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微分積分学1(含演習)

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令和2年度入学者 微分積分学1(含演習)
令和元年度以前入学者 微分積分学1(含演習)
教員名 山浦義彦
単位数    3 学年    1 開講区分 文理学部
科目群 数学科
学期 前期 履修区分 必修
授業の形態 収録されたビデオの配信および課題研究(Blackboardを通じた学習資料配信)

Blackboard のコース ID :
20203055 : 2020微分積分学1(含演習)(山浦義彦・前・金1)
授業概要 高等学校の主に「数学III」で学んできた微分積分学の内容を, これから4年間を通じて学ぶ専門数学を理解するために必要な形で導入し, より深い理解を目指す.高等学校の授業のように具体的な計算問題も取り入れるが, 最終的に目指したい抽象的な概念の導入に重点を置いて説明する. 具体的には, 数列の極限, 関数の極限を出発点とする. 高等学校では厄介者扱いされていた「振動」という現象についても深く考察する. 次に, 関数の連続性, 微分可能性について,中学校で学ぶ一次関数や二次関数などの易しい例から出発し,抽象的に与えられた関数についての定義の説明を行う. 連続とは単に「グラフがつながっている」という直観だけでは足りない. また微分可能性も単に「グラフが滑らかな曲線である」という直観だけでは不十分である. 様々な, ある意味で病的な例を学ぶことによりその概念の適用範囲の広さを知ることが深い理解につながる. さらに, 微分可能性に関連する, 接線の考え方や平均値定理, 合成関数微分法, 逆関数微分法などの重要な考え方についても深く考察し理解を目指す.
授業のねらい・到達目標 【授業のねらい】
高等学校の数IIIの微分積分の大きな目標は, 練習問題を解くことである. 一方, 本講義では練習問題を解くだけでなく, 数学の基本原理の理解に焦点を当てて解説を行う. 特に, 極限の扱いについて新しい観点を導入する. それらを理解することにより, 極限の原理を数IIIより深く理解することをねらいとする.
【到達目標】
極限が存在するとはどういう現象か, しないとはどういうことなのかを正しく身に着けることを目標とする. 極限の考え方は解析学を学ぶ上での「言葉」と言える基本的な項目であるため, この到達目標は今後数学を学ぶ上での重要な基礎になる.
・関数列の各点収束と一様収束を判定しそれを証明することができる.
・関数の連続性と微分可能性を判定しそれを証明することができる.
・様々な関数のテイラー展開を求めることができる.
・平均値定理を使って具体的な微分に係る演習問題を解くことができる.
・定数係数線型2階常微分方程式が解くことができる.
・関数の増減や凹凸を考慮して, 端点微分までこめて正確なグラフが描ける.
この科目は文理学部(学士(理学))のディプロマポリシー DP3,DP4,DP6,DP8 及びカリキュラムポリシー CP3,CP4,CP6,CP8 に対応しています。
・論理的思考力を身につけるための第一歩として数理科学の書物を読みこなし理解することができる(A-3-1).
・日常生活における現象に潜む数理科学的問題を発見することができる(A-4-1).
・周りの人々と相互に意思を伝達することができる(A-6-1).
・自分の学修経験の振り返りを継続的に行うことができる(A-8-1).
授業の方法 90分程度, 講義形式で黒板を使って講義内容の解説を行う. その後, 講義内容に
関連する演習問題を提示し, まずは各自取り組んでもらう. そして一定時間ののちに
問題解説を行う. この時点で理解できた学生は他の問題に取り組んでもらい,
理解できなかった学生には個別に質問に応じる時間を設ける. 授業の最後に,
練習問題を解いた授業内レポートを提出してもらう. そこには, 解いていて感じた
数学的な疑問などを書いてもらい, 次の回の講義でそれに対するフィードバックを行う.
履修条件 特になし.
授業計画
1 高等学校で学んだ「数列」の拡張として「関数列」の概念を学び, 関数列に対して
各点収束と一様収束という2通りの収束の概念があることを学ぶ(A-3).
【事前学習】高等学校で学んだ数列の極限の復習をしておくこと. (2時間)
【事後学習】関数列に対しては2種類の収束性を定義できることを理解し, 具体的問題に応用できる力をつけること. (3時間)
2 関数とは数式で表記できる式というより一般に実数値に
実数値を対応付ける対応であることを学ぶ(A-3).
【事前学習】関数列の収束性の定義を復習しておくこと. (2時間)
【事後学習】対応と関数の対応規則を理解すること. (3時間)
3 周期の異なる正弦関数, 余弦関数を無限個加えられることによって
定義される3角級数を導入し, その性質を学ぶ(A-3).
【事前学習】高等学校で学んだ無限級数について復習しておくこと. (2時間)
【事後学習】3角級数とは何か, を理解すること. (3時間)
4 第1回中間試験(授業内試験)とその解説
【事前学習】 1回から3回までの講義内容をよく復習すること (A-8). (6時間)
【事後学習】 詳細解答解説を配布するので, 正答できた問題もできなかった 問題もすべて解き直すこと. また, 友人と積極的に試験範囲の数学の原理について議論すること (A-6, A-8). (2時間)
5 関数の連続性と微分可能性を理解する. 特に, 高等学校では学ばなかった区間端点での
連続性と微分可能性についての正確な定義を学ぶ(A-3).
【事前学習】高等学校の教科書で微分可能性と連続性の定義を確認しておくこと. (2時間)
【事後学習】抽象的に与えられた関数について微分可能性と連続性の定義を正しく理解すること. (3時間)
6 高等学校で学んだ関数のグラフの接線が「近似」を意味することを
理解し, より精密な近似として, テイラー展開の概念を学ぶ(A-4).
【事前学習】高等学校で学んだ接線の方程式を復習しておくこと. (2時間)
【事後学習】テイラー展開と複素指数関数を復習すること. (3時間)
7 高等学校では学ばなかった「連続微分可能性」の概念とその利用方法について学ぶ(A-4).
【事前学習】連続性と微分可能の定義を復習しておくこと. (2時間)
【事後学習】連続微分可能性の定義を理解すること. (3時間)
8 有界閉区間で定義された連続微分可能な関数が実数全体に拡張できることを学ぶ(A-4).
【事前学習】連続微分可能性を復習しておくこと. (2時間)
【事後学習】関数の定義域拡張について理解し, 具体的問題に応用できる力をつけること. (3時間)
9 第2回中間試験(授業内試験)とその解説
【事前学習】5回から8回までの講義内容をよく復習すること. (6時間)
【事後学習】 詳細解答解説を配布するので, 正答できた問題もできなかった問題もすべて解き直すこと(A-8). また, 友人と積極的に試験範囲の数学の原理について議論すること(A-6, A-8). (2時間)
10 平均値定理の意味とその証明を学ぶ.
【事前学習】高等学校で学んだ平均値定理を復習しておくこと. (2時間)
【事後学習】平均値定理の証明を, 特別な場合であるロルの定理の証明を 込めて理解すること. (3時間)
11 「微分方程式」について学ぶ.
特に, 1階線型常微分方程式と特別な場合の2階線型常微分方程式の解法を学ぶ(A-1).
【事前学習】高等学校までで学んだ「方程式」とは何だったか復習しておくこと. (2時間)
【事後学習】微分方程式とはなにか理解し, 解法に従って解を求められるようにすること. (3時間)
12 高等学校までで学んできた1変数関数に対して, その変数を2つに増やした「2変数関数」を
導入する意義を学び, 偏微分の概念を学習する(A-3).
【事前学習】高等学校で定数つきの関数の微分をどのように計算していたか復習しておくこと. (2時間)
【事後学習】偏微分の概念を理解し, 具体的関数に対して偏導関数を求められるようにすること. (3時間)
13 導関数がつねに0であるような関数は定数関数以外には存在しないことを
理解し, その応用として原始関数の構造を理解する (A-4,A-8).
【事前学習】高等学校で学んだ平均値定理を使った練習問題(指定する)を解いておくこと. (3時間)
【事後学習】原始関数は定数を除くとただ一つであることを理解すること. 高等学校で学んだ範囲の積分計算を復習すること(A-8). (2時間)
14 高等学校では自明であった微分による関数の増減が, 平均値定理の応用で
あることを理解し, 証明ができるようにする(A-4,A-8).
関数の増減と凹凸を調べることによりグラフを精密に描けるようにする(A-5).
【事前学習】高等学校で学んだ関数のグラフ(指定する)を描く練習をしておくこと. (3時間)
【事後学習】関数の増減が導関数の符号によって決まることを, その証明までこめて理解すること. 高等学校では意識したことのない「端点での関数の挙動」にも注意してグラフを描けるようにする(A-5). (2時間)
15 期末試験(授業内試験)とその解説
【事前学習】1回から14回までの講義内容をよく復習すること(A-8). (6時間)
【事後学習】 詳細解答解説を配布するので, 正答できた問題もできなかった問題もすべて解き直すこと. また, 友人と積極的に試験範囲の数学の原理について議論すること (A-6,A-8). (2時間)
その他
教科書 山浦義彦 『微分積分学講義ノート 』 簡易製本 2019年 第1版
山浦義彦 『微分積分学演習書』 簡易製本 2019年 第1版
山浦義彦 『微分積分学 過去三年間授業内試験問題集』 簡易製本 2019年 第1版
山浦義彦 『微分積分学 計算演習解説書』 簡易製本 2019年 第1版
以上の教科書はすべて簡易製本による冊子です. 学内書店にて実費販売します.
後期科目である「微分積分学2」の内容も収録されており, 年度を通じてすべて講義で使いますので必ずご購入ください.
なお, 厚くなりすぎることを避けるため, 演習書は適宜分冊にする可能性があります.
書店での指示に従い, セットですべてを購入してください.
参考書 水本久夫 『微分積分学の基礎 (培風館)』 培風館 第1版
試験問題は講義の内容から6割程度, そして残りを指定問題集から出題します.
成績評価の方法及び基準 レポート:復習成果レポート(10%)、授業内テスト:授業内中間試験2回, 授業内期末試験1回(80%)、授業参画度:演習レポート(10%)
授業内レポートは講義終了後に提出をしていただきます.
出席も込めた講義への積極性を点数化する(10%).
事後復習成果レポートは次の回の講義の前に提出をしていただきます. 講義の理解のための日常の努力を点数化する(10%).
復習成果レポートおよび演習レポートは内容を確認した上で, 基本的に次の講義時間に返却します. 質問に対してはコメントをつけ, 多かった質問に対してはプリントを作成して全員に対して注意を促したり補足説明をします.
授業内テストは中間試験(2回), 期末試験(1回)を行い, それらの合計点で成績を評価する.

A-3, A-4 の達成度は中間試験, 期末試験の解答状況にて判断し, A-5 の達成度についてはレポート提出状況にて判定する.
また, A-6 の達成度については講義中の演習とその机間指導にて判断し, ノート点検を通して A-8 の達成度を確認する.
オフィスアワー 事前に連絡をしてもらえれば, 常時受け付けるが, 原則として金曜日午後が望ましい.
備考 「事前学習・事後学修」に関する学習時間は目安です.

授業の方法については, 現状の推移を見て状況に応じて対面授業に切り替えるなど
臨機応変に対応します. また, 試験は今のところ実施は困難であると予想されますが,
状況に応じて実施する可能性がありますので, 試験はあるものと考えて勉強を進めておいてください.


【重要】ブラックボード登録は必ず行ってください. なお, 登録は1,2限のどちらにも登録可能ですが,
本講義では「1限講義」を使用しますので, 学生は「1限講義」に対して登録をしてください.

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