検索したい科目/教員名/キーワードを入力し「検索開始」ボタンをクリックしてください。
※教員名では姓と名の間に1文字スペースを入れずに、検索してください。
令和2年度入学者 | 倫理学史特殊講義3 | ||||
---|---|---|---|---|---|
令和元年度以前入学者 | 倫理学史特殊講義3 | ||||
教員名 | 嘉吉純夫 | ||||
単位数 | 2 | 課程 | 開講区分 | 文理学部 | |
科目群 | 哲学専攻 | ||||
学期 | 前期 | 履修区分 | 選択必修 |
授業の形態 | 課題研究(Blackboard)全15回。 |
---|---|
授業概要 | 古代ローマのストア派の重鎮にして、哲人の風格を具えたエピクテートスの倫理思想を考究する。科学技術文明の真っ只中にあって、経済至上主義と功利主義的な価値観に引き摺り回されがちなわわれわれ現代人にとって、滋味と人間味に溢れたエピクテートスの人生観と幸福観を探究することは、古代人の言うところの「魂の浄めと癒し」をもたらす貴重な体験となるであろう。テキストは、弟子のアリアーノスが師エピクテートスの講話を書き記した『人生談義』を用いる。 |
授業のねらい・到達目標 | ヘレニズム期のゼーノーンを学祖とするストア派の哲学者たちは、共通して、文字通りストイック(禁欲主義的、厳格主義的)な精神を基調とする力強い思想を展開したが、なかでも奴隷の出身のエピクテートスは、心の内面における意志の自由を強調する点で、言わば社会に隷属して生活せざるをえないわれわれ現代人にもっとも強いインパクトを与える力を保有しているように思われる。その点を追究することによって、本講座の参加者一人ひとりの人生の糧となることを目指したい。 |
授業の方法 | 第1回5月12日(火)開始ですが、第1回の課題は5月1日にBlackboardにアップされる予定です。以後は、下記の授業計画にしたがって、各自の責任においてテキストの指定箇所を熟読し、思想内容について熟考していただきます。そして、各回ごとの課題に回答していただきます。そして、それに対して、こちらからフィードバックを行います。問題があれば、さらにこのプロセスを繰り返します。とにかく、開講までに必ず下記のテキストを購入しておいてください。エピクテートス『人生談義』上(岩波文庫) ※書店では在庫切れになっているところが多いようです。楽天ブックス、セブンネットショッピング、HMV Books等の通信販売を利用してください(ただし、アマゾンには法外の高値で出品されているものがあるので、くれぐれも注意してください)。 |
履修条件 | なし |
授業計画 | |
---|---|
1 |
エピクテートスとテキスト『人生談義』についての概説
【事前学習】エピクテートスについて市販の文献を用いて調べる (時間2時間) 【事後学習】『人生談義』の概要の要点をまとめる (時間2時間) |
2 |
テキスト第1巻第1章「われわれの権内にあるものとわれわれの権内にないものとのついて」の考究
【事前学習】テキストの上記個所を予読して、論点を整理しておく (時間2時間) 【事後学習】考究・討議した内容を確認・再考する (時間2時間) |
3 |
同上第2章「どのようにして人は、すべての場合、自分の人となりに合ったものを保持することができるか」および第3章「神が人々の父であるということからして、どういう結果になるか」の考究
【事前学習】上記個所を予読して、論点を整理しておく (時間2時間) 【事後学習】考究・討議した内容を確認・再考する (時間2時間) |
4 |
同上第4章「進歩について」~第6章「摂理について」の考究
【事前学習】上記個所を予読して、論点を整理しておく (時間2時間) 【事後学習】考究・討議した内容を確認・再考する (時間2時間) |
5 |
同上第7章「転換論、仮定論、それと同種のものの効用について」~第9章「われわれが神と親類であるということからどういう結論に達するか」の考究
【事前学習】上記個所を予読し、論点を整理しておく (時間2時間) 【事後学習】考究・討議した内容を確認・再考する (時間2時間) |
6 |
同上第10章「ローマで昇進栄達にあくせくしている人々に対して」~第12章「満足について」の考究
【事前学習】上記個所を予読し、論点を整理しておく (時間2時間) 【事後学習】考究・討議した内容を確認・再考する (時間2時間) |
7 |
同上第11章「愛情について」~第14章「神がすべてを監督しているということ」の考究
【事前学習】上記個所を予読し、論点を整理しておく (時間2時間) 【事後学習】考究・討議した内容を確認・再考する (時間2時間) |
8 |
同上第15章「哲学は何を約束するか」~第17 章「論理はどうしても必要だということについて」の考究
【事前学習】上記個所を予読し、論点を整理しておく (時間2時間) 【事後学習】考究・討議した内容を確認・再考する (時間2時間) |
9 |
同上第18章「間違った者を怒るべきでないこと」~第20章「理性はいかにして自分自身を考察するかについて」の考究
【事前学習】上記個所を予読し、論点を整理しておく (時間2時間) 【事後学習】考究・討議した内容を確認・再考する (時間2時間) |
10 |
同上第21章「驚嘆されたがっている人たちへ」~第24章「困難に対してどのように戦うべきか」の考究
【事前学習】上記個所を予読し、論点を整理しておく (時間2時間) 【事後学習】考究・討議した内容を確認・再考する (時間2時間) |
11 |
同上第25章「同じ問題について」~第27章「心像の種類と、それらに準備すべき救助手段」の考究
【事前学習】上記個所を予読し、論点を整理しておく (時間2時間) 【事後学習】考究・討議した内容を確認・再考する (時間2時間) |
12 |
同上第28章「人びとに対して起こるべきでないということ、及び世間では何が小事で何が大事であるかということ」の考究、レポート課題の提示
【事前学習】上記個所を予読し、論点を整理しておく (時間2時間) 【事後学習】考究・討議した内容を確認・再考する (時間2時間) |
13 |
同上第29章「剛毅について」の考究、レポート作成に対するアドヴァイス
【事前学習】上記個所を予読し、論点を整理しておく (時間2時間) 【事後学習】考究・討議した内容を確認・再考する、レポートを作成する (時間4時間) |
14 |
第30章「困難に備うるに何をもってするか」の考究、レポートの提出
【事前学習】上記個所を予読し、論点を整理しておく (時間2時間) 【事後学習】考究・討議した内容を確認・再考する (時間2時間) |
15 |
レポートの講評とテキスト考究の総括
【事前学習】テキスト全体を再度通読しておく (時間2時間) 【事後学習】レポートの講評を確認・反省し、残された課題を見出す (時間2時間) |
その他 | |
---|---|
教科書 | エピクテートス(アリアーノス)、鹿野治助訳 『エピクテートス 人生談義(上) (岩波文庫)』 岩波書店 1958年 第1版 なし |
参考書 | なし |
成績評価の方法及び基準 | レポート(50%)、授業参画度(50%) レポートによる成績評価は、第15回目に提出の最終レポートによって行います。また、授業参画度による成績評価は、各回の課題に対する回答の集計によります。 |
オフィスアワー | 質問などの要件は、適宜Blackboardを利用してください。ただし、応答・返答に時間がかかる場合があることを心得ておいてください。 |