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スポーツ心理学演習

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令和2年度以降入学者 スポーツ心理学演習
教員名 水落 文夫
単位数    2 課程 前期課程 開講区分 文理学部
科目群 教育学専攻
学期 後期 履修区分 選択必修
授業の形態 対面授業(13回)+同時双方向型授業(15回):Zoomによるライブ中継
BlackboardのコースID: 火曜4限→20213919
授業概要 心理学あるいは運動・スポーツ科学を基礎学問にもつスポーツ心理学は,スポーツを行う人のあらゆるスポーツシーンの心理的問題を,実験によって解決することを洗練してきた。運動・スポーツ心理で採用される実験的研究法を体験する過程で,健康や競技のために行われる運動やスポーツに関わる心理学研究によって提唱された代表的な理論やモデルを学修する。
授業のねらい・到達目標 これまでに提唱されてきたスポーツ心理学関連の理論やモデルの中から主要なものを選択し,それらの意味と意義を議論して理解を深める。また,その理論・モデルの構築に至るプロセスを概観して追試実験をすることで,スポーツ心理学領域を例とする実験研究の基本的な手続きと限界について理解する。
授業の方法 授業の形式:【演習】
対面授業を研究室を利用して行うことを基本とする。自宅で受講する場合は,Zoomによるライブ配信の同時双方向型授業となる。
各授業で提示される課題について学修し,指定された期日の授業日までにプレゼン資料を作成する。理論・モデル構築までのプロセスを追試実験することもあるが,そのとき実際の測定データの処理および評価はグループワークによって進める。課題の提出方法,フィードバック方法等については,授業開始時に提示する。提示する課題に対する作業は,構内研究室にあるソフトウェア資源の活用をしながらグループでの問題解決を目指す。このグループワークの成果を学内学会で発表する場合もある。
授業計画
1 授業の進め方,グループワークの方法,研究の倫理的配慮(対面授業+同時双方向型授業)
【事前学習】シラバスを通読して授業の概要を把握する。スポーツ心理学がカバーする学問領域を確認する。 (1時間)
【事後学習】次回の授業に向けて,スポーツ心理学の主要な理論を概観すること.人を対象に研究を行うことの倫理的配慮を正しく理解しておく。 (2時間)
2 スポーツ心理学研究の科学的枠組み(対面授業+同時双方向型授業)
研究領域を概観し,いくつかの主要な理論やモデルを理解する.
【事前学習】スポーツ心理学研究における主要な理論やモデルを,一つだけ興味・関心に基づき理解してみる。 (2時間)
【事後学習】運動・スポーツに関わる心理的問題を,新聞,TV,雑誌などから探り出しておく。 (2時間)
3 心理的問題の提起(対面授業+同時双方向型授業)
3名程度のグループを編成する(第3回以降の作業はグループで行う)。それぞれの興味・関心に基づき運動・スポーツ領域における心理的問題を提起する。
【事前学習】前回の授業で配布した資料を確認し,身近なスポーツシーンで心理的問題と思われる現象を特定しておく。 (2時間)
【事後学習】グループワークで文献調査する心理的問題を特定しておく。 (2時間)
4 リサーチクエスチョンと文献収集(対面授業+同時双方向型授業)
リサーチクエスチョンを設定し,特定した研究領域の文献を収集して,先行研究の動向を探る。
【事前学習】前回の授業で配布した資料を確認し,予めリサーチクエスチョン(現象,問題,疑問,達成)を簡単に作成する。 (2時間)
【事後学習】1回目の小レポートを作成して翌週に提出すること。テーマに関連する先行研究の知見を,文献調査により集めて整理しておく。 (2時間)
5 リサーチクエスチョンから実験仮説を設定(対面授業+同時双方向型授業)
実験的方法と非実験的方法の違いを理解して,グループで取り組む研究のデザインを決定する。
【事前学習】前回の授業で配布した資料を確認し,実験的方法と非実験的方法の違いを理解しておく。 (2時間)
【事後学習】研究テーマの基礎となる理論・モデルに関連する英文文献を探ってみる。 (2時間)
6 英文文献の翻訳(1)(対面授業+同時双方向型授業)
英文文献の検索,翻訳を通して,その研究の意義と課題を読み取る。
【事前学習】主要な英文文献を翻訳して,設定した研究テーマに関する意義と課題を解説できるようにしておく。 (2時間)
【事後学習】2回目の小レポートを作成して翌週に提出すること。英文文献を読む習慣をつくるために,専門用語とその訳を整理したデータベースを作成すること。 (2時間)
7 英文文献の翻訳(2)(対面授業+同時双方向型授業)
英文文献の検索,翻訳を通して,その研究の意義と課題を読み取る。
【事前学習】主要な英文文献を翻訳して,設定した研究テーマに関する意義と課題を解説できるようにしておく。 (2時間)
【事後学習】グループで収集した英文文献のリストを作成して共有する。 (2時間)
8 実験研究のデザイン(1)(対面授業+同時双方向型授業)
実験研究のデザインに基づき変数(独立変数,従属変数,剰余変数など)を特定して実験計画書を作成する。
【事前学習】仮説および実験デザインに基づき評価する変数を特定して,関与する関連変数を想定しておく。 (2時間)
【事後学習】実験の実施可能性および統制不可能性について評価しておく。 (2時間)
9 実験研究のデザイン(2)(対面授業+同時双方向型授業)
目的に対応した様々な実験法とサンプリングの種類と方法を理解する。
【事前学習】前回の授業で配布した資料を読んで,実験法とサンプリングについて理解しておく。 (2時間)
【事後学習】研究法によって異なる妥当なサンプリングについて認識すること。 (2時間)
10 実験研究のデザイン(3)(対面授業+同時双方向型授業)
実験のバイアスと統制を理解して,それぞれの研究および実験の限界について認識する.
【事前学習】前回の授業で配布した資料を読んで,データ取得に関連するバイアスとその統制について理解しておく。 (2時間)
【事後学習】3回目の小レポートを作成して翌週に提出すること。実験,測定,調査に限らず,研究にはバイアスがあることを知り,それをコントロールする方法を対応させておくこと。 (2時間)
11 実験研究のデザイン(4)(対面授業+同時双方向型授業)
評価指標とその信頼性・妥当性を正しく理解して,それらを高めるための方略を学ぶ。
【事前学習】前回の授業で配布した資料を確認し,心理学領域で用いられる代表的な評価指標を概観しておくこと。 (2時間)
【事後学習】実験で採用される生理指標,心理指標,パフォーマンス測定などを整理し,その信頼性と妥当性について理解しておく。 (2時間)
12 実験の実施とデータ処理(対面授業+同時双方向型授業)
実験にともなうデータ収集とその後の処理,統計処理,グラフと概念図の作成
【事前学習】前回の授業で配布した資料の内容を確認し,実験の準備および利用するソフトの操作に慣れておく。 (2時間)
【事後学習】データの集計,記述統計,適正なグラフ作成まで完成しておく。 (2時間)
13 データ処理(対面授業+同時双方向型授業)
データ分析と統計処理に基づき,グラフや概念図を作成して仮説の検証を行う。
【事前学習】統計処理にともなう関連概念を理解し,結果の解釈を行っておく。 (2時間)
【事後学習】4回目の小レポートを作成して翌週に提出すること。推測統計による仮説の検証を完了しておく。 (2時間)
14 プレゼンテーション(1)(同時双方向型授業)
プレゼンテーション用のコンテンツを揃えて,グループでプレゼン資料を作成する。
【事前学習】追試実験の成果発表のためのプレゼン用コンテンツを作成しておく。 (2時間)
【事後学習】プレゼン資料を完成させておく。 (2時間)
15 プレゼンテーション(2)(同時双方向型授業)
プレゼンテーションを行う。プレゼンのできばえにより学内学会において口頭発表する。
【事前学習】口頭発表用にPowerPointによりプレゼン資料を完成させておく。 (2時間)
【事後学習】プレゼン実施を省察するとともに,スポーツ心理学領域における実験の意義と方法に関する理解を深め,他の領域における実験でも活用可能なことがらを整理しておくこと。 (1時間)
その他
教科書 資料プリントを配布する.
参考書 なし
成績評価の方法及び基準 レポート:計4回のグループで作成する小レポート,およびデータ集計表などの成果物の提出状況で評価(40%)、授業参画度:演習課題の参加状況とリアクションペーパー,および最終的なプレゼンテーションの内容を評価(60%)
オフィスアワー Blackboardやオンラインを通しての質問は直接回答するか,授業日までの資料に解説を載せる。

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