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量子力学特論

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令和2年度以降入学者 量子力学特論
令和元年度以前入学者 量子力学特論
教員名 久保康則
単位数    2 課程 前期課程 開講区分 文理学部
科目群 相関理化学専攻
学期 後期 履修区分 選択必修
授業の形態 オンデマンド型授業(12回の遠隔授業と3回の課題研究の組み合わせ。)

BlackboardコースID: 月曜4限―>20214114
授業概要 ミクロな世界における多数の要素(電子・原子・分子)が織りなす多様な物理・化学現象を解き明かす量子論(量子力学・量子化学)について学ぶ。
授業のねらい・到達目標 原子・分子の電子状態の量子論的理解を深めることを念頭に置いて、その量子論的プロセスを扱う基本概念と手法の基礎と拡張を理解し身に着ける。
授業の方法 授業の形式:【講義】
授業実施日(12回)に、オンデマンド教材(音声付きパワーポイント)を配信する。受講者はその教材を視聴し学習する。その際に課題を提示するので、課題を解いて期日までに(翌週の講義まで)所定の方法で提出すること。別途、課題研究を3回実施する。
履修条件 特になし。
授業計画
1 ガイダンス:授業のテーマ、到達目標及び授業の方法について説明する。[オンデマンド型]
【事前学習】シラバスを事前に確認すること。 (2時間)
【事後学習】第一回の課題を解き翌週の授業までに提出すること。 (2時間)
2 フェルミ粒子・ボーズ粒子:複数の粒子が含まれる系の量子論の捉え方を学ぶ。[オンデマンド型]
【事前学習】フェルミ粒子・ボーズ粒子について調べておくこと。 (2時間)
【事後学習】第二回の課題を解き翌週の授業までに提出すること。 (2時間)
3 反対称波動関数:電子はフェルミ粒子であり、その波動関数が反対称を取ることについて学ぶ。[オンデマンド型]
【事前学習】2電子の波動関数の表し方について調べておくこと。 (2時間)
【事後学習】第三回の課題を解き翌週の授業までに提出すること。 (2時間)
4 多電子原子の電子配置:多電子の波動関数はスレーター行列式で表現できパウリ原理が適用できることを学ぶ。 [オンデマンド型]
【事前学習】スレーター行列式について調べておくこと。 (2時間)
【事後学習】第四回の課題を解き翌週の授業までに提出すること。 (2時間)
5 スピン軌道・空間軌道:電子は空間座標とスピン座標で記述されることを学ぶ。 [オンデマンド型]
【事前学習】電子のスピン自由度について調べておくこと。 (2時間)
【事後学習】第五回の課題を解き翌週の授業までに提出すること。 (2時間)
6 電子相関・平均場近似:多電子系の場合、電子間の斥力として電子相関の問題があり、その捉え方として平均場近似がある。このことを学ぶ。[オンデマンド型]
【事前学習】平均場近似について調べておくこと。 (2時間)
【事後学習】第六回の課題を解き翌週の授業までに提出すること。 (2時間)
7 ハートレー・フォック方程式:多電子系のシュレーディンガー方程式の解としてスレーター行列式の波動関数を選び、そのエネルギーの最小化を探る。[オンデマンド型]
【事前学習】ラグランジュ未定係数法について調べておくこと。 (2時間)
【事後学習】第七回の課題を解き翌週の授業までに提出すること。 (2時間)
8 自己無撞着解法:多電子系のシュレーディンガー方程式(永年方程式)を解く手段である自己無撞着法について学ぶ。[オンデマンド型]
【事前学習】自己無撞着法とは何かについて調べておくこと。 (2時間)
【事後学習】第八回の課題を解き翌週の授業までに提出すること。 (2時間)
9 演算子の行列表現:波動関数はベクトル的に表現でき、それに作用する演算子は行列表示できる。これらの捉え方について学ぶ。[オンデマンド型]
【事前学習】関数をベクトル表示する時の基底について調べておくこと。 (2時間)
【事後学習】第九回の課題を解き翌週の授業までに提出すること。 (2時間)
10 ブラケット記法とヒルベルト空間:ディラックが導入した量子状態の表記法で関数とベクトルを同等に扱える捉え方について学ぶ。[オンデマンド型]
【事前学習】ヒルベルト空間とは何かを調べておくこと。 (2時間)
【事後学習】第十回の課題を解き翌週の授業までに提出すること。 (2時間)
11 シュレーディンガー場と粒子性:シュレーディンガー方程式に現れる波動関数を古典的な波動場とみなし、これを量子化することで粒子性が現れることを学ぶ。[オンデマンド型]
【事前学習】正準量子化とは何かを調べておくこと。 (2時間)
【事後学習】第十一回の課題を解き翌週の授業までに提出すること。 (2時間)
12 調和振動子の正準量子化:調和振動子ハミルトニアンに正準交換関係を適用し、振動子の生成消滅演算子を導入することで振動子(波動)の量子化を学ぶ。[オンデマンド型]
【事前学習】生成消滅演算子について調べておくこと。 (2時間)
【事後学習】第十二回の課題を解き翌週の授業までに提出すること。 (2時間)
13 多粒子系・場の量子論:調和振動子の基底状態に対応して真空状態、一粒子状態、多粒子状態を場の演算子を通して学ぶ。[オンデマンド型と課題研究]
【事前学習】粒子数演算子について調べておくこと。 (2時間)
【事後学習】場の量子論が量子力学を含み、より優れていることについての課題研究をレポートにして提出すること。 (2時間)
14 第一原理計算・密度汎関数理論:密度汎関数法の枠組みと物質の電子状態の計算手法との関係について学ぶ。[オンデマンド型と課題研究]
【事前学習】密度汎関数法について調おべてくこと。 (2時間)
【事後学習】密度汎関数法による電子状態についての課題研究をレポートにして提出すること。 (2時間)
15 超伝導・クーパー対:電子状態のフェルミ粒子からボーズ粒子への変換に起因した超伝導現象のシナリオについて学ぶ。[オンデマンド型と課題研究]
【事前学習】クーパー対について調おべてくこと。 (2時間)
【事後学習】超伝導の電子状態についての課題研究をレポートにして提出すること。 (2時間)
その他
教科書 使用しない
参考書 大野公一 『「量子化学」』 岩波書店 2012年
藪博之 『「多粒子系の量子論」 (量子力学選書)』 裳華房 2016年
小出昭一郎 『「量子力学(II)(改訂版)」 (基礎物理学選書)』 裳華房 1990年
浅野健一 『「固体電子の量子論」』 東京大学出版会 2019年
西野友年 『「今度こそわかる場の理論」』 講談社 2012年
成績評価の方法及び基準 レポート:12回の課題提示の提出と3回の課題研究の提出(60%)、授業参画度:オンデマンドの視聴状況(40%)
オフィスアワー メールを通しての質疑応答を行う。

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