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社会調査実習2

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令和2年度以降入学者 社会調査実習2
令和元年度以前入学者 社会調査実習2
教員名 松橋達矢
単位数    2 学年    3 開講区分 文理学部
科目群 社会学科
学期 後期 履修区分 選択
授業の形態 対面授業を前提にする。
BlackboardコースID:20223929
授業概要 「コロナ渦におけるライフスタイルの変化に関する調査研究」
新型コロナウイルス感染症の感染拡大は、社会学、そして社会の存立構造そのものに大きな問いを突き付けている。本実習では、グローバリゼーションや個人化、情報化、モビリティの増大などの変化を受け、実存的な不安やリスクへと直面する人々のありよう、特に近年とみに見受けられるようになった戦略的な生活設計や「習慣や方向性の束」としてのライフスタイル選択を重視する姿勢や態度が、今般のコロナ渦においていかなる形をとったのか、そしてそうしたありようをこれから社会へと出て行く若者がどのように受け止めているかを明らかにすべく、a.既存の全国調査の二次分析、b.大学生を対象とするweb調査、を実施する。
後期は、前期「社会調査実習1」での二次分析から得られた知見をさらに深めることを念頭に、二次分析実施と並行して、ポスト/ウィズコロナの状況下において少しずつ新たな社会生活へと歩み始める大学生を対象とするWebでの質問紙調査を実施、いくつかのサブ・テーマに沿う形でグループを編成したうえで分析~報告書執筆へと取り組むこととなる。
授業のねらい・到達目標 <授業のねらいと到達目標>
社会学科に設置された「社会調査士コース」の3年次必修科目であり、「社会調査士」資格の取得要件として社会調査協会により定められている「調査の企画から報告書の作成までにまたがる社会調査の全過程について、体験を通じて学習する科目」にあたる。
そのためこの授業では、調査計画の作成から報告書の発行(結果の公表)までの社会調査の全プロセスを、1年間かけて(前期「社会調査実習1」、後期「社会調査実習2」)一通り実習することを目的とする。
後期「社会調査実習2」では、前期と同様に大規模全国調査データの二次分析実施と並行してWebでの学生調査を実施する関係上、調査の企画・設計の一部(前期から連続)から調査結果の集計・分析を経て報告書作成まで、駆け足ながら一通りの調査プロセスへと取り組む実習を通じ、以下の〔知識・技能・態度〕を修得することが目標となる。

・2年次までに修得した社会調査の基礎的知識や技能を、実際の調査プロセスに落とし込んで理解し、それを実践できる。
・大規模全国調査に基づく個票データならびに学生調査データをもとに、みずからの調査・分析計画(具体的なテーマ設定と仮説検討)を策定することができる。
・大規模全国調査に基づく個票データならびに学生調査データをもとに、みずからの立てた調査・分析計画に基づき分析を進めることができる。
・得られた知見をもとに、その成果を調査報告書としてまとめることで、社会へと還元する道筋をつくることができる。

<日本大学教育憲章との関係>
上記の<知識・技能・態度>の修得を経て、以下の<能力>を育むことが目標である。
・具体的な社会現象や社会問題を入り口に,「あたりまえ」の理解からは読み取れない現代社会の多層性と多様性を,社会学の専門領域の知見を踏まえ論理的・批判的に理解することができる。(A-3-3: 論理的・批判的思考力)

<各種ポリシーとの関係>
この科目は文理学部(学士(社会学)のDP3及びCP3に対応しています。
授業の方法 〔実習形式〕
教員によるパワーポイントないし配布資料に基づく講義〔一部オンデマンド教材使用〕の後、統計解析ソフトウェア(SPSS等)を用いての学生主体の実習(各授業回で指定した課題への取り組み+教員等による質疑応答含めたサポート&フィードバックを適宜)、各授業回での課題提出&解説(課題は授業時間帯にBlackboardに提出、課題に対するフィードバックはBlackboard経由または次回授業冒頭で実施)という流れを基本とする。
なお報告書原稿ついては、調査士資格取得を企図した科目の性質上、教員からコメントを付す形で個別にフィードバックを行う。

〔その他補足事項〕
①科目内容や取り扱うデータの性質上、学生は出校&教室での参加を基本とする。なお、各種事情により各回においてZoomでの参加を希望する場合は、〔理由〕を述べて担当教員の許可を得ることととし、(コミュニケーションの必要性から) ビデオをオンにした状態にて参加すること。
②授業終了前に教員が行うコメント&解説をもとに、十分な時間をかけ振り返りを行う。
③なお、授業計画は講義進行の多寡に応じて変更されることがある。
履修条件 社会調査士コースのセレクションを通過した学生
授業計画
1 前期の振り返り&学生調査実施に向けて(4)(A-3-3) 【対面授業】
前期第13-15回の内容を踏まえ、調査企画の細部(特に対象者、サンプリング方法、配布/回収方法、スケジュール等)を詰める。
【事前学習】前期の授業内容を再度確認しておく。 (2時間)
【事後学習】授業で提示された調査企画を再度検討しておく。 (2時間)
2 学生調査実施に向けて(5)(A-3-3) 【対面授業】
第1回の内容を踏まえ、調査項目の絞り込みならびに対象者のサンプリング実施を含め、調査企画を検討し確定する。
【事前学習】前回提示された企画案を再度検討する。 (2時間)
【事後学習】調査企画上の問題がないか、再度チェックする。 (2時間)
3 学生調査実施に向けて(6)(A-3-3)【対面授業】
内閣府「新型コロナウイルス感染症の影響下における生活意識・行動の変化に関する調査」の調査票をもとに、(特に追加項目を中心に)調査項目のワーディングや選択肢、質問順に注意する形で調査票の原案をweb調査用のアプリにて作成する。
【事前学習】二年時までの社会調査関連の授業内容(特に調査票作成部分)を見直しておく。 (2時間)
【事後学習】作成された原案をもとに、自身でweb調査票を作成してみる。 (2時間)
4 学生調査実施に向けて(7)(A-3-3)【対面授業】
受講生のプレテストを経てweb調査票を確定するとともに、対象者への依頼文案の修正を実施する。
【事前学習】二年時までの社会調査関連の授業内容(特に調査依頼文部分)を見直しておく。 (2時間)
【事後学習】誤字脱字、表現上の修正点がないか再度検討し、実査に備える。 (2時間)
5 学生web調査実施(1)&全国大規模調査個票データを用いた二次分析結果のとりまとめ(1)(A-3-3)【対面授業】
学生対象のweb調査実施と並行し、学生調査とつなげる形で仮説検証型の二次分析を実施しつつ、全国調査/学生調査双方に共通する仮説、学生調査独自の仮説、双方の構成を検討する。
【事前学習】教員ならびに受講生で分担しながら、対象者に調査依頼を行う。 (2時間)
【事後学習】授業内で出されたコメントをもとに、問いならびに仮説の修正を行う。 (2時間)
6 学生web調査実施(2)&全国大規模調査個票データを用いた二次分析結果のとりまとめ(2)(A-3-3)【対面授業】
学生対象のweb調査実施と並行し、学生調査とつなげる形で全国調査の仮説検証型の二次分析結果を取りまとめる。
【事前学習】二年時までの社会調査関連の授業内容(特に報告書執筆部分)を見直しておく。 (2時間)
【事後学習】授業内で出されたコメントをもとに、全国調査部分の原稿原案を完成させる。 (8時間)
7 学生web調査実施(3)&収集途中データのエディティング(A-3-3)【対面授業】
学生対象のweb調査実施と並行し、一定程度収集が進んでいる回答結果のエディティング(点検&修正)を行う。
【事前学習】二年時までの社会調査関連の授業内容(特にエディティング関連部分)を見直しておく。 (2時間)
【事後学習】エディティング作業を経て見えてきた学生調査の回答傾向に基づき、再度仮説構成等を検討する。 (2時間)
8 学生web調査データの一部項目のコーディング&クリーニング(A-3-3)【対面授業】
出そろった回答のエディティングならびに一部項目のコーディング(特に自由回答部分の符号化)を体験したうえで、データクリーニングを兼ねての集計結果を完成させる。
【事前学習】2年次までの調査関連授業(特にコーディング&データクリーニング部分)の内容を復習しておく。 (2時間)
【事後学習】データに即して、自身の立てた調査上の問い&仮説の見直しを行う。 (2時間)
9 学生web調査データを用いた探索的分析(A-3-3)【対面授業】
単純集計ならびに基本的な属性変数を用いたクロス集計を行うことで、データの特徴に対する理解を深める。
【事前学習】大規模全国調査の分析結果を再度見直しておく。 (2時間)
【事後学習】データに即して、自身の立てた調査上の問い&仮説の見直しを行う。 (2時間)
10 学生web調査データを用いた仮説検証(A-3-3)【対面授業】
自らが立てた仮説検証を目的に、各自で単純集計&クロス集計を行う。
【事前学習】大規模全国調査の分析結果を再度見直しておく。 (2時間)
【事後学習】分析結果に即して、自身の立てた仮説と別の可能性はないか、改めて検討する。 (2時間)
11 報告書執筆に向けて(1):学生Web調査&大規模全国調査の再分析に基づく草稿執筆(A-3-3)【対面授業】
報告書執筆に向け両データの分析を行いつつ、報告書構成を検討し草稿執筆に着手する。
【事前学習】大規模全国調査の分析結果を再度見直しておく。 (2時間)
【事後学習】分析結果に即して、草稿執筆に必要な周辺情報を収集する。 (5時間)
12 報告書執筆に向けて(2):草稿の公表(A-3-3)【対面授業】
報告書執筆に向け一度草稿を公表、出された意見やコメントに即して再度分析を進める。
【事前学習】草稿の公表に向け、草稿を完成させる。 (5時間)
【事後学習】出された意見やコメントに基づき、第一次原稿を5割程度執筆する。 (5時間)
13 報告書執筆に向けて(3):第一次原稿の執筆&検討(A-3-3)【対面授業】
報告書執筆に向け両データの分析を行いつつ、第一次提出原稿を執筆・報告する。
【事前学習】出された意見やコメントに基づき、第一次原稿を7割程度執筆する。 (5時間)
【事後学習】出された意見やコメントに基づき、最終原稿に向け改稿する。 (5時間)
14 報告書執筆に向けて(4):最終原稿の執筆(A-3-3)【対面授業】
最終原稿を執筆しつつ、必要に応じて追加情報の収集や追加の分析等を行う。
【事前学習】出された意見やコメントに基づき、最終原稿に向け改稿する。 (5時間)
【事後学習】出された意見やコメントに基づき、最終原稿を完成させる。 (10時間)
15 調査成果報告会(A-3-3)【対面授業】
1年間の研究成果を報告し、質疑応答ならびに議論を深めていく。
【事前学習】完成した最終原稿内容のプレゼン資料を準備する。 (5時間)
【事後学習】出された意見やコメントに基づき、最終原稿の加筆・修正を行う。 (10時間)
その他
教科書 なし(必要な資料は適宜配布する)
参考書 なし
成績評価の方法及び基準 レポート:調査データ分析に基づき執筆した報告書原稿(全国調査個票データの二次分析&学生web調査の両分析内容を含む)の完成度(50%)、第1~15回でテーマに即して提示される作業課題の提出状況(授業終了時にBlackboardに提出)とその完成度から総合的に評価する。(50%)
*それらの成果を踏まえ、具体的な社会現象や社会問題を入り口に,「あたりまえ」の理解からは読み取れない現代社会の多層性と多様性を,社会学の専門領域の知見を踏まえ論理的・批判的に理解する能力(A-3-2: 論理的・批判的思考力)の修得状況を評価する。
オフィスアワー 授業終了後10分程度を目安に教室または研究室にて対応、それ以外の時間帯についてはメールでの事前アポを経て適宜調整する。
備考 シラバスの内容は受講者の規模、あるいはその学修の状況を考慮して、変更することがある。

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