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アジアの文化と社会4

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令和元年度以前入学者 アジアの文化と社会4
教員名 舘野正美
単位数    2 学年 2~4 開講区分 文理学部
科目群 中国語中国文化学科
学期 後期 履修区分 選択
授業の形態 対面授業(一部に遠隔授業(オンデマンド型授業)を含む場合もある)
BlackboardのコースID:20223721
授業概要 漢方医学の研究は、現在さまざまな観点から行なわれ、成果を挙げている。とは言え、その哲学的本質については、未だ十分に解明されていないように思われる。漢方医学の思想的背景、すなわちその所謂“医学思想”が明らかにされない限り、いかにその古典文献の原初形態が復刻されようと、あるいは何らかの生薬からアルカロイドが単離・抽出されようと、単なる小手先の技術・知識に過ぎず、結局のところ、現在の我々が(健康に)“生きる”ことそのものに何らの意味をなさないのではないだろうか。
そこでこの授業では、その思想的背景を押さえた上で、中国古代の医学の原点を明確にし、更にそれを受けつつ独自の発展を見せた日本漢方の実際を浮き彫りにして、中国医学の実際と日本漢方の本来の姿を論究する。
なお授業においては、病院勤務や医療企業における認定臨床研究検査委員の経験に基づき、現代の医学・医療における問題点について、具体的に論及し、展望を考えて行きたい。
授業のねらい・到達目標 1、中国医学の理論・診断・治療法などを具体的に理解し、その根底にある医学思想を理解できる。
2、同様に、日本漢方医学の理論・診断・治療法などを具体的に理解し、その根底にある医学思想を理解できる。
3、現代医療の様々な問題に対する回答の一端を得ることができるようにする。
この科目は文理学部(学士(文学)のDP3, DP6及びCP9に対応しています。
授業の方法 講義形式(対面授業)
・教科書『中国医学と日本漢方』における各回の授業予定個所(例えば、第1回なら「序論」の部分、第2回なら「pp.21-37」等々)をよく読み、自分の言葉で、400字前後(350-450字)でまとめておく(事前学習)。
・授業当日、授業を受け、授業終了時にレポートを提出し、授業の復習をする(事後学習)。
・なお、大学が許可した学生・体調不良者(診断書やお薬手帳の提示を求めます)・その他(担当者(=舘野)が認めた者)は、遠隔授業(オンデマンド型授業)による受講も認める。対面授業と同日・同時間帯にBlackboardからPower Pointの映像資料をダウンロードし、それを視聴して学習した後、レポートを作成し、そのPDFファイルを、授業終了後30分以内に、即わち午前11時までに、メール(舘野のアドレスはBlackboard に掲載されている)舘野まで送付すること。遅れた場合は不合格・欠席とする。学部の許可がおりるまでの授業についても、事前に連絡(メール)の上、一応レポートを提出しておくこと。提出なき場合は欠席となる。いずれも、必ず事前に連絡すること。舘野のメールアドレスはBlackboard を見ること。
・なおまた、コロナ禍の状況によっては、一部を遠隔授業(オンデマンド型授業)とすることもある。授業において告知し、またBlackboard にも掲示する。
・送付されたレポートについては、後日、講評を付して返却する。
・更にまた、この授業の事前学習・事後学習に要する時間は、それぞれ2時間を目安とします。
授業計画
1 授業の概観
一般に「中国医学」と言えば、即「気の医学」と言い、また「漢方薬」と言えば、即「副作用のない、マイルドな効用……」と言われるのは、決して間違いであるとは言わないが、それらに対する正確な理解であるとは言い難い。いずれも、そのごく一面を見て、そのように考えているだけだからである。つまり所謂「木を見て森を見ず」の状態なのである。
その内容を理解できるように授業を進めて行く。
【事前学習】シラバスをよく読み、上記の予習をして来ること。『中国医学と日本漢方』の序論の部分。 (2時間)
【事後学習】中国医学と日本漢方について、授業の内容を復習し、課題に取り組むこと。 (2時間)
2 中国医学の淵源。
中国医学の原初形態、正にその淵源を現代に伝える一文が『呂氏春秋』の「尽数篇」に見える。その医学思想としての重要な内容について勉強する。
【事前学習】中国医学の淵源について、『中国医学と日本漢方』(pp.21-37)をよく読み予習しておくこと。 (2時間)
【事後学習】授業の内容を復習し、課題に取り組むこと。 (2時間)
3 中国医学の基礎—陰陽五行説
中国医学の理論を成す、所謂〈陰陽五行説〉というのは、厳密に言うと〈陰陽説〉と〈五行説〉のことである。そこで〈陰陽説〉というのは、この世界の中のあらゆる物事や現象を〈陰〉と〈陽〉の二種類の性質で分類する考え方で、例えば、男・女とか日陰と日向といった、基本的に同一の事象の両面を意味する。従って、それは必ずしも、互いに相反する、或いは相手を否定するという意味での“両面”ではないのである。易の卦を構成する陽爻―と陰爻--も、基本的に、この陰陽説の一様相である。また〈五行説〉というのは、陰陽説の〈陰〉と〈陽〉のカテゴリーを五つに増やしたものである。この思想について学ぶ。
【事前学習】中国医学の基礎—陰陽五行説について、『中国医学と日本漢方』(pp.95-96)をよく読み予習しておくこと。 (2時間)
【事後学習】授業の内容を復習し、課題に取り組むこと。 (2時間)
4 様々な漢方薬
現在の私たちが日常に言う所の“漢方薬”とは、時に人参とか生姜などのように、単一の薬物、すなわち“単味”の“生薬”を指し、その効能が取り沙汰されるが、寧ろ大抵の場合は、それらの生薬を巧みに組み合わせて作られた〈葛根湯〉とか〈真武湯〉といった名前の付いた処方薬の数々を意味することが一般的であろう。これらの漢方薬の基礎について勉強して行く。
【事前学習】様々な漢方薬について、『中国医学と日本漢方』(pp.113-115)をよく読み予習しておくこと。 (2時間)
【事後学習】授業の内容を復習し、課題に取り組むこと。 (2時間)
5 前回までの復習(小テストを含む)
【事前学習】前回までの授業をよく復習しておくこと。 (2時間)
【事後学習】同級生と積極的に議論して、分からなかった箇所については、特に念入りに復習しておくこと。 (2時間)
6 中国医学の治療法
漢方医学における治療のやり方は、先ず基本的に〈汗〉・〈吐〉・〈下〉の三法(方)がある。ここで〈汗法〉とは、病毒が体表にある場合に、発汗させることによって、その病毒を排出して病気を治療するやり方である。また〈吐法〉とは、身体の上部(胸郭のあたり)にある病毒を催吐剤を使って嘔吐させる治療法である。更に〈下法〉とは、身体の下部、或いは深部(腸管のあたり)にある病毒を下剤を用いて排出させる治療法である。こういった漢方の治療法について勉強して行く。
【事前学習】中国医学の治療法について、『中国医学と日本漢方』(pp.125-126)をよく読み予習しておくこと。 (2時間)
【事後学習】授業の内容を復習し、課題に取り組むこと。 (2時間)
7 中国医学の診察法
漢方医学の診療の基本は〈望〉・〈聞〉・〈問〉・〈切〉である。ここで〈望診〉とは、患者の様子を外観し、例えば、顔色・体格・歩き方等、様々な特徴を捉え、その病状を察知する診察法である。〈聞診〉とは、患者の声の調子や咳嗽(せき)、そして喘鳴(のどのゼイゼイいう音)等を聞いて診断を下すやり方である。なお、ここには臭覚も入っている。我々は、日常的に“きく”ということばを香りや臭いにも使っている。ここもその流れで、患者の様々な臭気をも診察のかてとするのである。また〈問診〉とは、言うまでもなく、患者の主観的な愁訴を問い、また客観的には患者の既往歴や家族歴について質問する方法であるが、西洋医学的なそれとは少し違っている。そして最後に、切診とは触診、具体的には脈診と腹診を指す。これらについて学んでで行く。
【事前学習】中国医学の診察法について、『中国医学と日本漢方』(pp.142-143)をよく読み予習しておくこと。 (2時間)
【事後学習】授業の内容を復習し、課題に取り組むこと。 (2時間)
8 中国医学の2大古典
中国医学の2大古典とは、『傷寒論』・『神農本草経』の2書である。それぞれの内容について概観する。
【事前学習】中国医学の2大古典について、『中国医学と日本漢方』(pp.113-115)をよく読み予習しておくこと。 (2時間)
【事後学習】授業の内容を復習し、課題に取り組むこと。 (2時間)
9 中国医学から日本漢方へ
中国医学の発展とそれに影響を受けつつ、更に独自の展開を見せた日本漢方について概観する。
【事前学習】中国医学から日本漢方への展開について、『中国医学と日本漢方』(pp.69-76)をよく読み予習しておくこと。 (2時間)
【事後学習】授業の内容を復習し、課題に取り組むこと。 (2時間)
10 前回までの復習(小テストを含む)
【事前学習】第6回~前回までの授業をよく復習しておくこと。 (2時間)
【事後学習】同級生と積極的に議論して、分からなかった箇所については、特に念入りに復習しておくこと。 (2時間)
11 吉益東洞の医術
吉益東洞(元禄15年(1702)-安永2年(1773))、名は為則。我が国江戸時代における、所謂“古医方”最大の医家である。彼はその病理学的思惟の脈絡において、中国古代の内経医学以来の伝統であり、我が国の医論においても広く認識されていた陰陽五行説を排し、一切の病因はおろか病名すらも全く語ろうとせず、〈万病一毒説〉の旗標のもとに峻剤による汗吐下和四法の徹底を主張し、更に独自の〈天命説〉を唱えて、時に些か過激とさえ評される一大臨床家(実践家)であった。この吉益東洞の、先ずは医術の実際について学んで行く。
【事前学習】吉益東洞の医術について、『中国医学と日本漢方』(pp.77-95)をよく読み予習しておくこと。 (2時間)
【事後学習】授業の内容を復習し、課題に取り組むこと。 (2時間)
12 吉益東洞の医論
吉益東洞と言えば「万病一読毒説」と言われはするが、そのような一面的なで皮相な理解でなく、その医論の医学思想的な内容にまで踏み込んだ勉強を行なう。
【事前学習】吉益東洞の医論について、『中国医学と日本漢方』(pp.127-141)をよく読み予習しておくこと。 (2時間)
【事後学習】授業の内容を復習し、課題に取り組むこと。 (2時間)
13 中神琴渓の医術
中神琴渓(寛保4(1744)年-天保4(1833)年)は、一代の天才的医家である。一時、吉益東洞の門をくぐり、その教えを受け、彼自身も東洞を尊称しつつ、それでも尚〈規則を離れ〉た融通無碍の治療法を展開し、大いに実績を挙げ、かの『日本医学史』において「能く古医方の神髄を穿ち得て山脇東洋・吉益東洞等の前賢が言はんと欲せしところを言ひ、成さんと欲せしところを成したるものと言うべく、古医方も是に至て大に備はれりとなすべし」と称される、文字通り、稀代の傑物である。この中神琴渓の、先ずは医術の実際について学んで行く。
【事前学習】中神琴渓の医術について、『中国医学と日本漢方』(pp.153-189)をよく読み予習しておくこと。 (2時間)
【事後学習】授業の内容を復習し、課題に取り組むこと。 (2時間)
14 中神琴渓の医論
天衣無縫な中神琴渓の医術の基礎をなす医論は、しかし極めて明確な医学思想の背景を持つ。この医学思想について、かれのを言葉を追いながら見て行く。
【事前学習】について、『中国医学と日本漢方』(pp.189-218)をよく読み予習しておくこと。 (2時間)
【事後学習】授業の内容を復習し、課題に取り組むこと。 (2時間)
15 前回までの復習(小テストを含む)
【事前学習】第11回~前回までの授業をよく復習しておくこと。 (2時間)
【事後学習】同級生と積極的に議論して、分からなかった箇所については、特に念入りに復習しておくこと。 (2時間)
その他
教科書 舘野正美 『『中国医学と日本漢方』 (岩波現代全書(21))』 岩波書店 2014年 第1版
この書物は一般の書店だけでなく、インターネットの書籍販売で(特に古書販売ではかなり安価で)買うことができるので、なるべく早く買い求め、よく読んでおくこと。
参考書 使用しない
成績評価の方法及び基準 授業参画度:自分の言葉で、的確にまとめられたレポート(+小テスト)1つが1回分の「授業参画」であり、その内容全体を総合的に評価する。(100%)
レポートについて
1回ずつのレポートそれぞれに「合格」「不合格」の判定をし、「合格」の場合は「授業に参加した」と見做し、「不合格」の場合は「欠席」と見做す。「欠席」(レポート不提出の場合も含む)は5回までは許容するが、6回になると受講を取り消す(「E」判定となる)。
最終的な成績評価は、レポートの内容と質疑応答の内容等も加味して総合的に決定する。
小テストについて
3回の小テストも、合格の場合、それぞれ1回ずつの「授業参画」と見做す。

ブラックボードを通じて遠隔授業で参加する学生についても全く同じです。レポートの内容自体は固より、作成に対する真摯な態度や締め切り時間や字数の厳守等が総合的な評価の対象です。

最終的な成績評価は、レポートの内容全体を総合的に判定して行なわれる。
オフィスアワー 授業前後、当該教室にて、或いはブラックボードやメールを通じて連絡を取る。

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