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美学課題研究１

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令和２年度以降入学者 美学課題研究１
令和元年度以前入学者 美学課題研究１
教員名 高橋陽一郎
単位数    1 学年 2～4 開講区分 文理学部
科目群 哲学科
学期 前期 履修区分 選択必修
授業の形態 対面授業（一部Zoomによる同時双方向型授業の可能性もある）
BlackboardコースのID: 月曜５限→20220614
授業概要 （1）ショーペンハウアーの『意志と表象としての世界（Die Welt als Wille und Vorstellung）』のドイツ語原典第51節（後半）を講読し、それにもとづいて、今年度は「詩」の美学を追求する。一部、E. SouriauのClefs pour l'esthetique（フランス語）をテキストとして用意する。
（2）受講者各自が専門とする美学藝術学研究のプレゼンテーションを行ってもらい、受講者間で議論する。
授業のねらい・到達目標 上記テキストをドイツ語原典で読解することによって、ショーペンハウアー美学の思想・概念・語法について日本語訳では伝わらないニュアンスに至るまで理解できるようになることが、本授業の第一の目的である。また、上記テキストは近現代の美学藝術学を専攻する者がしばしば立ちかえる美学の古典であるので、これを読解することにより、受講者の専門研究が近現代においてどのような位置を持ちうるのか、各自に意識してもらうことが本授業の第二の目的である。
・自他の主張や論証を論理的・批判的に考察して，既存の見解を問い直すことができる（A-3-3）。
・自らの思想的課題に取り組むために必要な情報を収集し，それを分析して用いることができる（A-5-3）。
・さまざまな人とコミュニケーションをとり，傾聴力と発表力に基づいて，合理的な議論を推進することができる（A-6-3）。
・さまざまな集団活動において，より良い成果を上げるために，指導者として他者と協働し，作業を行う姿勢を示すことができる（A-7-3）。
・自分の学修経験を振り返り分析して，今後の改善計画を立てることができる（A-8-3）。

この科目は文理学部（学士（文学））のディプロマポリシーDP3, DP5-8及びカリキュラムポリシーCP3,CP5-8に対応しています。
授業の方法 （1）毎回当番がテキストの訳読案や文法の説明を全員に配布（配信）・共有し、議論しながら授業を進めてゆく（状況によってはZoomによる同時双方向型で行う可能性もある）。
（2）各自の自由研究を前期に一度、発表していただく。他の参加者は発表内容に基づいて質疑応答する（コロキアム形式。状況によってはZoomによる同時双方向型で行う可能性もある。）
・（1）については、発表者以外の受講者もテキストを熟読して参加し、当番の訳読呈示に対し積極的に質疑応答し、理解を深める。また受講者は、復習にも時間を十分にかけ、ショーペンハウアーの美学思想やそこに使われているドイツ語の学修に努める。
・（2）においては、他のゼミ生の研究の個性を認め、互いに質疑応答し合うことを通じて、自分の研究の進展に役立てる。
対面授業に参加できない場合は、毎回の当該箇所の文法説明と訳文を作成しBlackboardやstuメールを通じて提出すること。参加できない回が研究発表会の回の場合は、発表者の原稿を要約し、質問やコメントを付して（同じようにBlackboardやstuメールを通じて）提出すること。
なお、本授業の事前・事後学習は、合わせて4時間を目安とします。
履修条件 前年度に受講を許可された者に限る。
授業計画
1 ガイダンス：年間のスケジュール、授業のテーマ、到達目標、授業の方法について説明する。ゼミ生間での自己紹介【対面授業】または【Zoomによる同時双方向型授業】
【事前学習】シラバスを事前に確認し、授業全体の流れについて把握しておく。 （2時間）
【事後学習】第二回以降の授業に備え、ドイツ語文法を復習しておく。 （2時間）
2 ショーペンハウアーと『意志と表象としての世界（Die Welt als Wille und Vorstellung）』について：担当者による、配布印刷物にもとづく解説【対面授業】または【Zoomによる同時双方向型授業】
【事前学習】ショーペンハウアー美学についての入門書を読んでおくこと。 （2時間）
【事後学習】授業で配布されたプリントを復習し、疑問点を列挙しておく。 （2時間）
3 Die Welt als Wille und Vorstellung, §51の講読と解説（1）―詩について、伝記と国民史について―【対面授業】または【Zoomによる同時双方向型授業】
【事前学習】授業で予定された箇所（§51）後半部で出てくる単語や文法事項を調べること。 （2時間）
【事後学習】授業で扱った箇所の単語や文法事項を確認し、さらにそこで提示された美学思想を自分の言葉で説明できるようにする(A-3,A-6) （2時間）
4 Die Welt als Wille und Vorstellung, §51の講読と解説（2）―抒情詩について―【対面授業】または【Zoomによる同時双方向型授業】
【事前学習】授業で予定された箇所（§51）に出てくる単語や文法事項を調べること。 （2時間）
【事後学習】授業で扱った箇所の単語や文法事項を確認し、さらにそこで提示された美学思想を自分の言葉で説明できるようにする。 （2時間）
5 Die Welt als Wille und Vorstellung, §51の講読と解説（3）―抒情詩と他の詩的ジャンルとの違いについて―【対面授業】または【Zoomによる同時双方向型授業】
【事前学習】ヨーロッパの抒情詩を調べ、それに親しむ（A-5）。 （2時間）
【事後学習】これまで四回の授業で扱った箇所全体で提示された美学思想を自分の言葉で説明できるようにする。 （2時間）
6 受講者の研究発表会とディスカッション（1）―三年生―【対面授業】または【Zoomによる同時双方向型授業】
【事前学習】これまでの授業内容を元に、ヨーロッパの詩をとりわけ日本の詩的ジャンルと比較しながらまとめたり、テクストの文法事項の復習を行う（A-3）。 （2時間）
【事後学習】三年生受講者の発表内容と自分の専門研究との関係について説明できるようにしておく(A-5, A-6, A-7, A-8) （2時間）
7 受講者の研究発表会とディスカッション（2）―三年生―【対面授業】または【Zoomによる同時双方向型授業】
【事前学習】テクスト（§51）で今後予定される＜抒情詩と感情との関係＞に着目しながらテクストの予習を進める。二年生は次週以降に予定されている研究発表会に備えて準備を始める(A-5, A-6, A-7, A-8) （2時間）
【事後学習】三年生受講者の発表内容と自分の専門研究との関係について説明できるようにしておく。 （2時間）
8 受講者の研究発表会とディスカッション（3）―二年生―【対面授業】または【Zoomによる同時双方向型授業】
【事前学習】前回の授業時に質問できなかった研究発表の内容についての疑問点を述べられるようにしておくこと。今週発表しなかった二年生は次週に予定されている研究発表会に備えて準備を始める。 （2時間）
【事後学習】二年生受講者の発表内容と自分の専門研究との関係について説明できるようにしておく。 （2時間）
9 受講者の研究発表会とディスカッション（4）―二年生―【対面授業】または【Zoomによる同時双方向型授業】
【事前学習】前回の授業時に質問できなかった研究発表の内容についての疑問点を述べられるようにしておく。 （2時間）
【事後学習】二年生受講者の発表内容と自分の専門研究との関係について説明できるようにしておく。 （2時間）
10 Die Welt als Wille und Vorstellung, §51の講読と解説（4）―感情表現とイデア―【対面授業】または【Zoomによる同時双方向型授業】
【事前学習】感情表現とイデアという観点に留意しながら、テキストの当該箇所をあらかじめ読んでおく。 （2時間）
【事後学習】ニーチェのショーペンハウアー詩学批判についてノートをまとめる。 （2時間）
11 Die Welt als Wille und Vorstellung, §51の講読と解説（5）―ショーペンハウアーとニーチェの違い―【対面授業】または【Zoomによる同時双方向型授業】
【事前学習】ニーチェ『悲劇の誕生』のショーペンハウアー批判の部分を読む。 （2時間）
【事後学習】ショーペンハウアー詩学の擁護がいかに可能かについて、メモを作成する。 （2時間）
12 Die Welt als Wille und Vorstellung, §51の講読と解説（6）―詩と歴史、詩人と歴史家について―【対面授業】または【Zoomによる同時双方向型授業】
【事前学習】授業で予定された箇所（§51前半部後半）の単語や文法事項を調べる。 （2時間）
【事後学習】授業で扱った箇所（§51前半部後半）の単語や文法事項を確認し、その上で詩と歴史との異同について自分の言葉で説明できるようにする。 （2時間）
13 Die Welt als Wille und Vorstellung, §51の講読と解説（7）―悲劇について―【対面授業】または【Zoomによる同時双方向型授業】
【事前学習】テクストの当該箇所を悲劇と客観的描写という問題圏に留意しながら読んでおく（A-8）。 （2時間）
【事後学習】ヨーロッパにおける悲劇の特徴を、古代ギリシアと近代それぞれのなかで把握し、メモを作る（A-5）。 （2時間）
14 Die Welt als Wille und Vorstellung, §51の講読と解説（8）―悲劇の作品―【対面授業】または【Zoomによる同時双方向型授業】
【事前学習】ショーペンハウアーが詩学の念頭に置いたヨーロッパの悲劇という観点からテクストの当該箇所をあらかじめ読んでおく。 （2時間）
【事後学習】ニーチェの古代悲劇賛美との対比のなかでショーペンハウアー悲劇論の特徴についてノートを作る。 （2時間）
15 前期授業のまとめ―Die Welt als Wille und Vorstellung, §51における詩の概念についての解説【対面授業】または【対面授業】
【事前学習】前期に扱われたショーペンハウアーの美学思想のうち、「抒情詩」、「悲劇」、「イデア」について自分なりの理解をメモしてくる。 （3時間）
【事後学習】授業の解説にもとづいて、「ショーペンハウアーにおける＜抒情詩＞・＜悲劇＞・＜イデア＞」というレポートを作成すべくメモ作りを始める(A-6, A-8) （3時間）
その他
教科書 なし。使用するドイツ語テクストは担当者がコピーで用意する（三年生以上の受講者は過年度のテキストをそのまま使用できる）。
参考書 ショーペンハウアー（西尾幹二訳） 『意志と表象としての世界２ （中公クラシックス）』 中央公論社
成績評価の方法及び基準 授業参画度:ディスカッションへの参加の度合いで評価します。(50%)、前期に一度行っていただく研究発表の完成度で評価します。(50%)
レポートと自由研究のプレゼンテーションによって、自己の思想的課題をどれほど発見し、またそれにどれほど答えているか、また自他の主張や論証に対してどれほど論理的・批判的に考察できているかの到達度を評価する（A-3、A-5）。
自由研究のプレゼンテーションによって、コミュニケーション能力やディスカッション能力の到達度を評価する（A-6）。
テキストの共同翻訳作業によって、学問的な協働の到達度を評価する（A-7）。
テキスト読解と自由研究プレゼンテーションの双方を通じて、当該テキストをいかに自己の研究課題に生かしているか、またその見通しを持っているかを到達度の観点から評価する（A-3、A-8）。
対面授業に参加できない場合は、毎回の当該箇所の文法説明と訳文を作成しBlackboardやstuメールを通じて提出することをもって、また、参加できない回が研究発表会の回の場合は、発表者の原稿を要約し、質問やコメントを付して（同じようにBlackboardやstuメールを通じて）提出することをもって、成績の評価をします。
オフィスアワー 授業後（またはBlackboardで）随時受け付けます。

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