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総合研究1~8(トランス・ヒューマニズム概説)

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令和2年度以降入学者 総合研究1~8(トランス・ヒューマニズム概説)
令和元年度以前入学者 総合研究1~8(トランス・ヒューマニズム概説)
教員名 堀内進之介
単位数    2 学年 1~4 開講区分 文理学部
科目群 総合教育科目
学期 後期 履修区分 選択
授業の形態 遠隔授業(オンデマンド型、YouTubeやBlackboardを使った動画や学習資料の配信)
Blackboard ID:20223085
授業概要 情報工学や薬理学、生物医科学などの技術によって、人間の能力や資質を強化しようという実践が始まっている。これらは一般に、ヒューマン・エンハンスメントと呼ばれ、それを推進する哲学や思想は、トランス・ヒューマニズムとして知られている。このような実践や思潮は、これまで偶然だと考えられてきた事柄を選択に変える可能性を秘めており、社会生活全般において、大きな影響を及ぼすと考えられている。

認知機能強化のための「スマートドラッグ」、AIによる意思決定支援システム、遺伝子編集によるデザイナーベイビーの可能性は、その代表事例である。これらはすでに社会生活に入り込んでおり、ますます身近なものになろうとしている。そこで、本講義では、トランス・ヒューマニズムに関わる実践と思潮について、そこにどのような可能性があり、また、どのようなリスクがあるのかを概説し、人間と社会と科学の関係性について、最新の知見を学べるようにする。
授業のねらい・到達目標 <知識><技能>
この講義では、受講生が①人間の能力や資質の強化に関わる諸実践を理解し、②その可能性とリスクを評価することができ、③科学(技術)の善用について、自律的に講じられるようになることが目指される。
<能力>
上記の<知識><技能>の習得を経て、以下の<能力>を育むことを目標とします。
経験や学修から得られた豊かな知識と教養に基づいて,倫理的な課題を理解し説明することができることを到達目標とします。(A-1-1)

この科目は文理学部(学士)のDP1及びCP1に対応しています。
授業の方法 授業形式【講義】

12回:遠隔授業(YouTube を用いて動画を配信するオンデマンド型授業)
   ➡各回に「授業内課題」を設け、Blackboard上にUPするので、その回答をもって出席とみなす。
03回:課題研究(Blackboardを通じた学習資料配信)
「授業内課題」「課題研究」ともにGoogleフォーム上で回答できるように出題する予定である。
※課題研究については早い段階でBlackboard上に指示を出すので、受付期間中であればいつでも提出可とする。
授業内で課題に対するフィードバックを行う。
履修条件 履修希望者が一定人数を超える場合には、学部のweb抽選の実施により受講者を決定します。定員は100名とします。
          
授業計画
1 1)ガイダンス:トランス・ヒューマニズムとは何か (オンデマンド)
・・・先端科学が人間の諸能力や資質にどのように関わろうとしているのか、そこにはどのような思想があるのかを概説する。(A-1-1)
【事前学習】Blackboard上で配布する教材を利用し,疑問点をまとめておく。 (2時間)
【事後学習】授業内課題に回答し、授業の要点をノート等にまとめる。 (2時間)
2 2)治療と強化の区別について (オンデマンド)
・・・病気の治療と、能力や資質の強化は、どちらも生物医科学的な技術が使われるが、そこにはどのような違いがあるか、あるは無いのか。それを区別することは可能なのかを概説する。(A-1-1)
【事前学習】Blackboard上で配布する教材を利用し,疑問点をまとめておく。 (2時間)
【事後学習】授業内課題に回答し、授業の要点をノート等にまとめる。 (2時間)
3 3)身体強化の可能性 (オンデマンド)
・・・サイボーグ化、パワードスーツ、遺伝子編集の最新の取り組みは、身体にどのような変化をもたらすことができ、またどのように実践されているのかを概説する。(A-1-1)
【事前学習】Blackboard上で配布する教材を利用し,疑問点をまとめておく。 (2時間)
【事後学習】授業内課題に回答し、授業の要点をノート等にまとめる。 (2時間)
4 4)身体強化のリスク (オンデマンド)
・・・この取組には、超人を、あるいはフランケンシュタインを作り出すのではないかという懸念がある。また軍事利用に関する恐れもある。そうした懸念や恐れ、そして規制のあり方を概説する。(A-1-1)
【事前学習】Blackboard上で配布する教材を利用し,疑問点をまとめておく。 (2時間)
【事後学習】授業内課題に回答し、授業の要点をノート等にまとめる。 (2時間)
5 5)課題研究:オリンピックは公正なのか 
・・・オリンピックには、アンチ・ドーピングという規定がある。この規定は、パラリンピックにおいて問題を生じさせている。優れた義肢装具は不正なのか、これを調べレポートにまとめる。(A-1-1)
【事前学習】Blackboard上で配布する教材を利用し,疑問点をまとめておく。 (2時間)
【事後学習】授業内課題に回答し、小レポートを執筆する。 (2時間)
6 6)認知強化の可能性 (オンデマンド)
・・・スマートドラッグ、経頭蓋磁気刺激、脳深部刺激といった取り組みは、認知機能を強化し、優れた判断を可能にすると期待されている。それは、どのように利用され、どの程度普及しているかを概説する。(A-1-1)
【事前学習】Blackboard上で配布する教材を利用し,疑問点をまとめておく。 (1時間)
【事後学習】授業内課題に回答し、授業の要点をノート等にまとめる。 (3時間)
7 7)認知強化のリスク (オンデマンド)
・・・認知強化は、格差社会をさらに広げる可能性や、自由や自律性を脅かすのではないかという懸念が持たれている。認知強化には、どのようリスクがあるかを概説する。(A-1-1)
【事前学習】Blackboard上で配布する教材を利用し,疑問点をまとめておく。 (2時間)
【事後学習】授業内課題に回答し、授業の要点をノート等にまとめる。 (2時間)
8 8)課題研究:アカデミック・ドーピングは不正なのか 
・・・ADHDの学生は認知機能強化剤を処方されていることがある。これは許されているのに、なぜ健常者はダメなのか。これを調べレポートにまとめる。(A-1-1)
【事前学習】Blackboard上で配布する教材を利用し,疑問点をまとめておく。 (2時間)
【事後学習】授業内課題に回答し、小レポートを執筆する。 (2時間)
9 9)道徳強化の可能性 (オンデマンド)
・・・オキシトシンやドーパミンには、共感能力を向上さる効果がある。これは、人びとの向社会性を強化したり、夫婦や親子の絆を強化するために、すでに用いられていることを概説する。(A-1-1)
【事前学習】Blackboard上で配布する教材を利用し,疑問点をまとめておく。 (2時間)
【事後学習】授業内課題に回答し、授業の要点をノート等にまとめる。 (2時間)
10 10)道徳強化のリスク (オンデマンド)
・・・共感能力の強化や愛情の強化には、真正性を毀損し、尊厳を傷つけるのではないかという懸念が持たれている。こうした懸念が、どの程度妥当なのかを概説する。(A-1-1)
【事前学習】Blackboard上で配布する教材を利用し,疑問点をまとめておく。 (1時間)
【事後学習】授業内課題に回答し、授業の要点をノート等にまとめる。 (3時間)
11 11)課題研究:有権者の道徳強化は違法なのか 
・・・有権者や為政者は、他者を思いやることが求められる。この能力を選挙前に強化することは、民主主義に反するのか、反しないのか、これを調べレポートにまとめる。(A-1-1)
【事前学習】Blackboard上で配布する教材を利用し,疑問点をまとめておく。 (2時間)
【事後学習】授業内課題に回答し、小レポートを執筆する。 (2時間)
12 12)アドバイザーAIの可能性とリスク (オンデマンド)
・・・意思決定支援システムは、すでに日常にあふれている。リコメンデーションはその一つであり、スマホの主たる機能になりつつある。その是非を概説する。(A-1-1)
【事前学習】Blackboard上で配布する教材を利用し,疑問点をまとめておく。 (2時間)
【事後学習】授業内課題に回答し、授業の要点をノート等にまとめる。 (2時間)
13 13)遺伝子編集の可能性とリスク (オンデマンド)
・・・遺伝子編集は、デザイナーベイビーを可能にするかもしれない。あるいは、成人の特性をそれによって変えられる可能性もある。それは優生主義につながるのか、それを概説する。(A-1-1)
【事前学習】Blackboard上で配布する教材を利用し,疑問点をまとめておく。 (2時間)
【事後学習】授業内課題に回答し、授業の要点をノート等にまとめる。 (2時間)
14 14)偶然から選択へ (オンデマンド)
・・・トランス・ヒューマニズムの諸実践は、これまで偶然であったもの、それゆえに許されてきたものを選択に変えることで、責任を増大させている。これは不可避な推移なのか、それを概説する。(A-1-1)
【事前学習】Blackboard上で配布する教材を利用し,疑問点をまとめておく。 (1時間)
【事後学習】授業内課題に回答し、授業の要点をノート等にまとめる。 (3時間)
15 15)設計の倫理:代替することと、補完すること (オンデマンド)
・・・講義を振り返り、どのような実践であれば望ましいと言えるのかを、代替と補完というカテゴリを示しながら、総括する。(A-1-1)
【事前学習】本授業で学んだことをノート等にまとめる。 (2時間)
【事後学習】トランスヒューマニズムの思想と実践について自分の考えを整理する。 (2時間)
その他
教科書 指定する教科書はありません。
参考書 マーク オコネル 『トランスヒューマニズム: 人間強化の欲望から不死の夢まで』 作品社 2018年
イブ・ヘロルド  『Beyond Human 超人類の時代へ 今、医療テクノロジーの最先端で』 ディスカヴァー・トゥエンティワン  2017年
ラメズ・ナム 『超人類へ! バイオとサイボーグ技術がひらく衝撃の近未来社会』 河出書房新社 2006年
成績評価の方法及び基準 レポート:期末レポート(45%)、授業内テスト:3回の授業内容確認小レポートにより評価を行う。(35%)、授業参画度:各回に行う小テストを基準に総合的に評価を行う。(20%)
オフィスアワー Blackboard上にUPする資料に付された課題(Googleフォーム形式)に、質問を受け付ける欄を設ける。重要な質問については、Blackboardを通じて、全体に回答する。
備考 【初回講義開始までに、当該授業のBlackBoardのコース登録を行うこと。】
シラバスの内容は履修生の学修の状況を考慮して、変更することもある。
履修希望者が多数となる場合は、抽選を行う。

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