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科目名 | 美学史特殊講義2 | ||||
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教員名 | 高橋陽一郎 | ||||
単位数 | 2 | 課程 | 前期課程 | 開講区分 | 文理学部 |
科目群 | 哲学専攻 | ||||
学期 | 後期 | 履修区分 | 選択必修 |
授業概要 | 藝術のもつ倫理的・宗教的役割について、近代美学の代表者の一人ショーペンハウアーの『意志と表象としての世界』の読解を通して考察する。 |
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授業のねらい・到達目標 | 20世紀以前においては、藝術が倫理や宗教と不可分の営みであり、さらに哲学が藝術や宗教と不可分の関係にあるとする理解のあったことが、本授業を通じて学ばれる。またそのことを通じて、20世紀以降の極度に専門化した哲学や藝術の在り方を相対化する知識を修得できる。 |
授業の方法 | 上掲の著作を、基本的には日本語訳で読み進めながら授業を進める。 (1)プレゼンテーションの方法:テキストの音読、板書による説明 (2)授業形式:演習形式と講義形式 本授業の事前・事後学習は,各2時間の学習を目安とします。 |
授業計画 | |
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1 |
ガイダンス:授業のテーマ、到達目標、授業の方法の解説。前学期の授業内容の復習 【事前学習】シラバスの内容を確認すること。 【事後学習】授業で配布されたプリントを再読する。 |
2 |
藝術の倫理的・宗教的役割(1):『意志と表象としての世界』第50節の講読(1):絵画における寓意 【事前学習】寓意についての一般的理解を調べてくる。 【事後学習】プリントに基づいてドレスデン画廊の絵画とロマン派との関係を調べる。 |
3 |
藝術の倫理的・宗教的役割(2):『意志と表象としての世界』第50節の講読(2):象徴・エンブレム 【事前学習】ショーペンハウアーが当該箇所で扱っている絵画作品の図像学的解釈を調べる。 【事後学習】藝術における「象徴」の意味を各自調べる。 |
4 |
藝術の倫理的・宗教的役割(3):『意志と表象としての世界』第50節の講読(3):文学における寓意 【事前学習】テキストの第50節、文学における寓意が扱われている箇所をあらかじめ読んでおく。 【事後学習】授業で扱われた作品以外の詩から象徴的表現を見つけておく。 |
5 |
藝術の倫理的・宗教的役割(4):『意志と表象としての世界』第51節の講読(1):詩とイデア 【事前学習】ヨーロッパの詩と日本の詩の違いについて自分の考えをまとめておく。 【事後学習】担当者の著書『藝術としての哲学』の終章(当日コピーで配布)をもとに、詩についての考えをまとめる。 |
6 |
藝術の倫理的・宗教的役割(5):『意志と表象としての世界』第51節の講読(2):詩の構造 【事前学習】テキストの予定箇所をあらかじめ読んでおく。 【事後学習】詩と音楽との関係について、授業で得た知見をまとめておく。 |
7 |
藝術の倫理的・宗教的役割(6):『意志と表象としての世界』第51節の講読(3):人間性のイデア 【事前学習】詩の特性について意識しながら、テキストの予定箇所を読んでおく。 【事後学習】人間性のイデアについてまとめておく。 |
8 |
藝術の倫理的・宗教的役割(7):『意志と表象としての世界』第51節の講読(4):詩における種々のジャンル 【事前学習】詩の種々のジャンルについて調べておく。 【事後学習】ヨーロッパにおける詩藝術の位置について、他の美学者の見解も参考にしながらまとめておく。 |
9 |
藝術の倫理的・宗教的役割(8):『意志と表象としての世界』第51節の講読(5):抒情詩 【事前学習】抒情詩の特性について意識しながら、テキストの予定箇所をあらかじめ読んでおく。 【事後学習】授業で参照したニーチェ(『悲劇の誕生』)の批判箇所の主旨をまとめておく。 |
10 |
藝術の倫理的・宗教的役割(9):『意志と表象としての世界』第51の講読(6):悲劇の本質 【事前学習】テキストの予定箇所をあらかじめ読んでおく。 【事後学習】悲劇が卓越しているとされる所以を、600字程度でまとめておく。 |
11 |
藝術の倫理的・宗教的役割(10):『意志と表象としての世界』第51節の講読(7):悲劇の名作 【事前学習】自分の好む悲劇の名作のあらすじを書いてくる。 【事後学習】悲劇における(あらすじではない)イデア再現のための重要な要素について考える。 |
12 |
ショーペンハウアーの音楽哲学(1):『意志と表象としての世界』第52節の講読(1):近代の音楽美学史概観 【事前学習】テキスト第52節をあらかじめ読んでおく。 【事後学習】授業で配布されたプリントで、近代の音楽美学とそれ以前の音楽美学の違いについてまとめる。 |
13 |
ショーペンハウアーの音楽哲学(2):『意志と表象としての世界』第52節の講読(2):音楽の特権性 【事前学習】音楽はどのような意味で特権的なのか考えてくる。 【事後学習】カントの音楽美学と対比しながら、ショーペンハウアーの音楽観の特性についてメモを作ってくる。 |
14 |
ショーペンハウアーの音楽哲学(3):『意志と表象としての世界』第52節の講読(3):音楽がなぜ苦悩を癒すのか 【事前学習】苦悩の根源である意志の経験(=音楽聴取)がなぜ苦悩の救済になるのか、自分なりに考えてくる。 【事後学習】ニーチェによるショーペンハウアー音楽哲学への批判の要点を書いてくる。 |
15 |
まとめ:『意志と表象としての世界』正編第三巻の意味 【事前学習】後学期に講読した箇所を再読しておく。 【事後学習】最終回の授業をふまえ「イデアと意志と苦悩の救済」というテーマの2000字程度のレポート作成を試みる。 |
その他 | |
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教科書 | ショーペンハウアー(西尾幹二訳) 『意志と表象としての世界Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ (中公クラシックス)』 中央公論社 |
参考書 | 使用しない |
成績評価の方法及び基準 | レポート(30%)、授業参画度(50%)、テキストの講読担当や問題点等についての発言(20%) |
オフィスアワー | 授業終了時 |