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東洋史特殊講義4

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令和2年度以降入学者 東洋史特殊講義4
教員名 松重充浩
単位数    2 課程 前期課程 開講区分 文理学部
科目群 史学専攻
学期 後期 履修区分 選択必修
授業の形態 原則、同時双方向型授業(Zoom利用)。BlackboardコースIDは、20213673です。
但し、東京都における新型コロナ感染症流行の終息が確認できた場合で、かつ学生の要望があれば対面式の授業形式に切り替える場合があります。
授業概要 中国王朝における「財政」運営をめぐる実態と特徴を、岩井茂樹『中国近世財政史の研究』(京都大学学術出版会、2004年)「第二部」をテキストとして、その輪読を通じて理解する。
授業のねらい・到達目標 東アジアのみならず世界屈指の「大国」となった中国の国家的活動の基礎となる財政が、如何なる歴史的特徴を前提とするのだったのかを、明・清代を事例として把握することを通じて、違和感の大きい異文化を理解する上で有効な知見を得ることができる。
授業の方法 授業の形式:【演習】
Zoomを利用した報告と質疑応答とそれに対する教員の講義という複合形式でおこなう。受講者による輪読分担箇所の内容紹介と疑問点提示を受けて、履修者全員による質疑応答を行う。授業後半では、報告と質疑応答の内容に対するフィードバックを兼ねて、当該箇所の解説を講義形式で行う。
 なお、同時双方向型でのZoom利用が出来ない院生に対しては、授業を録画したものをBlackboard上でアナウンスするサイトで公開し受講してもらい、質疑応答は時間差が出るがBlackboardあるいは電子メールを通じて行う。
*履修者は初回講義開始までにBlackboardのコース登録をすること。また受講者への連絡もBlackboardの「連絡事項」欄に掲示する場合があるので、随時確認すること。
履修条件 講義だけでなく演習形式も併用しているため、報告担当者は、急病や事故などの特段の理由がない限り、無断欠席は厳禁とする。
授業計画
1 ガイダンス:本授業の狙いを説明する(Blackboard「教材」に講義資料を掲示)。
【事前学習】使用テキストの岩井茂樹氏の問題意識を再確認すること。 (2時間)
【事後学習】配布された資料の読解を開始する。 (2時間)
2 テキスト「第五章 現代中国の請け負い財政:第一~三節」の読解内容の報告と内容理解に関する質疑応答をおこなう。
【事前学習】「第五章 第一~三節」の内容を読解しておく。 (2時間)
【事後学習】現代中国の税負担の特徴を再確認する。 (2時間)
3 テキスト「第五章 現代中国の請け負い財政:第四節~小結」の読解内容の報告と内容理解に関する質疑応答をおこなう。
【事前学習】「第五章 第四節~小結」の内容を読解しておく。 (2時間)
【事後学習】攤派の歴史的含意を再確認する。 (2時間)
4 テキスト「第六章 均徭法からみた明代徭役問題:第一~二節第二項」の読解内容の報告と内容理解に関する質疑応答をおこなう。
【事前学習】「第六章 第一~二節第二項」の内容を読解しておく。 (2時間)
【事後学習】均徭法の内容を再確認する。 (2時間)
5 テキスト「第六章 均徭法からみた明代徭役問題:第二節第三項~小結」の読解内容の報告と内容理解に関する質疑応答をおこなう。
【事前学習】「第六章 第二節第三項~小結」の内容を読解しておく。 (2時間)
【事後学習】均徭法と里甲制の関係を再確認する。 (2時間)
6 テキスト「第七章 里甲制と徭役負担:第一~三節」の読解内容の報告と内容理解に関する質疑応答をおこなう。
【事前学習】「第七章 第一~三節」の内容を読解しておく。 (2時間)
【事後学習】里甲役の内容を再確認する。 (2時間)
7 テキスト「第七章 里甲制と徭役負担:第四節~小結」の読解内容の報告と内容理解に関する質疑応答おこなう。
【事前学習】「第七章 第四~小結」の内容を読解しておく。 (2時間)
【事後学習】原額主義と徭役の関係性を再確認する。 (2時間)
8 テキスト「第八章 一条鞭法後の徭役問題:第一~二節第二項」の読解内容の報告と内容理解に関する質疑応答をおこなう。
【事前学習】「第八章 第一~二節第二項」の内容を読解しておく。 (2時間)
【事後学習】一条鞭法の財政史上の位置づけを再確認する。 (2時間)
9 テキスト「第八章 一条鞭法後の徭役問題:第二節第三項~小結」の読解内容の報告と内容理解に関する質疑応答をおこなう。
【事前学習】「第八章 第二節第二項~小結」の内容を読解しておく。 (2時間)
【事後学習】財政の定額化と中央化がもたらす課題を再確認する。 (2時間)
10 テキスト「附篇 中国の近代国家と財政:第一~二」の読解内容の報告と内容理解に関する質疑応答をおこなう。
【事前学習】「附篇 中国の近代国家と財政:第一~二」の内容を読解しておく。 (2時間)
【事後学習】19世紀後半における中国財政の変容を再確認する。 (2時間)
11 テキスト「附篇 中国の近代国家と財政:第三~六」の読解内容の報告と内容理解に関する質疑応答をおこなう。
【事前学習】「附篇 中国の近代国家と財政:第一~二」の内容を読解しておく。 (2時間)
【事後学習】抗日戦争に至る近代中国財政の特徴を再確認する。 (2時間)
12 テキスト全体における到達点と残された課題に関する質疑応答をおこなう。
【事前学習】テキスト全体の内容を再確認し、到達点と疑問点を整理しておく。 (2時間)
【事後学習】残された課題に対する研究成果に関する調査をおこなう。 (2時間)
13 テキスト内容に関連する近年における研究成果の紹介し、テキストにおける残された課題題について質疑応答をおこなう(その1)。
【事前学習】対象研究論文(論文は授業開始前日までにBlackboardに掲示)を読解しておくこと。 (2時間)
【事後学習】取り上げた研究成果における新たな到達点と課題を再整理する。 (2時間)
14 テキスト内容に関連する近年における国家統合に関する究成果の紹介し、残された課題題について解説する(Blackboardに教材と課題を掲示)(その2)
【事前学習】対象研究論文(論文は授業開始前日までにBlackboardに掲示)を読解しておくこと。 (2時間)
【事後学習】取り上げた研究成果における新たな到達点と課題を再整理する。 (2時間)
15 本授業全体のまとめ。
【事前学習】輪読内容全体の整理を行い、明朝と近代中国の財政における歴史的特徴を再確認する。 (2時間)
【事後学習】本授業で得た知見を前提に、現代中国の展開過程における歴史的特徴を検討する。 (2時間)
その他
教科書 岩井茂樹 『中国近世財政史の研究』 京都大学出版会 2004年 第1版
参考書 授業内で適宜参考文献の紹介を行う。
成績評価の方法及び基準 授業参画度:報告レジュメの内容と質疑応答の内容(100%)
報告レジュメに関しては、専門用語の確認と先行研究の論理構造の正確な把握が出来ているかを評価する。質疑応答に関しては、積極的な発言と内容理解を助ける仮説の提示も評価する。
オフィスアワー 授業終了時。
Blackboard、メール等を通じて行う。

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