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社会学特殊研究Ⅱ

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令和元年度以前入学者 社会学特殊研究Ⅱ
教員名 楠本修
単位数    2 学年    4 開講区分 文理学部
(他学部生相互履修可)
科目群 社会学科
学期 前期 履修区分 選択必修
授業の形態 授業の性質から双方向型の遠隔授業とします。8月に入り対面型授業が可能になれば、対面型授業を実施したいと考えています。使用するソフトウエアはBlackboard Collaborate Ultraが文理学部から提供される予定ですが, 受講者数によってはSkype, Google ハングアウトなどのソフトウエアを利用する可能性もあります。したがって、受講希望者は必ず事前に名前、連絡先メールアドレスを[k.xum@apda.jp]まで送ってください。
双方向型ということもあり、PCと高速インターネット回線があることが望ましいと思います。講師より授業開始前にどのように実施するか連絡します。
授業概要 グローバリゼーションの中で、異文化の理解が不可欠となっている。またSDGsが国際的な開発目標として広く認められ、企業活動もESG投資などを意識しなければならなくなっている。このような変化についての理解は社会人としての基礎的な条件ともなりつつある。しかしながらこの変化は十分に検討されているわけではなく、日本社会全体でその対応に戸惑っているともいえる。このような状態を理解するためには、社会学と政策の関係を考えるとともに、それを踏まえて社会学の政策的適用を考えることが重要になる。講義ではウエーバーの『職業としての政治』を読みながら整理し、社会学的な知見を政策展開する際の課題について検討する。さらに社会学の理論を活用し、講師の経験を踏まえ国際的な政策への適用を考える。
授業のねらい・到達目標 <知識・技能>
グローバル化する現代社会を適切に分析するためには社会学的知見が不可欠である。国際社会が直面する問題について,文化相対主義や価値の多元性という社会学的視点を基盤にして,経済理論なども考慮に入れ説明することができる。

<能力>
上記の<知識><技能>の習得を経て,以下の<能力>を育むことが目標である。
・日常生活から国際社会に至る現代社会の多層性と多様性を理解し,グローバル化する現代社会が抱える矛盾について,社会学における専門領域の観点から解決策をら提案することができる。(A-2-4: 世界の現状を理解し,説明する力)
・どのような研究課題や社会問題に対しても,その解決のために必要な情報や知識,資源を集め,分析を通じて解決策を提示することができる。(A-5-4: 挑戦力)

この科目は文理学部(学士(社会学))のディプロマポリシーDP2,5およびカリキュラムポリシーCP2,5に対応しています。
授業の方法 予定された日時の遠隔授業、グループワーク、プレゼンテーションを組み合わせて実施する。
本授業の事前、事後学習は、各2時間の学習を目安とします。
授業時間以外の質問などはメールで受け付けます。
授業計画
1 社会学と政策について
事前学習に基づき、社会学の考える「価値自由」の問題と科学、政策の関係を概観する。教科書等の説明。
【事前学習】国際時事分野で、疑問に思っている事柄を書き出しておく。 (2時間)
【事後学習】授業を踏まえ、自らの疑問の解決方法を考える。 (2時間)
2 社会学の政策への応用1①(A-2-4)
5回に分けてマックス・ウエーバーの『職業としての政治』をよみ、価値自由の問題と政策への貢献の問題を概観する。第1回は事前学習の範囲を中心に解説を行う。
【事前学習】『職業としての政治』のp7~p32までを読んでおく。 (2時間)
【事後学習】授業を踏まえ、要点と解釈を纏める (2時間)
3 社会学の政策への応用1②(A-2-4)
5回に分けてマックス・ウエーバーの『職業としての政治』を輪読し、価値自由の問題と政策への貢献の問題を概観する。第2回では、事前学習の範囲を中心に解説を行う。
【事前学習】【事前学習】『職業としての政治』のp32~p47までを読んでおく。 (2時間)
【事後学習】業を踏まえ、要点と解釈を纏める (2時間)
4 社会学の政策への応用1③(A-2-4)
5回に分けてマックス・ウエーバーの『職業としての政治』をよみ、価値自由の問題と政策への貢献の問題を概観する。第3回では、事前学習の範囲を中心に解説を行う。
【事前学習】『職業としての政治』のp47~p73までを読んでおく。 (2時間)
【事後学習】授業を踏まえ、要点と解釈を纏める (2時間)
5 社会学の政策への応用1④(A-2-4)
5回に分けてマックス・ウエーバーの『職業としての政治』を輪読し、価値自由の問題と政策への貢献の問題を概観する。第4回では、事前学習の範囲を中心に解説を行う
【事前学習】『職業としての政治』のp73~p.106までを読んでおく。 (2時間)
【事後学習】授業を踏まえ、要点と解釈を纏める (2時間)
6 社会学の政策への応用1⑤(A-2-4)
5回に分けてマックス・ウエーバーの『職業としての政治』を輪読し、価値自由の問題と政策への貢献の問題を概観する。第5回 総括では、これまでの授業を踏まえ、まとめた内容を発表し講評を行う。
【事前学習】『職業としての政治』で疑問に思ったことを纏めておく (2時間)
【事後学習】授業を踏まえ、『職業としての政治』の要点と解釈を纏める (2時間)
7 社会学の政策への応用2①(A-2-4)
講師は1994年の国際人口開発委会議(ICPD)に先駆けて開催された国際人口開発議員会議において議長補佐を務め、宣言文の起草を担当した。これはICPDの前文と原則に色濃く反映され、その基調を形成し、2015年に国連加盟国192カ国の合意で採択されたSDGsの基盤となった。その経験をもとに、5回に分けて社会学的貢献の在り方を考える。第1回ではSDGsについて検討する。
【事前学習】持続可能な開発目標(SDGs)について調べる (2時間)
【事後学習】社会学の適用可能な分野を検討する。 (2時間)
8 社会学の政策への応用2②(A-2-4)
国連加盟国192カ国の合意で採択されたSDGsを材料に、5回に分けて社会学的貢献の在り方を考える。第2回では、SDGsの中で社会学的課題について協議する。
【事前学習】SDGs達成に向け社会学の適用可能な分野と課題について考える。 (2時間)
【事後学習】社会学を適用する際の課題について検討する。 (2時間)
9 社会学の政策への応用2③(A-2-4)
国連加盟国192カ国の合意で採択されたSDGsを材料に、5回に分けて社会学的貢献の在り方を考える。第3回ではどのような社会学的課題があるかを検討する。
【事前学習】社会的価値観と環境的制約について調べる。 (2時間)
【事後学習】価値観の称揚と価値観の検討の違いについて考える。 (2時間)
10 社会学の政策への応用2④(A-2-4)
国連加盟国192カ国の合意で採択されたSDGsを材料に、5回に分けて社会学的貢献の在り方を考える。第4回では運動と科学の関係、政策の関係を考える
【事前学習】社会運動と科学の関係について考える。 (2時間)
【事後学習】多元的な価値観と人権について考える。 (2時間)
11 社会学の政策への応用2⑤(A-2-4)
国連加盟国192カ国の合意で採択されたSDGsを材料に、5回に分けて社会学的貢献の在り方を考える。第5回では企業活動など現実との関係でSDGsについて協議する。
【事前学習】人権とESG投資の関係について調べる。 (2時間)
【事後学習】投資と人権を両立させることについて調べる。 (2時間)
12 社会学の政策への応用3①(A-2-4)
国際的な価値観と言える「人権」がどのような条件で成り立つのかを考えることで、価値観と価値観を扱う社会科学としての社会学について3回に分けて考える。第2回では現在の経済理論を概説し人権との関係を検討する。
【事前学習】国際援助のライツベーストアプローチについて調べる (2時間)
【事後学習】ライツベーストアプローチの妥当性について考える (2時間)
13 社会学の政策への応用3②(A-2-4)
国際的な価値観と言える「人権」がどのような条件で成り立つのかを考えることで、価値観と価値観を扱う社会科学としての社会学について3回に分けて考える。第2回では現在の経済理論を概説し人権との関係を検討する
【事前学習】国際援助のライツベーストアプローチについて調べる (2時間)
【事後学習】ライツベーストアプローチの妥当性について考える。 (2時間)
14 社会学の政策への応用3③<討議>(A-2-4、A-5-4)
<討議>では、ライツベーストアプローチについてどのように考えるか、それぞれの立場に立ち討議を行う。
【事前学習】】ライツベーストアプローチに対し、それぞれ賛否の立場を明らかにし、自らの主張を準備する (2時間)
【事後学習】クラスでの討議を踏まえ、自らの考えを纏める。 (2時間)
15 社会学の政策への応用 <総括>(A-2-4、A-5-4)
レポートを授業で発表し、その中で提出された疑問に対し、自由に質疑応答を行い、講評を行う。
【事前学習】国際開発分野における社会学の役割を自分なりに総括したレポートを準備する (2時間)
【事後学習】これまでの学習内容の確認 (2時間)
その他
教科書 マックス・ウエーバー 『『職業としての政治』 (岩波文庫)』 岩波書店 1980年
・マックス・ウエーバー著、脇圭平訳『職業としての政治』に関しては授業の前までに購入しておくこと。

・楠本修、「国際人口開発会議(ICPD)から25年-未解決の問題としての「中絶」―「人権」と「宗教」との対立の構造と解決に向けた試論」,『社会学論叢196号』,2019年12月(配布予定)
・国連SDGs外務省ホームページhttps://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/sdgs/pdf/000270935.pdf(ダウンロードしておくこと)
・JICA-RBAガイダンス, https://www.jica.go.jp/partner/ngo_meeting/conference/h25_01/ku57pq00001fsmaz-att/shiryo_07.pdf(ダウンロードしておくこと)
参考書 使用しない
成績評価の方法及び基準 レポート:授業の成果をレポートにまとめる(60%)、授業参画度:授業での発表・メールによる質問を重視する(40%)
以上を踏まえ、A-2-4(世界の現状を理解し,説明する力)ならびにA-5-4(挑戦力)の修得状況を評価する。
オフィスアワー メールでの質問に加え、質問など直接聞きたい場合には講師に時間調整を申し出ること。
備考 初回講義開始までに、当該授業のBlackBoardのコース登録を行うこと。

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