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平成28年度以前入学者 | 暗号理論 | ||||
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教員名 | 高島克幸 | ||||
単位数 | 2 | 学年 | 4 | 開講区分 | 文理学部 |
科目群 | 情報科学科 | ||||
学期 | 集中 | 履修区分 | 選択 |
授業の形態 | 主としてオンデマンド型授業(録画授業配信、スライド資料配信) Blackboard ID: 20203286 |
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授業概要 | 暗号とその応用に関する基礎的な事柄を、実際に使われている暗号技術を中心に説明して、問題演習を通してそのアルゴリズムを理解してもらうとともに、社会事例の説明を通してその有用性についても実感してもらうことを目指す。 私はこれまで、暗号の安全性を高めたり、処理効率を上げるなど数理技法に基づく理論研究を行うとともに、業務を進める上で、暗号が社会で役立つために何が必要であるかというような技術と社会の接点についても考察の対象としてきた。そのような実務経験をもとにして本講義を進める。 |
授業のねらい・到達目標 | RSA暗号などの基礎的な暗号方式の暗号化処理と復号処理を、小さい数の例を使って実際に手を動かして計算できるようになる。そのメカニズムを理解して、そのような基礎技術を組み合わせた暗号通信方式SSL/TLSがインターネットを安全に使うのに重要であることを理解する。 授業の最後に、最新の暗号技術も紹介するので、今も発展している技術分野であることを理解する。 この科目は文理学部(学士(理学))のディプロマポリシーDP6及びカリキュラムポリシーCP9に対応している。 |
授業の方法 | 説明した内容について、その都度、問題演習およびその解答・復習を行うことで基本的な事柄を身につける。 問題演習については、その都度、授業中に解答を確認して理解してから次に進む。 |
授業計画 | |
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1 |
ガイダンス(授業のテーマや到達目標及び授業の方法について説明する) 暗号技術の概要:基礎理論から実用まで、暗号技術に関する分野の全体像を概観する。 【事前学習】高校情報科レベルの情報に関する知識の復習 (2時間) 【事後学習】暗号技術の全体像に関する知識の復習 (2時間) |
2 |
歴史上の暗号の話も交えながら、共通鍵暗号(対称暗号)技術、DES暗号についての説明・問題演習を行う。
【事前学習】暗号技術の全体像に関する知識の習熟 (2時間) 【事後学習】共通鍵暗号系の技術に関する復習 (2時間) |
3 |
AES 暗号および暗号利用モード(ECB、CBC、CFB、OFB、CTRモードなど)についての説明・問題演習を行う。
【事前学習】共通鍵暗号系の技術に関する習熟 (2時間) 【事後学習】AES暗号および暗号利用モードに関する復習 (2時間) |
4 |
公開鍵暗号の基礎となる整数論、公開鍵暗号の概念、有限体べき乗計算、離散対数問題、DH鍵共有についての説明・問題演習を行う。
【事前学習】暗号技術の全体像に関する知識の習熟 (2時間) 【事後学習】公開鍵暗号系の技術の復習 (2時間) |
5 |
素因数分解問題、有限体逆数計算、中国人剰余定理、RSA 暗号についての説明・問題演習を行う。
【事前学習】公開鍵暗号系の技術に関する習熟 (2時間) 【事後学習】RSA 暗号と関連する数学の復習 (2時間) |
6 |
エルガマル暗号、素数生成法(フェルマー法、ソロベイ・シュトラッセン法、ミラー・ラビン法)についての説明・問題演習を行う。
【事前学習】RSA 暗号と関連する数学の習熟 (2時間) 【事後学習】エルガマル暗号・素数生成法の復習 (2時間) |
7 |
ハッシュ関数(MD構造、SHA-1,2,3)、メッセージ認証(HMACなど)についての説明・問題演習を行う。
【事前学習】共通鍵暗号系の技術に関する習熟 (2時間) 【事後学習】ハッシュ関数・メッセージ認証の復習 (2時間) |
8 |
署名技術の概要、RSA署名、エルガマル署名についての説明・問題演習を行う。
【事前学習】ハッシュ関数・メッセージ認証の習熟 (2時間) 【事後学習】署名技術の復習 (2時間) |
9 |
秘密分散法の概念とk-out-of-n秘密分散法についての説明・問題演習を行う。
【事前学習】初等整数論の習熟 (2時間) 【事後学習】秘密分散法の概念の復習 (2時間) |
10 |
行列で表現された秘密分散法(スパンプログラム秘密分散法)についての説明・問題演習を行う。
【事前学習】秘密分散法の概念の習熟 (2時間) 【事後学習】行列表現された秘密分散法の復習 (2時間) |
11 |
楕円曲線上の離散対数問題とそれに基づいた暗号技術についての説明・問題演習を行う。
【事前学習】初等整数論の習熟 (2時間) 【事後学習】楕円曲線暗号技術の復習 (2時間) |
12 |
インターネットで使われている暗号通信方法 SSL/TLS についての説明・問題演習を行う。
【事前学習】秘密鍵暗号・公開鍵暗号技術の習熟 (2時間) 【事後学習】暗号通信方法 SSL/TLSの復習 (2時間) |
13 |
量子コンピュータでも解けない耐量子暗号技術と、それに関連した暗号技術標準化についての説明・問題演習を行う。
【事前学習】公開鍵暗号系の技術および署名・認証技術の習熟 (2時間) 【事後学習】耐量子暗号技術と関連した暗号技術標準化の復習 (2時間) |
14 |
暗号に必要となる格子問題と格子暗号についての説明・問題演習を行う。
【事前学習】耐量子暗号技術と関連した暗号技術標準化の習熟 (2時間) 【事後学習】格子問題と格子暗号の復習 (2時間) |
15 |
楕円曲線を応用した暗号技術(同種写像暗号・属性ベース暗号など)の概要について説明・問題演習を行う。
【事前学習】楕円曲線上の離散対数問題とそれに基づいた暗号技術の習熟 (2時間) 【事後学習】楕円曲線を応用した暗号技術の復習 (2時間) |
その他 | |
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教科書 | 教科書は特に指定しない。 |
参考書 | 結城浩 『暗号技術入門』 SBクリエイティブ 2015年 第3版 岡本龍明 『現代暗号の誕生と発展 - ポスト量子暗号・仮想通貨・新しい暗号 -』 近代科学社 2019年 ジョセフ・H・シルヴァーマン 『はじめての数論』 丸善出版 2014年 第3版 ・本講義で扱う題材の多くの部分は、『暗号技術入門』でも取り上げられている。 ・第13回以降の内容に関しては、『現代暗号の誕生と発展』で取り上げられている。 ・基礎となる数学全般に渡っては、『はじめての数論』で取り上げられている。 |
成績評価の方法及び基準 | 授業内テスト:小テストの成績(70%)、授業参画度:演習問題の提出状況(30%) 小テストは、理解度の確認のためにほぼ毎回行う。 |
オフィスアワー | 遠隔での実施のため、質問についてはメールなどを通して受け付ける。詳細は、講義中に指示する。 |
備考 | 演習を行うので、受講生はノートや計算用紙等を準備しておくこと。 毎日の授業の後に適宜復習を行うことが望ましい。 |