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美学演習1

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令和2年度以降入学者 美学演習1
令和元年度以前入学者 美学演習1
教員名 高橋陽一郎
単位数    1 学年 2~4 開講区分 文理学部
科目群 哲学科
学期 前期 履修区分 選択必修
授業の形態 Zoomによる同時双方向型の遠隔授業(一部対面授業あり)
BlackboardコースのID: 火曜3限→20220605
授業概要 ヴァルター・ベンヤミン(Walter Benjamin, 1892-1940)の代表的論文「複製技術時代の藝術作品」の講読を通して、藝術と社会、藝術と歴史、藝術と政治等の問題を考える。
授業のねらい・到達目標 20世紀フランクフルト学派の美学思想は、藝術が政治や経済などの社会的動向によってどのように変質したかを歴史的に捉えようとする姿勢を濃厚にもっており、その点、藝術や美の自律性を強調する傾向の強かった18~19世紀の美学と著しく異なっている。受講者はベンヤミンの本論文を講読することによって、藝術を社会・歴史・政治との関係で捉える視座を養うことができるであろう。そしてそのことによって、とりわけ藝術の(人間を幸福にするといった)肯定的・積極的要素だけでなく、危険な要素についても種々気づくことができると思われる。この「気づき」を促進することが本授業のねらいである。
・自他の主張や論証を論理的・批判的に考察して,既存の見解を問い直すことができる(A-3-3)。
・人間の生き方や現代社会のあり方を問い直し,自らの思想的課題を設定して,それに挑戦することができる(A-5-2)。
・自分の意見を他人に対してわかりやすく伝えることができる(A-6-2)。
・学修活動のみならず,日常生活においても,より良い成果を上げるために,お互いを尊重しながら協働することができる(A-7-2)。
・他者の評価を謙虚に受け止めながら,自分の学修経験を振り返り,分析していくことができる(A-8-2)。

この科目は文理学部(学士(文学)のDP3,DP5-8及びCP3, CP5-8に対応しています。
授業の方法 授業の形式:【演習】
藝術の現代化に伴って生じた功罪両面のテーマをめぐって、演習形式で授業を行う。テーマに関連した種々の文献を参考にしながら、討論を通じて指導を行う。前期の全授業の最後に課題を出すので、1500字前後の前期総括レポートとして提出していただく。
受講者は復習にも時間を十分にかけ、学修成果を獲得するするよう努められたい。
なお、授業計画は学修者の能力や関係する講義の進捗状況に応じて、変更されることがある。
授業計画
1 ガイダンス:ベンヤミンの生涯と思想、フランクフルト学派の思想的基調(Zoomによる同時双方向型)
【事前学習】哲学事典等でベンヤミンについて調べ、メモを作る。 (2時間)
【事後学習】担当者の配布するプリントを熟読し、疑問点を明記する。 (2時間)
2 「複製技術の時代の藝術作品」第一節の講読と解釈―マルクス主義について―(Zoomによる同時双方向型)
【事前学習】マルクス主義について事典等で調べる。 (2時間)
【事後学習】マルクス主義の「労働」観についてメモを作成する(A-3, A-5, A-6)。 (2時間)
3 「複製技術の時代の藝術作品」第二節の講読と解釈―歴史上の複製技術―(Zoomによる同時双方向型)
【事前学習】複製技術を用いた藝術と伝統的なファイン・アートとの違いに関して記述してみる。 (2時間)
【事後学習】当日のテキストに対する他人の発表について理解し、批判的考察を加えてみる(A-3, A-6, A-7, A-8) (2時間)
4 「複製技術の時代の藝術作品」第三節の講読と解釈―「アウラ」について―(Zoomによる同時双方向型)
【事前学習】授業予定箇所を通読して、疑問点を明確にしておく。 (2時間)
【事後学習】当日のテキストに対する他人の発表について理解し、批判的考察を加えてみる(A-3, A-6, A-7, A-8)。 (2時間)
5 「複製技術の時代の藝術作品」第四節の講読と解釈―アウラと複製技術―(Zoomによる同時双方向型)
【事前学習】「アウラ」概念についてメモを作成する(A-3, A-5)。 (2時間)
【事後学習】当日のテキストに対する他人の発表について理解し、批判的考察を加えてみる。 (2時間)
6 「複製技術の時代の藝術作品」第五節の講読と解釈―アウラと宗教的儀式―(Zoomによる同時双方向型)
【事前学習】授業予定箇所を通読して、疑問点を明確にしておく。 (2時間)
【事後学習】当日のテキストに対する他人の発表について理解し、批判的考察を加えてみる(A-3, A-6, A-7, A-8) (2時間)
7 「複製技術の時代の藝術作品」第六節の講読と解釈(1)―礼拝的価値と展示的価値―(Zoomによる同時双方向型)
【事前学習】藝術と宗教との関係について自分なりの考えをまとめる。(A-3, A-5) (2時間)
【事後学習】当日のテキストに対する他人の発表について理解し、批判的考察を加えてみる。 (2時間)
8 「複製技術の時代の藝術作品」第六節の講読と解釈(2)―礼拝的藝術の歴史―(Zoomによる同時双方向型)
【事前学習】写真の礼拝的性格について留意しながら、テキストの予定箇所を通読する(A-6, A-7, A-8)。 (2時間)
【事後学習】当日のテキストに対する他人の発表について理解し、批判的考察を加えてみる。 (2時間)
9 「複製技術の時代の藝術作品」第七節・第八節の講読と解釈―写真と映画について―(Zoomによる同時双方向型)
【事前学習】写真の発明と歴史について調べてみる。 (2時間)
【事後学習】当日のテキストに対する他人の発表について理解し、批判的考察を加えてみる。 (2時間)
10 「複製技術の時代の藝術作品」第九節・第十節の講読と解釈―藝術の変質―(Zoomによる同時双方向型)
【事前学習】映画と写真それぞれの機能に着目しながら両者を比較し、特徴の違いをメモしておく。 (2時間)
【事後学習】当日のテキストに対する他人の発表について理解し、批判的考察を加えてみる。 (2時間)
11 「複製技術の時代の藝術作品」第十一節の講読と解釈―映画と俳優―(Zoomによる同時双方向型)
【事前学習】舞台俳優と映画俳優の違いについて、自分なりの考えを記述しておく(A-5)。 (2時間)
【事後学習】当日のテキストに対する他人の発表について理解し、批判的考察を加えてみる。 (2時間)
12 「複製技術の時代の藝術作品」第十二節・第十三節の講読と解釈―労働と人間の疎外―(Zoomによる同時双方向型)
【事前学習】労働による人間疎外と藝術との関係について、自分なりの考えをまとめておく。 (2時間)
【事後学習】当日のテキストに対する他人の発表について理解し、批判的考察を加えてみる。 (2時間)
13 「複製技術の時代の藝術作品」第十四節・第十五節の講読と解釈―複製技術の政治性―(Zoomによる同時双方向型)
【事前学習】複製技術がどのような政治性を持ちうるかという観点から、テキストの予定箇所を通読する(A-6, A-8)。 (2時間)
【事後学習】当日のテキストに対する他人の発表について理解し、批判的考察を加えてみる。 (2時間)
14 「複製技術の時代の藝術作品」第十六節・第十七節の講読と解釈―複製技術の心理学―(Zoomによる同時双方向型)
【事前学習】群衆の心理について、参考文献を当たってメモを作成しておく。 (2時間)
【事後学習】他人からどのような批判や批評を受けたかについてメモをとる(A-6, A-7, A-8)。 (2時間)
15 「複製技術の時代の藝術作品」第十八節・第十九節(最終節)の講読と解釈―現代の危機―(Zoomによる同時双方向型)
【事前学習】これまでの提出された種々の意見を復習する(A-8)。 (2時間)
【事後学習】複製技術と現代の危機というテーマでレポートを書き始める。 (2時間)
その他
教科書 ヴァルター・ベンヤミン(野村修訳) 『ボードレール 他五篇 (岩波文庫)』 岩波書店
参考書 使用しない
成績評価の方法及び基準 レポート:レポートは求めるテーマと内容、提出状況をみて評価します。(50%)、授業参画度:授業参画度は、毎回の小レポートや質問等の度合いで評価します。(50%)
授業中のディスカッションにおける自他の主張に対する論理的な批判力を見てA-3、A-6の到達度を評価する。
授業中のディスカッションとレポートの双方において、学習したことをどれほど現代の人間や社会を考察する際に役立たせているか(A-5)の到達度を評価する。
ディスカッションにおいて、どれほど自分が他人の意見を公正に評価できるか、またどれほど自分の意見を他人の意見によって客観的に分析できるか(A-7、A-8)の到達度を評価する。
オフィスアワー Blackboard上で随時機会を設けます。

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