文理学部シラバスTOP > 大学院博士前期課程 > 心理学専攻 > 心理学研究法特論
日本大学ロゴ

心理学研究法特論

このページを印刷する

科目名
平成30年度入学者
心理学研究法特論
科目名
平成29年度以前入学者
心理学研究法特論
教員名 望月正哉
単位数    2 課程 前期課程 開講区分 文理学部
学期 前期 履修区分 選択必修
授業概要 【臨床心理士選択必修科目A群】
再現可能性問題に端を発する「心理学の危機」から,心理学を科学的研究の俎上に乗せるために必要なポイントを再確認し,自身の研究計画への適用および実践を目指す。
授業のねらい・到達目標 近年,再現可能性問題から始まった研究手法改革の議論は,一部の研究領域だけに当てはまる問題ではなく,心理学全般に当てはまるものである。加えて研究手法の多様化に伴い,その包括的な理解が難しくもなってきている。本授業では,再現可能性問題やその周辺では何が問題とされているのか,そして多様化した研究手法にはどういった利点や未解決点があるのかを知ることができるようにする。そのうえで,自身の研究計画を見直し,より妥当な手法を選択できるようになる。
授業の方法 前半では「心理学の危機」で問題とされる内容,そして統計法を中心に多様化する研究法の諸相に関する講義や文献の輪読を行う。そのうえで,後半では自身の研究計画を発表したうえで,議論を通じてその改善を図る。なお,本授業の事前・事後学習は,それぞれ2時間程度を目安とするが,テーマや授業中の作業により,それよりも多い時間が必要となることがある。
履修条件 授業で取り上げるトピックは心理学の基本的な研究手法とその実践を理解していることを前提にしている。出身学部が心理学専攻以外の学生や特に実験的研究法による研究の経験がない学生は,該当する学部授業の受講や入門的な教科書を読むことで補習することを強く推奨する。
授業計画
1 授業テーマや到達目標及び授業方法の説明
【事前学習】 自身の研究計画を準備する
【事後学習】 提示された資料を参照し,自身の研究計画で不足している部分を確認する
2 「心理学の危機」を知る
【事前学習】 提示されたキーワードについて,関連文献を読む
【事後学習】 提示された資料を参照し,自身の研究計画との関連を理解する
3 疑わしい研究実践(お蔵入り問題,HARKing,p-hacking)
【事前学習】 提示されたキーワードについて,関連文献を読む
【事後学習】 提示された資料を参照し,自身の研究計画との関連を理解する
4 サンプルサイズの問題(効果量・検定力)
【事前学習】 提示されたキーワードについて,関連文献を読む
【事後学習】 提示された資料を参照し,自身の研究計画に反映する
5 統計手法の多様化1(検定の問題,混合モデルの導入)
【事前学習】 提示されたキーワードについて,関連文献を読む
【事後学習】 提示された資料を参照し,利用可能であれば自身の研究計画に反映する
6 統計手法の多様化2(ベイズ的手法)
【事前学習】 提示されたキーワードについて,関連文献を読む
【事後学習】 提示された資料を参照し,利用可能であれば自身の研究計画に反映する
7 論文で報告すべき内容(JARS)
【事前学習】 提示されたキーワードについて,関連文献を読む
【事後学習】 提示された資料を参照し,自身の研究計画に反映する
8 研究計画の発表と討議:文献研究の精査
【事前学習】 発表予定者の計画を読み,コメントを考えておくこと
【事後学習】 発表者は受講者のコメントをもとに研究計画を修正する
9 研究計画の発表と討議:仮説の妥当性
【事前学習】 発表予定者の計画を読み,コメントを考えておくこと
【事後学習】 発表者は受講者のコメントをもとに研究計画を修正する
10 研究計画の発表と討議:サンプルサイズ設計
【事前学習】 発表予定者の計画を読み,コメントを考えておくこと
【事後学習】 発表者は受講者のコメントをもとに研究計画を修正する
11 研究計画の発表と討議:使用素材の妥当性
【事前学習】 発表予定者の計画を読み,コメントを考えておくこと
【事後学習】 発表者は受講者のコメントをもとに研究計画を修正する
12 研究計画の発表と討議:分析手法の妥当性
【事前学習】 発表予定者の計画を読み,コメントを考えておくこと
【事後学習】 発表者は受講者のコメントをもとに研究計画を修正する
13 研究計画の発表と討議:確認的分析と説明的分析
【事前学習】 発表予定者の計画を読み,コメントを考えておくこと
【事後学習】 発表者は受講者のコメントをもとに研究計画を修正する
14 研究計画の発表と討議:分析結果と研究仮説との対応生
【事前学習】 発表予定者の計画を読み,コメントを考えておくこと
【事後学習】 発表者は受講者のコメントをもとに研究計画を修正する
15 討議のまとめと計画の改善
【事前学習】 修正した計画を発表資料として準備する
【事後学習】 発表者は受講者のコメントをもとに研究計画をレポートとして提出する
その他
教科書 授業初回に関連文献リストを提示する予定である。各回のテーマに基づいて一読しておくこと。
参考書 使用しない
成績評価の方法及び基準 レポート(60%)、授業参画度(40%)
レポートは自身の研究計画(初回提出,改善した2回目提出)を評価する。授業参画度は2回目以降に行う授業中の討議への関与度に基づいて評価する。
オフィスアワー 金曜5限 本館4階心理学科研究室403(04500)。それ以外では初回授業で連絡先を伝える。

このページのトップ