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令和2年度以降入学者 | 原子の世界 | ||||
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令和元年度以前入学者 | 物質科学のフロンティア1 | ||||
教員名 | 川上隆輝 | ||||
単位数 | 2 | 学年 | 1~4 | 開講区分 | 文理学部 |
科目群 | 総合教育科目 | ||||
学期 | 後期 | 履修区分 | 選択 |
授業の形態 | 対面授業 Blackboard ID:20223077 |
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授業概要 | 原子(元素)は,陽子の数で分類するとわずか118種類ある。しかし,物質は構成する原子の種類やその配列を変えることで様々な性質をもつようになる。物質の多様性の起源は,何から生じるのかを物理や化学を用いて解き明かす。物質の多様性を解き明かすために主役を演じるのが電子である。電子は,非常に小さいため,よく知られているマクロな物理法則(ニュートン力学)とは異なるミクロな世界を記述する量子論に従うことが知られている。本授業では,量子論を解説しながら,物質の多様性の利き所を理解する。 |
授業のねらい・到達目標 | 高等学校では学ぶ機会の少ないミクロな世界(原子や分子)の物理を理解し,自然科学の振る舞いのみならず,便利なスマートホンなどの高性能な機能に応用されていることを理解する。この授業では,原子や分子の結合に注目して,物質の性質を理解し,学生自ら自然科学を考察することができるようになることを目標にする。 この科目は文理学部のDP3, 4, 5及びCP3, 4, 5に対応しています。 仮説に基づく課題や問題を提示し客観的な情報を基に、論理的・批判的に考察することの重要性を説明できる。(A-3-1) 事象を注意深く観察して、解決すべき問題を認識できる。(A-4-1) 新しいことに挑戦する気持ちを持つことができる。(A-5-1) |
授業の方法 | 授業の形式:【講義】 -授業の進め方- 対面授業(第1回~第14回)とオンデマンド型(第15回(授業内テスト))を併用して行う。 対面授業への対面参加が困難な学生(学部が定めた条件に合致する学生)は,教員の許可をうけて,オンデマンド型で授業に参加することができる。 受講生は対面授業を受講した後に,毎回,Blackboardを用いて確認テストを解いてもらう。 -授業の内容- 高校の物理の授業のような公式の暗記と問題の解き方を学ぶのではなく,身近な物理現象を取り上げて,自然科学がわずかな法則にしたがい,その法則を扱って自然現象を考える力を教え,どのような物理法則を扱えば,自然現象が説明できるかをイメージできるようにする。 授業中に言葉の意味が分からなかったり,物理が理解できないときは,講義終了後に質問してもらえれば学生のレベルに合わせて対応する。 本授業の事前・事後学習は、各2時間の学習を目安とする。 |
履修条件 | 授業概要に書かれている内容に興味を持って取り組める学生が望ましい。 |
授業計画 | |
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1 |
ガイダンス(授業テーマや到達目標および授業の進め方について説明する。残りの時間で授業を行い,授業の雰囲気を知ってもらい,受講するかどうかの判断材料にしてもらう)(A-5-1)【対面授業】
【事前学習】元素(原子)の周期表を手に入れて,鉄,コバルト,ニッケル,銅がどこに記載されているか調べる。 (2時間) 【事後学習】今後,授業で周期表を使う。インターネット上には様々な特徴のある周期表があるので,自分の好みに合ったものを探す。または,高等学校で使用した化学の教科書には周期表が載っているため,これを利用してもよい。 (2時間) |
2 |
「原子とは何か」について講義する。(A-3-1, A-4-1, A-5-1)【対面授業】
【事前学習】原子は何でできていてどのような相互作用で結びついているか調べる。 (2時間) 【事後学習】原子が安定に存在できる理由を説明できるようにする。 (2時間) |
3 |
原子が集合することで生まれる物質の多様性について講義する。(A-3-1, A-4-1, A-5-1)【対面授業】
【事前学習】物質の3態について調べる。 (2時間) 【事後学習】相転移について説明できるようにする。 (2時間) |
4 |
原子と原子の結合について講義する。(A-3-1, A-4-1, A-5-1)【対面授業】
【事前学習】結合の種類と性質について調べる。 (2時間) 【事後学習】イオン結合について説明できるようにする。 (2時間) |
5 |
量子論を用いて原子の電子状態について講義する。(A-3-1, A-4-1, A-5-1)【対面授業】
【事前学習】量子論とは何かを調べる。 (2時間) 【事後学習】ハイゼンベルクの不確定性について説明できるようにする。 (2時間) |
6 |
原子を構成する原子核と電子が安定に存在できることをハイゼンベルクの不確定性を用いて説明できることを講義する。(A-3-1, A-4-1, A-5-1)【対面授業】
【事前学習】電子は原子核のまわりをどうしてある広がりを持って安定に存在できるのかを調べる。 (2時間) 【事後学習】ニュートンの運動方程式とシュレディンガー方程式の違いを説明できるようにする。 (2時間) |
7 |
原子核のまわりをまわる電子の軌道について講義する。(A-3-1, A-4-1, A-5-1)【対面授業】
【事前学習】電子の軌道とは何かについて調べる。 (2時間) 【事後学習】s軌道,p軌道,d軌道の違いについて説明できるようにする。 (2時間) |
8 |
電子配置およびパウリの排他律について講義する。(A-3-1, A-4-1, A-5-1)【対面授業】
【事前学習】電子のスピンとは何かについて調べる。 (2時間) 【事後学習】閉殻イオンの電子分布が球対称になることについて説明できるようにする。 (2時間) |
9 |
原子をつなぐ電子の手(共有結合)について講義する。(A-3-1, A-4-1, A-5-1)【対面授業】
【事前学習】共有結合とイオン結合の違いについて調べる。 (2時間) 【事後学習】水素結合は共有結合より弱い結合であることについて説明できるようにする。 (2時間) |
10 |
原子が磁気を帯びるときはどのようなときかについて講義する。(A-3-1, A-4-1, A-5-1)【対面授業】
【事前学習】鉄くぎがなぜ,磁石に引き寄せられるのかについて調べる。 (2時間) 【事後学習】鉄くぎは磁石に引き寄せられるが,銅でできた10円玉は磁石に引き寄せられない。これらの違いを原子レベルで説明できるようにする。 (2時間) |
11 |
金属結合について講義する。(A-3-1, A-4-1, A-5-1)【対面授業】
【事前学習】金属,半導体,絶縁体について,性質の違いを調べる。 (2時間) 【事後学習】金属結合の特徴について説明できるようにする。 (2時間) |
12 |
原子を規則正しく成膜する技術について講義する。(A-3-1, A-4-1, A-5-1)【対面授業】
【事前学習】成膜方法のひとつである真空蒸着について調べる。 (2時間) 【事後学習】金属人工格子について説明できるようにする。 (2時間) |
13 |
巨大磁気抵抗効果について講義する。(A-3-1, A-4-1, A-5-1)【対面授業】
【事前学習】ハードディスクの原理について調べる。 (2時間) 【事後学習】スピン依存散乱について説明できるようにする。 (2時間) |
14 |
トンネル磁気抵抗効果について講義する。(A-3-1, A-4-1, A-5-1)【対面授業】
【事前学習】磁気トンネル接合とはどのようなものかについて調べる。 (2時間) 【事後学習】マグネティック・ランダム・アクセス・メモリー(MRAM)について説明できるようにする。 (2時間) |
15 |
フラッシュメモリー(NAND型メモリー)について講義する。その後,授業内テストを行う。(A-3-1, A-4-1, A-5-1)【オンデマンド型】
【事前学習】パソコンに使われている記録媒体にはどのような種類があるか調べる。 (2時間) 【事後学習】HDDとSSDの違いを説明できるようにする。 (2時間) |
その他 | |
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教科書 | なし |
参考書 | 参考書を必要とする学生は相談してください。 |
成績評価の方法及び基準 | 授業内テスト:第15回のときに授業内テストを行う。(30%)、授業参画度:対面での授業に参加し,確認テストの答案を採点して総合的に判断する(70%) 授業内テストは他の受講生の解答を参考にしなければ,何を参照にしても構わない。普段の授業の内容を講義ノートにまとめておくことが,授業内テストを解答する助けになる。(授業内テストは対面では行はず,オンデマンド型で期限を設けて提出してもらう) オンデマンド型で受講する学生は,毎回授業の教材を視聴し,確認テストを採点して総合的に判断して授業参画度として評価する。授業内テストは対面の学生と同じものを一緒にオンデマンド型で受けてもらう。 確認テストは期日を設けて提出してもらう。確認テストの提出が遅延になった場合は出席としては扱わないこともある。 出席回数が十分でない場合は成績評価の対象としない。 |
オフィスアワー | 授業終了後に質問などを受けつける。(対面の学生は教室で,オンデマンド型の学生はメールでお願いします) |