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ドイツ文学史講義3

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令和2年度以降入学者 ドイツ文学史講義3
令和元年度以前入学者 ドイツ文学史講義3
教員名 初見基
単位数    2 学年    2 開講区分 文理学部
科目群 ドイツ文学科
学期 前期 履修区分 選択必修
授業の形態 オンラインによる同時双方向型(Zoom使用)を基本として,Blackboardを通じた課題授業を併用する。
授業開始までにBlackBoardに登録し、初回授業の注意事項に従って準備をしておくように。
Blackboard コースID: 20211781,   コース名:2021ドイツ文学史講義3(初見基・前・月1)に登録しておくこと。

なお授業形態については開講後,受講者のPC,ネット等の環境に配慮して柔軟に対応する。
時間割時間どおりに参加できない受講者のため,授業は毎回録画し,数日間視聴可能とする。
毎回,授業感想などの簡単な課題を出すことで出席確認とする。なお記してもらった課題は次の時間で氏名を伏したうえで全員分紹介する。
授業概要 19世紀末から20世紀前半のドイツ文学の諸相を見ることを通じ,20世紀ドイツの文化と社会について知識を広め,現在を考えてゆくための一契機とする。
授業のねらい・到達目標 19世紀末から20世紀前半のドイツ文学史の知識を得ることによって,近代社会理解を深め,私たちが生きている現在を分析する能力を身につける。(A-1-2)(A-2-2)
19世紀末から20世紀前半のドイツ文学のなかから代表的な何人かの作家,いくつかの作品を選び,講義する。受講者は主として翻訳によって対象作品を読んでくることが求められる。
この科目は文理学部(学士(文学))のディプロマポリシーDP1、DP2及びカリキュラムポリシーCP1, CP2に対応しています。
授業の方法 授業の形式:【講義】
プリント資料を配付して,適宜これを参照しながら講義を行なう。映像資料なども使用する。
本授業の事前・事後学習は,合わせて4時間の学習を目安とします。
履修条件 学科の履修規程による
授業計画
1 導入:19世紀末までの概観・〈近代〉とは何か【同時双方向型】
【事前学習】19世紀末から20世紀半ばまでがどのような時代だったか,世界史年表などを参照して,自分なりのおおまかな枠組みをつくっておく。(A-1-2)(A-2-2) (1時間)
【事後学習】「モダニズム文学」がヨーロッパ規模でどういうものであるのか,できれば授業で触れた英文学,仏文学などの作品を読んでみる。(A-1-2)(A-2-2) (3時間)
2 世紀末文化の諸相を概観する:ユーゲントシュティール,ホフマンスタール,ゲオルゲ,リルケ【同時双方向型】
【事前学習】「世紀末」という語がどういう含意であるのか,考えておく。(A-1-2)(A-2-2) (1時間)
【事後学習】配布されたプリントをよく読み直す。扱われた詩人たちの作品邦訳を,図書館等で探して読む。(A-1-2)(A-2-2) (3時間)
3 表現主義・ダダ(1):「モダニズム文学」がドイツでどのような展開を遂げたかを見る。【同時双方向型】
【事前学習】表現主義絵画・映画にはどういうものがあるか調べる。(A-1-2)(A-2-2) (1時間)
【事後学習】配布されたプリントをよく読み直す。気になった作品があれば,図書館等で邦訳を探して読む。また表現主義映画作品なども,学科図書室にあるので,興味のある人は見ておく。(A-1-2)(A-2-2) (3時間)
4 表現主義・ダダ(2):文学的アヴァンギャルドにおける「理性批判」の契機を見る。【同時双方向型】
【事前学習】フランスの「シュルレアリスム」について,どのようなものであるのか調べておく。(A-1-2)(A-2-2) (1時間)
【事後学習】配布されたプリントをよく読み直す。気になった作品があれば,図書館等で邦訳を探して読む。(A-1-2)(A-2-2) (3時間)
5 カフカの文学作品について概観する。【同時双方向型】
【事前学習】フランツ・カフカについて知っていることを整理しておく。(A-1-2)(A-2-2) (1時間)
【事後学習】カフカ作品を邦訳で読む。(A-1-2)(A-2-2) (3時間)
6 ムージルの文学作品について概観する。【同時双方向型】
【事前学習】ローベルト・ムージルについて概略を調べておく。(A-1-2)(A-2-2) (1時間)
【事後学習】ムージル作品を邦訳で読む。(A-1-2)(A-2-2) (3時間)
7 ナチ政権以前のトーマス・マン作品について概観する。【同時双方向型】
【事前学習】トーマス・マンについて知っていることを整理しておく。(A-1-2)(A-2-2) (1時間)
【事後学習】マンの作品のなかで気になった長篇小説を選び邦訳を学期中に通読する。(A-1-2)(A-2-2) (3時間)
8 20世紀前半の小説・詩についてのまとめ【同時双方向型】
【事前学習】これまで配布したプリントを再読しておく。(A-1-2)(A-2-2) (2時間)
【事後学習】これまでに扱われた詩人・作家たちの作品のうち,未読のものを読む。(A-1-2)(A-2-2) (2時間)
9 ヴァイマル文化(1):ヴァイマル文化の諸相を,映画など含めて概観する。【同時双方向型】
【事前学習】「ヴァイマル共和国」について調べておく。(A-1-2)(A-2-2) (2時間)
【事後学習】ヴァイマル文化の多様性についてまとめておく。(A-1-2)(A-2-2) (2時間)
10 ヴァイマル文化(2):ヴァイマル文化が生ずる時代的・社会的背景を見てゆく。【同時双方向型】
【事前学習】1920-3-年代のドイツ政治史・社会史の流れを年表などで確認しておく。(A-1-2)(A-2-2) (1時間)
【事後学習】ヴァイマル文化の多様性を,配布プリントをもとに実際の作品に即して確認する。(A-1-2)(A-2-2) (3時間)
11 ヴァイマル文化(3):モダニズムを引き継ぐ都市文化でありつつ,ナチ政権前夜をも体現したヴァイマル文化の位相を確認する。【同時双方向型】
【事前学習】前2回の講義内容をよく確認しておく。(A-1-2)(A-2-2) (1時間)
【事後学習】ヴァイマル文化の全体像を自分なりにまとめてみる。(A-1-2)(A-2-2) (3時間)
12 ナチズムと芸術:一方における積極的・消極的「抵抗」と他方における「恭順」を対比的に見る。【同時双方向型】
【事前学習】1933-45年のドイツの歴史について概観しておく。(A-1-2)(A-2-2) (1時間)
【事後学習】政治と芸術の関係について自分の考えをまとめておく。(A-1-2)(A-2-2) (3時間)
13 亡命文学:特殊状況にある人間の境遇について考えをめぐらせてみる。【同時双方向型】
【事前学習】ナチ時代のドイツからの国外亡命者にどういう人がいたかを調べる。(A-1-2)(A-2-2) (1時間)
【事後学習】亡命文学作品を読む。(A-1-2)(A-2-2) (3時間)
14 これまでの内容について質疑応答を行い,理解度を確認する。【同時双方向型】
【事前学習】授業内容全般について再確認し,またすでに読了した作品に関して自らの考えをまとめる。(A-1-2)(A-2-2)(A-8-2) (3時間)
【事後学習】理解の足りなかったものについて,プリントなどで再度復習する。(A-1-2)(A-2-2)(A-8-2) (1時間)
15 これまでの復習・解説を行い授業の理解を深め,また受講者は個別作品に対する自らの積極的意見を述べる。【同時双方向型】
【事前学習】これまで読み切れていなかった作品を読了する。((A-1-2)(A-2-2)(A-8-2) (3時間)
【事後学習】他の受講者の考えと自分の考えを照らし合わせて,自らの意見を再検討する。(A-8-2) (1時間)
その他
教科書 必要資料はプリントを配布する。読書案内も配るので,それを参考にして翻訳書を各自読むこと。
参考書 保坂一夫 『ドイツ文学 名作と主人公』 自由国民社 2009年
ハインツ・シュラッファー 『ドイツ文学の短い歴史』 同学社 2008年
読むべき作品については授業時に文献表を配布する。
成績評価の方法及び基準 授業内テスト(60%)、授業内課題(40%)
講義とはいえ,意見表明や質問等の受講者の積極的な参加も評価する。
授業内テストでは,独自の問題意識をどれだけ自分の頭で考えているか,そして多数の書籍を読んでいるか,を確認して評価基準とする。
授業参画度は,授業内での発言およびリアクションペーパー等で評価する。
オフィスアワー 電子メール,あるいはZoomを通じて適宜対応する。
後者の場合,あらかじめ電子メールで問い合わせておくこと。
備考 授業終了までに各自以下の作品をA群1編以上,B群3編以上を,必ず読了することを当初指定していたが,大学および地域の図書館を使用できない状態がつづいているため,そのあいだは可能な範囲でこちらから配布する資料を必ず読んでおく,というかたちに変更する。
いちおう参考までに「課題図書」を記しておく。
A群(1作品以上)
ライナー・マリア・リルケ『マルテの手記』
ライナー・マリア・リルケ『ドゥイノの悲歌』
クルト・ピントゥス編『人類の薄明:表現主義のドキュメント』
トーマス・マン『ブッデンブローク家の人々』
トーマス・マン『魔の山』
フランツ・カフカ『訴訟過程』(『審判』という訳書名である場合もある)
フランツ・カフカ『城』
アルフレート・デーブリーン『ベルリン・アレクサンダー広場』
ローベルト・ムージル『特性のない男』
アンナ・ゼーガース『第七の十字架』
その他,自分で選択した20世紀前半の長篇小説
B群(3作以上)
リルケ詩集(多数あり)
ホフマンスタール詩集(多数あり)
フーゴ・フォン・ホフマンスタール『影のない女』(戯曲版ではなく小説版)
トーマス・マン『ヴェネチアに死す』(『ヴェニスに死す』等々の題名でも出ている)
トーマス・マン『トーニオ・クレーガー』
フランツ・カフカ『変身』
フランツ・カフカ『判決』
ローベルト・ムージル『寄宿生テルレスの惑い』(邦題にいくつか題名異同あり)
ローベルト・ムージル『三人の女』
ヘルマン・ヘッセ『クヌルプ』(『漂泊の魂』等の邦題もあり)
ヘルマン・ヘッセ『デミアン』
ヘルマン・ヘッセ『車輪の下』
ベルトルト・ブレヒト「三文オペラ」
ベルトルト・ブレヒト「肝っ玉おっ母とその子どもたち」
ブレヒト詩集(多数あり)
エーリヒ・ケストナー『ファービアン』
その他,自分で選択した20世紀前半の短篇小説・詩集・戯曲等の文学作品

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