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令和2年度入学者 | 美学史4 | ||||
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令和元年度以前入学者 | 美学史4 | ||||
教員名 | 樋笠勝士 | ||||
単位数 | 2 | 学年 | 1・2 | 開講区分 |
文理学部
(他学部生相互履修可) |
科目群 | 哲学科 | ||||
学期 | 後期 | 履修区分 | 選択必修 |
授業の形態 | オンライン授業を行います。原則的に、オンデマンドにて資料を配付し、適宜、Zoomにて解説及び質疑応答の時間をつくります。内容は下記コンテンツに沿いますが、多少、調整することもあります。参考文献は、授業中に紹介します。 |
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授業概要 | 本科目は西洋近代の美学を扱う「美学史3」を通史的に引き継ぐ内容をもちます。既に「美学」と呼ばれる学問は誕生したが、その美学の内容や論述は、拠って立つ哲学の理論体系によって様々でした。或る意味では、美学は哲学理論に寄生した哲学的営為と言っても過言ではありません。「ヘーゲル哲学」がある中に「ヘーゲル美学」があるような意味での「美学」には意義はあるのでしょうか。これは近代美学の問題でしょう。或いは現代の我々にとっては、「理性の時代」や「近代主義」は(実際は終わってなくても)終わったと感じる時代に入ったとも言えましょう。ここからポストモダンと呼ばれる新たな哲学的営為が登場します。現代思想の時代に美学はどのように成り立つのか、これを問います。 |
授業のねらい・到達目標 | われわれは現代に住まう人間です。だから現代思想を身近に感じることがあります。実存主義などはその典型でしょう。現代の哲学が考える問題意識の中で、美学はどのように成り立つのでしょうか。芸術に限って話せば、既に「芸術は美しい」という言説は成り立たない時代です。 ねらいは三つあります。①美学における西洋近代主義と理性の役割とその限界を知る。②美学の三主題の個別的な展開を理解する。③現代的な問題意識がもつ美学的思考を考える。この3点によって、この科目は、異文化となる歴史上の諸思想・文化・価値観・世界観を相対化でき、これを学生自らの世界観を以て語ることができると共に、自らの知識と教養によって倫理的な課題に立ち向かうことを目的としています。 この科目は文理学部(学士(文学)のDP及びCPの1,2に対応しています。 ・真・善・美・聖の探究から得られた知識と教養に基づいて,人間と社会の倫理的な課題を理解し,説明することができる。(A-2-1) ・思想・芸術・宗教の観点から,世界の現状をその歴史的背景とともに理解することができる。(A-1-1) |
授業の方法 | オンラインで資料を配布し、リアクションペーパーを毎回書いてもらいます。そこには毎回の授業内容に対する意見や感想や質問を書いてもらい、これについてはZoomミーティングにて応答し、また内容に反映させます(フィードバック)。必要に応じて視聴覚教材も適宜使用しますが、その際、必ず内容についてのミニッツペーパーの提出を求めます。事前事後学習は各2時間を想定しています。 |
授業計画 | |
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1 |
生の哲学:ニーチェ美学:ニーチェは近代的理性を否定し、感性や感情、生理的なものを尊重する。そこから美学が成り立つ。
【事前学習】ヘーゲル美学とショーペンハウアー美学を対立的に考えておく。(A-1-1) (2時間) 【事後学習】ニーチェ美学の現代的意義についてまとめる。(A-2-1) (2時間) |
2 |
生の哲学:ベルクソン美学:生命の哲学から人生美学が生じうる。直観と創造の美学を考える。
【事前学習】ベルクソン哲学について調べておく。(A-1-1) (2時間) 【事後学習】ベルクソン哲学における「美学」をまとめる。(A-2-1) (2時間) |
3 |
唯物論・科学主義の美学
【事前学習】唯物論と唯心論の概念について調べておく。(A-1-1) (2時間) 【事後学習】科学技術の進歩や物質主義が感性を変えて行く様相をまとめておく。(A-2-1) (2時間) |
4 |
精神分析の美学:フロイトやユングの研究がもたらす美学の可能性について考える。
【事前学習】フロイトやユングについて事典で調べておく。(A-1-1) (2時間) 【事後学習】精神分析の方法が芸術や感性にどのような影響を与えるのかについてまとめる。(A-2-1) (2時間) |
5 |
実存主義の美学:「実存が本質に先立つ」の思想において芸術(文学や演劇)がどのような役割をもちうるのか、これを考える。
【事前学習】一般的に「実存主義」について理解を深めておく。(A-1-1) (2時間) 【事後学習】言語芸術の可能性についてまとめておく。(A-2-1) (2時間) |
6 |
現象学と美学:フッサールは方法論を語ったが、現象学は哲学的方法としてどのような可能性をもつのか、それは美学に対してどのように有効であるのか、これを考える。
【事前学習】事典等でフッサールについて調べておく。(A-1-1) (2時間) 【事後学習】現象学の方法についてまとめておく。(A-2-1) (2時間) |
7 |
芸術の哲学:ハイデガーの美学:「芸術は真理をあらわす」について考える。
【事前学習】事典等でハイデガーを調べておく。(A-1-1) (2時間) 【事後学習】一般論として芸術と真理との関係について自分の考えをまとめておく。(A-2-1) (2時間) |
8 |
芸術の哲学:「現代芸術」を考える諸芸術論:「芸術は美しい」の言説を解体する現代芸術の現実は様々な芸術論を生んでいく。これを考える。
【事前学習】M.デュシャンやA.ウォーホル、グリーンバーグやR.フライ、H.フォスターについて調べておく。(A-1-1) (2時間) 【事後学習】造形芸術がなぜ芸術論の全面に出てくるのかについて自分の考えをまとめておく。(A-2-1) (2時間) |
9 |
芸術の哲学:ベンヤミンの美学〜アドルノの美学:「複製芸術」論、メディア論、「アウラ」論、自然美論について考える。
【事前学習】ベンヤミンとアドルノについて調べておく。(A-1-1) (2時間) 【事後学習】現代の美学の論点を整理する。(A-2-1) (2時間) |
10 |
ポストモダンの美学:リオタール、ボードリアールなどを通じて「消費」「大きな物語」について考える。
【事前学習】リオタール、ボードリアールを調べ、現代社会固有の問題をいくつか提案できるようにしておく。(A-1-1) (2時間) 【事後学習】現代社会における「芸術」の立ち位置について自分の考えをまとめる。(A-2-1) (2時間) |
11 |
ポストモダンの美学:フーコー、ロラン・バルト、ドゥルーズを通じて、「言説」や「生」、「作者の死」、「差異」を考える。
【事前学習】フーコー、ロラン・バルト、ドゥルーズを調べておく。(A-1-1) (2時間) 【事後学習】ポストモダンの議論の仕方を整理する。(A-2-1) (2時間) |
12 |
身体の美学:メルロ・ポンティの美学:実存主義と現象学とに基づく「身体や感性の美学」を学ぶ。
【事前学習】『知覚の現象学』について少しでも読んでおく。(A-1-1) (2時間) 【事後学習】身体や感性といった視点と美学との関連をまとめておく。(A-2-1) (2時間) |
13 |
分析美学:A.ダントーとartworld:分析哲学からの一派として分析美学が台頭しているが、そこでは「芸術の定義」や「作者の意図」の問題、「制度」の問題やその他多くの問題が提示されている。これを考える。
【事前学習】artworldについて調べておく。(A-1-1) (2時間) 【事後学習】分析美学の方法論をまとめる。(A-2-1) (2時間) |
14 |
新現象学の美学:「感覚学としての美学」を提案したG.ベーメは「雰囲気の美学」を語る。これを考える。
【事前学習】現象学について復習しておく。(A-1-1) (2時間) 【事後学習】ベーメの新たな現象学についてまとめておく。(A-2-1) (2時間) |
15 |
美学の現代的課題:三主題の行方:三主題のうち、現代では「芸術」論をもって美学と呼び、また「感性学」に回帰して美学を考えたりする傾向がある。では、「美」はどのように論じられるべきなのか。これを問う。
【事前学習】美学の三主題をまとめておく。(A-1-1) (2時間) 【事後学習】美学の可能性について自分の考えをまとめておく。(A-2-1) (2時間) |
その他 | |
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教科書 | なし |
参考書 | 教室で紹介します。 |
成績評価の方法及び基準 | レポート:最終レポート(60%)、授業参画度:リアクションペーパー・ミニッツペーパー(40%) |
オフィスアワー | オンライン授業なので、メールで対応します。 |