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令和元年度以前入学者 | 美学演習1 | ||||
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教員名 | 高橋陽一郎 | ||||
単位数 | 1 | 学年 | 2~4 | 開講区分 | 文理学部 |
科目群 | 哲学科 | ||||
学期 | 前期 | 履修区分 | 選択必修 |
授業の形態 | 課題研究型による遠隔授業 |
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授業概要 | 「民藝」は特別な能力をもつ藝術家(アーティスト)によって生まれるものではなく、無名の工人たちの手仕事によって生まれるとする柳宗悦の美学思想について、西洋美学の基礎知識と比較しながら学ぶ。前期では『民藝とは何か』の第一編第「なぜ民藝に心を惹かれているか」を読解する。 |
授業のねらい・到達目標 | 「美学」は18世紀のドイツで興った学問である。この時代は「藝術は天才の産物である」という思想が強く主張された時代でもあった。したがって、美学を学ぶことはしばしば藝術の特権性を学ぶことでもあった。しかしこの考えと正反対なのが柳の民藝論である。これを学ぶことによって(ヨーロッパにもウィリアム・モリスら先蹤者が存在するものの)、ヨーロッパとは異なるタイプの美学を手にすることになる。この学びが本授業の目的である。 ・自他の主張や論証を論理的・批判的に考察して,既存の見解を問い直すことができる(A-3-3)。 ・人間の生き方や現代社会のあり方を問い直し,自らの思想的課題を設定して,それに挑戦することができる(A-5-2)。 ・自分の意見を他人に対してわかりやすく伝えることができる(A-6-2)。 ・学修活動のみならず,日常生活においても,より良い成果を上げるために,お互いを尊重しながら協働することができる(A-7-2)。 ・他者の評価を謙虚に受け止めながら,自分の学修経験を振り返り,分析していくことができる(A-8-2)。 この科目は文理学部(学士(文学)のDP3,DP5-8及びCP3, CP5-8に対応しています。 ・自他の主張や論証を論理的・批判的に考察して,既存の見解を問い直すことができる。(A-3-3) ・人間の生き方や現代社会のあり方を問い直し,自らの思想的課題を設定して,それに挑戦することができる。(A-5-2) ・自分の意見を他人に対してわかりやすく伝えることができる。(A-6-2) ・学修活動のみならず,日常生活においても,より良い成果を上げるために,お互いを尊重しながら協働することができる。(A-7-2) ・他者の評価を謙虚に受け止めながら,自分の学修経験を振り返り,分析していくことができる。(A-8-2) |
授業の方法 | シラバスに記載してある分量のテキストを毎回読み、受講者は各回ごとに400字から600字程度の小レポートをBlackboardを通じ担当者に返信する(締切は原則として翌週の授業前日まで)。担当者はそれを読んだ上で、全体的なコメントをBlackboard上にアップロードするので、受講者はそれを読んで復習すること。また、いずれの回においても、質問や自分で考えたことなどがあれば、随時、担当者宛に送ること。それに対して担当者は返信するか、もしくは質問者の同意を得た上で参加者に回覧し、更なる議論へと発展させる。 またこのほかに、前期の全授業の最後に課題を出すので、1500字前後の前期総括レポートとして提出していただく。 受講者は復習にも時間を十分にかけ、学修成果を獲得するするよう努められたい。。 なお、授業計画は学修者の能力や関係する講義の進捗状況に応じて、変更されることがある。 |
授業計画 | |
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1 |
ガイダンス:近代美学との対比における「民藝」の美学(課題研究授業)
【事前学習】事典等で「民藝」について調べ、その内容を記述してくる(A-3) (2時間) 【事後学習】担当者の配布するプリントを熟読し、疑問点を明記する(A-3) (2時間) |
2 |
『民藝とは何か』の講読と解釈(1)―「民藝」の意味:モリスとの対比を通じて―(課題研究授業)
【事前学習】W. モリスについて事典等で調べる(A-3) (2時間) 【事後学習】W. モリスの『民衆の藝術』についてメモを作成する(A-3, A-5, A-6) (2時間) |
3 |
『民藝とは何か』の講読と解釈(2)―「民藝」の意味:柳の「民藝」観の独自性―(課題研究授業)
【事前学習】民藝と呼びうる日本国内の制作物について列挙してみる(A-3, A-5) (2時間) 【事後学習】当日のテキストに対する他人の発表について理解し、批判的考察を加えてみる(A-3, A-6, A-7, A-8) (2時間) |
4 |
『民藝とは何か』の講読と解釈(3)―「民藝」観の創始:中世ヨーロッパとの対比を通じて―(課題研究授業)
【事前学習】中世ヨーロッパの藝術について調べてみる(A-3, A-5) (2時間) 【事後学習】当日のテキストに対する他人の発表について理解し、批判的考察を加えてみる(A-3, A-6, A-7, A-8) (2時間) |
5 |
『民藝とは何か』の講読と解釈(4)―「民藝」観の創始:近代ヨーロッパとの対比を通じて―(課題研究授業)
【事前学習】近代ヨーロッパの美学思想をカントを中心に調べてみる(A-3, A-5) (2時間) 【事後学習】当日のテキストに対する他人の発表について理解し、批判的考察を加えてみる(A-3, A-6, A-7, A-8) (2時間) |
6 |
『民藝とは何か』の講読と解釈(5)―民藝の美とは何か:その要素について―(課題研究授業)
【事前学習】これまでの授業成果をまとめ、自分なりに「民藝」の美について理解する(A-3, A-6) (2時間) 【事後学習】当日のテキストに対する他人の発表について理解し、批判的考察を加えてみる(A-3, A-6, A-7, A-8) (2時間) |
7 |
『民藝とは何か』の講読と解釈(6)―民藝の美とは何か:日本各地の民藝を通じて―(課題研究授業)
【事前学習】日本各地の民藝について身近なものから探してみる(A-3, A-5) (2時間) 【事後学習】当日のテキストに対する他人の発表について理解し、批判的考察を加えてみる(A-3, A-6, A-7, A-8) (2時間) |
8 |
『民藝とは何か』の講読と解釈(7)―民藝の美とは何か:浄土教思想(親鸞)との関係において―(課題研究授業)
【事前学習】親鸞の浄土真宗の思想について調べる(A-3, A-5) (2時間) 【事後学習】当日のテキストに対する他人の発表について理解し、批判的考察を加えてみる(A-3, A-6, A-7, A-8) (2時間) |
9 |
『民藝とは何か』の講読と解釈(8)―民藝の美とは何か:浄土教思想(一遍)との関係において―(課題研究授業)
【事前学習】一遍の浄土教思想について調べてみる(A-3, A-5) (2時間) 【事後学習】当日のテキストに対する他人の発表について理解し、批判的考察を加えてみる(A-3, A-6, A-7, A-8) (2時間) |
10 |
『民藝とは何か』の講読と解釈(9)―民藝の美とは何か:その認識論的問題点―(課題研究授業)
【事前学習】これまでの授業内容から、民藝美論の認識論的問題点についてまとめる(A-3, A-6) (2時間) 【事後学習】当日のテキストに対する他人の発表について理解し、批判的考察を加えてみる(A-3, A-6, A-7, A-8) (2時間) |
11 |
『民藝とは何か』の講読と解釈(10)―民藝の美とは何か:工藝上の問題点(民藝作家とは?)―(課題研究授業)
【事前学習】これまでの授業内容から、民藝美論の工藝上の問題についてまとめる(A-3,A-6) (2時間) 【事後学習】当日のテキストに対する他人の発表について理解し、批判的考察を加えてみる(A-3, A-6, A-7, A-8) (2時間) |
12 |
『民藝とは何か』の講読と解釈(11)―柳宗悦の思想的ルーツとしての宗教哲学―(課題研究授業)
【事前学習】初期の柳の宗教思想について調べてみる(A-3, A-6) (2時間) 【事後学習】当日のテキストに対する他人の発表について理解し、批判的考察を加えてみる(A-3, A-6, A-7, A-8) (2時間) |
13 |
『民藝とは何か』の講読と解釈(12)―白樺派との関係―(課題研究授業)
【事前学習】白樺派とは何かについて調べる(A-3, A-5) (2時間) 【事後学習】当日のテキストに対する他人の発表について理解し、批判的考察を加えてみる(A-3, A-6, A-7, A-8) (2時間) |
14 |
柳宗悦の民藝美論の特徴について(1):討論(課題研究授業)
【事前学習】これまでの他人の発表内容を復習する(A-3-A-6, A-7, A-8) (2時間) 【事後学習】他人からどのような批判や批評を受けたかについてメモをとる(A-6, A-7, A-8) (2時間) |
15 |
柳宗悦の民藝美論の特徴について(2):批判(課題研究授業)
【事前学習】これまでの他人の発表内容を復習する(A-3-A-6, A-7, A-8) (2時間) 【事後学習】他人からどのような批判や批評を受けたかについてメモをとる(A-6, A-7, A-8) (2時間) |
その他 | |
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教科書 | 柳宗悦 『民藝とは何か』 講談社(学術文庫) |
参考書 | 使用しない |
成績評価の方法及び基準 | レポート:レポートは求めるテーマと内容、提出状況をみて評価します。(50%)、授業参画度:授業参画度は、毎回の小レポートや質問等の度合いで評価します。(50%) 授業中のディスカッションにおける自他の主張に対する論理的な批判力を見てA-3、A-6の到達度を評価する。 授業中のディスカッションとレポートの双方において、学習したことをどれほど現代の人間や社会を考察する際に役立たせているか(A-5)の到達度を評価する。 ディスカッションにおいて、どれほど自分が他人の意見を公正に評価できるか、またどれほど自分の意見を他人の意見によって客観的に分析できるか(A-7、A-8)の到達度を評価する。 |
オフィスアワー | Blackboard上で随時機会を設けます。 |