文理学部シラバスTOP > 文理学部 > 総合 I 群 > 法学
日本大学ロゴ

法学

このページを印刷する

令和2年度以降入学者 法学
令和元年度以前入学者 法学
教員名 田中夏樹
単位数    2 学年 1~4 開講区分 文理学部
(実務経験のある教員による科目)
科目群 総合教育科目
学期 前期 履修区分 選択
授業の形態 対面授業
BlackboardのコースID:20220058
授業概要 この講座は,法律学を学ぶ際の基礎となる「法の一般理論」についての講義を中心に構成する。
弁護士としての実務経験に基づき,法律において定められている規定や制度の実務上の扱いや裁判上での扱いについて説明を行う予定。
授業のねらい・到達目標 各法領域の関係や他国の法制度との比較を通じ,基礎的な法的理解を身につける。
この科目は,文理学部教育課程表のA-2(DP2・CP2)[世界の現状を理解し、説明する力]の1,A-3(DP3・CP3)[論理的・批判的思考力]の1,A-4(DP4・CP4)[問題発見・解決力]の1に対応している。
世界諸国の歴史や政治,経済,文化,価値観,信条などの現状を概説できる(A-2-1)。
仮説に基づく課題や問題を提示し,客観的な情報を基に,論理的・批判的に考察することの重要性を説明できる(A-3-1)。
事象を注意深く観察して,解決すべき問題を認識できる(A-4-1)。
この科目は文理学部のDP及びCP2,3,4に対応している。
授業の方法 授業の形式:【講義】
法学に関する基本事項を説明し,関連した裁判所の判例や学説を解説する。
メールやリアクションペーパー等を通じて質問等を受け付け,次回以降に受け付けた質問等への回答を行う。
対面授業に参加できない場合,対面授業終了後,blackboardにて配信する動画を視聴し,blackboard上でリアクションペーパーを提出する。リアクションペーパーにはコメント機能を使用してフィードバックを行う。
履修条件 特になし
授業計画
1 ガイダンス及び導入講義授業内容,授業の進行方法,授業スケジュール,成績評価の方法,教科書の紹介を行い,これから学習する法学の導入部分や学習方法について説明し,今後の学習準備を行う。【対面授業】
【事前学習】シラバスを確認するとともに,六法の条文を読むなどして,法律の文に慣れておく。 (2時間)
【事後学習】授業で扱った法学についての説明を確認し,法の必要性や社会的意義を踏まえ,法学がどういった事柄を対象とした ものかを理解し,自分なりに説明できるようにする。 (2時間)
2 法とは何か1:形式的な「法律」以外にも様々な社会的規範としての「法」が存在する。それぞれの性質が異なっているが,どのような社会規範としての「法」が存在するのか,各社会規範の役割等について解説する(A-2-1)。【対面授業】
【事前学習】各自の教科書を読み,社会規範としての法にはどのような形式のものが存在するか確認する。 (2時間)
【事後学習】「法律」以外にもどのような社会規範が存在するのか,また,なぜそのような社会的規範が存在し,その社会規範は 法にどのような影響を与えるものかについて,自分なりに説明できるようにし,疑問点を質問できるようにする。 (2時間)
3 法とは何か2:形式的には同じ「法律」として扱われるものにも「私法」や「公法」といった分類がなされることがあるが,どのような目的によるものか,またその性質がどのように異なるものであるかを解説する(A-2-1)。【対面授業】
【事前学習】各自の教科書を読み,法の構造について,公法・私法・国際法とは何かを確認し,それぞれがどのような定義である かを確認する。 (2時間)
【事後学習】各法がどのような分野を規律しているものか整理し,それぞれの役割の違いを理解し,それぞれの特徴について説明 ができるようにしておく。 (2時間)
4 法学の学習について:実際に条文を読み,法律の適用の仕方を学ぶ。前回までに学んだ法律の分類(公法,私法,刑法等)がどのように反映されているかについて実感できることを目的とする(A-3-1)。【対面授業】
【事前学習】前回までの授業で扱った法の社会における役割を確認し,法学が学ぶ対象としている法律がどいったものかについて確認する。 (2時間)
【事後学習】実際に授業で扱った条文の読み方や適用の仕組みについて,法律の分類に気を付けながらなぜそのような適用がなされるのか自分の言葉で説明できるようにする。 (2時間)
5 法源1:法源とは何かについて,具体的な例を交えながら解説を行う。また,そのような法源がどのような機能を有しているか解説する(A-3-1)。【対面授業】
【事前学習】各自の教科書で,法源という概念がどのようなものか確認し,どのような機能を有しているかを確認する。 (2時間)
【事後学習】法源としての法の機能がどのようなものか,授業中に扱った分類の仕方とその性質について自分なりに説明できるようにする。 (2時間)
6 法源2:制定法の法源と判例法の法源について,どのように役割が異なっているかを考え,具体的な事例をもとにその機能を解説する(A-3-1)。【対面授業】
【事前学習】各自の教科書で,制定法と判例法がどのように異なり,どのような機能を営むのか確認する。 (2時間)
【事後学習】制定法と判例法の機能の違いを理解し,具体的な事例において,どのような適用関係となるか検討する。 (2時間)
7 法の分類1:強行法規や任意法規について,法律を分類する意義ないし必要性を理解し,どのような立法趣旨が存在するのかについて解説する(A-3-1)。【対面授業】
【事前学習】各自の教科書で,強行法規,任意法規の概念を調べ,どのような機能を有しているかを確認する。 (2時間)
【事後学習】各法の分類を行う意義及び各法の性質の違いを理解し,どのような制度趣旨が存在するのかを説明できるようにする。 (2時間)
8 法の分類2:実体法と手続法という概念の区別があるが,初学者にとっては非常にわかりにくい概念であり,それぞれの定義と実際に営んでいる機能について解説する(A-3-1)。【対面授業】
【事前学習】前回の授業の復習をするとともに,各自の教科書で,実体法と手続法についてそれぞれの定義を確認する。 (2時間)
【事後学習】具体的な実体法と手続法にはどのような法律が分類されるのかを確認し,それぞれの特色について説明ができるようにする。 (2時間)
9 私人間における法適用1:私人間に適用される法は,どのような解釈ないし適用がなされており,そのような法解釈ないし法適用はどのような目的の下に行われているのか解説する(A-3-1,A-4-1)。【対面授業】
【事前学習】各自の教科書で,私人間に適用される法律としてどのような法律が存在するのかを確認しておく。 (2時間)
【事後学習】私人間における法適用の特徴がどのようなものであり,当事者の利害関係についてどのような配慮をしているか説明できるようにする。 (2時間)
10 私人間における法適用2:私人間における法適用と公法の適用では,どのような点が異なっており,考え方がどのように異なるのかについて解説する(A-3-1,A-4-1)。【対面授業】
【事前学習】各自の教科書で,私人間における法の適用と公法の適用ではどのような差異があるか確認しておく。 (2時間)
【事後学習】私人間における法の適用では,どのような特徴があるか,公法の場合と比較して理解できるようにし,その特色を説明できるようにする。 (2時間)
11 解釈論と立法論1:法学では解釈論を学ぶことが多いが,立法的な対応がなされることもあり,従来どのような内容が立法的に解決されてきたのかを解説する(A-3-1,A-4-1)。【対面授業】
【事前学習】不明確な条文があった場合にはどのような問題が生じるか,また,新たに立法が必要になるのはどのような場合か考えてみる。 (2時間)
【事後学習】解釈論の限界と立法論の必要性について,具体的な例を踏まえて説明できるようにする。 (2時間)
12 解釈論と立法論2:実際に裁判になった事案であり,解釈論の限界を超え,実質的に立法に近いと批判されることのある事案を紹介し,解釈論について考えてもらう(A-3-1,A-4-1)。【対面授業】
【事前学習】前回の授業を復習し,解釈論と立法論がどのように異なるか理解できているか確認する。 (2時間)
【事後学習】授業内で扱った事案について,裁判所が行った判断がどのようにして正当化できるのか,あるいは,正当化できないのかそれぞれ検討する。 (2時間)
13 法の実現:実体法上認められた権利は,実際に実現されなければ意味がないが,法律はどのような手段を用意しているのか,及び法の実現のために実際の裁判所がどのような対応をしており,どのような制度が用意されているのかについて説明する(A-3-1)。【対面授業】
【事前学習】実際に裁判所のホームページなどを確認し,裁判所の手続を確認してみる。 (2時間)
【事後学習】裁判所における手続を具体的に理解し,各段階でどのような意義があるのか考え,実体法上の権利をどのようにすれば実現できるか説明できるようにする。 (2時間)
14 まとめ:前期の授業内容のまとめをするとともに,前期の授業内容を俯瞰し,大きなシステムとしての法がどのような機能を営んでいるかを解説する(A-2-1,A-3-1,A-4-1)。【対面授業】
【事前学習】前期の授業をまとめ,それぞれの制度を自分の言葉で説明ができるか確認し,不明点を確認しておく。 (2時間)
【事後学習】今後の学ぶ具体的な法律の予習の際に,法的思考能力が身につき,論理的に考えられているかを実践する。 (2時間)
15 試験講評:レポート試験の解説を行い,質疑に回答する。また,全体的な答案の傾向等についても言及し,今後につなげてもらいたい。【対面授業】
【事前学習】前回の授業内試験の内容を整理し,過去の授業内容の不明点と合わせて質問ができるようにする。 (2時間)
【事後学習】全15回の授業内容は,それぞれが複雑に結びついており,授業の復習をするとともに,各制度が他の制度にどのように影響を及ぼしているのかを確認する。 (2時間)
その他
教科書 なし
参考書 早川吉尚 『法学入門』 有斐閣 2016年
田髙寛貴 『リーガル・リサーチ&リポート』 有斐閣 2019年 第2版
田中英夫 『実定法学入門』 東京大学出版会 1974年 第3版
成績評価の方法及び基準 レポート:期末に行うレポート試験によって評価する。(100%)
対面授業に参加できない場合でも,同様のレポート試験を課す予定。
オフィスアワー tanaka.natsuki@nihon-u.ac.jpまでご連絡ください。

このページのトップ