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文化人類学

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令和2年度以降入学者 文化人類学
令和元年度以前入学者 文化人類学
教員名 石岡丈昇
単位数    2 学年 2・3 開講区分 文理学部
科目群 社会学科
学期 前期 履修区分 選択
授業の形態 Zoomによる講義とBlackboardによる課題研究を組み合わせておこなう。課題はBlackboardで提出し、担当教員もそれを通じてフィードバックをおこなう。

Blackboard コースID: 木曜3限 20211941
授業概要 文化人類学とは何か?文化人類学は何ができるのか?こうした大きな問いに対して、2020年に刊行されたD.グレーバー『ブルシット・ジョブ』を教科書に使って考察を深めるのが本講義である。文化人類学は異文化のフィールドの見聞をもとに、自文化を相対化する学問である。グレーバーがマダカスカルの事例から西洋の先進社会における常識を「奇習」として見つめ返したように、私たちの常識=ドクサを対象化する実践としての文化人類学の破壊力を学ぶ。
また、いきなりグレーバーの著作に入る前に、見田宗介「まなざしの地獄」を読んで、まずは身近な日本の現実から文化人類学的思考について触れることから、本講義は開始する。
授業のねらい・到達目標 <知識><技能>
・文化人類学の誕生とその展開について説明できるようになる。
・文化人類学が隣接領域に与えた影響について説明できるようになる。
・文化人類学と(脱)植民地主義の関係を説明できるようになる。

<能力>
・グローバル化する現代社会における社会学の役割を理解し,そのことを踏まえ国際社会が直面する問題について,行為を中心に,構造や変動,自我や関係,などの観点から説明することができる。
 (A-2-2: 世界の現状を理解し,説明する力)

この科目は文理学部(学士(社会学))のディプロマポリシーDP2及びカリキュラムポリシーCP2に対応しています。
授業の方法 【講義】本講義は、BlackboardとZoomを用いて、文献資料、パワーポイント、映像資料を組み合わせながら実施する遠隔講義である。本授業の事前・事後学習は,各2時間の学習を目安とする。なお、各回における受講生からの報告や質問、提出されたミニレポートについては、Blackboardなどを用いて応答しつつ、受講者全体にフィードバックされるように授業を展開する。また翌週の回においても、重要な報告や質問について解説する時間を設ける。レポートについては、採点・記述のポイントを提示しつつ、複数のレポート例をもとにコメント・解説をおこなう。
授業計画
1 文化人類学とは?:イントロダクション(A-2-2)
【事前学習】シラバスを事前に確認し、授業全体の流れを理解する (2時間)
【事後学習】配布されたリーディング・リストを確認して、関心ある文献をセレクトする (2時間)
2 統計的事実の実存的意味について
【事前学習】「まなざしの地獄」を読む (2時間)
【事後学習】「まなざしの地獄」をめぐる小レポートを作成する (2時間)
3 N・Nという「具体的一般化」
【事前学習】「まなざしの地獄」の内容をめぐる小テストに解答する (2時間)
【事後学習】Zoom講義に関する小レポートを作成する (2時間)
4 生理的餓えと存在的餓え
【事前学習】「まなざしの地獄」を読みなおす (2時間)
【事後学習】Zoom講義に関する小レポートを作成する (2時間)
5 経済人類学の問いの立て方(1)(A-2-2)
【事前学習】教科書序章「ブルシット・ジョブ現象について」を読む (2時間)
【事後学習】該当箇所に関する小レポートを作成する (2時間)
6 経済人類学の問いの立て方(2)
【事前学習】教科書序章「ブルシット・ジョブ現象について」を読みなおす (2時間)
【事後学習】Zoom講義に関する小レポートを作成する (2時間)
7 官僚制の文化人類学(1)
【事前学習】教科書第1章「ブルシット・ジョブ」を読む (2時間)
【事後学習】教科書第1章「ブルシット・ジョブ」をめぐる小レポートを作成する (2時間)
8 官僚制の文化人類学(2)(A-2-2)
【事前学習】教科書第1章「ブルシット・ジョブ」を読みなおす (2時間)
【事後学習】Zoom講義に関する小レポートを作成する (2時間)
9 文化人類学における類型化の効果(1)
【事前学習】教科書第2章「どんな種類のブルシット・ジョブがあるのか?」を読む (2時間)
【事後学習】教科書第2章「どんな種類のブルシット・ジョブがあるのか?」をめぐる小レポートを作成する (2時間)
10 文化人類学における類型化の効果(2)
【事前学習】教科書第2章「どんな種類のブルシット・ジョブがあるのか?」を読みなおす (2時間)
【事後学習】Zoom講義に関する小レポートを作成する (2時間)
11 暴力の文化人類学(1)
【事前学習】教科書第3章「なぜ、ブルシット・ジョブをしている人間は、きまって自分が不幸だと述べるのか?」を読む (2時間)
【事後学習】教科書第3章「なぜ、ブルシット・ジョブをしている人間は、きまって自分が不幸だと述べるのか?」をめぐる小レポートを作成する (2時間)
12 暴力の文化人類学(2)
【事前学習】教科書第3章「なぜ、ブルシット・ジョブをしている人間は、きまって自分が不幸だと述べるのか?」を読みなおす (2時間)
【事後学習】Zoom講義に関する小レポートを作成する (2時間)
13 意味をめぐる文化人類学(1)
【事前学習】教科書第4章「ブルシット・ジョブに就いているとはどのようなことか?_」を読む (2時間)
【事後学習】教科書第4章「ブルシット・ジョブに就いているとはどのようなことか?_」をめぐる小レポートを作成する (2時間)
14 意味をめぐる文化人類学(2)
【事前学習】教科書第4章「ブルシット・ジョブに就いているとはどのようなことか?_」を読みなおす (2時間)
【事後学習】Zoom講義に関する小レポートを作成する (2時間)
15 ケアワークをめぐる文化人類学
【事前学習】教科書第7章「ブルシット・ジョブの政治的影響とはどのようなものか、そしてこの状況に対してなにをなしうるのか」を読む (2時間)
【事後学習】教科書第7章「ブルシット・ジョブの政治的影響とはどのようなものか、そしてこの状況に対してなにをなしうるのか」をめぐる小レポートの作成 (2時間)
その他
教科書 デヴィッド・グレーバー 『ブルシットジョブ:クソどうでもいい仕事の理論』 岩波書店 2020年
遠隔講義ということもあり、受講者は必ず教科書を購入した上で履修すること。
参考書 波平恵美子 『文化人類学[カレッジ版]第三版』 医学書院 2011年
山下晋司・船曳建夫 『文化人類学キーワード 改訂版 』 有斐閣 2008年
船曳建夫 『文化人類学のすすめ』 筑摩書房 1998年
成績評価の方法及び基準 レポート:小レポートの提出を通じて、A-2-2の達成度について評価する。(30%)、授業内テスト:毎回のリアクションペーパーおよび内容理解度テストを用いて評価する。(70%)
毎回、小レポートの提出を受講者には課す。このレポート課題に加えて、最終回の一部を利用しておこなう試験の結果を総合して成績評価を行う。
オフィスアワー メールで事前に日時を決めた上で、個別にZoomで対応する。
備考 シラバスの内容は受講者の規模、あるいはその学修の状況を考慮して、変更することがある。 なお、事前学習・事後学習の時間は目安である。
初回講義開始までに、当該授業のBlackBoardのコース登録を行うこと。

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