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代数学序論2(含演習)

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令和元年度以前入学者 代数学序論2(含演習)
教員名 泊昌孝
単位数    3 学年    2 開講区分 文理学部
科目群 数学科
学期 後期 履修区分 選択
授業の形態 対面授業
Blackboard ID:20224348
2022代数学序論2(含演習)(泊昌孝・後・月1・木4)
授業概要 群論の基礎とその応用を通して,代数系の考え方を理解する.
授業のねらい・到達目標 <授業のねらい・到達目標>
・剰余類の計算を通じて,群の基礎概念(巡回群,位数,部分群,剰余類,指数)を身に着けることができる.
・ラグランジュの定理を通じて,部分群を求めることができる.
・対称群(サイクル)の計算を通じて,共役類,正規部分群を決定する方法を身に着けることができる.
・群の準同型定理を正しく理解し,証明することができる.

<ディプロマポリシーとの関係>
この科目は文理学部(学士(理学))のディプロマポリシー DP3, DP6 及びカリキュラムポリシー CP1, CP9 に対応しています。
なお,新カリキュラム(令和2年度以降入学者対象)では,この科目は文理学部(学士(数学))のディプロマポリシー DP3,4,5,8 及びカリキュラムポリシー CP3,4,5,8に対応しています。

<日本大学教育憲章との関係>
・自らが獲得してきた数理科学的知識を基礎とし、その上で既存の知識にとらわれることなく、数理科学的根拠に基づいて論理的に考察することができる(A-3-3)。
・日常生活における現象に潜む数理科学的問題を発見し、専門的知識に基づいて解決策を作成できる(A-4-3)。
・新しい問題に取り組む意識を持ち、そのために必要な情報を収集することができる(A-5-2)。
・自分の学修経験の振り返りを継続的に行うことができる(A-8-1)。
授業の方法 授業の形式【講義・演習】
教室において板書を用いて行います。ただし、文理学部の所定の届け出による遠隔対応を許可されたものに限り、同時遠隔参加ができるよう、ハイブリッド対応の授業の準備をして臨みます。
また、まとめ教材や演習問題を授業中の配布、そして Blackboard での電子配布を行う。そして、講義の諸連絡には、Blackboard システムを使用する。この講義は、群論入門と同時開講となるので、両者に共通するサイトでの連絡スタイルとなる。詳細は、授業開始時に説明します。演習付きの講義形式で、2コマ続きで行われる。週2回の講義を受講し、ひとつの講義の受講となる。

主に群論入門と同時開講の一コマ目は講義を中心に行い、その中で適宜、演習を行う.
また、もう一コマに対応する二コマ目は、教科書にある問題や、これまでに配布の演習問題をアドバイスを受け理解を深める。

補助教材として、演習問題や要約が配布される.指示にしたがっての宿題も解いてくる。

事後学習として,要約内の課題(宿題)及び演習問題を利用することができます.
また,群論は市販の問題集も手に入れることができます.参考書のリストをご覧ください.
本授業の事前・事後学習は2コマ分の講義を合わせて各々2時間の学習を目安とする。
履修条件 関連する内容が多いので,代数学序論1(または、初等整数論)の内容を理解している方が望ましい.
【2019年度以前の入学者】が対象者です。2020年度以降の入学生は,「群論入門」を履修してください。
授業計画
1 群の定義 1 として、2項演算の結合法則の意味を含め、基礎事項を学びます。
【事前学習】シラバスを事前に確認し、教科書第一章1.1節前半を読んでおくこと. (2時間)
【事後学習】第一回の宿題を解くこと (3時間)
2 郡の定義 2 として、群の例を置換群によって学び、定義の意味を理解します。
【事前学習】第一回目の講義で説明された用語を復習し,教科書第1章1.1項半〜1.2節に目を通しておくこと. (2時間)
【事後学習】第二回の宿題を解くこと (3時間)
3 置換群と多面体群などを学びます。また、群の演算についての様々な基本関係を学びます。
【事前学習】第二回目の講義で説明された用語を復習し,教科書第1章1.2節および配布資料を読んでおくこと. (2時間)
【事後学習】第三回の宿題を解くこと、返却された授業内演習の復習 (3時間)
4 部分群の定義を学び、幾何学的に定まる部分群や、置換群として与えられる部分群などで、様々な部分群を知ります。
【事前学習】第三回目までの講義の復習し,教科書第2章 2.1 前半および配布資料に目を通しておくこと. (2時間)
【事後学習】第四回の宿題を解くこと、返却された授業内演習の復習 (3時間)
5 部分群になる為の判定法を理解し、巡回群、そして、元の位数を巡回群の生成元の言葉で理解します。
【事前学習】第四回目までの講義の復習し,教科書第2章2.1 後半を良く読んでおくこと. (2時間)
【事後学習】第五回の宿題を解くこと、返却された授業内演習の復習 (3時間)
6 部分群による類別、左剰余類を学び、ラグランジュの定理(定理2.6)を学びます。
【事前学習】教科書第2章2.2節を良く読んでおくこと. (2時間)
【事後学習】第5回の宿題を解くこと、これまでに返却された授業内演習の復習 (3時間)
7 置換群の部分群、剰余類分割の代表系の選別の技術を学びます。そこで、ラグランジュの定理の簡単な応用を理解します。
【事前学習】教科書第2章2.2節まで、および、配布された資料を良く読んでおくこと. (2時間)
【事後学習】これまでの講義全体の復習、返却された授業内演習の復習 (3時間)
8 授業内中間試験 と解説(対面授業)(テストは、群論入門、代数学序論2の同時開講時間におこなう)

ただし、文理学部の所定の届け出による遠隔対応を許可されたものに限り、同時
遠隔参加ができるよう、ハイブリッド対応教室からの授業の準備をして臨みます。
【事前学習】第1回から第7回までの内容を整理しておくこと. (3時間)
【事後学習】解説の理解、できなかった問題の整理 (2時間)
9 正規部分群の定義を理解し、そのようになる判定法、また、アーベル群(加法群)との関係を理解します。
【事前学習】教科書第2章全体を良く読んでおくこと. (2時間)
【事後学習】第9回の宿題を解くこと (3時間)
10 群の準同形写像と同形写像を学び、その意義を例を通じて理解します。
【事前学習】教科書第3章3.1節を良く読んでおくこと. (2時間)
【事後学習】第10回の宿題を解くこと (3時間)
11 正規部分群とその剰余群(商群)を理解します。また、商群の例を通じて現れ方の必然性を理解します。
【事前学習】これまでの講義で説明された用語を復習し,教科書を最初から第3章3.1,3.2節までを良く読んでおくこと. (2時間)
【事後学習】第11回の宿題を解くこと、返却された授業内演習の復習 (3時間)
12 群の準同形定理という本講義での中心定理を理解します。
【事前学習】これまでの講義の内容を復習し、特に、教科書第3章定理3.3の証明を良く読んでおくこと. (1時間)
【事後学習】第12回の宿題を解くこと、返却された授業内演習の復習 (3時間)
13 群の性質の応用として、代数学序論1で習ったフェルマーの小定理の理解、そして15ゲームやルービックキューブなどで、身近にある現象での群の発見をします。
【事前学習】これまでの講義の内容を復習し、これまでに習った教科書全体良く読んでおくこと. (2時間)
【事後学習】第13回の宿題を解くこと、返却された授業内演習の復習 (3時間)
14 小さな位数の群の構造、2面体群、交代群の単純性、など、次に目標となる重要なテーマを概観し、そこでのシローの定理とその使い方を学びます。
【事前学習】これまでの講義の内容を復習し、教科書全体で、事前に指摘された命題達に目を通しておくこと (3時間)
【事後学習】これまでの講義全体の復習、返却された授業内演習の復習 (2時間)
15 授業内最終テスト と解説(対面授業)(テストは、群論入門、代数学序論2の同時開講時間におこなう)

ただし、文理学部の所定の届け出による遠隔対応を許可されたものに限り、同時
遠隔参加ができるよう、ハイブリッド対応教室からの授業の準備をして臨みます。
【事前学習】中間テスト以降の内容、また、指示のあった項目全般について内容を整理しておくこと. (3時間)
【事後学習】解説の理解、振り返り(これまでの講義内容の復習・解説を行い,授業の理解を深める) (2時間)
その他
教科書 国吉秀夫著、高橋豊文改訂 『群論入門[新訂版]』 サイエンス社 2001年 第3版
古くから定評のある群論の基礎をまとめた教科書です。演習問題を込め、講義で基礎として使用します。単位をとりたい人は必ず購入すること。
参考書 渡辺敬一・草場公房 『代数の世界 (改訂版)』 朝倉書店 2015年 第2版
ホール著、金沢稔・八牧宏美訳 『群論(上) (数学叢書)』 吉岡書店 1969年 第1版
志賀浩二 『群論への30講 (数学30講シリーズ)』 朝倉書店 1989年 第1版
『代数の世界』は個々の命題について行間を埋めながら理解してゆく本ですが,多くの内容が含まれています.それでも書き方に暖かみのある良い本です.大学4年間で学ぶ代数学一般の内容として、代数学専攻の学生としては教科書と共に手元においておくと良いでしょう.
『ホールの群論』は、群論の世界的な研究者によって書かれた非常に厳密でかつ深い内容を持った本です。もし、群論を専攻とされるなら、このような書籍から入門するのも良いでしょう.
『群論への30講』は、楽しい話題にあふれた読み物として、語り口調ですが厳密な内容をもった立派な入門書です。微分幾何の専門家として志賀先生の個性が導入部のシンメトリーへのこだわり、そして、最後の話題にも現れていて、幾何的な群論入門といえるでしょう。
成績評価の方法及び基準 試験(50%)、授業参画度(50%)
授業内中間試験、授業内最終試験をおこなう。

授業参画度は、授業内での演習の参加状況を、演習答案回収などでのリアクションペーパーの内容の状況で評価する。
授業参画度は演習問題へのとりくみなどを総合的に考慮します。
提出を求める出席票についてはその内容を込め、授業参画度として評価します.遠隔参加でも対面参加と同様に評価します.

A-3,A-4 の達成度は授業内中間、最終試験の解答状況で判定し、A-5 の達成度については講義中の演習とその机間指導にて判定する。
オフィスアワー 原則として,講義後に質問を受け付けますが,時間のないときには直接連絡先を交換して下さい.
備考 群論は代数学2(ガロア理論)にもつながっています.また,群準同型定理はすべての代数系に現れる準同型定理のひな型になります.
是非理解して下さい.

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