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ドイツ文学史講義4

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令和2年度以降入学者 ドイツ文学史講義4
令和元年度以前入学者 ドイツ文学史講義4
教員名 初見基
単位数    2 学年    2 開講区分 文理学部
科目群 ドイツ文学科
学期 後期 履修区分 選択必修
授業の形態 オンラインによる同時双方向型(Zoom使用)を基本として,Blackboardを通じた課題授業を併用する。
授業開始までにBlackBoardに登録し、初回授業の注意事項に従って準備をしておくように。
Blackboard コースID: 20211782,   コース名:2021ドイツ文学史講義4(初見基・後・月1)に登録しておくこと。
なお授業形態については開講後,受講者のPC,ネット等の環境に配慮して柔軟に対応する。
時間割時間どおりに参加できない受講者のため,授業は毎回録画し,数日間視聴可能とする。
毎回,授業感想などの簡単な課題を出すことで出席確認とする。なお記してもらった課題は次の時間で氏名を伏したうえで全員分紹介する。
状況を見定めて教室での対面授業に移行したいと希望はしているが,2021年2月段階ではまったく不明。
授業概要 20世紀後半,第二次大戦後から現在に到るドイツ文学の諸相を見ることを通じ,20世紀ドイツの文化と社会について知識を広め,現在を考えてゆくための一契機とする。
授業のねらい・到達目標 20世紀後半以降のドイツ文学史の知識を得ることによって,近代社会理解を深め,私たちが生きている現在を分析する能力を身につける。(A-1-2)(A-2-2)
第二次大戦敗戦から現代に到るドイツ文学の流れを,社会との相関関係に着目して講義する。受講者は主として翻訳によって対象作品を読んでくることが求められる。
この科目は文理学部(学士(文学))のディプロマポリシーDP1、DP2及びカリキュラムポリシーCP1, CP2に対応しています。
授業の方法 授業の形式:【講義】
プリント資料を配付して講義を行なう。映像資料なども使用する。
本授業の事前・事後学習は,合わせて4時間の学習を目安とします。
受講者の理解および興味にしたがって,進行ならびに内容の変更が生ずる可能性がある。
復習は,配布されたプリントはくり返しよく読み,さらに授業で言及された作品のなかからなるべく多くの作品を邦訳で通読すること。
履修条件 学科の履修規程による
授業計画
1 導入:〈戦後〉とは何か 〈戦後〉という概念を,日本との対比で自分なりにまとめてみる。【同時双方型】
【事前学習】1945年以降のドイツ史の流れを年表などでおおまかに把握しておく。(A-1-2)(A-2-2) (2時間)
【事後学習】あらためて「戦後」とは何かを自分なりに考えておく。(A-1-2)(A-2-2) (2時間)
2 「戦後ドイツ」とはなんだったか?─戦後文学(1) 東西ドイツ再統一40周年を迎え,あらためて1945年から1990年までのドイツの流れを概観する。【同時双方向型】
【事前学習】戦後直後の状況について,日本の例を調べておく。(A-1-2)(A-2-2) (2時間)
【事後学習】日本とドイツの「戦後」の共通性と相違とを考えておく。(A-1-2)(A-2-2) (2時間)
3 47年グループ─戦後文学(2)「戦争の傷」と文学作品の強い関連について,諸相を紹介する。【同時双方向型】
【事前学習】日本の戦後派文学について知っていることをまとめておく。(A-1-2)(A-2-2) (2時間)
【事後学習】配布プリントをよく読み返し,「47年グループ」について関心のある作品を探し読んでおく。(A-1-2)(A-2-2) (2時間)
4 文学と規範─戦後文学(3)「ナチ時代の過去」についての省察がドイツ文学にあっても規範化してゆく過程を追う。【同時双方向型】
【事前学習】戦後日本において,それ以前と異なった「規範」にどのようなものがあるか考えておく。(A-1-2)(A-2-2) (2時間)
【事後学習】配布プリントをよく読み返し,ドイツにおける「過去の克服」について考える。(A-1-2)(A-2-2) (2時間)
5 文学と社会的記憶─戦後文学(4) 「過去の克服」の議論が「想起文化」へ転換してゆく様相を踏まえ,その文学における諸相を紹介する。【同時双方向型】
【事前学習】記憶とはどういう働きであるのか,自分なりに考えをまとめる。(A-1-2)(A-2-2) (2時間)
【事後学習】配布プリントをよく読み返し,「社会的記憶」について自分なりにまとめる。(A-1-2)(A-2-2) (2時間)
6 文学的抵抗と挫折─東ドイツ文学(1):東ドイツ建国から1980年代の社会的様相を紹介し,そこにおける文学のあり方を紹介する。【同時双方向型】
【事前学習】東ドイツの地理および歴史を調べておく。(A-1-2)(A-2-2) (2時間)
【事後学習】東ドイツ文学者の作品のなかで興味を抱くものを読んでおく。(A-1-2)(A-2-2) (2時間)
7 諦念と内向化─東ドイツ文学(2):1989年の〈転換〉を中心に,東ドイツ文学者たちの「代替機能」について紹介する。【同時双方向型】
【事前学習】東ドイツの文学のどこに特色があるかをまとめておく。(A-1-2)(A-2-2) (2時間)
【事後学習】1989年前後の東西ドイツの状況について調べる。(A-1-2)(A-2-2) (2時間)
8 被害と加害のはざまで─オーストリア文学(1):戦後オーストリアの「被害国」という自己理解の欺瞞と,それに対する文学者の反撥について紹介する。【同時双方向型】
【事前学習】オーストリアの地理および歴史を調べておく。(A-1-2)(A-2-2) (2時間)
【事後学習】戦後オーストリアの歴史と社会について,授業内容を踏まえて調べる。(A-1-2)(A-2-2) (2時間)
9 反郷土─オーストリア文学(2)前回内容を踏まえ,より具体的な作品に即した話をする。【同時双方向型】
【事前学習】戦後オーストリアにはどのような文学者がいたか調べておく。(A-1-2)(A-2-2) (2時間)
【事後学習】現代オーストリア文学作品から気になったものを選び,邦訳を読んでおく。(A-1-2)(A-2-2) (2時間)
10 〈1968年〉と〈秋のドイツ〉:1960年代後半の社会的激動が文学とどのような相関関係があったか,そしてそれがその後どのような影響を有したかについて話す。【同時双方向型】
【事前学習】〈1968年〉とは何だったのかを考察しておく。また日本の60年代後半の政治動乱について調べておく。(A-1-2)(A-2-2) (2時間)
【事後学習】授業内容を踏まえ,日本の〈1968年〉がその後の日本社会にどのような意味をもったかを考える。(A-1-2)(A-2-2) (2時間)
11 ポップ・カルチャーと芸術:「真面目な」文学に対する「ポップ」文学がどのような意味をもつかを話す。【同時双方向型】
【事前学習】日本のポップ・カルチャーがどのようなものであるかを調べておく。(A-1-2)(A-2-2) (2時間)
【事後学習】「高尚な」文化と「低劣な」文化,という分類について考察する。(A-1-2)(A-2-2) (2時間)
12 戦後ドイツ演劇・映画:文学と密接に係わる相において,演劇・映画について紹介する。【同時双方向型】
【事前学習】これまで自分が観た演劇・映画でどのような点に興味を抱いたかを考えておく。(A-1-2)(A-2-2) (1時間)
【事後学習】現代ドイツ映画のなかから1作を選び、学期中に鑑賞しておく。(A-1-2)(A-2-2) (3時間)
13 東西統一以降:東西統一およびその後の文化的混乱のなかでの文学状況を扱う。【同時双方向型】
【事前学習】1989年から1990年に政治的にはどういう動きがあったか,ドイツ統一がどのようにして成り立ったかを調べておく。(A-1-2)(A-2-2) (2時間)
【事後学習】授業内容を整理しておく。(A-1-2)(A-2-2)(A-8-2) (2時間)
14 これまでの内容について質疑応答を行ったうえで,内容確認をする。【同時双方向型】
【事前学習】これまでの授業内容で気になった点などをまとめて,レポート作成をする。(A-1-2)(A-2-2)(A-8-2) (3時間)
【事後学習】レポートの不充分な点を確認する。(A-1-2)(A-2-2)(A-8-2) (1時間)
15 これまでの復習・解説を行い授業の理解を深める。【同時双方向型】
【事前学習】これまでの授業内容を確認する。(A-1-2)(A-2-2)(A-8-2) (2時間)
【事後学習】授業内容を踏まえ,今後の読書計画を立てる。(A-1-2)(A-2-2)(A-8-2) (2時間)
その他
教科書 教科書は使用せず,プリントを配布する。読書案内も配るので,それを参考にして翻訳書を各自読むこと。
参考書 保坂一夫 『ドイツ文学 名作と主人公』 自由国民社 2009年
各自の読書案内として利用すること。
成績評価の方法及び基準 授業内テスト(60%)、授業内課題(40%)
受講者の態度によっては,別途課題を出す場合がある。
授業参画度は,授業内での発言および毎回求める課題・リアクションペーパー等で評価する。
オフィスアワー 電子メール,あるいはZoomを通じて適宜対応する。
後者の場合,あらかじめ電子メールで問い合わせておくこと。
備考 授業終了までに各自以下の作品のなかから5冊以上を読むことを目標とする。

『たんぽぽ―ヴォルフガング・ボルヒェルト掌編集』
『ハインリヒ・ベル短篇集 』(岩波文庫)
ハインリヒ・ベル『九時半の玉突き』
ギュンター・グラス『ブリキの太鼓』
ギュンター・グラス『鈴蛙の喚び声』
ギュンター・グラス『玉ネギの皮をむきながら』
ノサック『短篇集 死神とのインタヴュー』(岩波文庫)
イルゼ・アイヒンガー『より大きな希望』
『ネリー・ザックス詩集』
『パウル・ツェラン詩文集』
『インゲボルク・バッハマン全詩集』
ウーヴェ・ヨーンゾン『ヤーコプについての推測』
ペーター・ヴァイス『追究』
クリスタ・ヴォルフ『カッサンドラ』
クリスタ・ヴォルフ『メデイア』
トーマス・ベルンハルト『破滅者』
トーマス・ベルンハルト『ヴィトゲンシュタインの甥』
トーマス・ベルンハルト『石灰工場』
トーマス・ベルンハルト『ヘルデンプラッツ』
トーマス・ベルンハルト『消去』
ペーター・ハントケ『不安 ペナルティーキックを受けるゴールキーパーの』
ペーター・ハントケ『左ききの女』
クリストフ・ハイン『龍の血を浴びながら』
クリストフ・ハイン『ホルンの最期』
ボート・シュトラウス『終合唱』
その他,自分で選んだ1945年以降のドイツ語で書かれた小説,詩集,戯曲等の文学作品

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