ch. 28 "Ahab"【対面授業型】
【事前学習】エイハブ船長の初登場のシーンを理解する。 (1時間)
【事後学習】エイハブが、「十字架上のキリストのような表情を浮かべ」立っているという描写について考察する。 (1時間)
4 Ch. 29 "Enter Ahab; to Him, Stubb" / Ch. 30 "The Pipe" / Ch. 31 "Queen Mab" 【課題研究型】
【事前学習】各章の引用原文についての精読し、その含意を考察する。 (1時間)
【事後学習】エイハブとスタッブのやりとり、エイハブが自分のパイプを海に捨てること、エイハブの鯨骨(義足)の足に蹴られる夢を見たスタッブについて考察する。 (1時間)
5 Ch. 32 "Cetology" 【課題研究型】
【事前学習】引用原文についての精読し、その含意を考察する。 (1時間)
【事後学習】鯨を「属」として体系的に提示することの意味について考察する。 (1時間)
6 Ch. 33 "The Specksynder" 【課題授業型】
【事前学習】引用原文についての精読し、その含意を考察する。 (1時間)
【事後学習】「銛打ち頭」とエイハブの関係性について理解する。 (1時間)
7 Ch. 34 "The Cabin-Table"【課題研究型】
【事前学習】引用原文についての精読し、その含意を考察する。 (1時間)
【事後学習】船長室での食事風景(エイハブと三人の航海士たち、その後の三人の銛打ちたちの食事の厳粛と狂乱の対比について)。 (1時間)
8 Ch. 35 "The Mast-Head"【課題研究型】
【事前学習】引用原文についての精読し、その含意を考察する。 (1時間)
【事後学習】マストヘッドの見張り番につくイシュメールの生命の根源としての「海」についての思索を吟味する。 (1時間)
9 Ch. 36 "The Quarter-Deck" (1) 【課題研究型】
【事前学習】引用原文についての精読し、その含意を考察する。 (1時間)
【事後学習】エイハブにつづいて全員登場の場面。白鯨を仕留めたものに「ダブロン金貨」を与えるとしたエイハブの意図について理解する。 (1時間)
10 Ch. 36 "The Quarter-Deck" (2) 【課題研究型】
【事前学習】引用原文についての精読し、その含意を考察する。 (1時間)
【事後学習】目の前の「壁」あるいは「仮面」としての白鯨に対するエイハブの激烈な復讐心について理解する。 (1時間)
11 Ch. 37 "Sunset" / Ch. 38 "Dusk" / Ch. 39 "First Night-Watch"【対面授業型】
【事前学習】各章の引用原文についての精読し、その含意を考察する。 (1時間)
【事後学習】各章はそれぞれエイハブ、スターバック、スタッブの想念を伝えているが、そのエイハブの影響力を吟味する。 (1時間)
12 Ch. 40 "Forecastle―Midnight" 【対面授業型】
【事前学習】引用原文についての精読し、その含意を考察する。 (1時間)
【事後学習】様々な人種から成る水夫たちが夜直に歌い、あるいは思いを巡らせる場面について理解を深める。 (1時間)
13 Ch. 41 "Moby Dick" (1)【対面授業型】
【事前学習】引用原文についての精読し、その含意を考察する。 (1時間)
【事後学習】白鯨の遍在性と不死性について吟味考察する。 (1時間)
14 Ch. 41 "Moby Dick" (2)【対面授業型】
【事前学習】引用原文についての精読し、その含意を考察する。 (1時間)
【事後学習】狂気のエイハブにとっては、白鯨に「すべての悪」が擬人化されていることを理解する。 (1時間)
15 まとめの解説及び、課題エッセイ(小論文)の提出【対面授業型】
【事前学習】第1回から第14回の内容を復習すること (A-8) (1時間)
【事後学習】学修内容の整理をし、善悪の認識、社会と個人をめぐる文学的問題の本質的な普遍性について認識を深めること。 (A-1, A-8) (1時間)
その他
教科書 Herman Melville, Moby-Dick, Library of America Paperback Classics (ISBN: 978-1-59853-085-8), 2 edition
テクストは、各自で Amazon などを通じて入手してください。
参考書 使用しない
成績評価の方法及び基準 レポート:小論文作成(50%)、授業参画度:課題への回答(発表)及び議論(50%)
対⾯授業に参加できない場合の条件を満たし遠隔で参加した場合、課題の提出によって評価する。
オフィスアワー メールや Blackboard を用いて質疑応答を行います。

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