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美学特殊講義4

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令和元年度以前入学者 美学特殊講義4
教員名 高橋陽一郎
単位数    2 学年 2~4 開講区分 文理学部
科目群 哲学科
学期 後期 履修区分 選択必修
授業の形態 課題研究型の遠隔授業(15回)
Blackboard ID: 木曜3限→20201258
授業概要 西洋美学が対象とする藝術分野のうち「音楽」をテーマとし、古代・中世・近代の哲学者(美学者)や音楽家が「音楽」についてどのような思想を展開したかを、文字資料や音源をもとに学んでゆく。後学期はバロック期の音楽と思想から学ぶ。
授業のねらい・到達目標 現代人は、現代の音楽(商業音楽)か、または(たとえクラシック音楽でも)せいぜい18世紀以降のものしか聴いていない。しかし音楽の様相は歴史的に非常に多様であり、その多様性は時代ごとの思想と密接に関係している。この授業では、音楽の多様な様相を歴史的に見聞しながら、①聴講者がいろいろな時代の音楽に親しみをもってもらうこと、②そうした各時代の音楽が単独で存在したわけではなく、つねに同時代の思想とともに存在していたことを理解してもらうこと、③これらを通じて現代の音楽の様相を相対化できるようになること、を目標とする。
・真・善・美・聖の探究から得られた豊かな知識と教養に基づいて,自己の倫理観をもって,人間と社会の倫理的な課題に向き合うことができる(A-1-3)。
・文献や資料の読解・解釈を通じて,あるいは,現代の思想的状況を注意深く考察することによって,哲学的問題を発見し,解決策を考えることができる(A-4-3)。

この科目は文理学部(学士(文学))のディプロマポリシーDP1,DP4及びカリキュラムポリシーCP1,CP4に対応しています。
・真・善・美・聖の探究から得られた豊かな知識と教養に基づいて,自己の倫理観をもって,人間と社会の倫理的な課題に向き合うことができる。(A-1-3)
・文献や資料の読解・解釈を通じて,あるいは,現代の思想的状況を注意深く考察することによって,哲学的問題を発見し,解決策を考えることができる。(A-4-3)
授業の方法 ・Blackboardを通じて毎回「文字資料」とそれを読解するための「ノート(メモ)」をアップロードするので、受講者はそれを閲覧しながらシラバスの内容を学んでゆく。毎回、授業の内容をまとめる簡単な小レポートを提出いただく(これは出席を兼ねるものですが、5点満点ないしは10点満点の点数をつけて返却します)。レポート提出後に、担当者の全体的なコメントをアップロードするので復習されたい。
・受講者はどの回であっても、質問があれば担当者に質問できる。
・時折、音源の聴取を指示する場合がある。
・後期授業の最後に1500字程度のレポートを提出いただく。
・本授業の事前・事後学習は,各2時間の学習を目安とします。
授業計画
1 ガイダンス(授業のテーマ、到達目標、授業方法、評価方法について説明する)(課題研究授業)
【事前学習】シラバスを事前に確認し、授業全体の流れについて把握しておく(A-1) (2時間)
【事後学習】第1回の授業(ガイダンス)の内容から、第2回以降の授業が受講可能か十分に検討する(A-1) (2時間)
2 バロック期以前の音楽と思想について(課題研究授業)
【事前学習】西洋音楽史についての簡単な知識を各自学んでおく(A-1) (2時間)
【事後学習】前学期も履修した受講者は前学期の資料類を復習し、バロック期以前の音楽の様相と思想についてのイメージを再構成しておくこと。後学期に初めて本授業を履修する受講者は第二回授業の内容からバロック期以前の音楽のあらましについてメモを作成する(A-1, A-4) (2時間)
3 バロック音楽の思想―デカルトとマッテゾン再説―(課題研究授業)
【事前学習】哲学史の本でデカルトの思想に親しんでおく(A-1) (2時間)
【事後学習】前学期の資料⑩を元に講義を振り返り、17世紀の情緒説と同時代の音楽との関係について説明できるようにしておく(A-1, A-4) (2時間)
4 「バロック」の精神について(1)―同時代の文化―(課題研究授業)
【事前学習】前学期の資料⑩を元に、マッテゾンの音楽思想について自分で解説できるようにしておく(A-1, A-4) (2時間)
【事後学習】資料①を元に講義を振り返り、旋律と歌詞との関係について、コラールと対旋律との関係について改めて理解し、自分でも説明できるようにしておくこと(A-1, A-4) (2時間)
5 「バロック」の精神について(2)―ライプニッツの哲学―(課題研究授業)
【事前学習】哲学史の本で、ライプニッツの思想の概略を学んでおく(A-1) (2時間)
【事後学習】資料②を元に講義を振り返り、バッハの音楽に見られる数的表現や音符による視覚的描写へのこだわりについて確認しておく(A-1, A-4) (2時間)
6 古典派の音楽と器楽優位の美学(1)―脱バロック―(課題研究授業)
【事前学習】美術史におけるロココ時代の特徴を自学しておく(A-1) (2時間)
【事後学習】資料③を元に講義を振り返り、「脱バロック」の精神について各自400字適度の説明をできるようにしておく(A-1, A-4) (2時間)
7 古典派の音楽と器楽優位の美学(2)―前古典派のソナタ形式を中心に―(課題研究授業)
【事前学習】資料⑥を元に、バロック音楽と多感様式の音楽との違いを説明できるようにしておく(A-1, A-4) (2時間)
【事後学習】資料③を元に講義を振り返り、クヴァンツやD. スカルラッティの美学を(調性観を含め)説明できるようにしておく(A-1, A-4) (2時間)
8 古典派の音楽と器楽優位の美学(3)―古典派の音楽とロマン派の音楽美学―(課題研究授業)
【事前学習】西洋音楽史をひもとき、ハイドン以降の古典派について予備知識を得ておく(A-1, A-4) (2時間)
【事後学習】資料④を元に講義を振り返り、ヴァッケンローダー以降の音楽美学を各自まとめておく(A-1, A-4) (2時間)
9 古典派の音楽と器楽優位の美学(4)―交響曲の思想(1)―(課題研究授業)
【事前学習】資料④を元に、前古典派と古典派のソナタ形式の違いについてメモしておく(A-4) (2時間)
【事後学習】資料⑤を元に講義を振り返り、ホフマン、ショーペンハウアーらの音楽思想と市民社会時代の作曲家像について600字程度でまとめられるようにしておく(A-1, A-4) (2時間)
10 古典派の音楽と器楽優位の美学(5)―交響曲の思想(2):ドラマと主題労作―(課題研究授業)
【事前学習】西洋音楽史をひもとき、ベートーヴェンについて調べておく(A-1) (2時間)
【事後学習】資料⑥を元に講義を振り返り、ベートーヴェンの交響曲のドラマ性や、それを指摘したホフマンやショーペンハウアーの思想についてまとめておく(A-1, A-4) (2時間)
11 古典派の音楽と器楽優位の美学(6)―「絶対音楽」概念の混乱―(課題研究授業)
【事前学習】哲学史の本で、ドイツ観念論について調べておくこと(A-1) (2時間)
【事後学習】資料⑦を元に講義を振り返り、ワーグナー以前と以後のいわゆる絶対音楽についてまとめておく(A-1, A-4) (2時間)
12 古典派の音楽と器楽優位の美学(7)―ハンスリックとヘルバルトの音楽美学―(課題研究授業)
【事前学習】西洋音楽史をひもとき、ワーグナーについて調べておく(A-1) (2時間)
【事後学習】資料⑧を元に講義を振り返り、なぜ「感情美学」は否定されるのかについて、600字程度でまとめておく(A-1, A-4) (2時間)
13 絶対音楽と標題音楽―リストとワーグナー―(課題研究授業)
【事前学習】哲学史の本で、ショーペンハウアーとワーグナーとの関係について調べておく(A-1) (2時間)
【事後学習】資料⑨を元に講義を振り返り、絶対音楽と標題音楽との近さと遠さについて600字程度でまとめる(A-1, A-4) (2時間)
14 標題音楽を知る(課題研究授業)
【事前学習】後学期のそれまでのプリントを、ロマン的藝術としての音楽のなかの「古典主義」という観点から。見直してみる(A-1, A-4) (2時間)
【事後学習】音楽と思想」という観点からレポート課題へのメモを取り始める(A-4) (3時間)
15 進歩史観と藝術―ドビュッシーとシェーンベルク―(課題研究授業)
【事前学習】ワーグナー以降の音楽の特徴について音楽史で調べる(A-1) (2時間)
【事後学習】近代のなかで音楽はどのように変化したかという観点から、プリントを見直し、レポート作成を進める(A-1, A-4) (3時間)
その他
教科書 なし
参考書 使用しない
成績評価の方法及び基準 レポート:レポートは求めるテーマと内容、提出状況をみて評価します。(50%)、授業参画度:授業参画度は、小レポートや質問等で評価します。(50%)
小レポートと質問によって、音楽の歴史的変遷に対する理解と、現代に対する批判的考察がいかに得られているか(A-1)の到達度を評価する。
レポート(とくにその中に含まれる引用)によって、授業中に配布された資料がいかに適切に読解・解釈されているか(A-4)の到達度を評価する。
オフィスアワー Blackboardにて適宜機会を設けます。

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