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令和2年度以降入学者 | 心理学 | ||||
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令和元年度以前入学者 | 心理学1 | ||||
教員名 | 池見正剛 | ||||
単位数 | 2 | 学年 | 1~4 | 開講区分 | 文理学部 |
科目群 | 総合教育科目 | ||||
学期 | 前期 | 履修区分 | 選択 |
授業の形態 | 同時双方向型授業(Zoomによるライブ中継) 【BlackboardコースID】20210125 |
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授業概要 | ・人の心と行動について、特にその独特の情報処理過程と、その所産としての振る舞いの諸相をデータや事例とともに紹介する。取り上げる理論や研究者が時に他の学問領域に及ぶが、本講義では学際的見地から、心理学的話題の興味深い展開に必要であれば縦割りのアカデミズムからは距離を置き、ある程度の領域の逸脱には寛容な立場をとる。 ・また本講義はいわゆる教養課程である。実務を目的としないという意味で、教養は(結果的、偶発的に役に立つことはあっても)本質的には役に立たないし、またそうであることに些かの躊躇いもない。なぜなら教養は実務よりもむしろ、木を見ながら森も見るような視点の往復と、セオリーに見向きもしない放胆な意思決定に不可欠だからだ。リベラルアーツ(教養課程)はその為にある。 |
授業のねらい・到達目標 | (1)常識や経験則に頼らずに、心理学的理論と実験・統計データに基づいて現実を理解し、分析し、説明することができる。 (2)心理学的な議論を自ら提起し、更には提起された議論に対して疑義を呈し、またその為に必要な素養を積み更新し続けることができる。 ・仮説に基づく課題や問題を提示し、客観的な情報を基に、論理的・批判的に考察することの重要性を説明できる(論理的思考力A-3-1)。 ・事象を注意深く観察して、解決すべき問題を認識できる(問題発見・解決力A-4-1)。 ・自己の学修経験の振り返りを継続的に行うことができる(省察力A-8-1)。 この科目は文理学部(学士文学)のディプロマポリシーDP3,DP4,DP8及びカリキュラムポリシーCP3,CP4,CP8に対応しています。 |
授業の方法 | 授業の形式【講義】 ZoomでPowerpointのスライドを画面共有しながら講義を行う。質疑応答はチャットと音声で行う。 授業の最後にblackboardで小テストを実施する。点数は自動採点される。 小レポート課題はblackboard掲示板に提出し、講師のフィードバックは各投稿に返信される。 最終試験は最終授業直前の一定期間内にBlackboardで各自が都合の良い時間に行う。 |
履修条件 | (1)万全な通信環境が用意できる者。通信障害により小テストの得点が無効になるなどの事態が続いた場合は対応できない。 (2)最低でもスマートフォンなどの携帯端末が用意できる者。スマートフォンの場合、機種によってはBlackboardの小テストにおいて送信ボタンなどがタップしにくいものもあるので注意。より快適な受講や積極的な対話をするにはPCを用意する必要がある。 (3)Zoom参加可能の上限人数の関係上、履修制限をする場合、初回授業に出席して簡易テストに合格した者。 |
授業計画 | |
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1 |
一見役に立たない教養はなぜ存在するか?(問題発見・解決力A-4-1、省察力A-8-1) 教養の本質について、授業計画、成績評価方法、Blackboardのコース登録 【事前学習】シラバスをよく読み、興味深いトピックスについて自分なりに調べておく (2時間) 【事後学習】Blackboardは非常に複雑なのでどこに何があるかよく調べ使い慣れておく (2時間) |
2 |
学習 パブロフの条件反射は、生き残る上で何の役に立つのか?(問題発見・解決力A-4-1) 脳は勝手に因果関係を学習し、自動的に最適な反応をしている。その過程に意識は必要ない。 【事前学習】古典的条件付けのメカニズムについて調べてノートにまとめておく。 (2時間) 【事後学習】アップロードされた授業内提示資料を通読し、復習ドリルを実行する。 (2時間) |
3 |
学習 罰のない世界は可能かもしれない。それはユートピアなのか?(問題発見・解決力A-4-1) 一部の行動学者(つまり心理学者)は罰の効果を否定する。叱ることなしに報酬だけで人は人を制御できるのか? 【事前学習】報酬の与え方が他者の行動に与える効果の質と量について調べてノートにまとめておく。 (2時間) 【事後学習】アップロードされた授業内提示資料を通読後、復習ドリルを実行する。 (2時間) |
4 |
情動 比較的最近まで心理学者も分からなかった。情動は何の役に立つのか?(問題発見・解決力A-4-1) シンギュラリティに到達した人工知能は情動をもつのか? 【事前学習】進化と情動の関係について調べてノートにまとめておく。 (2時間) 【事後学習】アップロードされた授業内提示資料を通読後、復習ドリルを実行する。 (2時間) |
5 |
知覚 ヒトは外界を“目で見ている”というより“脳で想像”している(論理的思考力A-3-1) モノが見えるというメカニズム自体、実はまだよく分かっていないが、その一端を概観する。 【事前学習】視知覚とカメラの違いについて調べてノートにまとめておく。 (2時間) 【事後学習】アップロードされた授業内提示資料を通読後、復習ドリルを実行する。 (2時間) |
6 |
認知 熟慮の末に結論したつもりでも、実際は直観が最初に答を出している(問題発見・解決力A-4-1) ゲッティ美術館が7億円で購入したクーロス像が偽物であることに専門家たちは気づいていた。直感で。 【事前学習】直観が意思決定過程に果たす役割について調べてノートにまとめておく。 (2時間) 【事後学習】アップロードされた授業内提示資料を通読後、復習ドリルを実行する。 (2時間) |
7 |
遺伝と環境 その社会的成功は本当に自分の努力で勝ち取ったと言えるのか?(問題発見・解決力A-4-1) 成功者はみんなそう思い高額な報酬を当然と考えるが、遺伝と環境という視点から考えると・・・ 【事前学習】現在の環境の何が自分の成長を阻んでいるかについて考えノートにまとめておく。 (2時間) 【事後学習】アップロードされた授業内提示資料を通読後、復習ドリルを実行する。 (2時間) |
8 |
無意識 意識が判断する前に、無意識が判断している(論理的思考力A-3-1) 私が私を制御していると感じるのは単なる錯覚なのか? B.リベットの実験がもたらした波紋。 【事前学習】フロイトの理論に対する批判点について調べてノートにまとめておく。 (2時間) 【事後学習】アップロードされた授業内提示資料を通読後、復習ドリルを実行する。 (2時間) |
9 |
意識 人類は最初、意識を持ち合わせていなかったのか?(論理的思考力A-3-1) 心理学者J.ジェインズの大胆な主張、日常生活する上で意識はそれほど必要ないのかもしれない。 【事前学習】意識の定義について調べてノートにまとめておく。 (2時間) 【事後学習】アップロードされた授業内提示資料を通読後、復習ドリルを実行する。 (2時間) |
10 |
動機付け 壁を乗り越えられる人間とそうでない人間の「あるセンス」の違い(問題発見・解決力A-4-1、省察力A-8-1) 人は失敗した時に3つのことを無意識に考える。そのパターンによってその人の未来が見えてくる。 【事前学習】失敗した時の原因帰属パターンについて調べてノートにまとめておく。 (2時間) 【事後学習】アップロードされた授業内提示資料を通読後、復習ドリルを実行する。 (2時間) |
11 |
精神疾患 異常な精神を通して、正常な精神とは何かを考えてみる(問題発見・解決力A-4-1) 目の前の患者が解離性同一性障害かもしれないと分かると知的興奮を覚える精神科医がいる。なぜか? 【事前学習】一部の精神疾患が適応上のエラーと言えるかどうか自分の考えをノートにまとめておく。 (2時間) 【事後学習】アップロードされた授業内提示資料を通読後、復習ドリルを実行する。 (2時間) |
12 |
進化 恋愛ドラマのほとんどの展開は、太古の昔からどれも延々と繰り返されてきた(論理的思考力A-3-1) そんな彼らの駆け引きは、全て配偶子(精子と卵子)の大きさの違いに起因する。 【事前学習】進化が人間の心理に与えた影響について調べてノートにまとめておく。 (2時間) 【事後学習】アップロードされた授業内提示資料を通読後、復習ドリルを実行する。 (2時間) |
13 |
人格 フロイト流の精神分析は複雑すぎる。そこでE・バーンは5つの自我エネルギーを想定した。(論理的思考力A-3-1) 配信動画を見ながら性格検査の診断内容を理解し、この人格検査についての小テストに解答する。 【事前学習】人格理論の概要を調べてノートにまとめておく。 (2時間) 【事後学習】アップロードされた授業内提示資料を通読後、復習ドリルを実行する。 (2時間) |
14 |
心理学トピック調査課題(問題発見・解決力A-4-1、省察力A-8-1)。 誰もが面白いと感じるような心理学トピックスを探し掲示板に投稿し、他の学生の投稿も評価する。 【事前学習】興味深い心理学に関する実験、理論、データをインターネットや書籍で調べておく (2時間) 【事後学習】投稿された他の学生のブックレビューを読み、興味深い書籍データをチェックする (2時間) |
15 |
総括、学習内容の整理、および全学生の評価ポイントの確認。
【事前学習】アップロードされたこれまでの授業内提示資料に目を通しておく (2時間) 【事後学習】参考文献に記された書籍をAmazonでチェックしてレビューに目を通したり、関連する書籍をチェックする (2時間) |
その他 | |
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教科書 | 使用しない |
参考書 | ◆マルコム・グラッドウェル 『第1感 「最初の2秒」の「なんとなく」が正しい』 光文社 2006年 ◆ゲアリー・マーカス 『脳はあり合わせの材料から生まれた それでもヒトの「アタマ」がうまく機能するわけ 』 早川書房 2009年 ◆リチャード・ドーキンス 『利己的な遺伝子 』 紀伊國屋書店 2006年 ◆西田公昭 『マインド・コントロールとは何か』 紀伊國屋書店 1995年 ◆トール・ノーレットランダーシュ 『ユーザーイリュージョン 意識という幻想』 紀伊國屋書店 2002年 ◆ユヴァル・ノア・ハラリ 『サピエンス全史 文明の構造と人類の幸福』 河出書房新社 2016年 ◆デイヴィッド・イーグルマン 『意識は傍観者である 脳の知られざる営み』 早川書房 2012年 ◆デイヴィッド・J・リンデン 『脳はいいかげんにできている その場しのぎの進化が生んだ人間らしさ』 河出書房新社 2017年 ◆エレーヌ・フォックス 『脳科学は人格を変えられるか? 』 文藝春秋 2014年 ◆トッド・E・ファインバーグ、ジョン・M・マラット 『意識の進化的起源 カンブリア爆発で心は生まれた』 勁草書房 2017年 ◆ジョセフ・シュガーマン 『シュガーマンのマーケティング30の法則 お客がモノを買ってしまう心理的トリガー (引き金) とは』 フォレスト出版 2006年 ◆ダン・アリエリー 『予想どおりに不合理 行動経済学が明かす「あなたがそれを選ぶわけ」』 早川書房 2013年 ◆シーナ・アイエンガー 『選択の科学 コロンビア大学ビジネススクール特別講義』 文藝春秋 2014年 ◆ケヴィン・ダットン 『サイコパス 秘められた能力』 NHK出版 2013年 ◆ジェームス・ファロン 『サイコパス・インサイド ある神経科学者の脳の謎への旅』 金剛出版 2015年 ◆デーヴ・グロスマン 『戦争における「人殺し」の心理学』 筑摩書房 2004年 以上、全て文理学部または他学部に所蔵(他学部所蔵書は文理学部図書館で受付すれば借りられる) |
成績評価の方法及び基準 | 試験(10%)、レポート:第14回授業内の小レポート課題(Blackboard掲示板投稿)(10%)、授業内テスト:第1~13回の授業内小テスト(Blackboard教材)(25%)、授業参画度:授業中の発言(30%)、授業外の復習ドリル(Blackboard教材)*希望者のみ実施する。(25%) 以上の評価は全て点数化され、その総合点の下位10%、または授業内小テスト合計点が下から若干名の者が不合格となる(相対評価)。 小テストの解答をもって出席とみなし、6回以上の欠席で不合格となる。 |
オフィスアワー | メールで受け付ける(アドレスはBlackboardの連絡掲示板で知らせる)。 |
備考 | 受講の際に、毎回同一の端末を使う必要はないので、破損した場合は代わりの端末を用意するなどして対応する事。 通信状況の一時的な悪化で成績上、何らかの不利益を被った場合は、直後にメールで連絡した場合に限り善処する。 |