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民俗学

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令和2年度以降入学者 民俗学
令和元年度以前入学者 民俗学1
教員名 斎藤弘美
単位数    2 学年 1~4 開講区分 文理学部
科目群 総合教育科目
学期 前期 履修区分 選択
授業の形態 対面授業

BlackboardコースID:20220056
授業概要 民俗学の基礎知識を中心に「いま」の私たちと「むかし」の日本人をつなぐ民俗の知恵について考えます。民俗学の基本的な知識とともに、今、身の回りで起きていること、時事問題などを「民俗学の視点」から解説することで、現代の課題を理解するための「自省の学」としての民俗学の意味を学びます。授業では、講師自身が収集した民俗調査の事例等を活用することでさらに理解を深めます。
授業のねらい・到達目標 <知識><技能>
この授業では、現代の課題を理解するための「自省の学」としての民俗学の意味を学びます。これまで当たり前だと思っていたことを問い直し、その意味を知ることができます。さらに当たり前だと思っていたコトやモノについて、その変化と不変を知る。自らの内にある『民俗』の意味を知り、自分たちの現在の生活との関わりを考えていくことで、「現在の課題に答える学問」として登場した民俗学の可能性を探り、授業を通して自ら「気づく」「考える」「当たり前を疑う」習慣を身につけましょう。
<能力>
上記の<知識><技能>の習得を経て、以下の<能力>を育むことが目標である。
 ・経験や学修から得られた知識・教養に基づいて、倫理的な課題を課題を理解し、説明することができる。(A-1-1 豊かな知識・教養に基づく高い倫理観)
 ・世界諸国の歴史や政治、経済、文化、価値観、心情などの現状を概観できる(A-2-1 世界の現状を理解し,説明する力)
 ・仮説に基づく課題や問題を提示し、客観的な情報を基に、倫理的・批判的に考察することの重要性を説明できる(A-3-1 倫理的・批判的思考力)
*この科目は文理学部(学士(社会学))のDP1,2,3,及びCP1,2,3,に対応しています。
授業の方法 講義形式で進めますが、講義を聴くことで湧いてきた疑問には、リアクションコメントに答える形で双方向授業を行います。毎回の授業終了時に提出するリアクションコメントは出席確認とともに授業参画度の評価対象にもなります。疑問点だけでなく、気づき、発見、意見なども記入してください。
また、理解を助けるために授業内でのDVD視聴や関係資料の紹介等も適宜おこないます。
なお、授業中の板書には要点項目のみ記載するので、自分自身でノートの取り方を工夫すると共に、事後学習で必ずノートを整理し、復習しておきましょう。その方法で授業内容をさらに理解することができます。
授業を受け身で受けるだけでなく、実際に民俗を体験し、考えることが大切なので、授業の最後にレポートの提出を求めます。
授業で最も大切なのは「気づく」「考える」習慣。これを身につけられるよう重要な項目については繰り返し触れていきます。また事後学修に役に立つ参考文献なども適宜、紹介していく予定です。
原則として、対面授業に参加できることを条件としますが,対面授業に参加できない場合は担当教員に相談してください。
履修条件 ランダム抽選により履修定員を100名とします。


授業計画
1 ガイダンス・民俗学とは(入学式と花見に潜む日本人的思考について考える)(A-1-1、A-2-1)
【事前学習】シラバスを確認し、授業全体の流れを理解しておく。 (1時間)
【事後学習】入学式、花見、宴会の関連について復習しておく。 (2時間)
2 民俗の発見・ケ時々ハレ(日本のカミは宗教か?至る所にハレとケ。自省の学=無意識の意識に気づく)(A-1-1、A-2-1)
【事前学習】民俗学がどのような学問かについての理解を整理しておく。 (2時間)
【事後学習】ハレとケに関して正しく理解するため、その意味を整理しておく。 (2時間)
3 月と太陽・カミの時間とヒトの時間(実は身近な旧暦と季節感・マツリの本当の楽しみ方を学ぼう)(A-2-1)
【事前学習】ハレとケに関する事例を自分の生活に即して考えてみる。 (2時間)
【事後学習】旧暦に関する知識を整理する。 (2時間)
4 祝日と日本人(連休を前に祝日・休日の意味を考える・日本人はなぜ働き過ぎるのかを民俗学の視点で読み解く)(A-3-1)
【事前学習】日本の祝日に関する知識を整理しておく。 (2時間)
【事後学習】日本人にとっての祝日の意味を整理する。 (2時間)
5 コメの力・モチの力(日本社会におけるコメの力・モチの力を多様な視点から理解する)(A-1-1)
【事前学習】祝日と食事に関して自らの経験を振り返ってみる。 (2時間)
【事後学習】日本人にとっての米、稲作、水田についての知識を整理する。 (2時間)
6 食と民俗(無形文化遺産になった和食は民俗文化・食器と箸と食卓)(A-2-1)
【事前学習】ユネスコの世界文化遺産について確認しておく。 (2時間)
【事後学習】日本の食文化についての知識を整理する。 (2時間)
7 食と民俗(日本人は誰と、何を、どのように、食べてきたか・共食の民俗)(A-3-1)
【事前学習】1年間を通して自分の食生活を検討してみる。 (2時間)
【事後学習】食文化と共食に関して、理解したことを整理しておく。 (2時間)
8 人の一生(生と死の民俗・日本人の死生観)(A-1-1)
【事前学習】共食の機会に関して学んだことを復習しておく。 (2時間)
【事後学習】誕生と死に共通する意味を理解するように復習する。 (2時間)
9 人の一生(子供と大人、一人前、結婚の意味を考える)(A-1-1)
【事前学習】一般的な人の一生に関しての知識を得て授業に臨む。 (2時間)
【事後学習】人生儀礼、通過儀礼について、その事例と意味を整理する。 (2時間)
10 家族と親族(日本社会の伝統と現代の家族、親族)(A-2-1、A-3-1)
【事前学習】自分の家族、親族関係を調べておき、授業で学ぶ伝統的な関係と比べられるようにしておく。 (2時間)
【事後学習】日本社会の伝統と変化を家族、親族を通して理解する。 (2時間)
11 日本社会のイエとムラ(イエと家の違いを知り、世界最大の老舗大国の謎に迫る。ムラ社会といわれる日本社会の構造を理解する)(A-2-1、A-3-1)
【事前学習】日本の家制度に関する歴史的な知識を整理しておく。 (2時間)
【事後学習】イエとは何か、ムラとは何かを復習する。 (2時間)
12 日本家屋のウチとソト(家のつくりにもウチとソト意識を発見・家族関係と間取りの関係)(A-1-1)
【事前学習】屋敷、間取りなどに関する基本的な知識を整理しておく。 (2時間)
【事後学習】日本人の住まいに見られるウチとソトの意識に関して理解を深める。 (2時間)
13 日本社会のウチとソト(民俗学を学ぶとわかる無意識の意識・「旅の恥はかきすて」「渡る世間は鬼ばかり」が意味するものは?)(A-2-1、A-3-1)
【事前学習】自らの無意識の意識にあるさまざまなレベルのウチとソトを考える。 (2時間)
【事後学習】日本社会の構造を関連する文献などで検討してみる。 (2時間)
14 異文化理解と共生(アイヌ民族文化を知る。異文化に対する理解と多文化共生を考える)(A-2-1、A-3-1)
【事前学習】日本社会における差別をウチとソトという無意識の意識から検討する。 (2時間)
【事後学習】課題研究を進める (2時間)
15 民俗学を学ぶ意味(授業の総括・お互いの意見を掲示板で公開する)(A-1-1、A-2-1、A-3-1)
【事前学習】疑問点などがあればまとめておき、質問準備をする。 (3時間)
【事後学習】学修した内容の整理をする。 (2時間)
その他
教科書 使用しない。
参考書 福田アジオ・古家信平・上野和男・倉石忠彦・高桑守史編 『図説 日本民俗学』 吉川弘文館 2009年
このほかにも授業中に必要に応じて紹介する
成績評価の方法及び基準 レポート:期末レポートは授業の学びを活かしたテーマ、内容であるかにより評価します。(40%)、授業参画度:授業の理解、さらなる学びが行えているかを毎回のリアクションコメントにより評価します。(60%)
毎回のリアクションコメントと期末レポート提出により、A-1-1(豊かな知識・教養に基づく高い倫理観)、A-2-1(世界の現状を理解し,説明する力)、A-3-1(倫理的・批判的思考力)の修得状況を評価します。
期末レポートはBlackboard上に提出していただき、これに対して採点とともにフィードバックします。
対面授業に参加できない場合の成績評価については個別に説明します。
オフィスアワー 授業時間の前後 質問はメールでも対応します。

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