文理学部シラバスTOP > 文理学部 > 数学科 > 微分積分学2(含演習)
日本大学ロゴ

微分積分学2(含演習)

このページを印刷する

令和2年度以降入学者 微分積分学2(含演習)
令和元年度以前入学者 微分積分学2(含演習)
教員名 市原一裕・立井博子
単位数    3 学年    1 開講区分 文理学部
科目群 数学科
学期 前期 履修区分 必修
授業の形態 同時双方向型授業(Zoomによる双方向型の遠隔授業)+(分散登校等による)一部対面授業
Blackboard のコース ID : 20212887
授業概要 厳密な論理の展開に重点をおいて,微分積分学の基礎を学ぶ。
実数の定義とイプシロン-デルタ論理式による極限の定義を出発点とし,
Bolzano-Weierstrass の定理 (コンパクト性定理),中間値の定理,連続関数の最大値原理の厳密な証明を理解することを目標にする。
授業のねらい・到達目標 ・最大値という概念を理解して, 具体的問題に対して証明ができる.
・実数からなる集合が上に有界である, ないという概念を理解して具体的な問題に対して証明ができる.
・上界値と上限値を理解して, 具体的問題に対して証明ができる.
・上限値であることの同値条件を理解して, 具体的問題に対して証明ができる.
・数列の収束をイプシロン-エヌ論理式で理解し, 具体的問題に対して証明ができる.
・実数の完備性を理解できる.
・ボルツァーノ-ワイエルシュトラスの定理の証明を理解できる.
・関数の連続性をイプシロン-デルタ論理式で理解し, 具体的問題に対して証明ができる.
・中間値定理の証明が理解できる.
・連続関数の最大値の定理の証明が理解できる.

この科目は文理学部(学士(数学))のディプロマポリシーDP3,4,6,8並びにカリキュラムポリシーCP3,4,6,8に対応している。
・数理科学に基づいて学んだ知識をもとに、物事の本質を論理的、客観的に捉えることができる(A-3-2)。
・日常生活における現象に潜む数理科学的問題を発見し、内容を説明することができる(A-4-2)。
・周りの人々と相互に意思を伝達することができる(A-6-1)。
・自分の学修経験の振り返りを継続的に行うことができる(A-8-1)。
授業の方法 授業の形式【講義・演習】
演習付きの講義形式(一部対面授業を検討。同時双方向型はZoom使用。講義情報および授業録画はGoogle Classroom上で公開)。
主に一コマ目は講義を中心に行い,二コマ目は演習問題をアドバイスを受けながら解き提出をする。
そして,後日返却される提出物の内容に応じたコメントを参考に理解を深める。
履修条件 原則として、「微分積分学2」の再履修者と学科により指示された者が対象です。
授業計画
1 集合の表記方法と部分集合の証明方法について復習し,集合論の基礎を学ぶ。
【事前学習】テキスト該当ページを読み,自分でまとめておくこと (2時間)
【事後学習】自分で適当な例を作り,その証明に取り組むこと (3時間)
2 実数の定義を学ぶ。また実数の集合の「最大値・最小値」の定義を理解し,具体例に対する厳密な証明を学ぶ。
【事前学習】高等学校での最大値・最小値の扱いを復習しておくこと (2時間)
【事後学習】演習で与えられた課題に対して証明に取り組むこと (A-4, A-8) (3時間)
3 実数からなる集合の「有界性」の定義を学び,具体例に対する厳密な証明を学ぶ。
【事前学習】実数の定義,最大値・最小値の定義を復習しておくこと。 (2時間)
【事後学習】直観的な理解と論理式による理解の両面から「有界性」を理解し,演習で与えられた課題の具体的な問題に対して証明に取り組むこと (A-4, A-8). (3時間)
4 実数からなる集合に対して「上界値」と「上限値」を学ぶ。
【事前学習】事前配布プリントを読み,自分でまとめておくこと (2時間)
【事後学習】上界値と上限値の違いを理解し,演習で与えられた課題の具体的な問題に対して証明に取り組むこと (A-8). (3時間)
5 授業内試験とその解説
【事前学習】 1回から4回までの講義内容をよく復習しておくこと(A-8). (6時間)
【事後学習】解説をよく理解し,できなかった問題の解き直しをすること(A-6,A-8) (2時間)
6 数列の収束性をイプシロン-エヌ論理式に基づいて学ぶ。
【事前学習】高等学校の教科書では「数列の収束」をどのように規定し,どのように扱っていたかを復習しておくこと。 (2時間)
【事後学習】高等学校での数列の収束性の規定方法とイプシロン-エヌ論理式による定義を比較し, 演習で与えられた課題の具体的な問題に対して証明に取り組むこと (A-5) (3時間)
7 収束数列と有界性の関係から,Bolzano-Weierstrass の定理が自然に理解されることを学ぶ。
【事前学習】収束性と有界性を明確に区別して,ノートにまとめておくこと。 (2時間)
【事後学習】収束列が有界であることを証明まで込めて理解し,演習で与えられた課題の具体的な問題に対して証明に取り組むこと (A-5) (3時間)
8 コーシー列の概念導入と,その意味を学ぶ。応用として実数の完備性を学ぶ。
【事前学習】高等学校において数列の収束について「自明」とされていた事項を探し出してまとめておくこと。 (2時間)
【事後学習】コーシー列と収束列の違いを明確に理解し,演習で与えられた課題の具体的な問題に対して証明に取り組むこと (A-5). (3時間)
9 授業内試験とその解説
【事前学習】 6回から8回までの講義内容をよく復習しておくこと(A-8) (2時間)
【事後学習】解説をよく理解し,できなかった問題の解き直しをすること(A-6,A-8) (3時間)
10 関数とは数式で表記できる式というより,一般に実数値に実数値を対応付ける対応であることを学ぶ(A-3)。
【事前学習】集合と対応について復習をしておくこと (2時間)
【事後学習】対応と関数の対応規則を理解し,演習で与えられた課題の具体的な問題に対して証明に取り組むこと。 (3時間)
11 新たな関数の例として逆三角関数の定義とその性質を学ぶ。
【事前学習】関数の「対応」による定義を復習し,まとめておくこと。 (2時間)
【事後学習】どうして三角関数の「逆対応」が「関数」にならないのかを理解し,演習で与えられた課題の具体的な問題に対して証明に取り組むこと。 (3時間)
12 関数の極限と連続性の概念をイプシロン-デルタ論理式で定義できることを学ぶ。
【事前学習】高等学校で学んだ関数の連続性の定義を確認して,まとめておく (2時間)
【事後学習】lim 記号を用いた連続性の定義と, 講義で学んだイプシロン-デルタ論理式 による定義が直観的に整合性が取れていることを深く理解する (A-5). (3時間)
13 授業内試験とその解説
【事前学習】10回から12回までの講義内容をよく復習しておくこと(A-8) (2時間)
【事後学習】解説をよく理解し,できなかった問題の解き直しをすること(A-6,A-8) (3時間)
14 中間値定理の証明を学ぶ。 (A-3)
【事前学習】中間値定理の証明における背理法で要となる, 上限値の概念とその同値条件を復習しておくこと (A-3). (2時間)
【事後学習】高等学校ではグラフを描くことで成り立つとしていた中間値定理が, 本講義ではいかにして厳密に証明できたのか, 原理を追究すること(A-3, A-5, A-8). (3時間)
15 連続関数の最大値の定理の証明を学ぶ。 (A-3)
【事前学習】高等学校の教科書では連続関数に最大値が存在することを,どのように記述されているかを確認しておくこと (A-3). (2時間)
【事後学習】高等学校ではグラフを描くことで成り立つとしていた連続関数の最大値の存在について, 本講義ではいかにして厳密に証明できたのか, 原理を追究すること(A-4, A-5, A-8). (3時間)
その他
教科書 市原一裕 『大学教養 微分積分の基礎 (数研講座シリーズ)』 数研出版 2020年 第1版
参考書 使用しない
成績評価の方法及び基準 レポート(30%)、授業内テスト(40%)、授業参画度(30%)
授業参画度は演習問題へのとりくみなどを総合的に考慮します。
提出を求める課題についてはその内容を込め,授業参画度として評価します。

A-3, A-4 の達成度は中間試験, 期末試験の解答状況にて判断し, A-5 の達成度についてはレポート提出状況にて判定する.
また, A-6 の達成度については講義中の演習とその机間指導にて判断し, ノート点検を通して A-8 の達成度を確認する.
オフィスアワー 事前に連絡をしてもらえれば, 常時受け付けるが, 原則として水曜日1限(研究室)が望ましい.
Blackboard およびメールでの連絡は常時、受け付ける。
備考 【重要】授業開始一週間前には, ブラックボードへの登録を済ませてください.


「事前学習・事後学修」に関する学習時間は目安です.

授業の方法については, 現状の推移を見て状況に応じて対面授業に切り替えるなど
臨機応変に対応します. また, 試験は今のところ実施は困難であると予想されますが,
状況に応じて実施する可能性がありますので, 試験はあるものと考えて勉強を進めておいてください.

このページのトップ