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令和元年度以前入学者 | 分析化学6 | ||||
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教員名 | 高橋純一 | ||||
単位数 | 2 | 学年 | 3 | 開講区分 | 文理学部 |
科目群 | 化学科 | ||||
学期 | 後期 | 履修区分 | 選択必修 |
授業の形態 | (2)オンデマンド型授業(15回)録画授業配信およびスライド資料配信 Blackboard ID:20213272 |
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授業概要 | 分析化学は机上の知識と同時に,実験技術の熟達を必要とする。その⽬的は対象試料に含まれる対象化学種の真の姿を描き出すことにある。この授業では,原⼦スペクトル分析を⽤いる実際の微量⾦属分析を例にとり、分析法の原理・装置の構成と共に、サンプリングから結果の考察に到るまでの過程を学ぶ。現場での分析に焦点を当て,分析化学と現場分析の⽬指すゴールの違いを理解する。また分析の失敗例から試料とは何か、正しい分析値とは何を意味するのか,そしてなぜ分析に失敗するのかを考察する。 |
授業のねらい・到達目標 | この科目は文理学部(学士( 理学)のDP及びCP3,4 に対応しています。 分析化学が真の値を求めることを⽬的とするのに対し,現場分析では正しい値を提出することが要求される。その違いとは何かを理解し,正しい値とは誰にとって正しいのか、分析の⽬的とは何かについて説明できるようになること(A-4-4)。 分析の依頼者と分析の契約に関して交渉できるようになること(A-4-4)。機器分析の原理,分析装置の構成をなぜ知る必要があるのか(A-3-4),ブラックボックスではなぜいけないのかがきちんと理解できるようになること(A-4-4)。 |
授業の方法 | 授業の形式:【講義】 事前学習用に授業で使用するスライドのpdfテキストを先に公開する。毎回の授業前日にナレーション付きのスライド資料を動画の形で配信する。⼩課題を付すので資料を参考にして回答を期限までに提出すること。課題提出をもって出席点,授業参画点とする。フィードバックはコメントとして学生1人1人に答える。 |
履修条件 | 初回の講義において全体の方向,成績評価の内容について説明するのでBlackboardのスライド資料をダウンロードし,必ず通読すること。 |
授業計画 | |
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1 |
産業界における微量⾦属分析を例にとり,なぜ分析しなくてはいけないのかについて講義する。
【事前学習】無機・分析実験で使ったノートを参照して,試料の調製からデータの整理までの流れをまとめること 。スライド資料を見ておくこと(A-3) (3 時間) 【事後学習】課題を検討すること。スライド資料からキーワードを拾い出し整理しておくこと (A-3-4) (1 時間) |
2 |
分析化学で⽤いる基本⽤語のうち,単位,純度,感度,検量線について説明する。
【事前学習】参考書でこれらの⽤語について疑問点をリストアップすること。スライド資料を見ておくこと(A-3) (2 時間) 【事後学習】課題を検討すること。疑問点に対する回答を⽐較対照する(A-3-4) (2 時間) |
3 |
基本⽤語としてさらに,分析の精度,正確度,共存化学種による⼲渉,汚染,メモリー効果について説明する。
【事前学習】スライド資料を見て,分析の結果を左右するこれらの要因の例を考えること (A-4) (2 時間) 【事後学習】課題を検討すること。参考書にある定義と実分析における⽤語の意味とを⽐較対照する(A-4-4) (2 時間) |
4 |
分析⽅法と装置の各論として最初に原⼦吸光分析をとりあげる。
【事前学習】参考書で原⼦吸光分析の原理を通読しておくこと。スライド資料を見ておくこと(A-3) (2 時間) 【事後学習】課題を検討すること。河川⽔中の鉛分析を例にとり,分析の流れをフローチャートにしてみること(A-3-4) (2 時間) |
5 |
分析⽅法と装置の各論として誘導結合プラズマ(ICP)発光分析をとりあげる。
【事前学習】参考書でICP発光分析の原理を通読しておくこと。スライド資料を見ておくこと(A-3) (2 時間) 【事後学習】課題を検討すること。鉄鋼中の硫⻩分析を例にとり,分析の流れをフローチャートにしてみること。(A-3-4) (2 時間) |
6 |
誘導結合プラズマ質量分析法について説明する。授業時間の一部を使って⼩テストを実施する。
【事前学習】発光分析と質量分析の違いを理解しておくこと。スライド資料を見ておくこと。ただしテスト内容は事前提示しない(A-4) (3 時間) 【事後学習】⼩テストの内容について検討すること。(A-4-4) (1 時間) |
7 |
実際の分析を⾏う上で⾮常に重要な分析の設計について講義する。前回の⼩テストについて解説する。
【事前学習】再度無機・実験ノートを参照し,スライド資料と照らし合わせること (A-4) (1 時間) 【事後学習】課題を検討すること。分析設計において使われるキーワードをリストアップし,意味を理解すること (A-4-4) (3 時間) |
8 |
分析の特に極微量,極低濃度を扱う場合の容器の選択,洗浄について講義する。
【事前学習】実験室でどんな容器を使っているか,⽬的と洗浄について調べておきなさい。スライド資料を見ておくこと(A-3) (1 時間) 【事後学習】課題を検討すること。講義で取り上げた容器の材質とその特徴を調べてまとめなさい(A-3-4) (3 時間) |
9 |
分析装置にかける前の試料前処理について講義する。原⼦スペクトル分析法は液体試料を導⼊するものであり,試料前処理は液化処理を意味する。
【事前学習】固体試料の溶液化について参考書で調べておくこと。スライド資料を見ておくこと(A-3) (2 時間) 【事後学習】課題を検討すること。実際に分析試料に触れるチャンスはまだ少ないであろうから,ウェブなどの動画を参照して実処理の⼿順をみておく。(A-3-4) (2 時間) |
10 |
実試料分析例(1)として⼯場排⽔の分析と太陽電池に使う半導体シリコン中の不純物分析について講義する。
【事前学習】⼯場排⽔とは何か,太陽電池とは何かを図書館の資料(JISハンドブックなど)で調べておくこと。スライド資料を見ておくこと(A-3) (2 時間) 【事後学習】課題を検討すること。講義で取り上げた参考資料に⽬を通しておきなさい(A-3-4) (2 時間) |
11 |
分析実験を⾏うに当たっての危険⾏為や危険な対象試料について説明する。2回⽬の⼩テストを事業時間の一部を使って実施する。
【事前学習】常識的な範囲でしてはいけない実験操作などをリストアップしておくこと。スライド資料を見ておくこと(A-4) (2 時間) 【事後学習】⼩テストの内容を検討すること。危険度の評価について理解すること(A-4-4) (2 時間) |
12 |
前回の⼩テストについて解説する。実試料分析例(2)として鉄鋼分析,⾷品分析,オイルなどの有機溶媒試料の分析について説明する。
【事前学習】⽇本の鉄鋼産業,⾷品産業についてその必要性について疑問点をまとめておきなさい。スライド資料を見ておくこと(A-4) (2 時間) 【事後学習】課題を検討すること。産業分野での不純物分析に対する疑問・回答を対照すること(A-4-4) (2 時間) |
13 |
実際の現場における分析失敗例として⽑髪分析と天然⽔晶の分析について講義する。
【事前学習】分析設計の流れを再度確認しておくこと。スライド資料を見ておくこと(A-4) (2 時間) 【事後学習】課題を検討すること。なぜ分析に失敗したのか考えておくこと(A-4-4) (2 時間) |
14 |
分析失敗例として鉄鋼中のリン分析,⼟壌中の微量ヒ素分析について講義する。最終課題を提示する。
【事前学習】なぜ鉄鋼中のリン分析が必要か,⼟壌中のヒ素はどこから来るのかについて調べておきなさい。スライド資料を見ておくこと(A-3) (2 時間) 【事後学習】なぜ分析に失敗したのか考えること。最終課題を検討すること(A-4-4) (2 時間) |
15 |
分析結果の重みについて考える。最終課題についての解説は各⾃へのコメントに記す。
【事前学習】スライド資料を見ておくこと。築地市場移転問題,和歌⼭ヒ素カレー事件について過去の新聞報道を⾒ておくこと(A-3, A-4) (3 時間) 【事後学習】最終課題を完成しなさい(A-4-4) (1 時間) |
その他 | |
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教科書 | 特に指定はなし。事前公開するスライド資料は板書の⼿間を省くためのもので,あくまでも参考に過ぎず,ナレーションをよく聞いてノートをとること。 |
参考書 | 千葉光一 他 『ICP発光分析 (分析化学実技シリーズ4巻)』 共立出版 2013年 太田清久 他 『原子吸光分析 (分析化学実技シリーズ5巻)』 共立出版 2011年 田尾博明 他 『誘導結合プラズマ質量分析 (分析化学実技シリーズ17巻)』 共立出版 2015年 分析法の原理・装置構成について授業の参考になる。 |
成績評価の方法及び基準 | レポート:レポートとしての体裁,⽂章の出来不出来も内容と共に評価する。誤字脱字,意味不明の文章,期限後の提出などは厳しく減点する。(40%)、授業内テスト:主として知識を問うものとする。覚えているかより考えているかを重点的にみる。基準は小テストに準ずる。2回のテストの合計点とする。(40%)、授業参画度:毎回の⼩課題に対する回答を授業参画度として評価する。(20%) 課題作文,レポートなどについて期限後の提出は減点対象とするが,必ず提出すること。 |
オフィスアワー | メールにて随時対応する。 |