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科目名 | ナノサイエンス特論 | ||||
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教員名 | 川上隆輝 | ||||
単位数 | 2 | 課程 | 前期課程 | 開講区分 | 文理学部 |
学期 | 前期 | 履修区分 | 選択必修 |
授業概要 | 固体物理,特に磁気的な性質をテーマに物質を考え,メモリー技術などに応用されているナノサイエンスとはどのようなものか理解できるようにする。 |
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授業のねらい・到達目標 | ミクロな世界の物理的な性質を理解する。 主に実験を行っている学生を対象としているため,複雑な計算は扱わず,ナノサイエンスを理解するために必要なミクロの世界を直感的に考えられるようにする。 |
授業の方法 | 板書で行い,理解度を確認するため小テストを行う。 |
履修条件 | 量子力学または量子化学的な考え方を身につけていることが,本授業を効率よく学習するうえで望ましい。量子力学や量子化学を本格的に学んでいない学生でも,授業が理解できるように,必要に応じて,量子力学的な考え方を最小限の数式でイメージできるように工夫して授業を展開する。 |
授業計画 | |
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1 |
ナノサイエンスとは(授業のテーマや到達目標および授業の進め方について説明する。残りの時間で,授業で展開する内容の一部を紹介し,興味を持って受講できるか判断してもらう) [事前学習]量子力学および量子化学の復習をする。 [事後学習]ナノサイエンスに関する興味ある物理及び化学に関する現象を調べる。 |
2 |
エネルギー量子の発見と量子力学の誕生(ナノサイエンスの理解に不可欠な知識のおさらい) [事前学習]量子力学の誕生に貢献したプランクの発見を調べる。 [事後学習]古典論と量子論の違いを理解し,応用できるようにする。 |
3 |
原子の構造と量子論(電子の軌道について学ぶ) [事前学習]原子のエネルギー準位が連続ではなく,とびとびの値しかとれない理由を調べる。 [事後学習]ハイゼンベルクの不確定性について理解し,説明できるようにする。 |
4 |
磁性の種類(マクロな分類とミクロな分類について学ぶ) [事前学習]室温で強磁性を示す元素を3つ調べる。 [事後学習]磁性体の分類を理解し,覚える。 |
5 |
強磁性体(磁石として活躍する強磁性体について学ぶ) [事前学習]鉄くぎが磁気を帯びるのはどうしてか調べる。 [事後学習]強磁性体の性質,測定方法について理解し,説明できるようにする。 |
6 |
電子配置(磁性を担う電子のスピンについて学ぶ) [事前学習]ボーア磁子について調べる。 [事後学習]電子の軌道,特に,2p軌道と3d軌道については,今後,授業で扱うため,理解を深め扱えるようにする。 |
7 |
配位子場(磁性イオンが非磁性イオンに囲まれたときの性質について学ぶ) [事前学習]鉄の2価(Fe2+)は3d電子がいくつあるか調べる。 [事後学習]弱い結晶場と強い結晶場の違いについて理解し,説明できるようにする。 |
8 |
水素原子(シュレディンガー方程式を用いて水素原子を学ぶ) [事前学習]1次元自由粒子のシュレディンガー方程式がどのようものか調べる。 [事後学習]電子の軌道について,どのように導かれるか理解し,説明できるようにする。 |
9 |
分子軌道(交換エネルギーについて学ぶ) [事前学習]原子軌道が混じるとどのようなことが起こるか調べる。 [事後学習]クーロン積分と交換積分の違いを理解し,説明できるようにする。 |
10 |
交換相互作用(強磁性の発現原因について学ぶ) [事前学習]スピン配列が平行になるか反平行になるか何によって決まるか調べる。 [事後学習]強磁性の発現原因になる分子磁場の本質を理解し,説明できるようにする。 |
11 |
超交換相互作用と二重交換相互作用(磁性イオンの間に非磁性イオンが入る場合の磁気秩序の仕方について学ぶ) [事前学習]反強磁性になる酸化物と強磁性になる酸化物を調べる。 [事後学習]超交換相互作用と二重交換相互作用を理解し,説明できるようにする。 |
12 |
磁性のバンド理論(金属の磁性について学ぶ) [事前学習]典型的な金属で強磁性を示す元素を調べる。 [事後学習]絶縁体の磁性体と金属の磁性体の磁気秩序の仕方の違いを理解し,説明できるようにする。 |
13 |
人工格子とナノサイエンス(薄膜製造装置の原理や扱い方を学ぶ) [事前学習]人口格子とはどのようなものか,調べる。 [事後学習]ナノサイエンスを支えている技術について整理する。 |
14 |
巨大磁気抵抗効果とトンネル磁気抵抗効果(TMR)(ナノサイエンスを駆使して作られる磁気デバイスについて学ぶ) [事前学習]磁気抵抗とは何か調べる。 [事後学習]人工格子によって作成された物理的特性とその応用について理解し,説明できるようにする。 |
15 |
次世代メモリー技術(世界最先端のメモリー技術について学ぶ) [事前学習]現在使われている最先端のメモリーがどのようなものか,調べる。 [事後学習]今あるメモリーをしのぐ技術を開発するためにはどのような工夫が必要か,考察する。 |
その他 | |
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教科書 | 使用しない |
参考書 | 太田恵造 『磁気工学の基礎I -磁気の物理-』 共立全書 1973年 |
成績評価の方法及び基準 | 授業内テスト(50%)、授業参画度(50%) |
オフィスアワー | 講義終了後 |