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東京と東京人の社会学

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令和元年度以前入学者 東京と東京人の社会学
教員名 後藤範章
単位数    2 学年 3・4 開講区分 文理学部
(他学部生相互履修可)
科目群 社会学科
学期 後期 履修区分 選択
授業の形態 15回の全てが課題研究型の授業となります。毎週、学修課題と教材を提示し、受講生が学び考察を加えてレポートを提出し、採点・評価と全体講評及び最優秀レポートの紹介を行うので、それを踏まえて受講生と教員間及び受講生間で意見交換を重ねます。学修課題と教材の提示、レポートの提出、意見交換と受講生へのフィードバックの全てを、Blackboard上で行います。履修希望者は、クラウド版のBbにログインして、コースID:20202050「2020東京と東京人の社会学(後藤範章・後・金4)」の「コース登録」を早めに行って下さい。
※ 第1回(9/25)の授業に関する資料は、9/23(水)午後2時10分から閲覧可能となるように設定してあります。
授業概要 授業のテーマは、「集合的写真観察法に基づく『東京』と『東京人』の社会学的研究」です。「東京」と「東京人」に関わる合計30のテーマを掲げ、毎回1~3つのテーマを取り上げ、掘り下げます。
授業のねらい・到達目標 日大社会学科後藤研究室が1994年度より取り組んでいる“写真で語る:「東京」の社会学”プロジェクトの成果(「集合的写真観察法」と称する独自のビジュアル・メソッドに基づく)を主たる素材として、「東京」と「東京人」の諸相を描き出し、社会学的に読み解くことが、この授業のねらいであり、到達目標です。同時に、毎回、課題に取り組み、レポートを作成することを通して、文章表現力を磨くことにも力を注ぎます。結構ハードな授業になりますが、確実に力が付くように一緒に頑張っていきましょう。

本授業では、「自ら考える力」(A-4-3問題発見・解決力)を育むことを目標とし、とりわけ「脱常識」の観点から社会を考察し、現代社会を論理的・批判的に捉える社会学的な枠組みや方法を身につけていきます。
この科目は、文理学部(学士(社会学))のディプロマポリシーDP3及びカリキュラムポリシーCP3に対応しています。
授業の方法 授業では、テーマに関する教材(資料)をBbで提示し、受講生自らが調べ、分析と考察を加えることで理解と思考を深めていきます。また、Bbの掲示板(フォーラム)で質問を受けたり意見交換を行ったりすることを通して、学生-教員間及び学生間の双方向・多方向のやり取り(意見表明・交換)も重ねていきます。
履修条件 特にありません。なお、「都市と地域の社会学」(基本科目)で学んだ内容が本講(応用科目)での理論的・方法論的な土台となるので、「都市と地域の社会学」→「東京と東京人の社会学」という流れで履修することが望ましいでしょう。また、後藤が担当する「芸術社会学」(金5限:課題研究ではなく同時双方向型の授業)とも相互に関連性を有するので、シラバスを参照して興味関心を抱いた人はこれらの科目もぜひどうぞ。
授業計画
1 ガイダンス:集合的写真観察法(社会学と写真との対話、あるいは、写真でまちや人々を社会学的に見るということ)、授業の構成と進め方、課題レポート、成績評価の仕方などについての詳しい説明  (第1回~15回:A-3-2)
【事前学習】掲げられているテーマに関して幅広く情報収集して検討を加え、自分なりに考えをまとめておくこと (2時間)
【事後学習】授業を振り返り、理解が及んでいないことを補うこと (2時間)
2 1)駅と鉄道が生み出す「東京」現象 ―鉄道交通依存都市「東京」―
2)地上+天上+地下+湾岸/水辺=歪んだTOKIO ―街の拡張・重層化の合理性と正当性―
【事前学習】掲げられているテーマに関して幅広く情報収集して検討を加え、自分なりに考えをまとめておくこと (2時間)
【事後学習】授業を振り返り、理解が及んでいないことを補うこと (2時間)
3 3)広がる「東京」と「東京」現象 ―「東京」と非「東京」を分かつポイントは?―
4)グローバリティとリージョナリティとローカリティ、あるいはセントラリティについて ―せめぎ合いと紡ぎ合い―
【事前学習】掲げられているテーマに関して幅広く情報収集して検討を加え、自分なりに考えをまとめておくこと (2時間)
【事後学習】授業を振り返り、理解が及んでいないことを補うこと (2時間)
4 5)エスニシティ表象とエスニック・タウン ―多文化共生?―
6)真正性と唯一性 ―本物であることと一つしかないことの価値と揺らぎ―
【事前学習】掲げられているテーマに関して幅広く情報収集して検討を加え、自分なりに考えをまとめておくこと (2時間)
【事後学習】授業を振り返り、理解が及んでいないことを補うこと (2時間)
5 7)伝統性と現代性 ―伝統の溶解か融解か?―
8)消費とコマーシャル/イベント空間 ―人寄せ/誘導のマジック―
【事前学習】掲げられているテーマに関して幅広く情報収集して検討を加え、自分なりに考えをまとめておくこと (2時間)
【事後学習】授業を振り返り、理解が及んでいないことを補うこと (2時間)
6 9)シンボルとランドマーク ―有名/無名建造物の隠喩―
10)広告と宣伝とメディアへの売り込みと販売促進 ―飽くなき市場化への戦略―
【事前学習】掲げられているテーマに関して幅広く情報収集して検討を加え、自分なりに考えをまとめておくこと (2時間)
【事後学習】授業を振り返り、理解が及んでいないことを補うこと (2時間)
7 11)仕掛ける ―人をその気にさせる/動かす/惑わす/騙す社会装置―
12)繋ぐ/繋がる ―テレコミュニケーションとインターネット―
【事前学習】掲げられているテーマに関して幅広く情報収集して検討を加え、自分なりに考えをまとめておくこと (2時間)
【事後学習】授業を振り返り、理解が及んでいないことを補うこと (2時間)
8 13)抗う ―異議申し立てと協働のエンパワーメント―
14)カタルシス ―欲望と解放感が渦巻く空間―
【事前学習】掲げられているテーマに関して幅広く情報収集して検討を加え、自分なりに考えをまとめておくこと (2時間)
【事後学習】授業を振り返り、理解が及んでいないことを補うこと (2時間)
9 15)広告・宣伝の社会心理的効果 ―印象操作と他律/受動性の自律/能動化装置―
16)舞台としての「東京」(マイ・ライフ、マイ・ワールド) ―身体性とパフォーマティビティ―
【事前学習】掲げられているテーマに関して幅広く情報収集して検討を加え、自分なりに考えをまとめておくこと (2時間)
【事後学習】授業を振り返り、理解が及んでいないことを補うこと (2時間)
10 17)「見ること」と「見られること」と「魅せること」 ―まなざしの相互作用―
18)異世界/異国/異空間/異分野/異業種/異人との対話とシンクロナイズ ―同類結合と異種混交結合の交響圏―
【事前学習】掲げられているテーマに関して幅広く情報収集して検討を加え、自分なりに考えをまとめておくこと (2時間)
【事後学習】授業を振り返り、理解が及んでいないことを補うこと (2時間)
11 19)出会いと共感・共鳴・共振 ―自分探しの旅―
20)「東京人」らしい都会的生活様式 ―「東京」の社会環境と作法―
21)管理と監視と誘導と ―見えにくい「権力」作用―
【事前学習】掲げられているテーマに関して幅広く情報収集して検討を加え、自分なりに考えをまとめておくこと (2時間)
【事後学習】授業を振り返り、理解が及んでいないことを補うこと (2時間)
12 22)公共性と私性の折り合い/せめぎ合い ―空間の専有と共有/分有をめぐって― 
23)気づきと仲立ちの社会装置 ―「東京」の内部に潜む力能―
24)聖と性と生 ―聖/性地巡礼―
【事前学習】掲げられているテーマに関して幅広く情報収集して検討を加え、自分なりに考えをまとめておくこと (2時間)
【事後学習】授業を振り返り、理解が及んでいないことを補うこと (2時間)
13 25)サブカルチャーの共同性と地域性 ―同類結合と場所性―
26)集合的な記憶や表象 ―痕跡と形象―
27)奇妙奇天烈・摩訶不思議・奇想天外な社会風景 ―ポジとネガ―
【事前学習】掲げられているテーマに関して幅広く情報収集して検討を加え、自分なりに考えをまとめておくこと (2時間)
【事後学習】授業を振り返り、理解が及んでいないことを補うこと (2時間)
14 28)変わらぬ光景とノスタルジー ―昭和のかおり―
29)(相互)依存か自助か ―困った時の駆け込み寺―
30)Aからbへの「転換」 ―再定義と新展開―
【事前学習】掲げられているテーマに関して幅広く情報収集して検討を加え、自分なりに考えをまとめておくこと (2時間)
【事後学習】授業を振り返り、理解が及んでいないことを補うこと (2時間)
15 前半:授業内試験と課題レポートの回収、後半:試験・レポートの解説と授業の総まとめ
【事前学習】掲げられているテーマに関して幅広く情報収集して検討を加え、自分なりに考えをまとめておくこと (2時間)
【事後学習】授業を振り返り、理解が及んでいないことを補うこと (2時間)
その他
教科書 使用しない
参考書 キャロライン・ノウルズほか(後藤範章完訳) 『ビジュアル調査法と社会学的想像力-社会風景をありありと描写する-』 ミネルヴァ書房 2012年 第1版
日本社会学会 『社会学評論第237号 (特集:「見る」ことと「聞く」ことと「調べる」こと-社会学理論と方法の視聴覚的編成-)』 有斐閣 2009年
倉石忠彦ほか編 『現代都市伝承論』 岩田書院 2005年
成績評価の方法及び基準 レポート(85%)、授業参画度(15%)
試験は実施しません。課題に対するレポートの評価点(13回課題を課し1回につき7点満点、13回の最高点は91点)に、Bbの掲示板フォーラムでの質問や意見のやり取り(最高15点)を加えて評価します。レポート点と発言点の合計は106点になりますが、得点が100~106点になる人は100点、100点未満の人はその点数を最終的な各人の成績(素点)とします。毎回、レポートに対する点数を各人に伝えると共に、最優秀レポートを紹介します。なお、これらの得点(100点満点の素点)に加算する「特別加算レポート」を課すことがあります。
以上を踏まえ、A-4-3(問題発見・解決力)の修得状況を評価します。
オフィスアワー 個別の相談に関しては、まずメールをngotoh@chs.nihon-u.ac.jp宛に送って下さい。メールもしくはオンラインでやり取りするようにします。
備考 「東京」のありようや「東京人」の生態に興味・関心(不思議)を抱いている学生、「東京」や「東京人」の社会学的研究を志す学生には、ぜひ受講して欲しいと思います。また、後藤研究室に所属する学部生(演習生・ゼミ生)・大学院生で本授業の未履修者は、研究を行う上での理論的・方法論的な土台を固めるために、早い段階で必ず履修するようにして下さい。

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