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令和2年度以降入学者 | 数学講究1 | ||||
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令和元年度以前入学者 | 数学講究1 | ||||
教員名 | 山浦義彦 | ||||
単位数 | 3 | 学年 | 3 | 開講区分 | 文理学部 |
科目群 | 数学科 | ||||
学期 | 前期 | 履修区分 | 必修 |
授業の形態 | 対面授業 (遠隔希望の場合は Zoom 参加可能) Blackboard のコース ID : 20221397 2022数学講究1(山浦義彦・前・木1,2) ※ 対面参加できない学生への対応 Zoom によるゼミナール中継により参加をしていただきます. その他, 資料等はブラックボードでの配布となります. 成績評価は, 対面参加学生と全く同等に行います. |
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授業概要 | 実数は数の集合である. それ以上に和や積といった演算が導入され, さらに大小関係もまた もっている. さらに, 稠密性という性質もまたもつ. 高校生はこれを数直線に対応して理解するか あるいは「有理数と無理数の和集合」として理解する. 本講義ではひとまず数直線のイメージは そのままにし, もう少し厳密に実数をとらえる. 特に極限の考え方を「はさみうち」によって 定義することで, 高校数学では「限りなく」というあいまいな表現でしか規定できなかった 概念をより厳密に定義することができる. ただし, イプシロンデルタ論理式を用いないこと が本講義の最大の特徴と言える. |
授業のねらい・到達目標 | ●授業のねらい 極限の深い理解がねらいである. 高校数学における「限りなく」という言葉を使うのではなく, さらに, 大学専門数学のようにイプシロンデルタ論理式を使うのでもなく, 直観的考察である はさみうちを使ってすべてを理解することが最大のねらいである. ●到達目標 高校数学では「当たり前で証明なしに認める性質」だった極限の諸性質を, 本講義で新たに導入される定義に基づいて証明をつけてみることを目標とする. これにより, 諸性質は自然で当たり前な性質である以上に証明できる「定理」へと昇格することになる. ・微分積分学の基本概念(極限, 微分, 積分)を説明できる。 ・教科書の内容を熟読して,専門の内容を分かりやすく発表することができる。 ・ゼミに積極的に参加することができる。 ・テーマを自ら選ぶことを通して,生活における数学の重要性を説明できる。 <ディプロマポリシーとの関係> この科目は文理学部(学士(数学))のディプロマポリシー DP1~8 及びカリキュラムポリシー CP1~8に対応しています。 なお, この科目は旧カリキュラム(令和元年度以前入学者対象)においては,文理学部(学士(理学))のディプロマポリシーDP1,DP3,DP4,DP6 及びカリキュラムポリシー CP7,CP9 に対応しています。 <日本大学教育憲章との関係> ・学修から得られた豊かな知識と教養、及び、自己の倫理感に基づいて、数理科学の役割を説明することができる(A-1-2)。 ・現代社会における数理科学の役割を理解し、そのことを踏まえて、国際社会が直面している問題を説明することができる(A-2-2)。 ・数理科学に基づいて学んだ知識をもとに、物事の本質を論理的、客観的に捉えることができる(A-3-2)。 ・日常生活における現象に潜む数理科学的問題を発見し、内容を説明することができる(A-4-2)。 ・新しい問題に取り組む意識を持ち、そのために必要な情報を収集することができる(A-5-2)。 ・親しい人々とコミュニケーションを取り、数理科学の専門的知識について議論することができる(A-6-3)。 ・学修活動において、自分の役割分担を理解し、他者と協働して作業をすることができる(A-7-2)。 ・自分の学修経験の振り返りを継続的に行い、分析することができる(A-8-2)。 |
授業の方法 | 授業の形式【卒業研究】 少人数のセミナー形式の講義である. 受講学生は, 指定教科書を分担して, 熟読し, 数学的内容を理解した上で, 輪講形式で Zoom を介してホワイトボードを使って口頭発表する(A-6, A-7). その際に, 発表方法や数学的内容の補足についてのアドバイスを細かく行う のでそれをもとに理解を深めてもらう(A-4,A-5). ※対面参加が難しい場合は担当教員に相談してください。 |
履修条件 | 数学科の内規による。対象者は原則としてゼミに所属する者に限る。 |
授業計画 | |
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1 |
極限と実数の性質 1 --- 直観による上限と下限の定義について詳しく学ぶ. 【対面, 遠隔いずれにも対応】 グループ学修によるコミュニケーション能力向上と協調性の習得する(A-6, A-7). 社会での論理的思考の有意義な活用を目指す(A-2) 【事前学習】最大値の定義を復習しておくこと (A-8). (3時間) 【事後学習】最大値と上限値の関係をよく理解すること (A-1 知識と教養). (2時間) |
2 |
極限と実数の性質 2 --- 最適はさみうちについて詳しく学ぶ. 【対面, 遠隔いずれにも対応】 社会での論理的思考の有意義な活用を目指す(A-2) 発表や演習問題を解く能力を高める(A-3, A-4) 【事前学習】通常の「はさみうち原理」を復習しておくこと(A-8). (3時間) 【事後学習】最適はさみうちと通常のはさみうちの違いを理解すること. (2時間) |
3 |
極限と実数の性質 3 --- 数列の極限について詳しく学ぶ. 【対面, 遠隔いずれにも対応】 発表やゼミに取り組む事前事後の準備を行うこと(A-5) 社会での論理的思考の有意義な活用を目指す(A-2) 【事前学習】最適はさみうちの原理と直観的な極限を結び付けておくこと(A-8). (3時間) 【事後学習】極限の基本性質を最適はさみうちで理解すること. 4 逆関数とその微分について詳しく学ぶ (A-3). (2時間) |
4 |
逆関数とその微分について詳しく学ぶ (A-3). 【対面, 遠隔いずれにも対応】 発表やゼミに取り組む事前事後の準備を行うこと(A-5) グループ学修によるコミュニケーション能力向上と協調性の習得する(A-6, A-7). 【事前学習】高等学校での逆関数の定義を復習しておくこと(A-8). (3時間) 【事後学習】何故逆関数を扱うのか, 全体のストーリーを理解すること. (2時間) |
5 |
関数の連続性について詳しく学ぶ(A-3). 【対面, 遠隔いずれにも対応】 発表やゼミに取り組む事前事後の準備を行うこと(A-5) 発表や演習問題を解く能力を高める(A-3, A-4) 【事前学習】グラフがつながっている, いないで判定できる連続性を復習しておくこと(A-8). (3時間) 【事後学習】直観では理解できない例があることを具体例を通じて理解する. (2時間) |
6 |
Taylor 展開 1 --- 形式的計算方法を修得する(A-5). 【対面, 遠隔いずれにも対応】 熟考を伴うふりかえりとノートテイクを実行すること(A-8) 【事前学習】接線とその意味を復習しておくこと. (2時間) 【事後学習】Taylor 展開が接線の考え方の拡張概念であることを理解すること. その内容をグループ内で議論する (A-6, A-7 リーダーシップ). (5時間) |
7 |
Taylor 展開 2 --- 級数展開不可能性について詳しく学ぶ(A-5) 【対面, 遠隔いずれにも対応】 発表や演習問題を解く能力を高める(A-3, A-4) 【事前学習】Taylor 展開とはどういうものかを復習しておくこと(A-8). (3時間) 【事後学習】級数展開できない関数があることを理解すること. (2時間) |
8 |
Taylor 展開 -- Lagrange 剰余項の原理と計算方法を学ぶ(A-3). 【対面, 遠隔いずれにも対応】 発表や演習問題を解く能力を高める(A-3, A-4) 【事前学習】級数展開できない関数があることを復習しておくこと(A-8). (3時間) 【事後学習】級数展開できなくても Taylor 展開が有用であることを理解すること. 9 2変数関数の連続性について詳しく学ぶ(A-3) (2時間) |
9 |
2変数関数の連続性について詳しく学ぶ(A-3). 【対面, 遠隔いずれにも対応】 熟考を伴うふりかえりとノートテイクを実行すること(A-8) 【事前学習】1変数関数の連続性を復習しておくこと(A-8). (3時間) 【事後学習】1変数関数の連続性との共通点, 相違点を理解すること. (2時間) |
10 |
偏微分と全微分 1 --- 全微分可能性の定義について詳しく学ぶ(A-4). 【対面, 遠隔いずれにも対応】 発表やゼミに取り組む事前事後の準備を行うこと(A-5) 【事前学習】1変数関数の微分可能性を復習しておくこと(A-8). (2時間) 【事後学習】1変数関数の微分可能性との共通点, 相違点を理解すること. その内容をグループ内で議論する (A-6, A-7 リーダーシップ). (5時間) |
11 |
偏微分と全微分 2--- 全微分可能性, 連続性, 偏微分可能性の相関関係について詳しく学ぶ (A-4). 【対面, 遠隔いずれにも対応】 発表やゼミに取り組む事前事後の準備を行うこと(A-5) 【事前学習】1変数関数における微分可能性と連続性の関係を復習しておくこと(A-8). (3時間) 【事後学習】2変数関数で新たに導入される「偏微分可能性」の存在意義を理解すること. (2時間) |
12 |
2変数関数の合成関数微分法について詳しく学ぶ(A-3). 【Zoom オンライン型】 発表やゼミに取り組む事前事後の準備を行うこと(A-5) 【事前学習】1変数関数の合成関数微分法を復習しておくこと(A-8). (3時間) 【事後学習】2変数関数の合成関数微分法が全微分可能性からきていることを理解すること. (2時間) |
13 |
接平面の方程式の計算方法を学ぶ(A-5). 【対面, 遠隔いずれにも対応】 グループ学修によるコミュニケーション能力向上と協調性の習得する(A-6, A-7). 【事前学習】接線とはなにか, 復習しておくこと(A-8). (3時間) 【事後学習】接平面が本当に「接している」という直観を理解すること. (2時間) |
14 |
2変数関数の極大, 極小 1 --- 2変数関数から1変数関数を取り出すことを学ぶ (A-3). 【対面, 遠隔いずれにも対応】 グループ学修によるコミュニケーション能力向上と協調性の習得する(A-6, A-7). 【事前学習】1変数関数の極大極小がどうして導関数から判定できるかを復習しておくこと(A-8). (3時間) 【事後学習】2変数関数の極大極小を直観的に理解すること (2時間) |
15 |
2変数関数の極大, 極小 1 --- 極大極小の判定可能の原理と計算方法を学ぶ (A-3). 【対面, 遠隔いずれにも対応】 熟考を伴うふりかえりとノートテイクを実行すること(A-8) 【事前学習】2変数関数の極大極小の概念の復習をしておくこと(A-8). (2時間) 【事後学習】判定可能な場合と不可能な場合を例を使って理解すること. その内容をグループ内で議論する (A-6, A-7 リーダーシップ). (5時間) |
その他 | |
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教科書 | 山浦義彦 『ゼミテキスト』 簡易製本 2019年 第1版 ゼミでは, 簡易製本によるゼミテキストを使います. ゼミの学生人数に応じて印刷所に発注し4月にゼミ内で販売します. |
参考書 | 杉浦光夫 『解析入門 I (基礎数学)』 東京大学出版会 1979年 第2版 長岡亮介 『数学の二つの心』 日本評論社 より進んだ内容を理解するために参考書を使います. これは今後2年間使い続けます. 特に教職志望の学生は, 卒業後もいつでも利用できる良書です. |
成績評価の方法及び基準 | 授業参画度(100%) ・ゼミ内での発表(主として模擬授業)を「準備状況,分かりやすさ,内容の正確さ」の視点から評価する。 ・ゼミ内での質問を「頻度,的確さ, 模擬授業への参加度」の視点から評価する。 ・発表のためのプリント作成能力, および, 板書記述能力を評価する。 ・数学的な原理の説明をわかりやすく他人に伝える能力を評価する。 ・発表内容に対する具体的な発問能力及びそれに対する他者との問答, および解答を与える能力を評価する。 ・事後学習(TeX による講義ノート, プリント作成)の進捗状況を評価する。 以上を授業参画度として評価する。 遠隔参加でも対面参加と同様に評価する。 能力(A-1)から(A-8)の習熟度については、別途配布のチェック項目により評価する。 |
オフィスアワー | 木曜日3限 メールや Blackboard でも質問を受け付けます. |
備考 | 「事前学習・事後学習」に関する学習時間は目安です. 【重要】ブラックボード登録は必ず行ってください. なお, 登録は木曜日2,3限のどちらにも登録可能ですが, 本講義では「2限講義」を使用しますので, 学生は「木曜日2限講義」に対して登録をしてください. |