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生徒指導・進路指導論

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令和元年度以前入学者 生徒指導・進路指導論
教員名 笠原昭男
単位数    2 学年    2 開講区分 文理学部
科目群 コース科目
学期 後期 履修区分 選択
授業の形態 課題研究型(Black boardを使用する)。数回ZOOMを使用することもある。「サクラ・サク」という自作の小説を使って授業を行います。「サクラ・サク」には生徒指導とはなんだろうか?という問いが満載です。実際の学校現場が舞台で、健一郎という教師と、最も指導が困難とされている翔太を中心に物語が展開します。
卒業間際の3月、健一郎は「サクラ・サク」とつぶやきます。その意味は? 受講生には物語を楽しみつつ最後まで物語を読み終えると、「生徒指導」の本来の意味をきっと理解してもらえるものと思います。
授業概要 学校教育の中で生徒指導とはどのような意義や働きを持っているのかを、理論的に考察するとともに実際の指導はどのように行われているのか、さらに、どのような指導が大切なのかについて具体的な事例をもとに追究する。進路指導、キャリア教育の意義、理論を踏まえた上で、変動の激しい若者の雇用環境の現実などを踏まえ、これからの進路指導、キャリア教育に求められるものは何かについて追究する。
授業のねらい・到達目標 生徒指導の役割と意義は何か、進路指導・キャリア教育の役割と意義は何か (*以下の記載はあくまで目安です)
1)生徒指導の教育課程における位置づけや意味を理解している。
2)学校教育における生徒指導の重要性や課題を理解している。
3)個別指導と集団指導の違いと必要性を理解している。
4)生徒指導の理論と内容について理解している。
5)生徒指導の組織的な指導体制と、他機関との連携について理解している。
6) 生徒の人格形成を育むために、どのような生徒指導が大切であるか説明できる。
7)いじめ、不登校、暴力等への具体的な指導方法について理解している。
8)インターネットや虐待、子どもの貧困問題等、生徒指導の今日的な課題について認識を深め具体的な対処法について例示できる。
9)懲戒、体罰等、生徒指導に係る法令について理解している。
10) 進路指導、キャリア教育についての教育課程における位置づけを理解している。
11) 進路指導、キャリア教育の意義や内容について説明できる。
12) キャリア教育の重要性について説明できる。
13) 年間指導計画に基づいた組織的な進路指導、キャリア教育の重要性を理解している。
14) 進路指導、キャリア教育の今日的な課題について説明できる。
15) 現在求められている進路指導、キャリア教育の具体的な内容について理解している。
16) 進路指導、キャリア教育についての指導構想を例示できる。
授業の方法 (1)原則として、Black boardを使用します。そこに第1回から第15回まで、受講生が在宅でできる資料や課題を送信します。課題は、Black boardの「課題」機能を使って発信します。数回ZOOM学習も予定しています。(希望参加)
(2)受講生は、その資料を読み、それぞれの課題をやって、各回の所定の締め切りまでに、
Black boardの「課題」機能を使って提出して下さい。込み入った事、直接聞いた方がよいと思うことなどがあれば、下記のメールは、あるいは私のケータイに直接電話をくれてもかまいません。(但し、質問や疑問、相談等は、でいくでけ正規の授業時間内にしてください。
  liver54-moe.akio@nifty.com  ケータイ:090-9978-3137
(3)質問や疑問について、できるだけ応答できるようにしますが、多人数の場合は応答できなことも生じます。あらかじめ了承して下さい。
(4)急ぎの連絡がある場合はBlack board「掲示板」を通じてお知らせします。
(5)課題は、1)毎回の課題、2)最終レポートの2種類です。毎回の課題の提出を持って、出席扱いとします。
(6)各回ごとの課題は、毎回、指定された締め切りまでに提出してください。おくれた場合は、受理しないことがあります。なを、不自然な同一解答が発見された場合は、減点するか、不正と見なすことがあります。必ず、自分で資料を読み、自分で解答を作成してください。
(7)課題の提出は、ブラックボードの課題欄に「ベタ打ち」してください。

2.成績評価の方法
 1)毎回の提出の課題の内容 2)最終レポートの内容 3)授業参画度(出席状況、質問等の積極的な参加姿勢
  以上を総合的に判断して成績評価とします。特に、最終レポートを提出期限までに出さない場合は、成績評価をすることはできません(提出期限は後日指示します)。

3.講義の主旨
(1)新型コロナ対策に伴う、全国一斉休校とその後の状況は、現在の学校の役割や教育の意味・意義を見直す機会にもなりました。・・・学校はどんな役割がありどんな機能を果たしているのでしょうか。本講義を通じて、皆さんと共に学び合いたいと思います。

(2)生徒指導・進路指導の基本的な考え方を踏まえつつ、教育現場の実際の実践事例や資料をもとに、現代の教師としてのあり方を考え、また、生徒指導・進路指導に必要な力量を身につけることもおおきな目的となります。なを、私は生徒指導ではなく「生活指導」という用語を使用しています。以後、生活指導という用語を主に使います。

(1)「サクラ・サク」という題名の物語をBlack boardを通じて配信します。「サクラ・サク」は、約8万字(400字詰め原稿用紙200枚に相当)の中編小説です。私が執筆したものです。上岡中学校という架空の中学校が舞台となっていますが、内容は、実際の教育現場での実践をもとに書いたものです。ですから、さまざまなエピソードは、ほとんど実際にあったことです。小説ですから若干の脚色はありますが。
「サクラ・サク」を今年4月までは、教材として使う予定はありませんでしたし、半分ほどしか書いていませんでした。教育問題を扱った小説としてまとめるつもりでした。しかし、コロナ問題で、授業の方法を大幅に変える必要が生じるなかで、「サクラ・サク」を、主教材にすることにしました。「サクラ・サク」には、生活指導論で学ぶべき要素のほとんどが書かれているからです。ただ、急いで完成させ、しっかりとした校正もなされていないので、字句の間違いや、整合性のない記述があるかもしれません。そこはあらかじめ了承してください。
(2)「サクラ・サク」の使い方
 
 2)「サクラ・サク」は、終章と特別編を含めると、三十三話できています。毎回の授業ではおよそ1話~3話ごとに区切って学習します。各回ごとに、皆さんに「課題を」出します。たとえばですが、第四話には、「クラスの約半数が要保護か準要保護の家庭でもある」という箇所があります。そこで皆さんに「要保護・準要保護について調べ、100字から200字以内で記述せよ」といった課題を出すことになります。課題は1つだけとは限りません。
(3)必要に応じて、補足資料・データも配信します。補足資料も活用しながら、より学びを深めてもらいたいと思います。
(4)参考文献も適宜紹介します。
履修条件 卒業後、教職に就く意思を持ち、教育について深く学び、役立てようという自覚と意思を持っていることを望む。
授業計画
1 授業内容・授業計画の概説・生徒指導のイメージ 経験的考察-自身の原体験
【事前学習】シラバスを確認し、どのような問題意識を持って授業に臨むのか考えをまとめ、言えるようにすること。 (2時間)
【事後学習】生徒指導とは何か自身の体験を振り返り、自分なりの考えを持つことをノートのまとめておくこと。 (2時間)
2 現在の学校の生徒指導体制の特徴:テキスト「サクラ・サク」第1話~第3話
【事前学習】配信したテキスト「サクラ・サク」を通読する。 (2時間)
【事後学習】第1話~第3話を読み返し、課題について知らべ、自分の考えをまとめる。 (2時間)
3 学級集団の指導:「サクラ・サク」第4話 生徒たちとの出会いをどうつくるか
【事前学習】第4話を読んでおくとともに、1話~3話も読み返す (2時間)
【事後学習】学級集団の指導について、関連図書を読み、様々な手法があること学ぶこと (2時間)
4 学級集団の指導:「サクラ・サク」第5話・6話 生徒との会話・対話のありかた
【事前学習】第5・6話を読む。1話~4話を読み返す (2時間)
【事後学習】生徒との対話、会話、学級目標の決め方について、関連図書を読む (2時間)
5 授業と生活指導:「サクラ・サク」第7話 授業のあり方を問う
【事前学習】第7話を読む。1話~6話を読み返す (2時間)
【事後学習】学生自身の専攻科目の授業のつくり方について、関連図書に当るに (2時間)
6 荒れと暴力の実態を知る:「サクラ・サク」第8話・9話
【事前学習】第8話・9話を読む。1話~7話を読み返す (2時間)
【事後学習】教材にあるような荒れた状況にある場合、自分が教師であったらどのように対処するか、何人かのグループで意見交換してみる (2時間)
7 子どもたちとの関係をどうつくるか・保護者とどうつながるか:「サクラ・サク」第10・11話
【事前学習】第10・11話を読む。1話~9話を読み直す (2時間)
【事後学習】子どもと遊ぶ教師のイメージについて、自身の経験をふぃり変える・現在の保護者の置かれている実情について、関連図書に当る (2時間)
8 学校行事と生活指導:「サクラ・サク」第12話
【事前学習】第12話を読む。1話~11話を読み返す。 (2時間)
【事後学習】合唱コンクール、タ体育祭の功罪について整理してノートにまとめる。 (2時間)
9 反抗する生徒、保護者との対話のありかた:「サクラ・サク」第13話
【事前学習】第13話を読む。1話~12話を読み返す (2時間)
【事後学習】反抗する生徒と、その保護者の思い、及び教師の姿勢について、自分ならどうするか、ノートにまとめる (2時間)
10 課題を持つことどうつながるか:「サクラ・サク」第17話~19話
【事前学習】17話~19話を読む。1~16話まで読み直す (2時間)
【事後学習】教師は課題を持つ子をどうとらえたらよいのか、この教師の手法の是非について何人かのグループで討論する (2時間)
11 部活動と生徒指導:「サクラ・サク」第20話・21話
【事前学習】第20・21話を読む。1話~19話を読み返す (2時間)
【事後学習】部活動と生徒指導について、自身や仲間の体験を交流し、その意義や課題についてノートにまとめる (2時間)
12 教職員との連携のありかた:「サクラ・サク」第22話~第24話
【事前学習】第22話~24話を読む。1話~21話を読み返す (2時間)
【事後学習】教職員との連携のありかた、職員研修の意義について、ノートに自分の考えをまとめる (2時間)
13 進路指導とキャリア教育1 :進路指導・キャリア教育の定義・内容
【事前学習】「サクラ・サク」全編を再読する。配信した資料を精読する。 (2時間)
【事後学習】資料をもとに、進路指導、キャリア教育の違いと、同一性についてノートに整理する (2時間)
14 進路指導とキャリア教育2 進路指導・キャリア教育の課題
【事前学習】配布した資料を、事前に読み、その課題をノートに整理しておく (2時間)
【事後学習】具体的にどのような課題があり、どのような進路指導が望ましいのかノートのまとめておく (2時間)
15 進路指導とキャリア教育3 今、どんな指導が求められているのか
【事前学習】配信した資料を読み、与えられたワークをやっておく (2時間)
【事後学習】具体的な教材をやってみて、その有効性について、自身の考えをノートにまとめる (2時間)
その他
教科書 笠原昭男 『「サクラ・サク」』
教科書(テキスト)は、Black boardで配信する。
参考書 大和久勝・今関和子・笠原昭男 『いじめ・ジェンダーと道徳教科書』 クリエイツかもがわ 2019年 第1版
なし
成績評価の方法及び基準 レポート:毎回の課題の提出、中間レポート(40%)、授業参画度:課題を自分んでしっかり考え、積極的に学ぼうという姿勢が感じられるか、質問や疑問が出せるなどの学ぶ姿勢(30%)、最終レポート(30%)
オフィスアワー 授業者のへのメールによる質問、場合によっては直接電話での相談に応じる
備考 生徒指導・進路指導にかかわり、教材として取り上げる必要が認められる事項が生じた場合、シラバス記載の講義内容が前後したり、変更することがあります。
必要な参考図書については、講義の中で紹介します。

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