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令和2年度入学者 | 宇宙科学 | ||||
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令和元年度以前入学者 | 宇宙科学 | ||||
教員名 | 栗田 敬 | ||||
単位数 | 2 | 学年 | 1~4 | 開講区分 | 文理学部 |
科目群 | 総合教育科目 | ||||
学期 | 前期 | 履修区分 | 選択 |
授業の形態 | Blackboard上に提示される講義教材(音声解説付きPowerPoint file )に基づいた遠隔授業を行う.受講者の顔を見ながら、反応を確かめながら進める講義を行いたがった、残念です.教材の理解を高め、理解度のチェックのために毎回の教材の最後にその回の内容に関した簡単なレポートの提出を求める.レポートの内容はBlackboard上の「課題」に提示される.講義内容に関する質問はBlackboard上のwebにておこなう.積極的に質問をあげて、皆で共有したい. |
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授業概要 | 全体の授業を通じての主題は宇宙におけるHabitabilityである.「Habitability」は居住性と訳されるが宇宙科学では生命生存可能性の意味で用いられている.宇宙の中での生命の存在可能な場とは何処か?と言う問いに答える形で、その必要条件を探っていく.その過程で宇宙の構成要素:恒星、惑星、衛星、銀河やその構造、進化の解説を行う.特に近年研究が進んでいる系外惑星に焦点をあて、そのHabitabilityが母星の種類や年齢、属している銀河の特徴などにどのように依存しているのかの解説を行う.生命生存可能な条件とはなにか?、その物理的背景の理解がメインテーマである. |
授業のねらい・到達目標 | 「宇宙」は我々の日常生活の実感として捉えることが難しい対象であり、常識が通用しない世界である.本講義ではHabitability・生命生存可能性を軸に、我々の住む地球を参照にして理解しやすい形で授業を進める.地球の外側の世界の理解を通して「地球に生きる」とはどういうことなのかを見つめ直すことが本講義の到達目標である.文化系履修者も考慮し詳細な数式は使わない.自然科学現象を自分の言葉で考えること、背景の物理・「ものの理」を理解し、他人に説明できるようになることを重視する.講義で理解したことを他人に説明できて初めて本当の理解になるというのが教官の信念である. この科目は文理学部(学士(理学))のディプロマポリシーDP1, DP3 及びカリキュラムポリシーCP2, CP9に対応している。 なお、新カリキュラム(令和2年度以降の入学者)では、この科目は文理学部)のディプロマポリシーDP3,4,5およびカリキュラムポリシーCP3,4,5 に対応している。 ・仮説に基づく課題や問題を提示し,客観的な情報を基に,論理的・批判的に考察することの重要性を説明できる。(A-3-1) ・事象を注意深く観察して,解決すべき問題を認識できる。(A-4-1) ・新しいことに挑戦する気持ちを持つことができる。(A-5-1) |
授業の方法 | 残念ながら当初予定していた形での講義は行えない.Blackboardを介してのオンデマンド型の遠隔授業となる.講義材料に関する質問の場としてBlackboard上のwebへの参加・活用を強く推奨する.この場をもちいてなるべくInteractiveな形で講義の理解に役立てたい.質問すると言うことはものごとの理解にとって本質的なことである. 宇宙科学や惑星科学は新発見に満ちていてニュースに取りあげられる機会も多い.講義では冒頭にその前の週に出てきたこの分野の新しいニュースを取りあげて、その背景を解説をする.事前学習として新聞、ネット、TVニュースでどのような宇宙科学話題が取りあげられているのか、注視してほしい. |
履修条件 | なし |
授業計画 | |
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1 |
はじめに、この講義で伝えたいこと:物事の理解には多様なものとの比較を通しての相対視の視点が重要であると言うこと. 初回講義開始までにBlackBoardのコース登録をすること。受講者への連絡はBlackBoardの“連絡事項”欄に掲示するので随時確認すること。 【事前学習】ニュースに注目 (2時間) 【事後学習】レポート課題参照 (2時間) |
2 |
Habitability とはなにか?:habitable condition、地球上の生命の居場所、生命の起源、本講義が目指す点の解説
【事前学習】ニュースに注目 (2時間) 【事後学習】レポート課題参照 (2時間) |
3 |
太陽系の中でのhabitability I: 表層環境、地球の環境、水の相図、水の重要性、水の存在域
【事前学習】なぜ水が重要なのか?、水の相図の理解、何故地球だけが特別なのか? (2時間) 【事後学習】レポート課題参照 (2時間) |
4 |
エネルギー伝達機構:惑星の表層環境の物理条件、磁場の遮蔽効果、大気の遮蔽効果、惑星の表層温度の決まるメカニズム、大気の役割
【事前学習】地球にとって太陽の役割とは? (2時間) 【事後学習】レポート課題参照 (2時間) |
5 |
太陽系の中でのhabitability II :氷衛星、太陽系の構成員、氷衛星の世界、地球生命の起源、地球以外のHabitable Zone
【事前学習】紫外線とHabitabilityの関係は? (2時間) 【事後学習】レポート課題参照 (2時間) |
6 |
Exoplanet I:検出法、存在例、軌道要素、ケプラーの法則、惑星系の検出方法、系外惑星の種類と太陽系との比較
【事前学習】氷衛星とは何か? (2時間) 【事後学習】レポート課題参照 (2時間) |
7 |
Exoplanet II:Habitability、系外惑星の軌道、表層環境、大気の特性、役割
【事前学習】トランシット法とは何か? (2時間) 【事後学習】レポート課題参照 (2時間) |
8 |
光の基礎:スペクトルの基礎、温度と赤外線、Exoplanet 母星の重要性、大気の検出方法、吸収線
【事前学習】星の分類法はどのような原理に基づいているのか? (2時間) 【事後学習】レポート課題参照 (2時間) |
9 |
星の分類・種族・特性:太陽はどのような星か?、太陽に最も近い星、主系列星、星の色
【事前学習】恒星の光る原理は何か? (2時間) 【事後学習】レポート課題参照 (2時間) |
10 |
恒星の内部構造:エネルギー源、進化、星団、化学組成、星内部の温度・圧力・密度、核融合反応、ケルビン卿の間違い
【事前学習】星の輝きのエネルギー源とはなにか? (2時間) 【事後学習】レポート課題参照 (2時間) |
11 |
星の誕生と惑星系の誕生:太陽系の形成、初期状態、生まれたばかりの星、星の形成タイムスケール
【事前学習】地球の年齢は? (2時間) 【事後学習】レポート課題参照 (2時間) |
12 |
星の一生とHabitabilityの関係、星の終末:高エネルギー現象、超新星爆発、中性子星、元素合成、超新星爆発の痕跡、星の寿命
【事前学習】太陽の年齢は?、今後の寿命は? (2時間) 【事後学習】レポート課題参照 (2時間) |
13 |
Galactic Habitability:銀河の中の位置、銀河の進化と構造
【事前学習】銀河系とは? (2時間) 【事後学習】レポート課題参照 (2時間) |
14 |
宇宙における生命の起源:パンスペルミア説、A.C.クラークのモデル、地球における生命誕生、宇宙における生命誕生の場とは?
【事前学習】地球上の生命の誕生はいつ? (2時間) 【事後学習】レポート課題参照 (2時間) |
15 |
総まとめ:地球のHabitability、太陽系のHabitability、銀河系のHabitability、宇宙のHabitability、知的生命体は宇宙のどこを探せば良いのか?
【事前学習】今までの講義の流れをノートに基づき復習しておくこと (2時間) 【事後学習】レポート課題参照 (2時間) |
その他 | |
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教科書 | 教科書は使用しない. |
参考書 | M.Seeds, D.Backman, 有本信雄 監訳 『最新天文百科、宇宙・惑星・生命をつなぐサイエンス』 丸善 2010年 第11版 阿部豊 『生命の星の条件を探る』 文春文庫 2018年 「最新天文百科、宇宙・惑星・生命をつなぐサイエンス」は何でも書いてあるスタイルの米国の標準的な教科書.「生命の星の条件を探る」はHabitability に焦点を当てた良書. |
成績評価の方法及び基準 | レポート:講義材料末尾の課題に関するレポート(100%) 試験や授業内テストでは内容の正確性もさることながら、自分の言葉で表現されているかという点をもっとも重視する. |
オフィスアワー | e-mail での問い合わせは随時受け付ける. |