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心理学2

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令和元年度以前入学者 心理学2
教員名 池見正剛
単位数    2 学年 1~4 開講区分 文理学部
科目群 総合教育科目
学期 後期 履修区分 選択
授業の形態 同時双方向型授業(Zoomによるライブ中継。カメラ映像不使用で、PowerPoint映像、音声とチャットのみ。Blackboardによる小テスト)
Blackboard ID:20200147
授業概要 ・人の心と行動について、特にそれらが意図せず他人や環境から影響を受けてしまう過程と、その所産として成立する奇妙な振る舞いや不合理な意思決定を、データや事例とともに紹介する。取り上げる理論や研究者が時に他の学問領域に及ぶが、本講義では学際的見地から、心理学的話題の興味深い展開に必要であれば縦割りのアカデミズムからは距離を置き、ある程度の領域の逸脱には寛容な立場をとる。
・本講義はいわゆる教養課程である。実務を目的としないという意味で、教養は(結果的、偶発的に役に立つことはあっても)本質的には役に立たないし、またそうであることに些かの躊躇いもない。しかし教養は、木を見ながら森も見るような視点の往復と、セオリーに見向きもしない放胆な意思決定には不可欠だ。リベラルアーツ(教養課程)はその為にあると思っている。
授業のねらい・到達目標 (1)常識や経験則に頼らずに、心理学的理論と実験・統計データに基づいて現実を理解し、分析し、説明することができる。
(2)心理学的な議論を自ら提起し、更には提起された議論に対して疑義を呈し、またその為に必要な素養を積み更新し続けることができる。

この科目は文理学部(学士文学)のディプロマポリシーDP3,DP4,DP8及びカリキュラムポリシーCP3,CP4,CP8に対応しています。
授業の方法 【プレゼンテーションの方法】 パワーポイント、PDF資料(BlackBoardにアップロード)
【授業形態】 講義形式、ディスカッション、プレゼンテーション、グループワーク、毎回の授業最後に行う小テスト
【課題に対するフィードバック】提出された授業内小テストと授業内レポートは採点(および必要に応じてコメント)して返却する。
下記授業計画は一部変更される場合があるので、連絡掲示板を確認する事。
履修条件 毎回の授業でBlackboardによる小テストを行うので安定した通信環境が必須。毎回同一の端末を使う必要はないので、破損した場合は代わりの端末を用意するなどして対応する事(こちらでは対応しない)。また機種によっては送信ボタンなどがタップしにくいものもあるので注意。
授業計画
1 一見役に立たない教養はなぜ存在するか?(問題発見・解決力A-4-1、省察力A-8-1)。
 教養の本質について、授業計画、成績評価方法、Blackboardのコース登録
【事前学習】教養の意味や意義について自分の考えをまとめる (2時間)
【事後学習】授業を振り返り、復習ドリルを施行し、教養の本質を自分なりに説明できるようにする (2時間)
2 自己欺瞞 自分にウソをついてはいけない。本当にそうなのか? そんなことできるのか?(省察力A-8-1)
 心理学者はそう考えない。自己欺瞞する無意識、自らを守ろうとする脳について考える。
【事前学習】自己奉仕・自己防衛バイアスについて意味を調べておく (2時間)
【事後学習】授業内提示資料(オンライン)を読み返しながら授業を振り返り、自己欺瞞の機能について説明できるようにする (2時間)
3 他者欺瞞 他人にウソをついてはいけない。本当にそうなのか? そんなことできるのか?(問題発見・解決力A-4-1)
 心理学者はそう考えない。ウソをつき、そのスキルを磨いて繁栄してきた人類の本質について考える。
【事前学習】サイコパスの意味について調べておく(下記の参考文献欄も参照せよ) (2時間)
【事後学習】授業内提示資料(オンライン)を読み返しながら授業を振り返り、嘘の効用について説明できるようにする (2時間)
4 非常時の心理 津波が背後に迫っていても走らない人がいる。彼らはなぜ走らなかったか? (問題発見・解決力A-4-1)
 災害、事故、戦争など、危機に対処または遭遇する人間のちょっとパラドキシカルな行動を見ていく。
【事前学習】避難行動に特有の心理について調べておく (2時間)
【事後学習】授業内提示資料(オンライン)を読み返しながら授業を振り返り、非常時特有の心理について説明できるようにする (2時間)
5 情報と心理 フェイスブックは最早、単なるコミュニケーションツールではないらしい。(問題発見・解決力A-4-1)
 何に“いいね”を押すかで、その人の誰にも言えない秘密さえ最近では分かってしまう。
【事前学習】フェイスブックという企業についての情報を自分なりに調べておく (2時間)
【事後学習】授業内提示資料(オンライン)を読み返しながら授業を振り返り、情報化社会における大衆の心理について説明できるようにする (2時間)
6 集団心理 なぜホワイト・ハウスやNASAがこんな馬鹿げたミスを犯したのか?(問題発見・解決力A-4-1、省察力A-8-1)
 エリート集団の崩壊プロセスなど、基本的に人は集団と組織の中で正常に意思決定することは難しい。
【事前学習】集団思考について意味を調べておく (2時間)
【事後学習】授業内提示資料(オンライン)を読み返しながら授業を振り返り、集団力学について説明できるようにする (2時間)
7 承諾誘導技法 自分を嫌っている相手をどうやって説得するか?(論理的思考力A-3-1、問題発見・解決力A-4-1)
 知ってるだけでは使えない、欧米では当たり前の交渉と説得のルール。
【事前学習】説得的コミュニケーションの意味を調べておく (2時間)
【事後学習】授業内提示資料(オンライン)を読み返しながら授業を振り返り、各種承諾誘導技法の内容を説明できるようにする (2時間)
8 信念の操作 彼らは思想を強制されたと思っていない。思想改造は可能なのか?(論理的思考力A-3-1、問題発見・解決力A-4-1)
 マインド・コントロールという手法とその効果は社会心理学理論で全て科学的に説明できる。
【事前学習】洗脳とMコントロールの違いについて調べておく (2時間)
【事後学習】授業内提示資料(オンライン)を読み返しながら授業を振り返り、Mコントロールの3段階について説明できるようにする (2時間)
9 犯罪心理学 心理学は犯罪者にどう対抗するか?(問題発見・解決力A-4-1)
 FBI型およびリバプール型プロファイリング、精神疾患を装えば精神鑑定はだませるのか?
【事前学習】心神喪失と心神耗弱の意味を調べておく (2時間)
【事後学習】授業内提示資料(オンライン)を読み返しながら授業を振り返り、2種類のプロファイリング技術と精神鑑定の基本的アプローチについて説明できるようにする (2時間)
10 リスク心理学 世の中がどんなに安全になっても事故は基本減らない(問題発見・解決力A-4-1)。
 20世紀以降、様々な技術や法律、医療が人類に安全をもたらしたが、不慮の事故死亡率は変化していない。
【事前学習】リスクホメオスタシスの意味を調べておく (2時間)
【事後学習】授業内提示資料(オンライン)を読み返しながら授業を振り返り、リスクレベルと人の行動の関係について説明できるようにする (2時間)
11 データと心理 アイスクリームの売り上げと犯罪発生件数は、データの上では相関する(論理的思考力A-3-1、問題発見・解決力A-4-1)。
 科学者も結構まちがう原因の推定、マスメディアも使う統計学的心理トリックを1時間ちょっとで理解する。
【事前学習】相関関係と因果関係の相違点について調べておく (2時間)
【事後学習】授業内提示資料(オンライン)を読み返しながら授業を振り返り、データ解釈を誤る代表的なパターンについて説明できるようにする (2時間)
12 騙される心理 占い師は占いが外れても気にしない。(論理的思考力A-3-1、問題発見・解決力A-4-1)。
 当たってないのに、当てられたと思ってしまう心理。コールド・リーディングとは何か?
【事前学習】バーナム効果について意味を調べておく (2時間)
【事後学習】授業内提示資料(オンライン)を読み返しながら授業を振り返り、Cリーディングの代表的手法を説明できるようにする (2時間)
13 詭弁と心理 議論は戦争のメタファー? コロッと論破されたと思ってしまう心理(論理的思考力A-3-1、問題発見・解決力A-4-1)。
 議論に負けないための詭弁と、その詭弁に勝つためのディベート・テクニックを1時間ちょっとで理解する。
【事前学習】一部の社会心理学者達が批判的思考力を高めるために誤謬論に注目した理由を考えておく (2時間)
【事後学習】授業内提示資料(オンライン)を読み返しながら授業を振り返り、詭弁の各論法の定義と実例を説明できるようにする (2時間)
14 ブックレビュー課題(問題発見・解決力A-4-1、省察力A-8-1)。
 面白いかどうか? という観点からポピュラーサイエンス系の本を探して掲示板でプレゼンテーションする。
【事前学習】いくつかの書籍を通読し、そこから興味深い事実、理論、データをひとつピックアップしておく (2時間)
【事後学習】掲示板に投稿された他の学生のブックレビューを読み、興味深い書籍データをチェックする (2時間)
15 最終テスト(持ち込み不可)、総括、および全学生の評価ポイントの確認
【事前学習】アップロードされたこれまでの授業内提示資料に目を通しておく (2時間)
【事後学習】参考文献に記された書籍をAmazonでチェックしてレビューに目を通したり、関連する書籍をチェックする (2時間)
その他
教科書 使用しない
参考書 ◆マルコム・グラッドウェル 『第1感 「最初の2秒」の「なんとなく」が正しい』 光文社 2006年
◆ゲアリー・マーカス 『脳はあり合わせの材料から生まれた それでもヒトの「アタマ」がうまく機能するわけ 』 早川書房 2009年
◆リチャード・ドーキンス 『利己的な遺伝子 』 紀伊國屋書店 2006年
◆西田公昭 『マインド・コントロールとは何か』 紀伊國屋書店 1995年
◆トール・ノーレットランダーシュ 『ユーザーイリュージョン 意識という幻想』 紀伊國屋書店 2002年
◆ユヴァル・ノア・ハラリ 『サピエンス全史 文明の構造と人類の幸福』 河出書房新社 2016年
◆デイヴィッド・イーグルマン 『意識は傍観者である 脳の知られざる営み』 早川書房 2012年
◆デイヴィッド・J・リンデン 『脳はいいかげんにできている その場しのぎの進化が生んだ人間らしさ』 河出書房新社 2017年
◆エレーヌ・フォックス 『脳科学は人格を変えられるか? 』 文藝春秋 2014年
◆トッド・E・ファインバーグ、ジョン・M・マラット 『意識の進化的起源 カンブリア爆発で心は生まれた』 勁草書房 2017年
◆ジョセフ・シュガーマン 『シュガーマンのマーケティング30の法則 お客がモノを買ってしまう心理的トリガー (引き金) とは』 フォレスト出版 2006年
◆ダン・アリエリー 『予想どおりに不合理 行動経済学が明かす「あなたがそれを選ぶわけ」』 早川書房 2013年
◆シーナ・アイエンガー 『選択の科学 コロンビア大学ビジネススクール特別講義』 文藝春秋 2014年
◆ケヴィン・ダットン 『サイコパス 秘められた能力』 NHK出版 2013年
◆ジェームス・ファロン 『サイコパス・インサイド ある神経科学者の脳の謎への旅』 金剛出版 2015年
◆デーヴ・グロスマン 『戦争における「人殺し」の心理学』 筑摩書房 2004年
以上、全て文理学部または他学部に所蔵(他学部所蔵書は文理学部図書館で受付すれば借りられる)
成績評価の方法及び基準 試験(10%)、授業内テスト:授業内小テスト(Blackboard)(40%)、授業参画度:授業参画度(発言、質問)(50%)
最終試験は持ち込み不可。
授業中の不適切な態度(私語、途中退室、最前列の居眠りなど)で注意を受けた場合、最終的な成績が1段階下がる。
5回以上の欠席で単位を失うが、公欠届け、診療明細コピー、冠婚葬祭案内コピーその他の事前事後提出があれば出席とみなす。
オフィスアワー 授業後、教室または講師室で20分程度。またはメールにて。

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